ダヴィの怪我が心配。
鹿島の大物ルーキー・赤秀平。期待とは裏腹に不本意なシーズンも、得点感覚の片鱗は発揮。未来のエースストライカーの現在地
今シーズン、鹿島アントラーズに加入した赤秀平は、大学時代から注目を浴びてきた。だが、ここまでの個人成績は8試合2得点と決して満足のいくものではない。ゴールを奪うために必要な“型”は持っている。後は限られた出場機会で結果を残していくしかない。
2014年10月18日
text by 青木務 photo Getty Images
得意な形から約4ヶ月ぶりのゴール
ガンバ大阪戦で先制ゴールを決めた赤秀平【写真:Getty Images】
ミックスゾーンに姿を現した鹿島アントラーズのFW赤秀平に表情はなかった。ガンバ大阪との上位対決を逆転負けという形で落としており、赤だけでなく鹿島アントラーズの全員が感情を押し殺していた。
だが、赤自身にとっては今後の糧となる試合だった。
この日、大卒ルーキーは先制ゴールを奪っている。前半5分、MF土居聖真がドリブルで持ち込み、右サイドのMF遠藤康に展開。中に入りながら左足でスルーパスを送ると、そこに赤が走り込む。相手選手が手を上げてオフサイドをアピールするも笛はならない。完璧なタイミングでの抜け出しだった。
右足アウトサイドでボールをコントロールし、流麗なターンでシュートモーションに入る。対応が遅れたDFをよそに赤は左足に力を込めると、強烈なシュートがネットに突き刺さった。
そして素早く振り返り、ベンチへと走る。チームメイトからの手荒い祝福を笑顔で受けた。歓喜の輪が解けると今度は鹿島サポーターが陣取るゴール裏へ向けて、左胸のエンブレムに手をあて、2度、3度叩く。試合前から盛んに自分の名前をコールしてくれた“12番目の選手たち”に感謝を示しているようだった。
「前の試合で結果を出せずに悔しい思いをしたので、思い切りやろうというつもりで試合に入りました。自分が勝たせるつもりで試合の頭からシュートを打っていこうと思っていた。あれは自分の得意なもらい方でもありましたし、遠藤選手がしっかり見ていてくれたので、決められたのは良かったと思います」
5月の徳島ヴォルティス戦でプロ初ゴールを決めたが、その後は無得点。FWダヴィとのワントップ争いで優位に立てず、出場時間も限られた。
出場すればチャンスは作ってきた。相手DFとの駆け引きから一瞬のスピードで裏へ抜け出す一連の流れは、赤の真骨頂である。パスを送る味方との呼吸も合っている。得点だけが欠けていた。だからこそ、約4ヶ月ぶりとなる今季2点目は自らの存在価値を証明する一発になった。
限られた出番でどれだけ結果を残せるか
ガンバ戦で土居が決めたチーム2点目は、鋭いカウンターから生まれたものだった。繋ぎからフィニッシュまで赤崎が絡むことはなかったが、ファーサイドからボールを呼び込んでいた。そして土居のシュートがGKを抜け、ゴールへ一直線という段階でも赤崎は足を止めず、最後はスライディングで自らも枠の中に突っ込んでいた。いかに貪欲にゴールを狙っていたかがわかるシーンだった。得点者はもちろん土居だが、あの場面でもスピードを緩めなかった赤の姿勢も見逃せない。
結果的にチームは敗れ、自身も73分に途中交代でベンチへ退いた。センターフォワードタイプは赤だけだったが、最後までピッチに残ることはできなった。
「出ていた選手全員がチームを勝たせたかったと思うので、結果がついてこなかったのは残念です」と、淡々と振り返ってはいたが、悔しさはあったはずだ。
「自分が勝たせる」と意気込み、その通り1得点を記録した。今節の柏レイソル戦ではダヴィが出場停止から戻ってくる。スタメンは恐らくこのブラジル人ストライカーだろう。
ダヴィの良さはその迫力だ。弾丸のような突進でゴールを狙い続ける様は、相手にとっては脅威。そして、たとえアバウトなボールでも半ば強引に自分のものにしてしまう力強さもある。シュート数の割にゴール数はそこまで伸びていないが、積極性はストライカーのそれだ。
そうした強引さは、赤にはない。だが、味方との息の合った連携から相手守備陣を崩すことができる。周囲が赤崎に合わせ、赤崎もパスの出し手とのタイミングを一致させる必要があるが、そうしたプレーも問題ない。
とはいえ、今のままではダヴィからポジションを奪うのは難しい。自分の形から理想のゴールを挙げたが、その数字をもっと伸ばしていく必要があるのは明白だ。
出場機会は限られるが、赤はこれからも貪欲にゴールを狙い続ける。起用された試合で得点を重ねていくことこそ、自らの価値を高める唯一の方法だからだ。
【了】
赤について記すフットボールチャンネルの青木氏である。
ガンバ戦の先制点も徳島戦の試合開始直後の決定機も赤のプレイスタイルをよく示しておった。
つまり、周囲との連携も取れており、出場すればチャンスに直結するであろう。
今はダヴィがファーストチョイスでも、赤にも機会はある。
ゴールという結果を追求し、貪欲にプレイしていくのだ。
鹿島の未来を背負うべき選手として赤にかかる期待は大きい。
楽しみにしておる。
今シーズン、鹿島アントラーズに加入した赤秀平は、大学時代から注目を浴びてきた。だが、ここまでの個人成績は8試合2得点と決して満足のいくものではない。ゴールを奪うために必要な“型”は持っている。後は限られた出場機会で結果を残していくしかない。
2014年10月18日
text by 青木務 photo Getty Images
得意な形から約4ヶ月ぶりのゴール
ガンバ大阪戦で先制ゴールを決めた赤秀平【写真:Getty Images】
ミックスゾーンに姿を現した鹿島アントラーズのFW赤秀平に表情はなかった。ガンバ大阪との上位対決を逆転負けという形で落としており、赤だけでなく鹿島アントラーズの全員が感情を押し殺していた。
だが、赤自身にとっては今後の糧となる試合だった。
この日、大卒ルーキーは先制ゴールを奪っている。前半5分、MF土居聖真がドリブルで持ち込み、右サイドのMF遠藤康に展開。中に入りながら左足でスルーパスを送ると、そこに赤が走り込む。相手選手が手を上げてオフサイドをアピールするも笛はならない。完璧なタイミングでの抜け出しだった。
右足アウトサイドでボールをコントロールし、流麗なターンでシュートモーションに入る。対応が遅れたDFをよそに赤は左足に力を込めると、強烈なシュートがネットに突き刺さった。
そして素早く振り返り、ベンチへと走る。チームメイトからの手荒い祝福を笑顔で受けた。歓喜の輪が解けると今度は鹿島サポーターが陣取るゴール裏へ向けて、左胸のエンブレムに手をあて、2度、3度叩く。試合前から盛んに自分の名前をコールしてくれた“12番目の選手たち”に感謝を示しているようだった。
「前の試合で結果を出せずに悔しい思いをしたので、思い切りやろうというつもりで試合に入りました。自分が勝たせるつもりで試合の頭からシュートを打っていこうと思っていた。あれは自分の得意なもらい方でもありましたし、遠藤選手がしっかり見ていてくれたので、決められたのは良かったと思います」
5月の徳島ヴォルティス戦でプロ初ゴールを決めたが、その後は無得点。FWダヴィとのワントップ争いで優位に立てず、出場時間も限られた。
出場すればチャンスは作ってきた。相手DFとの駆け引きから一瞬のスピードで裏へ抜け出す一連の流れは、赤の真骨頂である。パスを送る味方との呼吸も合っている。得点だけが欠けていた。だからこそ、約4ヶ月ぶりとなる今季2点目は自らの存在価値を証明する一発になった。
限られた出番でどれだけ結果を残せるか
ガンバ戦で土居が決めたチーム2点目は、鋭いカウンターから生まれたものだった。繋ぎからフィニッシュまで赤崎が絡むことはなかったが、ファーサイドからボールを呼び込んでいた。そして土居のシュートがGKを抜け、ゴールへ一直線という段階でも赤崎は足を止めず、最後はスライディングで自らも枠の中に突っ込んでいた。いかに貪欲にゴールを狙っていたかがわかるシーンだった。得点者はもちろん土居だが、あの場面でもスピードを緩めなかった赤の姿勢も見逃せない。
結果的にチームは敗れ、自身も73分に途中交代でベンチへ退いた。センターフォワードタイプは赤だけだったが、最後までピッチに残ることはできなった。
「出ていた選手全員がチームを勝たせたかったと思うので、結果がついてこなかったのは残念です」と、淡々と振り返ってはいたが、悔しさはあったはずだ。
「自分が勝たせる」と意気込み、その通り1得点を記録した。今節の柏レイソル戦ではダヴィが出場停止から戻ってくる。スタメンは恐らくこのブラジル人ストライカーだろう。
ダヴィの良さはその迫力だ。弾丸のような突進でゴールを狙い続ける様は、相手にとっては脅威。そして、たとえアバウトなボールでも半ば強引に自分のものにしてしまう力強さもある。シュート数の割にゴール数はそこまで伸びていないが、積極性はストライカーのそれだ。
そうした強引さは、赤にはない。だが、味方との息の合った連携から相手守備陣を崩すことができる。周囲が赤崎に合わせ、赤崎もパスの出し手とのタイミングを一致させる必要があるが、そうしたプレーも問題ない。
とはいえ、今のままではダヴィからポジションを奪うのは難しい。自分の形から理想のゴールを挙げたが、その数字をもっと伸ばしていく必要があるのは明白だ。
出場機会は限られるが、赤はこれからも貪欲にゴールを狙い続ける。起用された試合で得点を重ねていくことこそ、自らの価値を高める唯一の方法だからだ。
【了】
赤について記すフットボールチャンネルの青木氏である。
ガンバ戦の先制点も徳島戦の試合開始直後の決定機も赤のプレイスタイルをよく示しておった。
つまり、周囲との連携も取れており、出場すればチャンスに直結するであろう。
今はダヴィがファーストチョイスでも、赤にも機会はある。
ゴールという結果を追求し、貪欲にプレイしていくのだ。
鹿島の未来を背負うべき選手として赤にかかる期待は大きい。
楽しみにしておる。
鹿島昌子が筋挫傷から復帰、18日柏戦先発
鹿島DF昌子源(21)が今日18日の柏戦に先発する。
10日ジャマイカ戦と14日ブラジル戦の日本代表に選ばれたが、右太もも裏の筋挫傷で辞退。全治2~3週間と診断されていたが、治療に専念したことで予定より復帰が早まった。「辞退した悔しさでジャマイカ戦は見ていない。でも切り替えてブラジル戦を見たら、絶対にまた代表に呼ばれたいと思った」。現在3位のリーグで万全な姿を見せることで11月の代表入りを目指す。
[2014年10月18日7時21分 紙面から]
鹿島DF昌子 脅威の回復力で先発 代表復帰目指し柏を完封へ
J1第28節 鹿島―柏 (10月18日 カシマ)
国際親善試合で中断していたJ1リーグが18日に再開する。3位・鹿島は本拠地で柏戦。残り7試合で負けられない中、DF昌子の先発復帰が確実になった。
5日のG大阪戦後、全治2~3週間の右太腿筋挫傷が判明。初選出された日本代表も辞退せざるを得なかった。しかし「若いし休めたのが大きかった」と15日から全体練習に合流。驚異の回復力で間に合わせた。
ジャマイカ戦(10日、デンカS)は「代表辞退を切り替えられなかったし、見ることができなかった」がブラジル戦(14日、シンガポール)は選手寮で皆と一緒に観戦。「今までは自信がなくて“代表に行きたい”とは言わなかったけど、今回で意欲は強くなった」と気持ちも新た。A代表は11月にも親善試合2連戦が予定されている。そこでの代表復帰を目指し、まずは柏を完封する。
[ 2014年10月18日 06:50 ]
先発が確実と報じられる源である。
これは朗報。
インターナショナルマッチデイにてリーグ戦が中断したことが良い方向に転がった。
今季からレギュラーに据えられた源であるが、今ではなくてはならぬ守備の要となっておる。
源を中心に柏の攻撃を封じ、勝利を掴みたい。
楽しみにしておる。
鹿島DF昌子源(21)が今日18日の柏戦に先発する。
10日ジャマイカ戦と14日ブラジル戦の日本代表に選ばれたが、右太もも裏の筋挫傷で辞退。全治2~3週間と診断されていたが、治療に専念したことで予定より復帰が早まった。「辞退した悔しさでジャマイカ戦は見ていない。でも切り替えてブラジル戦を見たら、絶対にまた代表に呼ばれたいと思った」。現在3位のリーグで万全な姿を見せることで11月の代表入りを目指す。
[2014年10月18日7時21分 紙面から]
鹿島DF昌子 脅威の回復力で先発 代表復帰目指し柏を完封へ
J1第28節 鹿島―柏 (10月18日 カシマ)
国際親善試合で中断していたJ1リーグが18日に再開する。3位・鹿島は本拠地で柏戦。残り7試合で負けられない中、DF昌子の先発復帰が確実になった。
5日のG大阪戦後、全治2~3週間の右太腿筋挫傷が判明。初選出された日本代表も辞退せざるを得なかった。しかし「若いし休めたのが大きかった」と15日から全体練習に合流。驚異の回復力で間に合わせた。
ジャマイカ戦(10日、デンカS)は「代表辞退を切り替えられなかったし、見ることができなかった」がブラジル戦(14日、シンガポール)は選手寮で皆と一緒に観戦。「今までは自信がなくて“代表に行きたい”とは言わなかったけど、今回で意欲は強くなった」と気持ちも新た。A代表は11月にも親善試合2連戦が予定されている。そこでの代表復帰を目指し、まずは柏を完封する。
[ 2014年10月18日 06:50 ]
先発が確実と報じられる源である。
これは朗報。
インターナショナルマッチデイにてリーグ戦が中断したことが良い方向に転がった。
今季からレギュラーに据えられた源であるが、今ではなくてはならぬ守備の要となっておる。
源を中心に柏の攻撃を封じ、勝利を掴みたい。
楽しみにしておる。