サッカー・イラク代表監督、ジーコが辛口エール「ザックジャパンよ、最終予選をナメるな!」
[2012年04月02日]
現在、イラク代表監督を務めるジーコ。W杯最終予選では日本と同じB組に入り、オーストラリアとともに2つの枠を争うことに。“神様”が見た現在の日本代表は?
2014年ブラジルW杯のアジア最終予選の組み合わせが決定。対戦相手はどこも手強く、最後までシビれる展開になりそうだが、なかでも不気味なのがあのジーコ率いるイラクだ。因縁深い日本との対戦に燃える“神様”をブラジルで直撃した。
***
■ウズベキスタンに負けたんだろ?
――まずはイラク代表の最終予選進出、おめでとうございます。
ジーコ (日本語で)アリガトウ。
――その最終予選では日本と同じB組に入りました。決まった瞬間、どう思いました?
ジーコ 特にないよ。そういうことが起こることは予想できていたから。
――最近の日本代表の試合は見ていますか?
ジーコ (昨年1月の)アジア杯の決勝は見たよ。あと、W杯3次予選の試合もいくつか見たかな。
――日本に友人の多いあなたならば、見る気になればいくらでも見ることができるはず。なのに、あまり見ていないのはなぜ?
ジーコ 常に(イラクの)次の対戦相手の分析で精いっぱいなんだ。特に3次予選で同じ組だった中国、ヨルダンの試合ばかり見ていた。今は再び(6月の最終予選初戦で対戦する)ヨルダンだ。ヨルダン戦が終われば、(次に対戦する)オマーンを。その次は当然、(9月に対戦する)日本の試合を集中的に見ることになるだろう。
――なるほど。
ジーコ そういえば、この間のウズベキスタン戦(2月29日の3次予選最終戦)はベストメンバーで戦ったの? 負けたんだろ?
――はい。一応、現時点でのベストメンバーのはずです。
ジーコ そうか……。今の日本代表で私が知っているのは遠藤、本田、香川、長友、長谷部、今野、駒野……。あと、イングランドに「リオ」という選手がいるな。
――「RYO」(宮市亮)ですね。
ジーコ そうだ。背中にそう書いてあった。1試合しか見ていないけど、守備に追われていたな。
――日本で注意する選手は?
ジーコ (キッパリと)本田と香川。ふたりの存在は特別だ。チームに“違い”を与えられる選手だ。
――ザッケローニ監督についてはどんな印象を持っていますか?
ジーコ ウディネーゼのイベントで顔を合わせたことがある(ジーコは現役時代にウディネーゼでのプレー経験があり、ザッケローニは監督経験がある)。彼のサッカーは攻撃的なので好感を持っているよ。経験ある、いい監督だ。
■“ドーハの悲劇”は覚えているよね?
――それにしても、あなたほどの人が、なぜわざわざイラク代表の監督になったのですか? 多くの日本人が疑問に思っています。
ジーコ うん。実は昨年、中国、サウジアラビア、そしてイラクの3ヵ国から代表監督の打診があった。普通に考えれば中国を選ぶだろう。ところが、中国からのオファーというのが、中国サッカー協会から直接届いたものではなく、代理人経由だったんだ。委任状はあると言うのだけど、信じていいのかわからない。そこでサウジと話を進めて、ほぼ決まりかけたと思ったら、新聞にライカールト(元バルセロナ監督)が監督に就任したという記事が(苦笑)。
――それでイラクになった。
ジーコ イラクは最初、(兄の)エドゥーを監督に誘ったんだ。
――あなたではなく?
ジーコ そう。エドゥーは、イラクをW杯本大会に連れていった唯一の監督だからね(ジーコの兄で、元日本代表テクニカルディレクターのエドゥーは、ブラジルサッカー連盟の推薦により、1985年にイラク代表監督に就任。アジア予選を勝ち抜き、86年メキシコW杯出場を決めた。ところが、大会前にサダム・フセインが別の監督を招聘。コーチ降格処分を拒否して辞任)。ちなみに、僕はフラメンゴにいた頃、エドゥーが監督だった頃のイラク代表とバグダッドで親善試合をしたことがある。きれいで風情(ふぜい)のある街だったよ。
――イラクとそんなつながりがあったとは驚きです。
ジーコ 今回、エドゥーに話を持ってきたのが、当時の通訳の男だった。エドゥーは彼に、「最近は弟のアシスタントコーチという形でしか仕事をしていない」と返事した。そこで僕が監督、エドゥーをアシスタントという形で交渉が始まったんだ。金銭面で折り合わなくて、交渉には1ヵ月以上かかったね。最終的に契約を結んだのは3次予選初戦の5日前だった。
――イラクのサッカーについて教てください。
ジーコ もともとアジアの中でイラクとイランの2ヵ国は体格的に恵まれている。技術も高い。足りないのはきちんとした指導だけだった。93年、日本がイラクと引き分けてアメリカW杯出場を逃した試合(“ドーハの悲劇”)は覚えているよね? あの試合だって日本に内容で勝っていた。ただ、いい選手はいるけど、環境は想像以上にひどかったね。芝のピッチは今も国内に数えるほどしかない。国内リーグもあるけど、土か粗末な人工芝のピッチで試合をしている。草サッカーをするようなピッチだよ。
――イラク代表は3次予選の初戦だけ国内で試合を行ないましたが、それ以降はFIFA(国際サッカー連盟)から政情不安を理由にホーム戦開催を禁じられています。非常に特殊な状況ですよね。
ジーコ 向こうで日本と同じように生活することができないのは最初からわかっていた。とにかく、いろんなことが混乱しているんだ。3ヵ月間のビザを取得するのに5ヵ月かかったこともあった。日程や移動スケジュールもころころ変わる。代表レギュラーの半数がプレーするカタールをベースに活動することになってから、少し落ち着くようになったかな。
――現在のイラク代表の活動のベースは、3次予選を2試合行なったカタールなのですね。
ジーコ 先日、バグダッドで記者会見があって、イラク国内で代表の練習をしていないことを批判されたけど、「われわれはイラク代表にとってプラスになるように活動をしている。練習できる環境がイラク国内にあるなら、そこでやる」と答えたよ。もし、カタールのような整った設備がイラクにあれば……。まあ、逆にいうと、母国がそういう状況だからこそ、選手たちの「勝ってやる」というモチベーションも高いのだけどね。
■どの国が本大会に出ても驚きはない
――イラク代表は最終予選B組の中で、オーストラリア、日本の“2強”に続く存在と見られています。やはり、メンバーは2004年アテネ五輪で4位に入り、07年アジア杯で優勝した選手たちが中心になるんですか?
ジーコ そうだね。だいたいチームのベースは固まりつつある。そして今、攻撃のオプションをさらに増やそうとしているんだ。イラクにはマフムード(07年アジア杯の得点王、MVP)という万能型のストライカーがいて、彼が1トップとして機能しているんだけど、もうひとり、シリアでプレーしている長身で力強い若手FWがいるので、どこかで彼を試したい。経験を積めば、素晴らしい選手になるはずだ。また、彼のほかにも、イラク国籍を持つ選手は世界中に散らばっている。例えば、19歳以下のオランダ代表に選ばれた選手もいる。スウェーデン、イングランド、デンマークにも有望な若手がいる。これまでイラクサッカー協会はそうした選手の情報を集めていなかったんだけど、今はYouTubeがあるからね。国外にいるイラク人選手のリストを作って、連絡を取るように頼んでいる。
――オランダの選手は気になりますね……。イラク代表になるよう説得するんですか?
ジーコ 僕ならオランダ代表を狙うけどね(笑)。それは冗談として、実際に会ったことがないので、なんとも言えないな。イラクを選んだとしても、代表に招集するかどうかはわからないと率直に伝えるつもりだ。ちなみに、スウェーデンの選手はスウェーデン代表に選ばれる可能性もあるらしく、僕と話をしたいと言ってきている。とりあえず、一度、国外に散らばっているイラク人選手を集め、見てみたいと思っているよ。
――W杯出場に向け、着々と準備を進めているわけですね。
ジーコ いずれにしても、今のイラク代表には30歳前後の経験豊富な選手が10人以上いる。彼らは今回のW杯予選が最後のチャンスだと思っている。僕自身も母国ブラジルで行なわれるW杯に出場したいという強い気持ちがあるよ。
――最後に、最終予選の展望を聞かせてください。ズバリ、日本代表は勝ち抜けるでしょうか?
ジーコ 現在、アジアは世界で最も各国の力が拮抗している。オーストラリアが加わり、それまでW杯本大会の常連だったサウジアラビアが出られなくなった。といって、サウジがものすごく弱くなったというわけではない。前回の南アフリカW杯には北朝鮮が出たし、どこが本大会に出ても驚きはないんだ。最終予選のB組のカギになるのはヨルダンとオマーン。日本とオーストラリアはこの2ヵ国からの勝ち点を計算しているだろう。ただ、A組に入った同じ中東のレバノンとカタールに比べると、ヨルダンとオマーンは強い。この両国をナメていたら痛い目に遭うだろう。もちろん、僕としては、イラクと日本が出場権を勝ち取ればいいと思っているよ。
(取材・文・撮影/田健太)
インタビューを受けるイラク代表監督のジーコである。
日本を気にかけておるようであるが、それ以上にイラクをW杯に導くために頭がいっぱいの模様。
是非とも、戦後の混乱が続くイラクに明るい光を与えて欲しい。
それだけのカリスマを持つ人物と言えよう。
ジーコの実力でアジア最終予選を勝ち抜くのだ。
期待しておる。
[2012年04月02日]
現在、イラク代表監督を務めるジーコ。W杯最終予選では日本と同じB組に入り、オーストラリアとともに2つの枠を争うことに。“神様”が見た現在の日本代表は?
2014年ブラジルW杯のアジア最終予選の組み合わせが決定。対戦相手はどこも手強く、最後までシビれる展開になりそうだが、なかでも不気味なのがあのジーコ率いるイラクだ。因縁深い日本との対戦に燃える“神様”をブラジルで直撃した。
***
■ウズベキスタンに負けたんだろ?
――まずはイラク代表の最終予選進出、おめでとうございます。
ジーコ (日本語で)アリガトウ。
――その最終予選では日本と同じB組に入りました。決まった瞬間、どう思いました?
ジーコ 特にないよ。そういうことが起こることは予想できていたから。
――最近の日本代表の試合は見ていますか?
ジーコ (昨年1月の)アジア杯の決勝は見たよ。あと、W杯3次予選の試合もいくつか見たかな。
――日本に友人の多いあなたならば、見る気になればいくらでも見ることができるはず。なのに、あまり見ていないのはなぜ?
ジーコ 常に(イラクの)次の対戦相手の分析で精いっぱいなんだ。特に3次予選で同じ組だった中国、ヨルダンの試合ばかり見ていた。今は再び(6月の最終予選初戦で対戦する)ヨルダンだ。ヨルダン戦が終われば、(次に対戦する)オマーンを。その次は当然、(9月に対戦する)日本の試合を集中的に見ることになるだろう。
――なるほど。
ジーコ そういえば、この間のウズベキスタン戦(2月29日の3次予選最終戦)はベストメンバーで戦ったの? 負けたんだろ?
――はい。一応、現時点でのベストメンバーのはずです。
ジーコ そうか……。今の日本代表で私が知っているのは遠藤、本田、香川、長友、長谷部、今野、駒野……。あと、イングランドに「リオ」という選手がいるな。
――「RYO」(宮市亮)ですね。
ジーコ そうだ。背中にそう書いてあった。1試合しか見ていないけど、守備に追われていたな。
――日本で注意する選手は?
ジーコ (キッパリと)本田と香川。ふたりの存在は特別だ。チームに“違い”を与えられる選手だ。
――ザッケローニ監督についてはどんな印象を持っていますか?
ジーコ ウディネーゼのイベントで顔を合わせたことがある(ジーコは現役時代にウディネーゼでのプレー経験があり、ザッケローニは監督経験がある)。彼のサッカーは攻撃的なので好感を持っているよ。経験ある、いい監督だ。
■“ドーハの悲劇”は覚えているよね?
――それにしても、あなたほどの人が、なぜわざわざイラク代表の監督になったのですか? 多くの日本人が疑問に思っています。
ジーコ うん。実は昨年、中国、サウジアラビア、そしてイラクの3ヵ国から代表監督の打診があった。普通に考えれば中国を選ぶだろう。ところが、中国からのオファーというのが、中国サッカー協会から直接届いたものではなく、代理人経由だったんだ。委任状はあると言うのだけど、信じていいのかわからない。そこでサウジと話を進めて、ほぼ決まりかけたと思ったら、新聞にライカールト(元バルセロナ監督)が監督に就任したという記事が(苦笑)。
――それでイラクになった。
ジーコ イラクは最初、(兄の)エドゥーを監督に誘ったんだ。
――あなたではなく?
ジーコ そう。エドゥーは、イラクをW杯本大会に連れていった唯一の監督だからね(ジーコの兄で、元日本代表テクニカルディレクターのエドゥーは、ブラジルサッカー連盟の推薦により、1985年にイラク代表監督に就任。アジア予選を勝ち抜き、86年メキシコW杯出場を決めた。ところが、大会前にサダム・フセインが別の監督を招聘。コーチ降格処分を拒否して辞任)。ちなみに、僕はフラメンゴにいた頃、エドゥーが監督だった頃のイラク代表とバグダッドで親善試合をしたことがある。きれいで風情(ふぜい)のある街だったよ。
――イラクとそんなつながりがあったとは驚きです。
ジーコ 今回、エドゥーに話を持ってきたのが、当時の通訳の男だった。エドゥーは彼に、「最近は弟のアシスタントコーチという形でしか仕事をしていない」と返事した。そこで僕が監督、エドゥーをアシスタントという形で交渉が始まったんだ。金銭面で折り合わなくて、交渉には1ヵ月以上かかったね。最終的に契約を結んだのは3次予選初戦の5日前だった。
――イラクのサッカーについて教てください。
ジーコ もともとアジアの中でイラクとイランの2ヵ国は体格的に恵まれている。技術も高い。足りないのはきちんとした指導だけだった。93年、日本がイラクと引き分けてアメリカW杯出場を逃した試合(“ドーハの悲劇”)は覚えているよね? あの試合だって日本に内容で勝っていた。ただ、いい選手はいるけど、環境は想像以上にひどかったね。芝のピッチは今も国内に数えるほどしかない。国内リーグもあるけど、土か粗末な人工芝のピッチで試合をしている。草サッカーをするようなピッチだよ。
――イラク代表は3次予選の初戦だけ国内で試合を行ないましたが、それ以降はFIFA(国際サッカー連盟)から政情不安を理由にホーム戦開催を禁じられています。非常に特殊な状況ですよね。
ジーコ 向こうで日本と同じように生活することができないのは最初からわかっていた。とにかく、いろんなことが混乱しているんだ。3ヵ月間のビザを取得するのに5ヵ月かかったこともあった。日程や移動スケジュールもころころ変わる。代表レギュラーの半数がプレーするカタールをベースに活動することになってから、少し落ち着くようになったかな。
――現在のイラク代表の活動のベースは、3次予選を2試合行なったカタールなのですね。
ジーコ 先日、バグダッドで記者会見があって、イラク国内で代表の練習をしていないことを批判されたけど、「われわれはイラク代表にとってプラスになるように活動をしている。練習できる環境がイラク国内にあるなら、そこでやる」と答えたよ。もし、カタールのような整った設備がイラクにあれば……。まあ、逆にいうと、母国がそういう状況だからこそ、選手たちの「勝ってやる」というモチベーションも高いのだけどね。
■どの国が本大会に出ても驚きはない
――イラク代表は最終予選B組の中で、オーストラリア、日本の“2強”に続く存在と見られています。やはり、メンバーは2004年アテネ五輪で4位に入り、07年アジア杯で優勝した選手たちが中心になるんですか?
ジーコ そうだね。だいたいチームのベースは固まりつつある。そして今、攻撃のオプションをさらに増やそうとしているんだ。イラクにはマフムード(07年アジア杯の得点王、MVP)という万能型のストライカーがいて、彼が1トップとして機能しているんだけど、もうひとり、シリアでプレーしている長身で力強い若手FWがいるので、どこかで彼を試したい。経験を積めば、素晴らしい選手になるはずだ。また、彼のほかにも、イラク国籍を持つ選手は世界中に散らばっている。例えば、19歳以下のオランダ代表に選ばれた選手もいる。スウェーデン、イングランド、デンマークにも有望な若手がいる。これまでイラクサッカー協会はそうした選手の情報を集めていなかったんだけど、今はYouTubeがあるからね。国外にいるイラク人選手のリストを作って、連絡を取るように頼んでいる。
――オランダの選手は気になりますね……。イラク代表になるよう説得するんですか?
ジーコ 僕ならオランダ代表を狙うけどね(笑)。それは冗談として、実際に会ったことがないので、なんとも言えないな。イラクを選んだとしても、代表に招集するかどうかはわからないと率直に伝えるつもりだ。ちなみに、スウェーデンの選手はスウェーデン代表に選ばれる可能性もあるらしく、僕と話をしたいと言ってきている。とりあえず、一度、国外に散らばっているイラク人選手を集め、見てみたいと思っているよ。
――W杯出場に向け、着々と準備を進めているわけですね。
ジーコ いずれにしても、今のイラク代表には30歳前後の経験豊富な選手が10人以上いる。彼らは今回のW杯予選が最後のチャンスだと思っている。僕自身も母国ブラジルで行なわれるW杯に出場したいという強い気持ちがあるよ。
――最後に、最終予選の展望を聞かせてください。ズバリ、日本代表は勝ち抜けるでしょうか?
ジーコ 現在、アジアは世界で最も各国の力が拮抗している。オーストラリアが加わり、それまでW杯本大会の常連だったサウジアラビアが出られなくなった。といって、サウジがものすごく弱くなったというわけではない。前回の南アフリカW杯には北朝鮮が出たし、どこが本大会に出ても驚きはないんだ。最終予選のB組のカギになるのはヨルダンとオマーン。日本とオーストラリアはこの2ヵ国からの勝ち点を計算しているだろう。ただ、A組に入った同じ中東のレバノンとカタールに比べると、ヨルダンとオマーンは強い。この両国をナメていたら痛い目に遭うだろう。もちろん、僕としては、イラクと日本が出場権を勝ち取ればいいと思っているよ。
(取材・文・撮影/田健太)
インタビューを受けるイラク代表監督のジーコである。
日本を気にかけておるようであるが、それ以上にイラクをW杯に導くために頭がいっぱいの模様。
是非とも、戦後の混乱が続くイラクに明るい光を与えて欲しい。
それだけのカリスマを持つ人物と言えよう。
ジーコの実力でアジア最終予選を勝ち抜くのだ。
期待しておる。