鹿島アントラーズ原理主義

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スルガ銀行チャンピオンシップレビュー

2012年08月02日 | Weblog
【スルガ銀行チャンピオンシップ 2012 IBARAKI】レポート:強豪ウニベルシダ・デ・チリをPK戦の末に撃破!鹿島がスルガ銀行チャンピオンシップを制し22個目のタイトル獲得に成功する。(12.08.02)
8月1日(水) スルガ銀行チャンピオンシップ 2012 IBARAKI
鹿島 2-2(PK7-6)ウニベルシダ・デ・チリ
(19:01/カシマ/20,021人)
得点者:18' 岩政 大樹(鹿島)、27' レナト(鹿島)、40' オウンゴール(ウニベルシダ・デ・チリ)、73' チャルレス・アランギス(ウニベルシダ・デ・チリ)


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7人目のキッカーだった西大伍のシュートが決まると鹿島のベンチから選手やスタッフが飛び出し、ベンチ前には大きな歓喜の輪ができた。90分が終わった直後にはその場に座り込んでしまう選手もいたほど、連戦の疲労は鹿島の選手の足を重くしていた。しかし、それでも勝利したことが喜びを倍加させる。表彰式では、キャプテンの小笠原満男と共にカップを掲げるジョルジーニョ監督の表情に満面の笑みが広がっていた。現役時代には数々の栄光を手にしてきたが、指揮官としては初めてのタイトル獲得。平日夜の開催にも関わらず2万人を越えるサポーターが後押ししてくれたことに対し、「苦しい時に声を出してくれたおかげで、こういう国際タイトルを手に出来たのだと思います」と、感謝の言葉を忘れなかった。鹿島がPK戦の末、コパ・スダメリカーナ王者のウニベルシダ・デ・チリを振り切り、クラブとしては22個目のタイトルを獲得した。

試合はじつに苦しい展開だった。ウニベルシダ・デ・チリは主力選手の移籍や代表招集があったにも関わらず、南米王者を決めるコパ・リベルタドーレス杯で4強までたどり着いた実力を発揮。季節が冬のチリから来たことで厳しい夏の暑さに足が止まると思われたが、最後まで運動量は落ちず、パスをまわしてきた。
ただし、前半は「スカウティングどおり」と岩政大樹がふり返ったとおり、鹿島の方が相手の弱点をうまく突くことに成功する。18分には小笠原のFKを岩政が頭で合わせて先制し、27分にはこの日初先発したレナトが速攻から強烈なミドルシュートを突き刺し、2点のリードを奪った。
しかし、得点は鹿島に生まれたもののウニベルシダ・デ・チリも[3-4-3]の独特の布陣で前からプレッシャーをかけ続け、高い位置でボールを奪うとシュートに繋げていた。特に左サイドからの攻撃は3バックの左に入る3番のエウゲニオ・メナの攻撃参加がすばらしく、西が「自分のサイドで1対2の場面が多くて苦労した」と言うように、うまく数的優位をつくられることが多かった。そのメナのクロスからオウンゴールの場面をつくられてしまったのは、ある意味当然だったと言えるだろう。ただ、前半はまだ余力を残したなかでの2-1だった。

しかし、後半に入ると、ウニベルシダ・デ・チリの選手たちがさらに前がかりになる。ジョルジーニョ監督もレナトに変えて遠藤康をピッチに送るなど、運動量をキープしようと努めるが、一度相手に渡った流れをなかなか奪い返すことができない。ハーフウェイライン近くという驚くほど高い相手のディフェンスラインに対しても、裏のスペースへ良いパスが出れば決定的なチャンスをつくれたはずだが、プレッシャーの激しさから良いパスは出ず、出てもオフサイドトラップの餌食になるばかり。連戦による疲労の色は顕著だった。
だが、それでもなんとか守りきるしぶとさが、いまの鹿島には戻ってきた。相手のサイドがドリブルでディフェンスを抜き去るアタッカーではなく、クロスを狙う選手だったことも鹿島にとってはラッキーだったかもしれない。中央で構える岩政や中田浩二のポジショニングは的確で、ゴールを守る曽ヶ端準も鉄壁。73分に興梠慎三がPKを与えて同点に追い付かれてしまったものの、つくられたチャンスの割に守備が崩壊するような場面はほとんど無かった。

90分の試合が終わりPK戦に入っても熱戦は続いた。キッカーが7人目まで誰も外さない大接戦。しかし、先行だったウニベルシダ・デ・チリのフランシスコ・カストロのシュートを曽ヶ端が弾き出したのに対し、西はきっちり決める。号泣しながらピッチを去ったカストロ。敵将のホルヘ・サンパオリ監督は「カストロがPKを外したから負けたとは思っていません」と選手をかばい、「もちろん試合に負けたことは悔しいのですが、90分で決められなかったことが一番納得いかないことです」と悔しがった。

最後まで運動量は落ちず、コパ・リベルタドーレスで4強に入った実力を示したウニベルシダ・デ・チリは強豪チームに相応しいサッカーを見せた。その相手に勝てたことは、鹿島の選手たちをさらに成長させることに繋がるだろう。


以上
2012.08.02 Reported by 田中滋


改めて苦しい戦いであったと振り返る田中氏のレポートである。
ウニベルシダ・デ・チリは強かった。
それは現地でひしひし感じられた。
そこをセットプレイとカウンターから得点できたことは誇りに思う。
そして、苦しいながらも、完全に崩される場面は少なく、守備は安定してきたことも光明である。
ウニベルシダ・デ・チリも強いが、鹿島も強い。
結果的に優勝できたことも含めて、ウニベルシダ・デ・チリと対戦できたことは、鹿島にとって大きな転機となったのではなかろうか。
ジョルジーニョ監督の初タイトルと共にチームの熟成を感じる。
素晴らしい大会をありがとう。

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2 コメント

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Unknown ()
2012-08-02 19:41:57
この経験を次にどう繋げ活かして行くかが大事になりますね
今後も日程は厳しいですし、夏場の乗り切り方も含めて賢く戦って勝利を積み重ね続けて欲しいです
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Unknown (Unknown)
2012-08-03 01:29:50
遠藤が変わったのはドゥトラですね。
番記者なんだから正確にお願いします。
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