鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

U-23日本代表・豊川、数々のエピソード

2016年01月23日 | Weblog
豊川雄太決めた!延長前半決勝ゴール
[2016年1月23日1時41分]


延長前半、ゴールを決め喜ぶ豊川(撮影・清水貴仁)

<リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権:日本3-0イラン>◇準々決勝◇22日◇ドーハ

 途中出場の日本代表MF豊川雄太(21=岡山)が先制ゴールを挙げた。0-0で迎えた延長前半6分、左サイドから放り込まれたDF室屋のクロスに反応し、頭でゴールに押し込んだ。「(室屋)成がよく上げてくれたので、DFとの駆け引きだけだった。駆け引きに勝てました」。ゴールが決まると、一目散にベンチへ向かった。「『やってやったぞ!』というのと、みんなに感謝する気持ちで走りました」と喜びを爆発させた。

 豊川は後半43分にMF矢島に代わって途中出場していた。試合前には「ワクワクします。自分は準々決勝を経験するのは初めて。負けられないプレッシャーを味わうのも、なかなかないことだし、雰囲気にのまれないようにしたい」と宣言。高揚感を最高の形で体現した。

U23日本がリオ王手!延長豊川V弾、中島2発
[2016年1月23日1時10分]


延長前半、ヘディングでゴールを決める豊川(撮影・清水貴仁)

<リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権:日本3-0イラン>◇準々決勝◇22日◇ドーハ

 日本がイランを下し、準決勝に駒を進め、リオ五輪出場に王手をかけた。延長前半6分、右サイドのDF室谷のクロスに、途中出場のFW豊川が飛び込みヘディングで先制ゴール。値千金の1点で勝利に導いた。同後半にはMF中島の2発のゴールで追加点を挙げた。

 準決勝は26日、UAE-イラクの勝者と対戦する。

 前後半までは両チーム、好機を作りながら決めきれない展開が続いた。前半、日本がFW久保の2本のシュートなどで攻めると、イランも再三ゴール前でフリーの選手にボールを集めたが得点には至らなかった。後半に入ると、イランの猛攻がさらに日本ゴールを脅かす。12分には、イランFWのMi・モハマディが放ったヘディングシュートがクロスバーに当たって跳ね返り、数ミリずれていればゴールという窮地もあった。日本は同37分にFW浅野を、同44分にFW豊川を投入するなど、攻勢を狙ったがなかなかチャンスを作れず、防戦一方の後半戦となり、延長戦に突入。120分に及ぶ試合を決めたのが豊川だった。  

 リオ五輪出場権は大会上位3チームまでとなっており、決勝進出を決めれば出場が確定。準決勝で敗れても、3位決定戦で勝てば五輪出場権を得る。

日本五輪王手!遅れてきた男豊川V弾、延長戦制す
[2016年1月23日7時12分 紙面から]


延長前半、ゴールを決め喜ぶ豊川(撮影・清水貴仁)

<リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権:日本3-0イラン>◇準々決勝◇22日◇ドーハ

 リオ世代が8強の壁を打ち破り、6大会連続五輪出場に王手をかけた!! 日本は準々決勝イラン戦で、延長戦の末に3-0で勝利を収めた。延長前半6分に途中出場のMF豊川雄太(21)がヘディング弾。同後半4、5分にMF中島翔哉(21)が連続ゴールを決め、120分間の死闘を制した。26日の準決勝で、UAE-イラク戦(23日)の勝者と五輪切符をかけて対戦する。

 どこからともなくイランゴール前に現れた。途中出場のMF豊川だ。延長前半6分。右サイドでボールを持ったDF室屋が右足から左足へ持ち替えたときだ。イランDFの背後へと隠れ、クロスが届いたときには頭1つ抜けだしてのヘディング弾。「DFとの駆け引きがよかった。『決めてやるぞ』という気持ちでピッチに入ったし、『やったぞ』という気持ちでベンチに走った」。後半43分からピッチに入り、6大会連続五輪出場に王手をかけた。

 手倉森ジャパンでも勝負強さを発揮してきた。最終予選メンバー残り2枠を争った昨年末の沖縄・石垣島合宿。紅白戦の1アシストが実った。常に当落線上にいた存在。昨年11月の神奈川・平塚合宿では、当初メンバー外で追加招集の連絡が入ったが行けなかった。外されたことで、後に移籍する岡山の試合を見に行っていたからだ。1度は干されかけたが、手倉森監督から最後のチャンスを与えられ、指揮官から「2枠は滑り込みじゃない。キーマンになる」と期待された通りの結果を出した。

 勝負強さのルーツは中高時代にさかのぼる。中学3年で熊本・大津高の入部試験を受けた。熊本の中学で有名な存在だったが慢心から落選。「もし次も落ちたら普通の高校に行くしかない。プロになれなかった」という一発勝負の2次試験に再挑戦し、合格した。高校3年、鹿島入団の時もそうだった。強豪大学へ進学予定だったが「記念」で鹿島の練習に参加。ここでも一発勝負でアピールに成功。ほれた当時のジョルジーニョ監督から「一緒に戦おう」と口説かれた。人生が変わった。

 リオ世代では5連敗中だったアジア8強の壁を打ち破った。「一喜一憂してられない。最初から出ても途中から出ても得点取って結果を残したい」。五輪まであと1つ。王手をかけて気を引き締めた。【木下淳】

 ◆豊川雄太(とよかわ・ゆうた)1994年(平6)9月9日、熊本市生まれ。第2さくら体育幼稚園でサッカーを始めた。熊本・大津高に進み、12年にプリンスリーグ九州で得点王。13年に鹿島に入団し、今季は岡山へ移籍。背番号は14。173センチ、62キロ。右利き。

 ◆リオ五輪への道 1次予選突破15チームに開催国カタールを加えた計16チームが最終予選出場。1次リーグ各組上位2位までが準々決勝に進出し3位までに出場権。準々決勝以降は前後半各15分の延長戦あり。それでも決着がつかない場合はPK戦。

途中出場の豊川、リオ五輪王手弾!手倉森監督の交代策ズバリ

延長前半6分、豊川(右)が懸命に体を伸ばしてヘッド弾を決め、均衡を破った(撮影・桐山弘太)

 U-23アジア選手権(22日、日本3-0イラン、ドーハ)リオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねた大会の準々決勝で、日本は3-0でイランに勝利。4強入りした。0-0で突入した延長前半6分に、途中出場のMF豊川雄太(21)=岡山=が頭で先制ゴール。同後半にMF中島翔哉(21)=FC東京=が2発を決めた。26日の準決勝(相手はUAEとイラクの勝者)で勝てば、6大会連続10度目の五輪出場が決定。負けても29日の3位決定戦に勝てばリオ行きが決まる。

 ついに、遠かったゴールをこじ開けた。0-0のまま90分を終え、円陣を組んで向かった延長戦。その前半6分、DF室屋の右クロスに途中出場のMF豊川が頭で合わせ、ネットを揺らした。

 「DFとの駆け引きに勝ったかな。『決めてやる』という気持ちでピッチに入ったので、『やってやったぞ』という気持ちでベンチにいきました」

 すぐに歓喜に沸く日本ベンチへと駆け出し、手荒い祝福を受けた。負けたら終わりの大一番は、相手のシュートがバーをたたくなどピンチの連続。手倉森誠監督は「持久戦になれば、コンディションのいい日本が有利」とあえて攻撃の駒をベンチに置き、攻撃に転じるタイミングを待った。後半37分にFW浅野、同43分に当初は先発を予定していた豊川を投入。采配がズバリと的中した。

 「切り札」となった豊川は、昨年12月の沖縄・石垣島合宿のシュート練習で次々とヘディングでゴールを決め、指揮官をうならせていた。身長は1メートル73と高くはないが、「ヘディングは得意。駆け引きでマークを外せば身長は関係ない」と言い切る。今回の代表メンバー23人中、残り2枠を残して最後まで競わせた“サバイバル合宿”で、DF三竿とともに滑り込んでいた。


延長前半、チーム1点目を決めるU-23日本代表・豊川雄太=ドーハのアブドゥラ・ビン・ハリファ・スタジアム(撮影・桐山弘太)

 このゴールもマークに付いていたDFの背後に回り込む、技ありの一撃。2013年に、10クラブ争奪戦となったDF植田とともに熊本・大津高から鹿島入り。当初は「植田のおまけ」という心ない声も聞こえたが、「プロなんだから結果を出して認められよう」と決意した。持ち味のシュートに磨きをかけ、翌14年には、鹿島ではDF内田篤人以来6年ぶりとなる10代での開幕戦先発を奪い取った。

 手倉森ジャパンは、発足後の国際大会で一昨年のU-22アジア選手権、仁川アジア大会とも8強止まり。「(五輪切符を)奪ってみせろよ」。強敵・イラン戦を前に、指揮官は気合を入れ、悔しさを味わってきた選手が壁を乗り越えた。

 「これからますます、しびれる試合になる。日本からパワーを送ってほしい」と手倉森監督。チームは結束したが、まだ喜ぶには早い。6大会連続の五輪出場へ、あと1勝だ。(大石豊佳)

豊川 雄太(とよかわ・ゆうた)

 1994(平成6)年9月9日生まれ、21歳。熊本県出身。大津高から2013年にJ1鹿島へ入団。14年3月1日の甲府戦でJ1初出場、同15日の鳥栖戦で同初得点。今年J2岡山へ期限付き移籍。U-19から年代別代表に選出されている。J1昨季6試合0得点、同通算23試合0得点。J3通算5試合1得点。1メートル73、62キロ。


延長前半、ゴールを決め喜ぶ豊川(左)と中島=ドーハ(共同)


延長前半、チーム1点目を決めたU-23日本代表・豊川雄太(右)=ドーハのアブドゥラ・ビン・ハリファ・スタジアム(撮影・桐山弘太)


前半、競り合う放つU23日本代表・植田直通=(撮影・桐山弘太)


前半、攻め込む室屋=ドーハ(共同)


前半、競り合う植田=ドーハ(共同)


前半、クリアするGK櫛引=ドーハ(共同)


(紙面から)

追加招集の豊川 千金ヘッド!準決勝へ「一喜一憂していられない」
U―23アジア選手権準々決勝 日本3―0イラン (1月22日 カタール・ドーハ)


<日本・イラン>延長前半5分、先制ゴールを決めた豊川(左)を祝福する日本ベンチ
Photo By スポニチ


 延長前半5分、6大会連続10度目の五輪へつなぐ先制ゴールを決めたMF豊川は「成(室屋)がうまく上げてくれた。駆け引きに勝ったかな。決めてやるぞと思ってピッチに出たし、やってやったぞと思った」と語った。

 豊川は0―0の後半43分からMF矢島に代わって出場。右サイドのDF室屋からのクロスに頭で合わせてゴールネットを揺らした。「苦しいしびれる展開だったが、途中出場の僕が点取れば、少しは楽になるのかな、という気持ちだった」と振り返った。

 昨年12月に発表された代表メンバーに自らの名前はなかったが、追加選手として滑り込んだだけに「自分は最後に追加された立場。何かしら結果を残したい」という強いお思いが勝利を引き寄せるゴールを呼んだ。

 勝てば五輪が決まる準決勝では、23日に行われるUAEとイラクの勝者と対戦する。「自信にはなったが、一喜一憂していられない。次勝ってオリンピックを決めたい」と気持ちはすでに前を向いていた。
[ 2016年1月23日 01:35 ]

滑り込み招集の男 豊川が千金Vヘッド!「駆け引きに勝った」
U―23アジア選手権準々決勝 日本3―0イラン (1月22日 カタール・ドーハ)


<日本・イラン>延長前半にゴールを決める豊川
Photo By スポニチ


 リオ切符に王手をかける一撃だ。大柄なイラン相手DFの間に1メートル73の伏兵は潜んでいた。延長前半5分、室屋の左足クロスが入る。途中出場の豊川がDFの間を抜け出し、ドンピシャのヘディング弾を決めた。「(室屋)成がうまく上げてくれた。DFとの駆け引きに勝ったなと。しびれる展開だった。決めてやるぞと思ってピッチに入りました」。ゴールの瞬間、ベンチに走り、全員で喜びを分かち合った。手倉森監督とも抱擁を交わした。

 滑り込み招集の男だ。日本協会は今予選メンバーのうち21人を昨年12月18日に発表。豊川の名はなかった。それでも昨年末の石垣島合宿では紅白戦でアシストを記録するなど懸命にアピールを続け、残り2枠に選出された。最後の最後で選ばれたからこそ「ここに来られなかった人の分まで頑張りたい」と熱いプレーを約束していた。

 昨年3月のリオ五輪アジア1次予選では初戦のマカオ戦で得点をするなど存在感を見せた。一方で昨季の鹿島では出番に恵まれずU―22(現U―23)代表でも当落線上の域を出ることができなかった。「俺は人数合わせ要員なのかな」と明るいキャラクターに似合わず気を落とすこともあった。それでも諦めず、地道にアピールを続けた。大事な舞台で努力は花開いた。

 今季は出場機会を求めてJ2岡山に期限付き移籍する。鹿島OBである岡山の元日本代表DF岩政が鹿島まで訪れ、フロントと話し合いを持ってくれたことに感銘を受けた。鹿島はもちろん、自身を必要としてくれた岡山や先輩に感謝の意を表す意味でもこの予選に懸けてきた。「一喜一憂してられない。次も勝ってリオ五輪切符を獲りたいです」。殊勲の男は力強く前を向いた。

 ◆豊川 雄太(とよかわ・ゆうた)1994年(平6)9月9日生まれ、熊本県出身の21歳。大津高では植田(鹿島)とチームメート。13年に鹿島に入団し、J1通算23試合2得点。今季からJ2岡山に期限付き移籍。U―19から各年代別代表に選出。1メートル73、62キロ。利き足は右。
[ 2016年1月23日 05:58 ]

【U23】滑り込みで代表選出されたドリブラー・豊川が大仕事「次も勝って五輪に」
2016年1月23日6時0分 スポーツ報知


延長前半6分、豊川(左)がヘディングで先制ゴール

 ◆16年リオデジャネイロ五輪最終予選兼U―23アジア選手権 ▽準々決勝 日本3―0イラン(22日、アブドゥラー・ビン・ハリファ・スタジアム)

 追加招集されたドリブラーが大仕事をやってのけた。U―23(23歳以下)日本代表はイラン戦の延長前半6分、途中出場のMF豊川雄太(21)=岡山=が頭で貴重な先制ゴールをたたき込んだ。昨年12月の石垣島合宿でアピールに成功し、残り2枠の代表メンバーに滑り込みで選出された伏兵が、劣勢のチームを救った。

 これぞスーパーサブの働きだ。貴重な決勝ゴールを決めた豊川が、手倉森ジャパンのラストピースとして、大仕事を果たした。

 「セイ(室屋)がうまく上げてくれましたから、僕はDFとの駆け引きに勝ったかなと思います。決めてやるぞ!という気持ちでピッチに入りました。一喜一憂していられない。次も勝って五輪に行きたい」

 2列目からゴール前に飛び込んだゴールは、まさに豊川の形だ。高校時代、FWから2列目のセカンドトップに転向。大津高(熊本)の平岡和徳監督(50)=当時=は「最前線のFWよりも少し下げた方が持ち味が出る。他の選手がなだれ込む時に、ここに来そうだ…と判断する力を持っている。先見の明がある」と才能を見抜いていた。独特の嗅覚が劣勢の日本を救った。

 13年にDF植田と共に大津高から鹿島に入団した。当初は筑波大に進む予定だったが「プロから声がかかったチャンスを逃したくない」と翻意。「入団後に早大の人間科学部の通信課程をこなす」という条件で両親を説得し、プロの世界に飛び込んだ。U―23日本代表でも昨年12月の石垣島合宿で存在をアピールし、今度は滑り込みでメンバー入り。再び土壇場で力を発揮し、窮地のチームを勇気づけて土壇場のゴールラッシュを生んだ。

 手倉森監督が海外組の中心、MF南野を残したまま切ったスペシャルカード。豊川が準決勝でもリオ五輪への切り札となる。

U23“スーパーサブ”豊川がVヘッド
2016年1月23日


 日本-イラン 延長前半、ヘディングでゴールを決める豊川(14)=ドーハ(共同)

 「サッカー・U-23アジア選手権・準々決勝 日本3-0イラン」(22日、ドーハ)

 延長で3点を奪った日本が準決勝進出を決めた。準決勝に勝てば6大会連続となる五輪出場が決まる。延長前半6分に決勝点となる先制ヘッドを決めたMF豊川雄太は「決めてやるぞ、という気持ちでピッチに入りました」と切り札としての務めを果たし、興奮気味に振り返った。

 右サイドのDF室屋からの鋭いクロスに頭で飛び込んだ。「(室屋)成がうまく上げてくれましたから、あとは僕はディフェンスとの駆け引きに勝ったかなという感じです」と値千金のゴールを振り返った。

 このチームではおなじみになっているベンチでゴールの喜びを分かち合うシーンについては、「やってやったぞという気持ちとみんなへの感謝でベンチに行きました」。後半43分からの途中出場となったが、「苦しい、しびれる展開になっていましたので、途中出場の僕が点を取れれば楽になるのかなと」と得点への意識を強く持って試合に入った。

 リオ五輪切符がかかった準決勝へ「最初から出ても、途中から出ても結果を出していきたい」と意気込んだ。




TOP > “残り2枠”に滑り込んだU-23MF豊川が均衡破る先制ヘッド「みんなに感謝」

16/1/23 01:52



[1.22 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選準々決勝 U-23日本 3-0(延長) U-23イラン アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム]

 残り2枠からリオデジャネイロ五輪アジア最終予選のメンバーに滑り込んだMF豊川雄太(岡山)が“鬼門”突破に大きく貢献した。

 一進一退の攻防が続いていた後半43分から途中出場した豊川。「途中出場の僕が点とることができれば、少しは楽になるのかなと。『決めてやるぞ』という気持ちでピッチに入りました」と話した通り、延長前半6分にDF室屋成(明治大)が右サイドから上げたクロスを頭で合わせて、均衡を破った。

「(室屋)成がうまく上げてくれましたから、あとは僕がディフェンスとの駆け引きというところで勝てたかなと思います。『やってやったぞ』という気持ちと、みんなに感謝というところでベンチに行きました」

 U-23代表はその後、MF中島翔哉(F東京)の2得点を追加し、3-0で勝利。これまで手倉森ジャパンは、2014年1月のAFC U-22選手権、同年9月のアジア大会のいずれも準々決勝で敗れていたが、“鬼門”のベスト8をついに突破した。

「僕たち、一つ自信になりました」と4強入りを喜ぶ豊川だが、笑顔はない。「一喜一憂していられないので、次、準決勝いきますし、そこで必ず勝ってリオの切符を取りたいなと思います」と、まずチームについて語ったが、個人としては「最初から出ても、途中から出ても、得点と取るというところで結果を出していきたい」と静かに次戦へ闘志を燃やした。

“試合を決めて来い”と背中を押されて…千金弾のMF豊川「皆を少しでも助けられた」
16/1/23 06:46



[1.22 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選準々決勝 U-23日本 3-0(延長) U-23イラン アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム]

 駆け引きに勝った男は、ゴール前でフリーになった。スコアレスのまま前後半90分を終えて迎えた延長後半5分、右サイドのDF室屋成(明治大)が左足で送ったクロスは鮮やかな軌道を描いて、ゴール前へと向かってくる。そして、落下地点に飛び込んだのが、途中出場のMF豊川雄太(岡山)だった。

 手倉森誠監督が「スタメンは中島(翔哉)ではなく豊川だった」と明かしたように、前日までの準備では先発予定。本人も「前日練習ではセットプレーも僕しか蹴っていなかったし、主力組で練習していたので、先発かなという思いはありました」と明かす。しかし、指揮官から食事の際に「後半途中から行くぞ」と伝えられ、イラン戦はベンチからスタートとなった。

 スコアレスのまま後半を迎えると、ウォーミングアップを繰り返した。「自分の感覚的なもので、残り10分か15分くらいで呼ばれるかなと思っていて、それに合わせてアップをしていました」。そして、後半43分に満を持してピッチへと送り込まれる。「試合を決めてこい」(手倉森監督)と背中を押されて――。

 迎えた延長前半5分、試合の均衡を破る一撃を叩き込む。右サイドでボールを受けたDF室屋成(明治大)が深い切り返しから左足でクロスを送ると、「相手2CBの間にクロスが上がる瞬間にポジションを取った」豊川がフリーでゴール前に走り込む。落ちてくるボールに合わせて宙を舞うと、ヘディングで合わせたシュートはネットを揺らし、価値ある先制ゴールが生まれた。

「ディフェンスとの駆け引きに勝てた」ことでフリーになったが、そこにボールが来なければゴールには結び付かない。だからこそ、「成のボールがすごい精度が高くて良かった」とアシストした室屋への感謝を示すと、「すべてがイメージどおりのゴールでした」と満足気に振り返った。

 ゴールが決まった瞬間、喜びを爆発させた豊川は一目散にベンチへと駆け寄り、歓喜のパフォーマンスを披露する。ダンスを踊っているように見えたが、「あれは踊りじゃないです」と否定すると、「ただ、意味が分からんようになって、変になっちゃったんですよ。興奮し過ぎました」と苦笑した。

 指揮官の期待に応える値千金の先制ゴール。この得点で勢いに乗ったチームは、その後MF中島翔哉(F東京)に2得点が生まれて3-0の快勝を収めた。殊勲の男は「皆を少しでも助けられたかなと思います」と充実の表情を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)

【リオ五輪予選】価値ある先制点を挙げた豊川。得点後に歓喜の舞(?)も「あれは踊りじゃないです」
サッカーダイジェスト編集部
2016年01月23日

「自分の中では、けっこうシビれる感じでした」(豊川)


巧みなポジショニングから正確なヘッドで先制点を突き刺した豊川。追加招集で呼ばれた男が大仕事をやってのけた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 一進一退の攻防が続くスリリングな試合展開において、0-0で迎えたイラン戦の延長前半に値千金の決勝点を奪ってみせる。途中出場から大仕事をやってのけ、ベスト4進出の立役者となった豊川雄太のコメントをお届けする。

【リオ五輪予選PHOTOダイジェスト】日本 3-0 イラン

豊川雄太(岡山/FW)

――見事な先制点でした。

 ヘディングは得意ですし、DFとの駆け引きに勝って、(室屋)成のボールもすごく良かった。すべてイメージ通りです。

――どのような駆け引きを?

 普通に競り合っても勝てないだろうから、2CBの間にポジションを取って、それで、どフリーな感じになりました。

――得点後になにか踊っていたように見えましたけど?

 いや、あれは踊りじゃないです。意味が分からんようになってしまって。自分の中では、けっこうシビれる感じでした。

――交代で入る時、監督からはどんな指示がありましたか?

「試合を決めてくれ」という感じでした。

――緊張はしましたか?

 しましたね。今までにないプレッシャーを感じていました。緊張しないでおこうと考えていましたけど、やっぱり緊張しました。

――イランの選手は疲れているなという感触はありましたか?

 そうですね、身体も強かったですし。それ以上に、日本の選手が頑張ってくれていて、どうしてもなにかしら助けてあげたいという気持ちでした。



チンチロリン


決勝点となる先制弾を決めたU-23日本代表の豊川である。
拮抗した試合の流れを日本に引き寄せたヒーローにスポットが当たっておる。
追加招集の滑り込み男がここまで活躍するとは、あの時点で予想しておったものは少なかろう。
その豊川の様々なエピソードが報じられる。
慢心で高校のセレクションに漏れて2次試験に挑んで合格したこと、大学進学を考えていたが記念で鹿島の練習参加して入団を勝ち取ったこと、「入団後に早大の人間科学部の通信課程をこなす」という条件で両親を説得したこと、11月の合宿に追加招集の声が掛かったが後にレンタルに行くこととなる岡山を見学しておったこと、岩政が鹿嶋まで足を運びフロント話し合ってくれたことで岡山へのレンタルが実現したこと、などが伝えられておる。
面白い逸話が満載と言えよう。
明るいキャラクターで周囲を盛り上げ、セットプレイも得意。
それ以上に勝負強さがこの試合で証明された。
ジョルジーニョに口説かれてプロも門戸を叩いた豊川の活躍は心から嬉しい。
日本を五輪に連れて行くのだ。
楽しみである。


チンチロリン

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-01-23 08:40:45
岩政はファビアーノ岡山のスカウトもやってるんですね。攻撃陣に豊川と矢島、守備の中心(とスカウト部)に岩政がいる岡山がちょっとうらやましい気もしてきました。鹿島縁の選手ががしのぎを削る2016年J2がますます楽しみです。
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Unknown (Unknown)
2016-01-23 08:51:21
ここまで見てきて、このチーム、能力もセンスもある素晴らしい選手が多いとは思いますが、勝負への執念や気迫がなかなか出てこないなと思っていました。

が、後半終盤に豊川がピッチに立ち『残り時間で絶対に決めてやる!』という気持ちがありありと見えました。それでこそ鹿&雉戦士です。岡山サポの皆さんも喜んでくれているでしょうね。

とはいえ、まだ何も成し遂げていません。豊川はじめ若鹿軍団で五輪切符を掴みましょう!
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Unknown (Unknown)
2016-01-23 15:32:31
贔屓目が入ってると思いますが、植田と豊川は勝負というところで他の選手より際立ってたと思います。上手さと強さは別物。鹿島の環境の賜物でしょうか。
豊川は岡山で試合経験は増えると思いますが、鹿島の練習ができなくなるのが不安材料に思いました。岩政先生がいるから大丈夫だとは思いますが。
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