【J1:第16節 鹿島 vs 磐田】レポート:久々に鹿島が快勝。柴崎岳は初先発を勝利で飾る!(11.06.19)
6月18日(土) 2011 J1リーグ戦 第16節
鹿島 2 - 0 磐田 (19:04/カシマ/11,830人)
得点者:6' 興梠慎三(鹿島)、64' 田代有三(鹿島)
ゴール裏から贈られる手拍子がどんどんリズムをあげていく。小笠原満男はそれをじっくり楽しむかのようにゆっくりボールをセットした。久々に見るホームチームの余裕を持った試合運びとゲームコントロールに、スタジアムは酔いしれていた。再開初戦に勝つことができなかった鹿島は、2戦目で今季本拠地初勝利をあげ、"再興"を印象づけた。
「紙の上での戦前予想をすれば、ジュビロさんのレイソル戦を見れば、かなり厳しい試合になることがわかっていました」
試合前、オリヴェイラ監督は厳しい試合になると予測していたという。しかし、水・土・水・土と続く連戦で、チームの屋台骨であるベテラン勢に疲労が溜まり始めることも懸念されていた。そこで、思い切って若手を起用することを決断。「本当は本田選手や青木選手がそこに入ることが予想されたのですが、怪我と体調不良ということで使えませんでした」ということで、柴崎岳に白羽の矢を立てたのである。これには柴崎本人も「初先発がこんなに早くくるとは思ってなかった」と驚きを隠さなかった。
しかし、いざ試合が始まってしまえば、どこに高卒ルーキーがいるのか見つけるのが難しいほど、チームの一員として機能。サイドにパスが出れば必ずフォローできるポジションに位置するため、ボールがどこかに滞ることがない。テンポ良く流れるパスに、柏レイソルを苦しめたジュビロ磐田のプレスも機能不全に陥った。
ただ、それ以上に鹿島にアドバンテージをもたらしたのが高さだった。試合序盤、右コーナーキックのチャンスを得ると、岩政大樹、田代有三が立て続けにヘディングシュートのチャンスを迎える。3回続いた決定機を興梠慎三がものにし、前半6分に鹿島が先制点をあげた。
流れのなかでも鹿島の高さを生かした戦い方が磐田を苦しめる。パスを無理に繋げることをせず、前戦の田代有三の頭をターゲットに狙うと、田代がこれにほとんど競り勝つ。たまらずボランチが下がって対応しようするが、跳ね返ったボールは柴崎や増田誓志の前に転がるばかり。磐田は良い形でボールを奪うことができず、自陣で反撃の機会をうかがう時間ばかりとなってしまった。
後半に入り磐田は金園英学が絶好機を迎えたが、これを曽ヶ端準に防がれ流れを呼び込めない。前節、柏戦で見せたような運動量や集中力は発揮できず、鹿島の中盤の足が止まり始めたところで、ようやくペースを掴み始めた。しかし、若手を起用したことで鹿島のベンチには小笠原満男、中田浩二というが選手たちが控えていた。試合巧者ぶりでは鹿島の方が上。危なげなくゲームを締めくくり、2-0で快勝した。
「試合に関しては非常に申し分なく、やるべきことを忠実に、そしてプラスαを出してくれたと思います」
試合後、オリヴェイラ監督は柴崎を手放しで賞賛した。チームメイトたちも「今日は岳の初スタメンだったのでなんとか勝点3をプレゼントしてあげたかった」(興梠)、「初スタメンは一生に一度しかないですからね。今日はそのためにがんばろうかなと思いました」(岩政)というように、自然と柴崎のためという意識でまとまっていた。
ホイッスルが吹かれてみないとどんな内容ができるかわからない試合を繰り返してきた鹿島だが、ここに来てようやく手がかりを掴みつつある。だが、まだわずかに1試合に過ぎない。
「ただ、こういうのを続けていかないと意味がない」
2点目を決めた田代有三の表情は喜びと戒めとが同居していた。
以上
2011.06.19 Reported by 田中
岳の初スタメンは、代表クラス二人の欠場によるタナボタと語るオリヴェイラ監督である。
しかしながら、それには幾分の隠された真実があろう。
それは、風格さえ感じる岳のプレイを目の当たりにすれば良く分かる。
どのタイミングで先発させ、レギュラーにさせるかのタイミングを計っておっただけと言えよう。
それだけのパフォーマンスを魅せてくれた。
また、周囲の先輩たちも、岳の初スタメンの試合をメモリアルにすべくプレイしてくれたことも特筆すべきことである。
岳はチームの中心選手となるべく入団したスター選手であると言わざるを得ない。
とはいえ、このパフォーマンスを続けることが、岳にとっても、チームにとっても重要なのである。
田代の警鐘を重く受け止め、次の試合に挑みたい。
良い試合の次の試合こそ重要なのである。
楽しみにしたい。
6月18日(土) 2011 J1リーグ戦 第16節
鹿島 2 - 0 磐田 (19:04/カシマ/11,830人)
得点者:6' 興梠慎三(鹿島)、64' 田代有三(鹿島)
ゴール裏から贈られる手拍子がどんどんリズムをあげていく。小笠原満男はそれをじっくり楽しむかのようにゆっくりボールをセットした。久々に見るホームチームの余裕を持った試合運びとゲームコントロールに、スタジアムは酔いしれていた。再開初戦に勝つことができなかった鹿島は、2戦目で今季本拠地初勝利をあげ、"再興"を印象づけた。
「紙の上での戦前予想をすれば、ジュビロさんのレイソル戦を見れば、かなり厳しい試合になることがわかっていました」
試合前、オリヴェイラ監督は厳しい試合になると予測していたという。しかし、水・土・水・土と続く連戦で、チームの屋台骨であるベテラン勢に疲労が溜まり始めることも懸念されていた。そこで、思い切って若手を起用することを決断。「本当は本田選手や青木選手がそこに入ることが予想されたのですが、怪我と体調不良ということで使えませんでした」ということで、柴崎岳に白羽の矢を立てたのである。これには柴崎本人も「初先発がこんなに早くくるとは思ってなかった」と驚きを隠さなかった。
しかし、いざ試合が始まってしまえば、どこに高卒ルーキーがいるのか見つけるのが難しいほど、チームの一員として機能。サイドにパスが出れば必ずフォローできるポジションに位置するため、ボールがどこかに滞ることがない。テンポ良く流れるパスに、柏レイソルを苦しめたジュビロ磐田のプレスも機能不全に陥った。
ただ、それ以上に鹿島にアドバンテージをもたらしたのが高さだった。試合序盤、右コーナーキックのチャンスを得ると、岩政大樹、田代有三が立て続けにヘディングシュートのチャンスを迎える。3回続いた決定機を興梠慎三がものにし、前半6分に鹿島が先制点をあげた。
流れのなかでも鹿島の高さを生かした戦い方が磐田を苦しめる。パスを無理に繋げることをせず、前戦の田代有三の頭をターゲットに狙うと、田代がこれにほとんど競り勝つ。たまらずボランチが下がって対応しようするが、跳ね返ったボールは柴崎や増田誓志の前に転がるばかり。磐田は良い形でボールを奪うことができず、自陣で反撃の機会をうかがう時間ばかりとなってしまった。
後半に入り磐田は金園英学が絶好機を迎えたが、これを曽ヶ端準に防がれ流れを呼び込めない。前節、柏戦で見せたような運動量や集中力は発揮できず、鹿島の中盤の足が止まり始めたところで、ようやくペースを掴み始めた。しかし、若手を起用したことで鹿島のベンチには小笠原満男、中田浩二というが選手たちが控えていた。試合巧者ぶりでは鹿島の方が上。危なげなくゲームを締めくくり、2-0で快勝した。
「試合に関しては非常に申し分なく、やるべきことを忠実に、そしてプラスαを出してくれたと思います」
試合後、オリヴェイラ監督は柴崎を手放しで賞賛した。チームメイトたちも「今日は岳の初スタメンだったのでなんとか勝点3をプレゼントしてあげたかった」(興梠)、「初スタメンは一生に一度しかないですからね。今日はそのためにがんばろうかなと思いました」(岩政)というように、自然と柴崎のためという意識でまとまっていた。
ホイッスルが吹かれてみないとどんな内容ができるかわからない試合を繰り返してきた鹿島だが、ここに来てようやく手がかりを掴みつつある。だが、まだわずかに1試合に過ぎない。
「ただ、こういうのを続けていかないと意味がない」
2点目を決めた田代有三の表情は喜びと戒めとが同居していた。
以上
2011.06.19 Reported by 田中
岳の初スタメンは、代表クラス二人の欠場によるタナボタと語るオリヴェイラ監督である。
しかしながら、それには幾分の隠された真実があろう。
それは、風格さえ感じる岳のプレイを目の当たりにすれば良く分かる。
どのタイミングで先発させ、レギュラーにさせるかのタイミングを計っておっただけと言えよう。
それだけのパフォーマンスを魅せてくれた。
また、周囲の先輩たちも、岳の初スタメンの試合をメモリアルにすべくプレイしてくれたことも特筆すべきことである。
岳はチームの中心選手となるべく入団したスター選手であると言わざるを得ない。
とはいえ、このパフォーマンスを続けることが、岳にとっても、チームにとっても重要なのである。
田代の警鐘を重く受け止め、次の試合に挑みたい。
良い試合の次の試合こそ重要なのである。
楽しみにしたい。