[蹴球書評]奇跡の逆転優勝を成し遂げた鹿島の歓喜の1枚

2007年12月1日。怒涛の8連勝で浦和に肉薄し、逆転優勝を視界に捉えた鹿島は、清水を本拠地に迎えてリーグ最終節を戦っていた。写真は、2点目が決まった直後、歓喜の輪を作る鹿島の選手たち。その中央で人差し指を天に向けて喜びを表現しているのが、殊勲の得点者、本山雅志である。
1-0で迎えた後半3分、小笠原満男が放ったCK。清水ディフェンダーが頭で跳ね返したボールがペナルティエリアの外へと転がる。そこに待っていたのが本山だった。渾身の力で振り抜いた右足から放たれたシュートは、まるで清水の選手を避けるかのごとく変化してゴールネットに突き刺さる。勝利を決定付ける、値千金のゴール。1年間、鹿島を陰で支え続けた背番号10に、最後の最後でスポットライトが当たった瞬間だった。
開幕5試合勝ちなしという最悪の状態で始まった鹿島の2007年は、9連勝での逆転優勝で幕を閉じた。激動のシーズンにおいて、本山は人一倍、献身的に走り続けた。自身初のリーグ戦全試合先発出場を達成。若手選手のフォローをもこなしながら、大車輪の活躍を見せたのだった。結果が出ない苦しい時期も、優勝へ向けて1つも落とせないという重圧の掛かる終盤戦も――。
「長かったですね。自分の背番号に星の数がやっと追い付きました」10冠をもたらした10番は、試合後にそう言って笑った。顔が見えなくなるほどに囲まれているのは、チームのために走り続けた姿を皆が知っていた、その証左だろう。(文・内藤悠史)
奇跡の逆転優勝を紹介する「Jリーグ20周年記念フォトブック」である。
さすがにJリーグの歴史・20年間でも、これほど劇的な優勝は他に見当たらぬ。
それを成し遂げた鹿島は語り継がれるに値するクラブと言えよう。
その奇跡を成し遂げる原動力となったのは背番号10の本山であると内藤氏は語る。
まさに本山と共にあった2007年であった。
今となっては懐かしい気持ちもある。
しかしながら、本山の輝きに未だ曇りはない。
本山と共にもっともっとタイトルを積み重ねたい。
楽しみである。

2007年12月1日。怒涛の8連勝で浦和に肉薄し、逆転優勝を視界に捉えた鹿島は、清水を本拠地に迎えてリーグ最終節を戦っていた。写真は、2点目が決まった直後、歓喜の輪を作る鹿島の選手たち。その中央で人差し指を天に向けて喜びを表現しているのが、殊勲の得点者、本山雅志である。
1-0で迎えた後半3分、小笠原満男が放ったCK。清水ディフェンダーが頭で跳ね返したボールがペナルティエリアの外へと転がる。そこに待っていたのが本山だった。渾身の力で振り抜いた右足から放たれたシュートは、まるで清水の選手を避けるかのごとく変化してゴールネットに突き刺さる。勝利を決定付ける、値千金のゴール。1年間、鹿島を陰で支え続けた背番号10に、最後の最後でスポットライトが当たった瞬間だった。
開幕5試合勝ちなしという最悪の状態で始まった鹿島の2007年は、9連勝での逆転優勝で幕を閉じた。激動のシーズンにおいて、本山は人一倍、献身的に走り続けた。自身初のリーグ戦全試合先発出場を達成。若手選手のフォローをもこなしながら、大車輪の活躍を見せたのだった。結果が出ない苦しい時期も、優勝へ向けて1つも落とせないという重圧の掛かる終盤戦も――。
「長かったですね。自分の背番号に星の数がやっと追い付きました」10冠をもたらした10番は、試合後にそう言って笑った。顔が見えなくなるほどに囲まれているのは、チームのために走り続けた姿を皆が知っていた、その証左だろう。(文・内藤悠史)
奇跡の逆転優勝を紹介する「Jリーグ20周年記念フォトブック」である。
さすがにJリーグの歴史・20年間でも、これほど劇的な優勝は他に見当たらぬ。
それを成し遂げた鹿島は語り継がれるに値するクラブと言えよう。
その奇跡を成し遂げる原動力となったのは背番号10の本山であると内藤氏は語る。
まさに本山と共にあった2007年であった。
今となっては懐かしい気持ちもある。
しかしながら、本山の輝きに未だ曇りはない。
本山と共にもっともっとタイトルを積み重ねたい。
楽しみである。
今年も歓喜の瞬間を味わいたいですね。
確かに開幕5戦勝利なしでしたが、その間も着実にチームが成長しているのが感じられ、「今年は違う」と思ったものでした。
最後は奇跡の逆転優勝となりましたが、「奇跡」とは天から降ってくるものではなく、信じ続けて、努力を積み重ねた成果であることを鹿島サポは知りました。