J'sレポート、ゼロックス・スーパー杯

【FUJI XEROX SUPER CUP 鹿島 vs Ｇ大阪】鹿島レポート：3対0でG大阪を粉砕。鹿島が無類の強さを発揮し99年以来4度目の栄冠を勝ち取る。（09.02.28）
2月28日（土） 2009 FUJI XEROX SUPER CUP
鹿島 3 - 0 Ｇ大阪　（13:35／国立／36,880人）
得点者：6' 興梠慎三（鹿島）、14' マルキーニョス（鹿島）、39' 野沢拓也（鹿島）
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前年のアジアチャンピオンであるG大阪を3対0と圧倒。鹿島アントラーズが3連敗中だったFUJI XEROX SUPER CUPを制し、今季最初のタイトルを手にした。

強い。それが、この日の鹿島を表すのに最適な言葉だろう。
スコアは予想外に3対0という大差がついた。ただ、それは鹿島が圧倒的な攻撃力を示した結果ではない。むしろ、きれいにパスをまわして攻撃を組み立てる場面はＧ大阪の方が多かった。しかし、チームとしての結束力や、局面での集中力は圧倒的に鹿島が上回った。
序盤は、G大阪のペース。鹿島はプレシーズンマッチを1試合しかこなしておらず、ほとんどの選手が90分間の試合出場を経験していなかった。まだ試合勘は戻っておらず、キックオフ直後からミスが目に付いた。ただ、全員が浮き足立っていたわけではなかった。本山雅志や青木剛といったボランチの選手が試合を落ち着かせる。守備では危ない場面に飛び込み、ボールを奪うと相手の急造3バックのサイドのスペースをついた。

5分過ぎ、左サイドのスペースにパスが出た。そこに走り込んだのは興梠慎三。一瞬のスピードで相手DFを抜き去りCKを獲得する。すると、そのCKから先制点が生まれた。6分、左CKから野沢拓也があげたセンタリングを岩政大樹が競り合う。ボールがこぼれた先にいたのが興梠。左足をボレーで振り抜きゴールに突き刺した。このゴールでG大阪のペースだった試合は、鹿島が主導権を握るようになった。

2点目も、3点目もいずれも興梠が起点となる。
2点目は14分。左サイドの深い位置でボールを受け、キープすると、フォローに入った新井場徹に戻す。新井場のセンタリングを中央にいたマルキーニョスがヘディングで競り勝ち、こぼれ玉をゴールに叩き込んだ。練習試合や紅白戦でも得点がなかったエースの待望のゴールでさらに勢いが増した。

3点目は39分。右サイドで、ダニーロからのパスを受けた興梠がクイックネスを生かしDFより一歩前に出る。中央へ低いセンタリングを送ると、野沢が走り込みゴールへ流し込んだ。この日、G大阪DFに興梠を止められる選手はいなかった。

後半になると、4バックに布陣をかえてきたG大阪に押し込まれ、多くの時間でボールを支配されることになった。だが、チーム全員の集中力は切れなかった。危うい場面を作られても、体をはってシュートコースをふさいだり、オフサイドトラップをしかけたり、最終ラインを中心にチームの意思統一は見事だった。

また相手のセットプレー後、曽ヶ端準のキックをいかして一気に押し上げる攻撃は、これまでも取り組んでいたものだが、全員が同じ狙いを持ち誰も手を抜かずに完遂した試合は、それほどない。全員がチームの勝利のために結束し、同じ方向を向けている。こうした鹿島のチーム状態を見た他チームは、脅威を感じたことだろう。
鹿島アントラーズは、来週の浦和レッズとの開幕戦に向け最高のスタートを切った。
以上
2009.02.28 Reported by 田中滋

なんの捻りもない戦評である。
それほど見事に勝利を勝ち得たと言えよう。
昨日の報道も含め、興梠の活躍ばかりが目立ってしまったと言わざるを得ない。
とはいえ、完封した守備陣を褒めたい。
DFラインにGKの曽ケ端とボランチの青木を含めたユニットはＪ最強と言っても過言ではない。
今季は危なげない試合が続くのでは無かろうか。
このチーム状態を継続し、Ｊリーグの開幕を、そしてACLの開幕に向かいたいところである。