鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

名良橋の素顔

2010年03月01日 | Weblog
解説者の素顔「名良橋晃 編」
2010年2月15日
1、解説者と指導者の共通点
解説業をはじめてどのくらいになりますか?
現役引退後、すぐに解説をはじめたので約2年になります。初めて担当したゲームは08シーズンのJ2開幕戦でカードは水戸対C大阪でした。

初めて解説をされたときはいかがでしたか?
僕は現役の頃からサッカーを観るのが大好きだったので、その延長として解説者を考えていたんです。でも、その解説デビューの試合では頭に浮かんだことを瞬時に言葉で表現する難しさを感じました。

現役時代からスカパー!でサッカーをご覧になられていたのですか?
そうですね。夜中、子供が寝ているときは音声を消して、こっそりとサッカーを観ていました。でも、今は解説者をやっているので音声にしっかりと耳を傾けながら試合を楽しんでいます。宮内(聡)さんや川勝(良一)さん、エンマサさん(遠藤雅大)など諸先輩方のコメントや言い回しなど勉強させてもらっています。

解説業をはじめて現役の頃とサッカーの見方は変わりましたか?
現役の頃はプレーの参考にするという視点でサッカーを観ていたので、同じポジションの選手に注目していましたが、今は全体を俯瞰して観るようになりました。

解説をするときに心掛けていることは何でしょうか?
選手の気持ちを交えて、現場で起きていることを簡潔に伝えるということです。元プロサッカー選手として、このプレーの裏にはこういった意図が隠されているなど細かな部分を丁寧に解説したいと常に心掛けています。

現役時代から解説業に挑戦したいと思っていたのですか?
現役の頃から、指導者として選手の育成に関わりたいと思っていたんです。そういった目標がある中で解説は絶対に経験しておきたかったんです。というのも、短い時間で自分の考えを簡潔に伝えるというのは、指導者と解説者に共通している部分なのです。だから、解説をやっているとすごく勉強になりますよ。

2、指導者として若い世代に伝えたいこと
現在、S.C.相模原U-15の総監督としても活動されていますが、選手の育成にチャレンジしてみようと思ったのはなぜでしょうか?
現役の頃から、スクールで子供たちにサッカーを教えるのが好きだったんです。そして、一昨年、ブラジルへジュニアユースの大会を観に行ったんです。そこでブラジルの若い選手の激しさや厳しさを目の当たりにして『これだ!これを日本の子供たちに教えなければ!』と思い、それまで以上に育成に興味をもちました。実際、技術のある選手は日本にもたくさんいますが、戦える選手はまだ少ない。若い頃からそういった勝負にこだわる戦える選手を育てたいと思ったんです。

勝負への執着心を植え付けるためにどのような指導を心掛けていますか?
トレーニングの段階から『絶対に負けるな』ということをキーワードにしています。例えば、ミニゲームでも僕がメンバーに入って勝ちにこだわる姿勢を見せるなど、“勝つうれしさ、負ける悔しさ”を植え付けるようにしています。そして、週末の公式戦、練習試合でもそういったことを感じられるような指導を心掛けています。やり甲斐はものすごくありますよ。

技術面での指導はいかがですか?
大人と違って選手として完成されていないので、まず“ボールを止める”“蹴る”“ボールを運ぶ”ということを一から教えなければいけません。また前日クリアできた課題を翌日もクリアできるとは限らない。それでも、週末の試合に向けてトレーニングを積み、本番でその成果が少しでも見えると確かな自信にはなります。そういった部分を大切に指導者として子供たちと一日一日、一歩一歩進んでいければと思っています。

選手にイメージを伝えるためにサッカーの映像を見せたりしますか?
遠征の移動中にサッカーの映像は見せます。そうすると試合でそこで観たプレーと同じようなことをする場面もあるんです。僕も現役の頃は海外サッカーの映像などでよくイメージトレーニングをしていましたからね。やっぱり、イメージは大事ですよ。

スカパー!でサッカーを観ている小中高生の中にも将来、プロを目指している選手が多いと思うのですが、そういった方々に先輩としてアドバイスをお願いします。
ヨーロッパの超一流選手のプレーを観て、真似をするというのが若い選手には必要だと思います。まずは、いいプレーを観て、真似る。これで技術を一つ習得できれば、選手としてまた一歩成長できます。若い選手には戦術より、どんどん色々な技術をモノにしてほしい。そうすればプロへの道も近づくと思いますよ。

3、鹿島でジョルジーニョ選手から学んだモノ
17年間、選手生活を過ごされましたが、それだけ長く現役を続けられたのはなぜでしょうか?
サッカーをプレーすることも観ることも、大好きだったからだと思います。それはこの先もずっと変わらないものだと確信しています。あとは、プロである以上、睡眠、食事などは気を付けていました。

徹底的に勝負にこだわる性格というのもその要因としてありますか?
そうですね、負けず嫌いな性格というのも長く現役を続けられた要因ですね。実際、ベテランになってから若い選手とマッチアップする時には、『ガツンとやってやろう』とか、思っていましたしね(笑)。そして、55~65分くらいにその選手が交代すると、ヨシッ!(小さくガッツポーズ)という感じで。

現役時代の名良橋さんの熱いプレーを思い出してしまいますね(笑)。ちなみにそれでも怯まなかった選手はいますか?
アツ(三浦淳宏/横浜FC)とタカ坊(平野孝/バンクーバー・ホワイトキャップス)は、ガツンと仕掛けてもまったく怯まずにやっていました。あとは四中工(四日市中央工業高校)を卒業したてのエースケ(中西永輔/引退)との対戦はよく憶えています。彼は選手権で活躍してJリーグに入ってきたのでスターだったんです。だから、ちょっと足を削っちゃうとファンの女の子から黄色いブーイングが聞こえてくるんです…それが逆に気持ちよかったですね(笑)。

現役時代、ベルマーレ平塚(現・湘南)から鹿島アントラーズへの移籍を決心したのは、ジョルジーニョ選手(元ブラジル代表)の存在があったからだというのをお聞きしたのですが?
90年のワールドカップイタリア大会からずっとプレーを見続けてきた憧れの選手だったんです。そのジョルジーニョ選手が95年に鹿島に加入したんです。当時、僕は平塚でレギュラーとして出ていたのですが、代表には呼ばれていなかったんです。そこでもう一度、代表に呼ばれるためにプレーの質を上げたかった。だからこそ、彼の近くでプレーできれば自分の財産になると思ったんです。そして、平塚のフロントに『鹿島へ行かせて下さい』とお願いをしたんです。

ジョルジーニョ選手から学んだ一番大きなモノは何でしょうか?
戦う気持ちですね。ボールに対する執着心がとにかくすごいんです。トレーニング中もボールを奪われたら、自分がファーストディフェンダーとしてすぐにチェックに行っていましたし、ボールを取り返すまでずっと追いかけていましたから。

そのジョルジーニョ氏は現在、ブラジル代表のドゥンガ監督の下でコーチを務めています。いつか監督として対戦してみたいと思いますか?
対戦よりも彼が監督として鹿島へ帰ってきてくれるというのを願っているので、そうなった時には、すぐに鹿島へ『コーチとして雇って下さい』とお願いしに行きますよ(笑)。そして今度は選手としてではなく、指導者として彼から色々なことを吸収したいです。

当時、Jリーグでは鹿島のジョルジーニョ選手、磐田のドゥンガ選手と現役ブラジル代表同士の対決を観ることができましたね?
2人はちょうどマッチアップするポジションだったんです。しかも、2人とも“超”が付くほどの負けず嫌い。だから、この対決は毎回、本当に激しくて思わず見入ってしまうほどでした。それが今やコンビでブラジル代表を率いていますからね。本当にすごいことですよ。

4、ワールドカップ南アフリカ大会の注目点
ワールドカップフランス大会を経験した名良橋さんにとって、日の丸の付いたユニフォームとはどういった存在でしたか?
日の丸はものすごく重かったです。だからこそ、一つ一つのプレーにも気持ちが入りました。また、当時はカズさん(三浦知良/横浜FC)やゴンさん(中山雅史/札幌)のような国のために戦う選手がたくさんいたので、そういった選手に引っ張られて熱い想いを胸に一試合、一試合戦っていました。

今年開催される、南アフリカ大会で日本代表に期待することは何でしょうか?
ベスト4と言わず、もっと勝ってどんどん上を目指してほしいですね。今はメディアで色々厳しいことを言われていますが、こればっかりは実際に戦ってみないとわかりませんから。そのためにも選手たちには良い準備をしてほしい。目標は高ければ高いほどやり甲斐があります。選手はもちろん、スタッフ、サポーターを含めた日本全体がしっかりと高い目標を持って戦うことができればベスト4も叶うと信じています。

名良橋さんが注目している国はありますか?
ブラジル、北朝鮮、コートジボアール、ポルトガルのグループGは気になっています。可能ならブラジルのキャンプに帯同したいくらいです。あとはアルゼンチンのマラドーナ監督が、どういったトレーニングを行っているのか興味があります。

名良橋さんにとってサッカーとはどういった存在でしょうか?
サッカーがなかったら僕は本当につまらない人間だったと思います。そのくらいサッカーは僕にとってすべてです。現役は終わりましたが、これからは指導者として一歩一歩成長していきたい。そして、技術よりも戦う気持ち、サッカーの素晴らしさを若い年代に伝えていきたいです。

最後にスカパー!をご覧の皆さんにメッセージをお願いします。
コアなサッカーファンの方々が見ているのがスカパー!だと思っています。だからこそ、皆さんで日本のサッカーをもっともっと盛り上げて行きましょう!


名良橋のインタビューである。
解説者として、指導者として、現役時代、ジョルジーニョへの思い、などが垣間見える。
特にジョルジーニョとの関係は切っても切れぬものであろう。
是非ともジョルジーニョ監督・名良橋コーチが実現して欲しい。
そのためには我等は勝利を積み重ね、ジョルジーニョに相応しいクラブであり続ける必要がある。
そのためにも聖地へ集い、素晴らしいクラブの雰囲気を作っていこうではないか。

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1 コメント

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Unknown (目指せ4冠)
2010-03-02 22:41:18
名良橋はほんとジョルジが好きなんですね。
是非、二人とも戻ってきて星を積み上げて欲しいです。
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