FW興梠が反町ジャパンの秘密兵器
6日、神戸戦でゴールを決める鹿島FW興梠
鹿島FW興梠慎三(21)がU-22(22歳以下)日本代表の秘密兵器になる。29日の東農大との練習試合に先発出場。同代表の江尻、井原両コーチが視察する中、フル出場して1得点1アシストと、北京五輪アジア最終予選ベトナム戦(11月17日、ハノイ)サウジアラビア戦(同21日、国立)へアピールした。同予選出場は6月のマレーシア戦の1試合だけだが、リーグ戦で同世代NO・1の決定力を発揮。攻撃陣がコマ不足に陥っている中、有力な「切り札」として招集候補に浮上した。
井原、江尻両コーチが目を光らせる中で、興梠が才能の片りんを見せた。前半18分に胸トラップからボレーでゴールを決め、同34分には左サイドでのドリブルを起点にアシスト。武器のスピードが輝いた。「ドリブルはよかったけど決定力がない。出来は30%」と本人は不満顔も、右ふくらはぎ肉離れ、右太もも打撲で2試合連続欠場していただけに実戦復帰が何よりの収穫だった。
反町監督を含め、U-22代表スタッフの練習試合視察はこの1カ月間で3度目だ。FW森島、MF家長が次戦出場停止と攻撃陣はコマ不足。もう対戦のないカタールに得失点差で首位を奪われたため、今後2戦は大量得点も狙わないといけない。同世代の中で群を抜く興梠の得点率、決定率は魅力的だ。井原コーチは「次はまたゼロから。メンバーの入れ替わりもある」とチャンスを示唆。11月9日のメンバー発表前に残された同4日の天皇杯水戸戦がアピールの舞台となる。
「ジョホールバルの奇跡」を起こした野人岡野と同じにおいを放つ。岡野もスーパーサブとして初出場した97年の最終予選イラン戦でVゴールを決め、日本をW杯に導いた。興梠は6得点中3得点を途中出場から記録。6月16日の広島戦は途中出場から4分後、8月25日の横浜FC戦は1分後、9月1日の川崎F戦は7分後と、即効力がある。
今予選はほとんどテレビ観戦せず、チームの順位、日程なども把握していない。物おじしていないからこそ、プレッシャーも感じない。「自分の力を100%出すだけの自信はある」。初めての海外はプロ1年目のU-18代表ベトナム遠征。選ばれれば、運命を感じさせる地で救世主になる自信はある。【広重竜太郎】 [2007年10月30日9時22分 紙面から]
鹿島・興梠、五輪代表救世主に名乗り!井原コーチも高評価
練習試合で躍動する興梠。実力の片鱗を見せつけた
鹿島が29日、東農大と練習試合を行い、U-22日本代表の井原、江尻両コーチが視察した。お目当ては右ふくらはぎと右太ももの負傷から復帰した21歳のFW興梠で、両コーチが見守るなかフル出場して1得点1アシスト。5-1勝利に貢献した。
スタンドでは江尻、井原(右)両コーチが鋭い視線を送った
FW森島(C大阪)とMF家長(G大阪)が出場停止となる17日の北京五輪最終予選・ベトナム戦(ハノイ)に向けて各クラブを視察している井原コーチは「元気な姿を見られてよかった」と評価。6月以来の代表復帰を目指す興梠は「もし呼ばれたら100%の力を出すだけ。自信はある」と意欲を語った。 (鹿嶋市)
興梠、反町JAPAN召集あるぞ!…井原コーチ視察!逆転五輪の切り札に
東農大との練習試合で、鹿島FW興梠は果敢にシュートを決めにいく
U―22日本代表の反町康治監督(43)が北京五輪逆転出場への切り札として、アジア最終予選ベトナム戦(11月17日、アウェー)に向け鹿島FW興梠(こうろき)慎三(21)の招集を考えていることが29日、分かった。川崎MF谷口博之(22)にも注目している。また日本代表イビチャ・オシム監督(66)は、来年2月6日からの2010年南アフリカW杯アジア3次予選に向け、12月の代表候補合宿でU―22世代を大量招集する考えを明かした。
鹿島が29日に東農大と行った練習試合。思わぬ人物の姿があった。江尻、井原の両コーチ。関係者は「興梠のチェックが一番の目的」と解説。興梠は右太もも打撲を負ったばかりで欠場の可能性もあったが、それでも視察を強行した。
逆転五輪切符獲得に向けた反町監督の意向だ。関係者は、ベトナム戦で「入れ替えがある」と証言。Jリーグでの結果を重要視する考えで、現代表のFW平山(F東京)、FW岡崎(清水)、FW森島康(C大阪)を上回るリーグ戦21試合で6得点の興梠に白羽の矢が立った。俊足で得点能力も高く、鹿島では将来のエース候補に推される逸材。招集は6月6日の2次予選マレーシア戦(国立)の1度しかない。
また反町監督は28日、F東京―川崎戦(味スタ)で、好調の川崎MF谷口も視察。これまでは自分が目指すスタイルに応じた選手選考を行ってきた。だが同代表はアジア最終予選でカタールに首位の座を明け渡し、現在得失点1差の2位。勝利、大量得点が求められるベトナム戦では森島康、MF家長(G大阪)が出場停止と、厳しい状況が重なる。がけっ縁に追い込まれ、ついにJで結果を出している2人の起用を考え始めた。
練習試合でフル出場し、1得点1アシストを決めた興梠は「やれる自信はある。救世主になりたい」と言った。ベトナム戦のメンバーは11月9日に発表予定だ。 (2007年10月30日06時07分 スポーツ報知)
得点という結果を残しながらも”出来は30%”とは謙虚な姿勢である。
荒々しいプレイスタイルと本田主将(当時)を突き飛ばした実績からは想像も付かぬ。
これが成長というものであろう。
とはいえ、U-22の試合はほとんど見ずに「やれる自信」を持つあたりは流石番長と言わざるを得ない。
ここから救世主となり立身出世が始まるやも知れぬ。
一介の水飲み百姓から、矢崎家下人、そして矢崎当主でも十分な出世であろうに、宇佐見定満に軍略を学ぶことになろうとは。
まさに立身出世伝である。