鹿島田代「必殺反転シュート」で脱皮を
精力的に練習に励んだ鹿島FW田代
日本代表の鹿島FW田代有三(25)が「必殺反転シュート」の習得を誓った。東アジア選手権を終えて26日、クラブの練習に合流。同大会では3戦先発の機会がありながら無得点に終わり、シュートのレパートリーを増やす必要性を痛感した。欧州CLでリヨンFWカリム・ベンゼマ(20)が見せた反転シュートを理想の形としてイメージ。鹿島でのエース継承、そして岡田ジャパンの定着を目指して、新たな武器を手に入れる。
初めての代表戦で感じたことは、すぐに実行に移す。田代は東アジア選手権の感想を聞かれ、よどみなく答えた。「課題が明確になった。Jの戦いだけでは分からないこともある。シュートまでの持っていき方が全然足りなかった」。追加招集された大会で全3試合に先発フル出場。絶対の自信を持つ空中戦ではチャンスを演出し評価を高めたが、放ったシュート4本は得点には直結しなかった。
異国の地で衝撃を受けた。普段は海外サッカーをテレビで見ることは少ないが「言葉が分からないから」と、ホテルの部屋でたまたまつけた欧州CLのテレビ放送。リヨンFWベンゼマが決めた得点に目を奪われた。DFを背負いながら反転し、横への短いトラップでマークを外すと、相手2人の間を縫うように左足シュートを決めた。
「自分ならまずパスというところを振り向いてシュートを打っていた。最初から振り向くことをイメージしていた」。フランスリーグの得点王争いで独走する20歳の若きFWのシュートありきのプレーは、周囲を生かすことを第1優先にしていた田代に鮮烈な印象を残した。これまでの得点パターンは空中戦でのヘッドやボレーが中心。だが世界で戦うためには引き出しを増やさなければならない。
3月1日には今季最初のJ公式戦となるゼロックス杯広島戦が控えている。柳沢が移籍し、日本人エースFWとして期待されるが、昨年不振だったダニーロが好調で「普通のプレーをしていたら出られないと思う」と危機感を感じている。代表デビューを果たした慢心はない。田代がストライカーとして脱皮を図る。 【広重竜太郎】
[2008年2月27日9時27分 紙面から]
日本代表の田代 鹿島では先発争い?
船山(後方)と競り合う田代
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鹿島の日本代表FW田代有三(25)はクラブでも先発争い!?東アジア選手権で国際Aマッチデビューを果たし、3試合すべてにフル出場した田代だが、チームに合流したこの日、「(8日の札幌との)開幕戦は先発で出られるかなあ」と危機感を募らせた。
原因は、遠征でチームを離れている間の24日のJ2水戸戦でのMFダニーロの活躍。1トップのマルキーニョスにダニーロがトップ下で絡む布陣をテストしたところ、フィットしたという。2トップの一角を占めるはずの田代は、先発落ちの危機を感じている。
それでも、代表で得た自信を定位置確保の力に変えるつもりだ。昨季までは、絶対の自信を持つ空中戦で持ち味を発揮する一方で「ボールを失いたくない気持ちが強かった」とポストでパスを受けるとパスを選択することが多かった。
だが、代表で試合に出たことで「(ポストのあとの)シュートの持って行き方」を身に付け、幅を広げる取り組みを始めた。遠征中に欧州CLのリヨン―マンチェスターU戦をテレビ観戦。素早い反転からシュートを決めたリヨンのフランス代表FWベンゼマをお手本に「難しいけど、今季中に1本ぐらい決めたい」。新ポストプレーで、クラブはもちろん、代表でも定位置確保を狙う。
≪岩政 27日から復帰≫鹿島のDF岩政が27日の練習から全体練習に復帰する。日本代表の中国遠征中に左足首を負傷。22日に帰国した。26日の練習も別メニュー調整だったが「状態?もう問題ない。あすから合流できると思う」。3月1日のゼロックススーパー杯出場にも意欲的で、公式戦14連勝中の大岩との2枚岩センターバックコンビでシーズンインできそうだ。
[ 2008年02月27日付 紙面記事 ]
鹿島・田代、ポストよりシュート…リヨンFWベンゼマ手本
鹿島の日本代表FW田代有三(25)が26日、プレースタイル改造に着手することを明かした。これまではポストプレー中心を心がけていたが、東アジア選手権で力不足を痛感。フランス代表FWベンゼマ(リヨン)を手本に、ゴールありきのスタイルを確立させる。
きっかけはテレビで見た欧州CLのリヨン―マンチェスターU戦だった。ベンゼマがトラップと同時にターンし、DF3人をかわしてゴールを決めた。「DFとの距離が少しでも離れていたらシュートにいく。『まずポスト』という考えを変えなきゃいけない」と価値観を揺さぶられた。東アジア選手権でも「相手FWと自分とは何が違うのか?」と研究。その答えも「ゴールへの姿勢」だった。「まずはターン。今年は1得点でもそういうプレーで決めたい」高さに次ぐ「引き出し」を増やし、代表定着を狙う。
◆岩政合流 ○…左足首痛で、別メニュー調整していたDF岩政が27日から全体合流する。「痛みはない。明日から合流してやる予定」と明かした。ただ、3月1日のゼロックススーパー杯広島戦(国立)への出場は微妙な状況。対外試合なしで、リーグ開幕の札幌戦(3月8日)を迎える可能性があるが、本人は「普通に入っていける」と話した。
(2008年2月27日06時01分 スポーツ報知)
ダニーロ・システムの煽りを喰らって田代有三のポジションが危うい。
これはキャンプ前から予想されておったことである。
代表に行っている間にポジションを奪われるのは、鹿島ではよくあること。
ましてや今季のチーム作りを行うキャンプ時に不在とあってはいたしかないことであろう。
ここで素直に明け渡してしまうようではそこまでの選手であったということ。
鹿島では誰もポジションを保証された選手はいないのである。
実力があればポジションを得るし、無ければ失う。
ただそれだけのこと。
ベテランも若手も無関係である。
その渦中の田代であるが代表で連れ去られた重慶の地では時間に余裕があったようである。
欧州チャンピオンズリーグを視聴したとのこと。
ベンゼマと同様のプレイが可能であれば、ポジション争いも優位に進められよう。
チャンピオンズリーグは世界のトップクラスの戦いなのである。
とはいえ、そのチャンピオンズリーグを優勝してもリベルタドーレス杯優勝チームに勝たねば認められぬ。
田代有三がポジション争いをしている相手は、チャンピオンズリーグ優勝チームを破ったサンパウロの10番その人なのである。
この勝敗の行方は如何に。