2012Jリーグ ディビジョン1 第7節
鹿島アントラーズ:ジョルジーニョ
ずっとホームで勝てず、ファン・サポーターには本当に申し訳ないと思っていた。今日は感動的な試合で、今までたまっていたものが発散できたのではないかと思う。
しかし今日の相手であるC大阪は選手の質も良く、ソアレス監督の戦術もしっかりしていた素晴らしいチームだった。だからこそ前半は相手の崩しに対応しきれずに失点してしまい、苦しい戦いになったが、後半に入りそのギャップを突くという戦い方が出来て逆転できた。あきらめずに戦うというアントラーズのスタイルを発揮できた試合だったし、この勝利は大きな意味を持つと思う。
(梅鉢の交代について)選手が悪いわけではなく、相手のやり方に対応するための交代であって、柴崎を元々頭から起用するつもりもあった。ただ柴崎は負傷明けということでフル出場は厳しいということでベンチスタートだった。
200勝というチームの歴史に選手としても監督としても貢献できたことは、光栄。今日の勝利はアントラーズスピリットを表現できた試合だったと思うし、これが選手、スタッフ、そしてサポーターが望んでいる姿。先ずは下位から抜け出すことが前提ではあるが、我々の目標はもっと先にある。継続してやっていきたい。
【遠藤康】
まさか自分が(リーグ戦)2試合連続の決勝点を取るとは思わなかったけど、フォワードが点を取ったし、中盤も連係が良く取れていると思う。後半は中盤をダイヤモンド型にして、みんなの距離も近くなった。早い時間に1点取れたのがすごく良かったと思う。ゴールの場面はクロスを上げようと思ったんだけど、キーパーが出ていたので、打ったら入るかなって思って打った。コースは狙い通り。
【興梠 慎三】
いいところもあったし悪いところもあったけど、先に失点しないようにもっとしっかり守って、先に点を取れるように持っていけたら良い。こういう展開でも勝点3が取れたのは良かった。リーグ戦2連勝でチームもいい雰囲気。
2012年04月21日(土)
本日行われたJ1第7節 C大阪戦は3-2で勝利しました。
【J1:第7節 鹿島 vs C大阪】ジョルジーニョ監督(鹿島)記者会見コメント(12.04.21)
4月21日(土) 2012 J1リーグ戦 第7節
鹿島 3 - 2 C大阪 (15:03/カシマ/12,110人)
得点者:21' キムボギョン(C大阪)、45' キムボギョン(C大阪)、57' ドゥトラ(鹿島)、62' 興梠慎三(鹿島)、85' 遠藤康(鹿島)
●ジョルジーニョ監督(鹿島):
Q:後半は何が一番良かったのでしょうか?
「前半で讃えなければいけない部分があったと思います。セレッソさんの非常にタレントが豊富な攻撃陣のことです。セルジオ・ソアレス監督とはブラジル時代から対戦していますし、彼はものすごく積極的な采配をとる監督で有名です。特に前の4人はカウンターを仕掛けるための準備を常にしているような感じでしたので、そこは牽制しなければなりませんでした。彼らが取った一つの方法は、相手陣内で、つまりうちのビルドアップですが、そこにプレッシャーをかけて組み立てをさせない。要はボールを前に運ばせない、ということをやっていたなかで、うちはうまくできず圧力に負けてしまった部分がありました。ですので、前半の交代というのは戦術的にやむを得ない部分があったと思います。柴崎選手をボランチではなくハーフの位置にいれることで、少しは青木選手と小笠原選手でビルドアップできる形にし、そのプレッシャーをくぐり抜けて柴崎選手と遠藤選手にボールが行くようにすれば、我々が前にいける状態になるわけです。少しずつ、そういう状態になっていきました。後半からドゥトラ選手を入れて、形も菱形にして、ドゥトラ選手のスピードという部分、特に相手が与えてくれるスペースでうまく推進力を生かして前に行く、というところがうまく機能したと思います。相手がプレッシャーをかけようとしたところで、それをくぐり抜ける力を持って、また前に行く選手の力もあり、最初の得点から同点までたどり着いたんだと思います。
そして最後は、僕の代の前から、そして僕らも引き継いだものである伝統のアントラーズスピリットだと思います。諦めず、献身的に、最後まで戦い続けるというのが、勝利を引き寄せたところもあったと思います。途中、ちょっと混乱した部分、見苦しい部分がありましたけど、それはやむを得ないゲームのことでしたので、ただ、勝利することが目標でしたし、それを達成できたので良かったと思います」
Q:柴崎選手を交代した時に、後半頭からドゥトラ選手を投入することも考えていたのでしょうか。そして、梅鉢選手には辛い試合になったと思います。監督からどんな言葉をかけたのかお聞かせ下さい。
「梅鉢選手に関しては、僕自身も長いキャリアのなかで前半で交代させられた経験もあります。選手としては苦しい部分や悲しいところはあると思います。ただ、まだ19歳ですし、今後も伸びていく選手だと確信しています。まだいろいろな経験が浅いため、どうすればいいのかがわからないところはあるかもしれません。しかし、今後はそういった指導もし、こういう時にはこういう風に対応するんだということを、指導し続けたいと思います。彼に明確にしたのは、この交代は戦術的な部分であるということです。認めざるを得ないのは、セレッソさんがその時間帯まで良い配置をしていたし、特に前の4人は流動的にポジションチェンジをしていたし、あるいは3人目の動きを活用して、マークを掴みきれない時間が継続して、1失点目の部分では失点してしまいました。そこで交代に踏み切って、攻撃も守備も少しでもバランスが取れればと考えました。いきなり前半で2人交代するのも苦しい部分があるので、前半は1-0で終わってくれという気持ちでいました。しかし、微妙な判断のところで2失点目をしてしまいました。ハーフタイムにも時間があったので、そこでうまく修正して、選手たちもうまく理解してくれたと思います。柴崎選手を中央のアンカーの位置に、小笠原選手を左、遠藤選手を右、ドゥトラ選手を菱形のトップのところにもっていって、この4人でうまく構成して前にボールを運ぶということを僕は求めました。彼らがよく理解してやってくれたと思いますし、そこが機能して1点目や、同点に追い付く2点目が生まれたと思います。最後は、先ほども言いましたとおり、気持ちの部分だと思います。どうしても勝ちたいという一心から、出ている選手、ベンチの選手、スタッフ、サポーターも含めて、全員の気持ちの入ったゴールになったと思います。
あの時間帯、状況、相手の勢いというものを考えたら、素速い判断をしなければなりませんでした。選手の気持ち、例えば梅鉢選手の気持ちを考えて、そこに配慮しすぎて、チームがまた3点、4点、取られてしまうとなにも意味がありません。勝つことが求められている結果であり、そこには早急な判断が必要でした。時には、その判断によって痛みを伴うときがあるかもしれません。しかし、その痛みは後で話をすることで治していけば、クスリを与えるように治るわけです。そういうわけで、僕は早い時間帯で判断をしています。自分で迷って迷って決断を下さず、あるいは個人のことを考えてしまいチームの勝利を失うという後悔はしないタイプです。決断を素速く、義理や人情の部分は試合中だけは捨てて、やるしかないと思っています。常に選手たちのモチベーションを保つことは心がけるようにしています。たぶん、選手も今日の交代の意図は理解してるのではないかと思います」
Q:ソアレス監督とはブラジル時代に対戦したことがあると発言されていたと思います。ブラジルで指揮していたチームの印象との違いを教えて下さい。
「彼と対戦した時は、彼はアトレチコ・パラナエンセで指揮していたのですが、その時はチームがいろんな影響があってうまくいっていない時期でした。その時も選手層としてはいる状態でしたが、ブラジルの場合はまわりにいろんな要素があって、自分の力を発揮できない状態でした。セレッソさんに関しては、前の4人は素晴らしい能力をもっています。また、ホームでもアウェイでも積極的な戦法や前からプレッシャーをかけてやっています。今日のように2-0になれば、6人で守るのではなくしっかり帰陣して守るようにしていますが、大半は6人で守って4人で攻撃に専念するという自由を与える監督でもありますし、攻撃が好きな監督です。残念ながら、8番の清武選手がシーズン途中で抜けるということになりそうですが、でも途中から出てきた13番の柿谷選手がいますのでそこで補うことができると思います。攻撃に関しての選手の能力は素晴らしいものを持っていますし、みなさんが見ての通り積極的な戦法というか、やり方をとる監督の一人だと思います」
以上
【J1:第7節 鹿島 vs C大阪】試合終了後の各選手コメント(12.04.21)
●遠藤康選手(鹿島):
「勝ったのはよかった。FWも中盤も点を取れた。前目の方は連携も良かったので。
(得点の場面は?)
その前に右足のシュートを外していたのでよかったです。ああいうのを入れていかないと。
(試合については?)
早い時間で1点返せてよかった。あれで息を吹き返せた。
(決勝点は?)
センタリングを挙げようと思ったけど、けっこうGKが前に出ていたので入るかなと思って打った。監督からはよくシュートを打てといわれている。中盤も点を取らないと評価されない、というのはある。
(序盤で苦しんだことがこういう試合に生きている?)」
スタートが悪かったので、みんな1試合1試合を大事にしよう、みんなで勝とうという気持ちが強くなっている。それは良いことだと思う。勝つと気持ちも楽になるし」
●ドゥトラ選手(鹿島):
「ベンチにいる選手は常に出ている選手たちのことを見ています。どこが良くてどこが悪いのか考えている。今日は後ろからの押し上げとスピードのある攻撃参加を考えていた。こういう状況で使ってくれた監督には感謝していますし、チームが勝てたことがほんとうに良かったと思います」
●小笠原満男選手(鹿島):
「逆転は評価できるけどもっとすっきり勝てたと思う。相手に勢いがあり、それを受けてしまった。
(前半のチャンスを決めておけばこうならなかった?)
それを言い出すと切りがない。入らなければその回数を増やすことを考えればいい。逆転勝ちや終盤に点が決まることが最近は多いけど、毎回こういう展開ができるわけじゃない。先制して、突き放す。そういう展開にしたい。ただ、みんなが諦めず、勝ちたいという気持ちを出せたと思う。2失点してガクッとしないで勝ちたいという気持ちが出ていた。
(ダイヤがこれだけ機能したのも初めてでは?)
個人的には広島戦の後半も悪くなかった。でも、大事なのはシステムじゃない。チーム全体で戦えている。その良さを継続して、欲を言えばスッキリ勝ちたい。
(梅鉢選手にはキャプテンとして声をかけたのか?)
30分で交代したけど、その30分も出られない選手もいる。自分も、トルシエの時かな、17分で変えられたこともある。気にすることはない、という経験を話しました。こっから頑張れるかどうかは彼次第。頑張れる選手だと思う」
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
2点を追いかける鹿島は57分、ドゥトラ(写真)の移籍後初ゴールで反撃開始。
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
1点を返し息を吹き返した鹿島は続く62分、ドゥトラからのボールを興梠慎三(写真)が決めてついに同点に追いつく。 興梠はこれが3試合連続のゴール。
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
試合が決まったのは85分。西大伍からのボールを遠藤康(写真)が左足で決めて勝越しに成功。そのまま逃げ切った鹿島は2点差をひっくり返し公式戦3試合連続の逆転勝ちとなった。
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
WOWプレーヤーズアワード
本日の試合で決勝点をあげた遠藤康選手(鹿島)が、この試合のWOWプレーヤーズアワードに選ばれた。
鹿島・ドゥトラ、1得点1アシストの活躍「使ってくれた監督に感謝」
J1第7節は21日に8試合が行われ、鹿島アントラーズは3-2でセレッソ大阪に逆転勝ちした。C大阪は前半、キム・ボギョンの2得点でリードを奪ったが、後半は鹿島が反撃に転じ、後半12分に途中出場のドゥトラ、その5分後に興梠慎三が立て続けにゴールを挙げ逆転に成功する。さらに後半40分に遠藤康が決勝点を奪い、2点差をひっくり返した。
以下は、試合後のドゥトラ(鹿島)のコメント。
「ベンチにいる選手は常に出ている選手たちのことを見ている。どこが良くてどこが悪いのかを考えている。今日は後ろからの押し上げとスピードのある攻撃参加を考えていた。こういう状況で使ってくれた監督には感謝しているし、チームが勝てたことが本当に良かったと思う」
取材協力:Jリーグメディアプロモーション
[ スポーツナビ 2012年4月21日 20:48 ]
鹿島・小笠原、前半で交代の梅鉢を気遣う「気にすることはない」
J1第7節は21日に8試合が行われ、鹿島アントラーズは3-2でセレッソ大阪に逆転勝ちした。C大阪は前半、キム・ボギョンの2得点でリードを奪ったが、後半は鹿島が反撃に転じ、後半12分に途中出場のドゥトラ、その5分後に興梠慎三が立て続けにゴールを挙げ逆転に成功する。さらに後半40分に遠藤康が決勝点を奪い、2点差をひっくり返した。
以下は、試合後の小笠原満男(鹿島)のコメント。
「逆転は評価できるけど、もっとすっきり勝てたと思う。相手に勢いがあり、それを受けてしまった。(前半のチャンスを決められなかったが)それを言い出すときりがない。入らなければその回数を増やすことを考えればいい。逆転勝ちや終盤に点が決まることが最近は多いけど、毎回こういう展開ができるわけじゃない。先制して、突き放す。そういう展開にしたい。ただ、みんながあきらめず、勝ちたいという気持ちを出せたと思う。2失点してガクッとしないで勝ちたいという気持ちが出ていた。
(ダイヤモンド型の中盤が機能したのは初めて?)個人的には広島戦の後半も悪くなかった。でも、大事なのはシステムじゃない。チーム全体で戦えている。その良さを継続して、欲を言えばスッキリ勝ちたい。
(前半で退いた梅鉢に声を掛けたのか?)30分で交代したけど、その30分も出られない選手もいる。自分もトルシエの時かな、17分で代えられたこともある。気にすることはないという経験を話しました。ここから頑張れるかどうかは彼次第。頑張れる選手だと思う」
取材協力:Jリーグメディアプロモーション
[ スポーツナビ 2012年4月21日 20:57 ]
ベンチから常にチームの状況を観察しておったドゥトラである。
彼のコメントには知性を感じる。
そして、チーム戦術に溶け込み結果を出したことは、監督を含め賛辞を贈るところである。
緊急補強の助っ人が本領を発揮し、勝利を積み重ねるであろう。
これからの試合が楽しみである。
鹿島アントラーズ:ジョルジーニョ
ずっとホームで勝てず、ファン・サポーターには本当に申し訳ないと思っていた。今日は感動的な試合で、今までたまっていたものが発散できたのではないかと思う。
しかし今日の相手であるC大阪は選手の質も良く、ソアレス監督の戦術もしっかりしていた素晴らしいチームだった。だからこそ前半は相手の崩しに対応しきれずに失点してしまい、苦しい戦いになったが、後半に入りそのギャップを突くという戦い方が出来て逆転できた。あきらめずに戦うというアントラーズのスタイルを発揮できた試合だったし、この勝利は大きな意味を持つと思う。
(梅鉢の交代について)選手が悪いわけではなく、相手のやり方に対応するための交代であって、柴崎を元々頭から起用するつもりもあった。ただ柴崎は負傷明けということでフル出場は厳しいということでベンチスタートだった。
200勝というチームの歴史に選手としても監督としても貢献できたことは、光栄。今日の勝利はアントラーズスピリットを表現できた試合だったと思うし、これが選手、スタッフ、そしてサポーターが望んでいる姿。先ずは下位から抜け出すことが前提ではあるが、我々の目標はもっと先にある。継続してやっていきたい。
【遠藤康】
まさか自分が(リーグ戦)2試合連続の決勝点を取るとは思わなかったけど、フォワードが点を取ったし、中盤も連係が良く取れていると思う。後半は中盤をダイヤモンド型にして、みんなの距離も近くなった。早い時間に1点取れたのがすごく良かったと思う。ゴールの場面はクロスを上げようと思ったんだけど、キーパーが出ていたので、打ったら入るかなって思って打った。コースは狙い通り。
【興梠 慎三】
いいところもあったし悪いところもあったけど、先に失点しないようにもっとしっかり守って、先に点を取れるように持っていけたら良い。こういう展開でも勝点3が取れたのは良かった。リーグ戦2連勝でチームもいい雰囲気。
2012年04月21日(土)
本日行われたJ1第7節 C大阪戦は3-2で勝利しました。
【J1:第7節 鹿島 vs C大阪】ジョルジーニョ監督(鹿島)記者会見コメント(12.04.21)
4月21日(土) 2012 J1リーグ戦 第7節
鹿島 3 - 2 C大阪 (15:03/カシマ/12,110人)
得点者:21' キムボギョン(C大阪)、45' キムボギョン(C大阪)、57' ドゥトラ(鹿島)、62' 興梠慎三(鹿島)、85' 遠藤康(鹿島)
●ジョルジーニョ監督(鹿島):
Q:後半は何が一番良かったのでしょうか?
「前半で讃えなければいけない部分があったと思います。セレッソさんの非常にタレントが豊富な攻撃陣のことです。セルジオ・ソアレス監督とはブラジル時代から対戦していますし、彼はものすごく積極的な采配をとる監督で有名です。特に前の4人はカウンターを仕掛けるための準備を常にしているような感じでしたので、そこは牽制しなければなりませんでした。彼らが取った一つの方法は、相手陣内で、つまりうちのビルドアップですが、そこにプレッシャーをかけて組み立てをさせない。要はボールを前に運ばせない、ということをやっていたなかで、うちはうまくできず圧力に負けてしまった部分がありました。ですので、前半の交代というのは戦術的にやむを得ない部分があったと思います。柴崎選手をボランチではなくハーフの位置にいれることで、少しは青木選手と小笠原選手でビルドアップできる形にし、そのプレッシャーをくぐり抜けて柴崎選手と遠藤選手にボールが行くようにすれば、我々が前にいける状態になるわけです。少しずつ、そういう状態になっていきました。後半からドゥトラ選手を入れて、形も菱形にして、ドゥトラ選手のスピードという部分、特に相手が与えてくれるスペースでうまく推進力を生かして前に行く、というところがうまく機能したと思います。相手がプレッシャーをかけようとしたところで、それをくぐり抜ける力を持って、また前に行く選手の力もあり、最初の得点から同点までたどり着いたんだと思います。
そして最後は、僕の代の前から、そして僕らも引き継いだものである伝統のアントラーズスピリットだと思います。諦めず、献身的に、最後まで戦い続けるというのが、勝利を引き寄せたところもあったと思います。途中、ちょっと混乱した部分、見苦しい部分がありましたけど、それはやむを得ないゲームのことでしたので、ただ、勝利することが目標でしたし、それを達成できたので良かったと思います」
Q:柴崎選手を交代した時に、後半頭からドゥトラ選手を投入することも考えていたのでしょうか。そして、梅鉢選手には辛い試合になったと思います。監督からどんな言葉をかけたのかお聞かせ下さい。
「梅鉢選手に関しては、僕自身も長いキャリアのなかで前半で交代させられた経験もあります。選手としては苦しい部分や悲しいところはあると思います。ただ、まだ19歳ですし、今後も伸びていく選手だと確信しています。まだいろいろな経験が浅いため、どうすればいいのかがわからないところはあるかもしれません。しかし、今後はそういった指導もし、こういう時にはこういう風に対応するんだということを、指導し続けたいと思います。彼に明確にしたのは、この交代は戦術的な部分であるということです。認めざるを得ないのは、セレッソさんがその時間帯まで良い配置をしていたし、特に前の4人は流動的にポジションチェンジをしていたし、あるいは3人目の動きを活用して、マークを掴みきれない時間が継続して、1失点目の部分では失点してしまいました。そこで交代に踏み切って、攻撃も守備も少しでもバランスが取れればと考えました。いきなり前半で2人交代するのも苦しい部分があるので、前半は1-0で終わってくれという気持ちでいました。しかし、微妙な判断のところで2失点目をしてしまいました。ハーフタイムにも時間があったので、そこでうまく修正して、選手たちもうまく理解してくれたと思います。柴崎選手を中央のアンカーの位置に、小笠原選手を左、遠藤選手を右、ドゥトラ選手を菱形のトップのところにもっていって、この4人でうまく構成して前にボールを運ぶということを僕は求めました。彼らがよく理解してやってくれたと思いますし、そこが機能して1点目や、同点に追い付く2点目が生まれたと思います。最後は、先ほども言いましたとおり、気持ちの部分だと思います。どうしても勝ちたいという一心から、出ている選手、ベンチの選手、スタッフ、サポーターも含めて、全員の気持ちの入ったゴールになったと思います。
あの時間帯、状況、相手の勢いというものを考えたら、素速い判断をしなければなりませんでした。選手の気持ち、例えば梅鉢選手の気持ちを考えて、そこに配慮しすぎて、チームがまた3点、4点、取られてしまうとなにも意味がありません。勝つことが求められている結果であり、そこには早急な判断が必要でした。時には、その判断によって痛みを伴うときがあるかもしれません。しかし、その痛みは後で話をすることで治していけば、クスリを与えるように治るわけです。そういうわけで、僕は早い時間帯で判断をしています。自分で迷って迷って決断を下さず、あるいは個人のことを考えてしまいチームの勝利を失うという後悔はしないタイプです。決断を素速く、義理や人情の部分は試合中だけは捨てて、やるしかないと思っています。常に選手たちのモチベーションを保つことは心がけるようにしています。たぶん、選手も今日の交代の意図は理解してるのではないかと思います」
Q:ソアレス監督とはブラジル時代に対戦したことがあると発言されていたと思います。ブラジルで指揮していたチームの印象との違いを教えて下さい。
「彼と対戦した時は、彼はアトレチコ・パラナエンセで指揮していたのですが、その時はチームがいろんな影響があってうまくいっていない時期でした。その時も選手層としてはいる状態でしたが、ブラジルの場合はまわりにいろんな要素があって、自分の力を発揮できない状態でした。セレッソさんに関しては、前の4人は素晴らしい能力をもっています。また、ホームでもアウェイでも積極的な戦法や前からプレッシャーをかけてやっています。今日のように2-0になれば、6人で守るのではなくしっかり帰陣して守るようにしていますが、大半は6人で守って4人で攻撃に専念するという自由を与える監督でもありますし、攻撃が好きな監督です。残念ながら、8番の清武選手がシーズン途中で抜けるということになりそうですが、でも途中から出てきた13番の柿谷選手がいますのでそこで補うことができると思います。攻撃に関しての選手の能力は素晴らしいものを持っていますし、みなさんが見ての通り積極的な戦法というか、やり方をとる監督の一人だと思います」
以上
【J1:第7節 鹿島 vs C大阪】試合終了後の各選手コメント(12.04.21)
●遠藤康選手(鹿島):
「勝ったのはよかった。FWも中盤も点を取れた。前目の方は連携も良かったので。
(得点の場面は?)
その前に右足のシュートを外していたのでよかったです。ああいうのを入れていかないと。
(試合については?)
早い時間で1点返せてよかった。あれで息を吹き返せた。
(決勝点は?)
センタリングを挙げようと思ったけど、けっこうGKが前に出ていたので入るかなと思って打った。監督からはよくシュートを打てといわれている。中盤も点を取らないと評価されない、というのはある。
(序盤で苦しんだことがこういう試合に生きている?)」
スタートが悪かったので、みんな1試合1試合を大事にしよう、みんなで勝とうという気持ちが強くなっている。それは良いことだと思う。勝つと気持ちも楽になるし」
●ドゥトラ選手(鹿島):
「ベンチにいる選手は常に出ている選手たちのことを見ています。どこが良くてどこが悪いのか考えている。今日は後ろからの押し上げとスピードのある攻撃参加を考えていた。こういう状況で使ってくれた監督には感謝していますし、チームが勝てたことがほんとうに良かったと思います」
●小笠原満男選手(鹿島):
「逆転は評価できるけどもっとすっきり勝てたと思う。相手に勢いがあり、それを受けてしまった。
(前半のチャンスを決めておけばこうならなかった?)
それを言い出すと切りがない。入らなければその回数を増やすことを考えればいい。逆転勝ちや終盤に点が決まることが最近は多いけど、毎回こういう展開ができるわけじゃない。先制して、突き放す。そういう展開にしたい。ただ、みんなが諦めず、勝ちたいという気持ちを出せたと思う。2失点してガクッとしないで勝ちたいという気持ちが出ていた。
(ダイヤがこれだけ機能したのも初めてでは?)
個人的には広島戦の後半も悪くなかった。でも、大事なのはシステムじゃない。チーム全体で戦えている。その良さを継続して、欲を言えばスッキリ勝ちたい。
(梅鉢選手にはキャプテンとして声をかけたのか?)
30分で交代したけど、その30分も出られない選手もいる。自分も、トルシエの時かな、17分で変えられたこともある。気にすることはない、という経験を話しました。こっから頑張れるかどうかは彼次第。頑張れる選手だと思う」
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
2点を追いかける鹿島は57分、ドゥトラ(写真)の移籍後初ゴールで反撃開始。
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
1点を返し息を吹き返した鹿島は続く62分、ドゥトラからのボールを興梠慎三(写真)が決めてついに同点に追いつく。 興梠はこれが3試合連続のゴール。
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
試合が決まったのは85分。西大伍からのボールを遠藤康(写真)が左足で決めて勝越しに成功。そのまま逃げ切った鹿島は2点差をひっくり返し公式戦3試合連続の逆転勝ちとなった。
[ J1:第7節 鹿島 vs C大阪 ]
WOWプレーヤーズアワード
本日の試合で決勝点をあげた遠藤康選手(鹿島)が、この試合のWOWプレーヤーズアワードに選ばれた。
鹿島・ドゥトラ、1得点1アシストの活躍「使ってくれた監督に感謝」
J1第7節は21日に8試合が行われ、鹿島アントラーズは3-2でセレッソ大阪に逆転勝ちした。C大阪は前半、キム・ボギョンの2得点でリードを奪ったが、後半は鹿島が反撃に転じ、後半12分に途中出場のドゥトラ、その5分後に興梠慎三が立て続けにゴールを挙げ逆転に成功する。さらに後半40分に遠藤康が決勝点を奪い、2点差をひっくり返した。
以下は、試合後のドゥトラ(鹿島)のコメント。
「ベンチにいる選手は常に出ている選手たちのことを見ている。どこが良くてどこが悪いのかを考えている。今日は後ろからの押し上げとスピードのある攻撃参加を考えていた。こういう状況で使ってくれた監督には感謝しているし、チームが勝てたことが本当に良かったと思う」
取材協力:Jリーグメディアプロモーション
[ スポーツナビ 2012年4月21日 20:48 ]
鹿島・小笠原、前半で交代の梅鉢を気遣う「気にすることはない」
J1第7節は21日に8試合が行われ、鹿島アントラーズは3-2でセレッソ大阪に逆転勝ちした。C大阪は前半、キム・ボギョンの2得点でリードを奪ったが、後半は鹿島が反撃に転じ、後半12分に途中出場のドゥトラ、その5分後に興梠慎三が立て続けにゴールを挙げ逆転に成功する。さらに後半40分に遠藤康が決勝点を奪い、2点差をひっくり返した。
以下は、試合後の小笠原満男(鹿島)のコメント。
「逆転は評価できるけど、もっとすっきり勝てたと思う。相手に勢いがあり、それを受けてしまった。(前半のチャンスを決められなかったが)それを言い出すときりがない。入らなければその回数を増やすことを考えればいい。逆転勝ちや終盤に点が決まることが最近は多いけど、毎回こういう展開ができるわけじゃない。先制して、突き放す。そういう展開にしたい。ただ、みんながあきらめず、勝ちたいという気持ちを出せたと思う。2失点してガクッとしないで勝ちたいという気持ちが出ていた。
(ダイヤモンド型の中盤が機能したのは初めて?)個人的には広島戦の後半も悪くなかった。でも、大事なのはシステムじゃない。チーム全体で戦えている。その良さを継続して、欲を言えばスッキリ勝ちたい。
(前半で退いた梅鉢に声を掛けたのか?)30分で交代したけど、その30分も出られない選手もいる。自分もトルシエの時かな、17分で代えられたこともある。気にすることはないという経験を話しました。ここから頑張れるかどうかは彼次第。頑張れる選手だと思う」
取材協力:Jリーグメディアプロモーション
[ スポーツナビ 2012年4月21日 20:57 ]
ベンチから常にチームの状況を観察しておったドゥトラである。
彼のコメントには知性を感じる。
そして、チーム戦術に溶け込み結果を出したことは、監督を含め賛辞を贈るところである。
緊急補強の助っ人が本領を発揮し、勝利を積み重ねるであろう。
これからの試合が楽しみである。