鹿島アントラーズ原理主義

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山形戦レビュー

2010年12月06日 | Weblog
【J1:第34節 山形 vs 鹿島】レポート:山形、内容的に成長を示すも追いつかれドロー。4位に後退の鹿島は天皇杯にACL出場の望みを託す。(10.12.05)
12月4日(土) 2010 J1リーグ戦 第34節
山形 1 - 1 鹿島 (15:34/NDスタ/13,647人)
得点者:16' 西河翔吾(山形)、53' 小笠原満男(鹿島)

「『ほんと強いな』というイメージが去年もあった」と鹿島について話す山形・小林亮だが、「今日に関しては、単純に動けてないなという感じがしました」と運動量の少なさを指摘する。その感触は、当の鹿島の選手たちも自覚している。「いつもの鹿島はこういうサッカーじゃないっていうのは、みんなが観ててわかると思う」。野沢拓也の言葉には、わかっていても思いどおりにならない忸怩たる思いが滲む。2位のままシーズンを終える目標を立てこの一戦に臨んだ鹿島は、引き分けて4位に転落。ACL出場には天皇杯で自ら頂点に経つか、名古屋とG大阪のどちらかの戴冠を待つしかなくなった。ただし、準々決勝はその名古屋との対戦が決まっている。

空気は冷たかったが、最終節のNDスタには珍しく穏やかな西日が差し込むなかでキックオフ。山形の先制は16分。左コーナーキックをファーサイドで収めた秋葉勝が相手のアプローチがないのを見越してインステップで枠を狙う。低くやや緩い弾道にGK曽ヶ端準は反応していたが、2人の間にフリーで立っていた西河翔吾が「コースを変えてやろうと思って、それがうまくいった」と右足で合わせたボールがゴールネットを揺らした。鹿島は高い位置からプレスをかけ、マルキーニョスへのくさびでリズムが生まれていた時間帯の失点だった。

ACLへ向け不利な状況となった鹿島はボール保持率を上げ、相手陣内に入るが、山形はややリトリートしてスペースを消し、縦パスが入っても前を向かせる前に起点を潰す。サイドのスペースまで運んだボールも、山形の連動した守備にクロスを封じられた。この守備でリズムをつかんだ山形が徐々に反撃。センターフォワードの田代有三に長いボールを入れ、その裏を狙うシンプルな攻撃が効き、鹿島の反撃の出足をくじいていた。山形は、32分にマルキーニョスのミドルシュートをGK清水健太が枠の外へ弾いたり、セットプレーの守備でしっかり跳ね返すことで、嫌な流れをしっかりとこらえていた。さらに切り換えの早さでも鹿島にひけをとらなかった。40分、山形のクリアボールを、宮崎智彦が目測を誤り後ろへそらしたボールに田代が飛びついた。相手を引きつけてからパスし、秋葉が放ったシュートは枠を外れたが、1-0のまま前半を終えた山形は上々の出来だった。

しかし、後半に入り7分。鹿島のコーナーキックをGK清水がパンチングしたところで笛が吹かれる。松尾一主審は下村東美にイエローカードを提示し、これで得たペナルティキックを小笠原満男が決めて鹿島が同点に追く。

この頃、G大阪もC大阪も2点のリードを保ち試合を優位に進めていた。もう1点欲しい鹿島。しかし、ここからは押し上げが見られず、攻撃は2トップと両サイドハーフの4人に、時折サイドバックが上がれば5人に任されていた。自然、ボールを失えば中盤にスペースを提供することになる。72分にはバイタルで起点をつくった田代から右サイドの北村知隆が突破を図り、その1分後には石川竜也から縦のパスで左サイドのスペースを突いた宮沢克行がグラウンダーのクロス。外からゴール前に下村も入っていたが、選択したのは2列目から入ってきた田代。しかし、これはパスがわずかに合わず打ち切れなかった。

ここでオズワルド オリヴェイラ監督は宮崎に代えて大迫勇也を投入。フェリペ ガブリエルをサイドバックに下げると、間髪を入れずに小笠原を青木剛にスイッチした。すると山形も青木と同じタイミングで伊東俊を、コーナーキックからの岩政のヘディングをGK清水がファインセーブした直後の83分には、今季限りでのチームを離れるキム ビョンスクを投入。両サイドにアタッカータイプの選手を置くことで、鹿島のサイドバックが上がったスペースを突く戦略だった。狙いどおり、終盤にかけてこの2人が中心となって何度もカウンターで攻め込んだが、小林伸二監督は「行くんですけど、信じて(ゴール前に)入るんですけど、全然いいところに入らないのでカウンターを何回か食らってるんですよね。少しそれは直さなくちゃいけないところ」とフィニッシュの精度と、打ち合いの状況をつくった試合運びの問題を指摘。課題はこのあとの天皇杯と来シーズンに持ち越されたが、鹿島から勝点1を奪い、「前へ!」を実現してきたリーグ戦を13位で終えた。

オリヴェイラ監督は「今回も違う意味での結果を求められることになりましたけど、今回に関しては残念ながら、求められた、あるいは期待された結果にはならなかったというのは残念に思っています」とこの結果を冷静に受け止めていた。天皇杯は、ACLへのラストチャンス。「3週間で変わることはできないので、今の現状で結果を出せるように、それを考えてやりたい」と岩政が語った。追い込まれたなかで「強い鹿島」が蘇るのか? 日本中が注目することになる。


以上
2010.12.05 Reported by 佐藤円


天皇杯での鹿島を日本中が注目すると締める佐藤氏である。
確かにらしくない星を落として、リーグ戦日程を終えた鹿島の順位は不本意なものであった。
その最終節であるこの試合は一年の象徴的試合と言えるであろう。
ここから、どう立て直すのかに注目が集まるのは至極当然である。
リーグ王者に立ち向かうチャレンジャーとして強い気持ちで挑みたい。

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