J1 寒風の中6時間練習
2008/02/07(木) 本紙朝刊 スポーツ A版 6頁
興梠「筋肉もうパンパン」
Jリーグ1部(J1)鹿島は6日、宮崎県総合運動公園陸上競技場で合宿2日目の練習を行った。午前の部ではミーティングを30分間行った後、補強運動を実施。バランスボールを使ったリフティングと心拍数を計りながらの素走りを2組に分けて交互に行った。
午後の部ではスパイクを脱いでテニスボールとバランスボールを使ったリフティングを行った。メニューの中には、バランスボールをリフティングしながら、手に持ったテニスボールをバウンドさせてキャッチするものもあり、選手たちは四苦八苦しながら取り組んでいた。その後、グラウンドで4組に分かれてフィジカルトレーニングを取り入れたパス回しなどを行った。
この日は冷たい風が吹きつける中での練習となったが、「全身筋肉痛。もうパンパンです」と興梠。寒さよりも約6時間に及ぶ長時間の練習に選手らは悲鳴を上げていた。
合宿3日目は7日、同競技場で午前、午後の2部練習を行う。
オリベイラ監督 補強運動の大切さ説く
○…鹿島の合宿2日目の午前練習前にオズワルド・オリベイラ監督は30分間のミーティングを実施。補強運動の大切さを説き、「1月1日まで限界を超えてプレーするための体づくりをしよう」と呼び掛けた。
補強運動では足首の強化などのメニューを実施。昨季の本山の活躍を例に挙げ、「本山はしっかり取り組んでくれたから、リーグ最終戦で素晴らしいゴールを決めることができた。しっかり足首の補強をした成果」と説明。2000年にコリンチャンスを率いた際は、シーズン94試合目で世界クラブ選手権を制しただけに、その指導法やコンディション管理に自信があるからこその言葉だ。
本山は「去年は足裏を痛めたときにいろいろ補強の方法を持ってきてくれてプラスになった。やると足首が安定する」と効果を明かし、「監督も昨年から自信を持ってやっていたし、今年もベースは変えないと言っていた。無駄なものはないので、しっかりやりたい」と話した。まずは1年間戦い抜く体づくりに取り組む。
【新戦力】
■器用さと豊富な体力 DF 伊野波雅彦
「今年は新しいチームに来て、ACLもあるしすごく大変だと思うが、そこで結果を出せるように頑張りたい」。鹿島での第一声は、決意に満ちたものだった。
宮崎市出身。高校時代は名門・鹿児島実高で技術を磨いた。卒業後は阪南大に進んだが、2006年に休学しFC東京に入団。豊富なスタミナと守備的なポジションを複数こなせる器用さもあってすぐに頭角を現し、06年はリーグ戦28試合(1得点)に出場。昨季は20試合出場にとどまったが、U―22日本代表の最終ラインを統率し、北京五輪出場権獲得にも大きく貢献した。
五輪イヤーの今年。伊野波は移籍という新たな決断を下した。「東京にいたときもいいメンバーがそろっていたが、周りのレベルが高いところに身を置けば自分もレベルアップできる。正直、迷ったこともあったが、ここで頑張ろうと挑戦することにした」。
中学時代には「プロになるために」とジーコが主宰するブラジルのサッカースクールに同郷で同学年の増田誓志を誘って参加するなど、鹿島との縁はもともとあった。まるで運命に導かれたかのような移籍だった。登録は志願してのDF。理由は「五輪でセンターバックだから」。「大岩さんらベテラン選手から吸収できるものを吸収してレベルアップしたい。大岩さんや岩政さんが持っていないもの、自分の特徴を出していきたい」とレギュラー奪取を誓う。
鹿島での練習は始動してまだ1週間。「まだ慣れてないですね」と苦笑いを浮かべるが、練習前に行うボール回しなどにも参加して笑顔を見せるなど徐々に溶け込んでいる様子。「このキャンプで一緒にやる選手に信用されるようになれば、出るチャンスもあると思う」。試合のピッチでの勇姿が見られる日が待ち遠しい。179?、73?。背番号19。
補強運動で負傷を避けられるのでは無かろうか。
しかしながら、代表でチームを離れておる篤人と岩政はこの運動を行っておらず不安が残る。
そこで効いてくるのが、新戦力の伊野波雅彦であろう。
我等に死角無し。
新たなるタイトル奪取へ挑戦が始まるのである。