鹿島昌子、G大阪戦出場で宇佐美と対決へ
鹿島の日本代表DF昌子源(21)が、今日5日のG大阪戦に出場する意向を示した。
全体練習は主力組で調整。右太もも痛を抱えるが、相手はジュニアユース時代を過ごした古巣。同期だった宇佐美もおり、アギーレ監督が視察する中で上位対決と好条件がそろう。「これだけアドレナリンが出れば、けがは五分五分。あとは気持ち」と意気込んだ。
[2014年10月5日7時16分 紙面から]
昌子「命懸け」先発!右太腿張りも初合流前“御前試合”強行先発
ファンにサービスする鹿島の日本代表DF昌子
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日本協会は4日、親善試合ジャマイカ戦(10日、デンカS)、ブラジル戦(14日、シンガポール)に臨む日本代表メンバーに選出されていたDF吉田麻也(26=サウサンプトン)が左足首痛のため辞退し、代わりにMF田口泰士(23=名古屋)を追加招集したと発表した。センターバックにW杯経験メンバーが不在となる中、期待が懸かるのは初選出の鹿島DF昌子源(21)。5日のG大阪戦(カシマ)を制して勢いをつけ、アギーレジャパンの救世主となる。
アドレナリンの分泌を抑えるかのように淡々と言葉を紡いだ。右太腿の張りを訴えていた昌子は4日の最終調整ではスタメン組で練習。「(トニーニョ・セレーゾ)監督もそうだと思うし、その期待に応えたい。リバウンドもないし、1日ごとに良くなっている」と代表合流前の最後の一戦へ強行出場を明言した。
相手はジュニアユース時代を過ごしたG大阪。首位・浦和を勝ち点4差の2位で追う中、5連勝中のG大阪は鹿島に勝ち点3差の4位に迫っている。優勝へ向けた大一番は、日本代表のアギーレ監督が視察する。「(代表監督の視察は)聞きたくなかったわ~」と笑わせる一方で「気持ちが高まるのに、これ以上ない舞台」と奮い立った。
代表初招集だが、6日から始まる代表合宿では重要な役割を担う。吉田が左足首痛で辞退したため、DF登録のセンターバック候補は水本、塩谷と3人だけ。代表デビューの可能性が高まっただけでなく、DFラインの統率役としても期待される。昌子自身、G大阪戦後の太腿の状態次第では合流できなくなる可能性を残しているが「国を背負いたくても背負えない人もいる。俺はそのチャンスをもらえた。(参加できれば)命懸けで戦いたい」と気合十分だ。
G大阪と代表入りは無縁ではない。中学時代は攻撃的ポジションで、G大阪のエースに成長した宇佐美とコンビを組んでいた。だが「絶対、かなわん。そう思うとサッカーをやる意味があるのかなと思った」と中学3年時にサッカーから離れた。そして進学した米子北でDFに転向。そこから日本を代表するセンターバックへ成長した。宇佐美の存在が運命を大きく変えたが、その“恩返し”の意味も含めて負けるわけにはいかない。
鹿島の壁として、そしてアギーレジャパンの救世主となるため――。満身創痍(そうい)の体にムチを打ち、まずはG大阪戦のピッチに立つ。
◆昌子 源(しょうじ・げん)1992年(平4)12月11日、神戸市出身の21歳。小学生時代に地元のフレスカ神戸でサッカーを始める。G大阪ジュニアユース―米子北高を経て、11年に鹿島に入団。12年3月24日の広島戦でJリーグデビューし、リーグ通算39試合2得点。右利き。1メートル82、74キロ。血液型AB。
[ 2014年10月5日 05:30 ]
麻也、負傷で代表辞退!代役の鹿島・昌子も右太もも痛
2014年10月5日6時0分 スポーツ報知
◆国際親善試合 日本―ジャマイカ(10日・デンカビッグスワンスタジアム) 日本―ブラジル(14日、シンガポール・ナショナルスタジアム)
日本サッカー協会は4日、DF吉田麻也(26)=サウサンプトン=が負傷のため6日からの日本代表合宿を辞退すると発表した。MF田口泰士(23)=名古屋=が追加招集された。初選出で吉田の代役として期待されるDF昌子源(21)=鹿島=は、右太もも裏痛をおして5日のG大阪戦(カシマ)の強行出場を宣言。悪化した場合、代表辞退の可能性もあるが、逆転Vへ完封を目指す。
日本代表辞退の危険と背中合わせで、DF昌子がG大阪戦に強行出場する。この日、鹿嶋市内で調整。セットプレーの練習で主力組に入ったが、右太ももの張りで治療を続け、2日の練習まで別メニューだった。万全には遠く、出場の可否は試合前のウオーミングアップで判断する。ギリギリの状態で、悪化させれば初選出された日本代表の辞退にも発展しかねない。それでも昌子は「(先発起用の)期待に応えたい」と意気込んだ。
日本代表の主力センターバック(CB)、DF吉田が負傷で辞退。水本、塩谷と共にジャマイカ、ブラジル戦での起用が期待される。G大阪戦はアギーレ監督が視察に訪れるため、絶好のアピールになる。しかし、それ以上に昌子には譲れない理由がある。鹿島は2位につけ、首位の浦和に勝ち点差4。逆転優勝へ、4位G大阪との上位対決は絶対に落とせない。
さらに、相手にはFW宇佐美がいる。G大阪ジュニアユース時代、攻撃的なポジションでコンビを組んでいたが、昌子に刻まれたのは劣等感。「宇佐美には一生追いつけない。やっても意味がない。完全な敗北」と思い込み、一時期サッカーから離れたほどだ。復帰後はDFに転向し、代表に選出されるまでに成長した。小学生以来の再会で「宇佐美を止めて勝つ」と強い決意を秘めている。昌子が「ものすごく大事な試合になる」と強行出場さえ辞さないのは、2つの意地があるからだ。
もちろん、日本代表への憧れは人一倍で、昌子は「国を背負って戦いたい。背負いたくても背負えない選手がいるから。命を懸けるくらいの気持ちで戦いたい」と断言した。まずはG大阪戦を乗り切り、必ず日の丸を背負う。(内田 知宏)
◆昌子 源(しょうじ・げん)1992年12月11日、兵庫県神戸市生まれ。21歳。フレスカ神戸でサッカーを始め、G大阪ジュニアユース、米子北高を経て、2011年に鹿島入り。今季から鹿島で主力を務め、日本代表に初選出。J1通算39試合出場2得点。180センチ、73キロ。父・力さんは姫路独協大サッカー部監督。
ガンバ戦に強行出場する昌子源である。
前日練習ではレギュラー組に入り、出場に備えたとのこと。
源本人としては、優勝に向けてチームに貢献したいというところ、そして周囲が煽る以上にガンバの宇佐美を抑えきりたいという強い気持ちがある様子。
単なる対戦ではない。
若き源に挫折を味合わせた偉大なる選手に、敬意を持ってぶつかるのだ。
人間、一度や二度の挫折にて終わるわけではないというところを、多くの民に知らせしめたい。
人生なにが幸いするかわからぬもの。
宇佐美の才能に出会わなければ、攻撃的選手としてサッカーを続けておったやも知れぬ。
であれば、CBとして才能を開花させることはなかったであろう。
人生の綾とはそういうもの。
今は、鹿島のDFリーダーとして日本代表に選ばれるところまで来た。
まだまだ成長するであろう。
鹿島の昌子源は守備の要である。
源の躍動を後押しするために、スタジアムに集い声援を送りたい。
楽しみな一戦である。