A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

フュージョンの世界に一度はチャレンジしてみたものの・・・・

2008-03-30 | MY FAVORITE ALBUM
I’m Coming Home Again / Carmen McRae

70年代の後半はサラヴォーンを筆頭にベテラン女性歌手が元気に活躍していた。
Concordではローズマリークルーニーやアネスティンアンダーソン達が復活を遂げていたし。もちろん御三家のエラやカーメンも・・・。

その一人、カーメンは、Great American Song Booksを72年に吹き込んでからはブルーノートを中心にアルバムを残していた。だが、76年の”Can't Hide Love”以降はライブばかり。積極的に活動していたということは分かるが、じっくり腰を据えて取り組んだスタジオでの作品は無かった。
そしてブルーノートを離れた78年、ある一枚(厳密には2枚組)の「記念」に残るアルバムを制作した。

アルバムを制作したのはヴァーサタイルというレーベル。当時市民権を得たフュージョン系のニューレーベル。
そこでカーメンの新しいアルバムが作られた。バックに揃えられたのは、当代一流のフュージョン系のスタープレーヤー達。
そして、曲はコンテンポラリーなヒット曲ばかり。カーメンが古いスタイルや過去のスタンダード曲をすべて捨て去り、最新のヒット曲を最新のサウンドで取り組んだ意欲作だ。
当然、このニュースは世界に伝わり、果たしてどのような作品になったのかファンは興味津々で発表を待ち望んでいた。

ところが、メジャーレーベルでもないマイナーレーベルが分相応の域を超えて取り組んでしまったのか、資金繰りがつかなくなったヴァーサタイルからは発売予定に世に出すことができず、しばらくお蔵入りになってしまったというアルバムだ。
アメリカではブッダから、日本ではトリオから一年遅れで世に出されたのがこのアルバムだ。

曲を見渡しても、確かに古いスタンダードは一曲もない。バックを固めるソロイストは、フレディーハバード、ヒューバートローズ、グローバーワシントン、ハンククロフォード、コーネルデュプリーと名手が並ぶ。
アレンジャーは良く知らないが、このヴァーサタイルの若手のスタッフミュージシャンのマリオ・スブラウス。なかなかいいアレンジを提供している。

カーメンにとっても新しい世界にチャレンジした意欲作であったであろう。
そして、「今までで一番楽しかったセッションだった」とのコメントが残されてはいるのだが。
その後、カーメンのこのようなアルバムは作られなかった。
カーメン節と、フュージョンサウンドの融合したアルバム。久々に聴いてみたが全く悪くは無い。この続編があっても、おかしくはないのだが。
しかし、カーメンは小さい編成でじっくり歌うのが似合う。きっと彼女もそれを好んだのであろう。

人間誰しも新しい流行には乗り後れたくないと思うのは人情だ。何事も経験してみることも必要だ。しかしそれを自分に取り入れるかどうかはケースバイケース。無理して取り入れてもいいことは無い。古いものが悪く、新しいものが良いものとは限らないことは歴史が証明している。

この後カーメンは翌年1月ヨーロッパでサドジョーンズと共演する
そして一年のブランクを経て、Concordにジョージシアリングとの共演で登場する。昔ながらの自分のスタイルで。

1. I'm Coming Home Again
2. Burst In With The Dawn
3. I Need You In My Life
4. Come In From The Rain
5. I Won't Last A Day Without You
6. Won'tcha Stay With Me
7. Mr. magic
8. Everything Must Change
9. Sweet Alibis
10. The Masquerade Is Over
11. I'd Rather Leave While I'm Love
12. Mr.Magic(2)
13. New York State Of Mind

Produced by Vic Chirumbolo
Arranged & Conductede by Mario E. Sprouse

Hank Crawford (as)
Jorge Dalto (p)
Cornell Dupree (g)
Freddie Hubbard (tp,flh)
Hubert Laws (fl)
Chris Parker (ds)
Grover Washington Jr (ss).
Buster Williams (b)
Errol “Crusher” Bennett (per)

Virgil Jones (tp)
Lew Soloff (tp)
Tom Malone (tb)
Janice Robinson (tb)
Alex Foster (ts)

Back Ground Vocals & Strings

Recorded at Columbia Recording Studio New York, November ,December 1978

I'm Coming Home Again
Carmen McRae
Essential Media GRP

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80歳を過ぎてもテイトは昔の仲間と一緒に・・・

2008-03-29 | MY FAVORITE ALBUM
Lionel Hampton and The Golden Men of Jazz Live at The Blue Note

Concordのニュースター、「スコットハミルトン」と共演したバディーテイト
年季の入った貫禄のテナーであった。というより大先輩の前でも物怖じしないハミルトンの方も流石であったが。
この時テイトはすでに65歳。テイトはその後も元気に活動を続けたがそれから13年後、ニューヨークに78歳のテイトがまだまだ元気に登場する。
今度は、若者と一緒ではなく同世代の仲間達との再会セッションに。
リーダー格はライオネルハンプトン、他のメンバーも”The golden men of Jazz”の名に相応しい一世を風靡した有名プレーヤーが久々に揃った。ハンプトンの82歳を筆頭に一番若いグラディーテイトがかろうじて50代。平均年齢は実に72歳だったそうだ。
テイトを始めとしてベイシーのオーケストラの在籍経験者が多い。ベイシーのOB会ともいえるかもしれない。
今回は一回限りのセッションではなく、一週間連続のクラブ出演に皆が揃ったそうだ。
場所はニューヨークのブルーノート
今では青山のブルーノートも有名だが本家本元のニューヨークのステージに。
ステージと聴衆が一体になった楽しいそうな会場の雰囲気が伝わるライブセッションだ。

ガレスピーのオーケストラの初期の曲である”Ow”から始まるが、メンバーの一人一人の紹介から始まり、皆の顔見世で実に16分にも及ぶ演奏が続く。
テイトも健康を害して風貌は往年の元気が感じられないようであったそうだが、演奏を聴く限りはまだまだ現役。“Hamp's Note”でのブローぶりはまだまだ豪放なテナーが健在だ。
相変わらずお祭り騒ぎ好きのハンプトンが全体を仕切っているが、それぞれのメンバーのショーケースあり、皆で揃ってのリフアンサンブルありで、和気藹々とセッションを繰り広げている様子が伺われる。大きなステージではなく小さなクラブなので聴衆との距離も近くステージとの一体感を一段と感じる。
月日が経ち、往年の巨人たちも1人去り2人去りして、もうこのような豪華メンバーでのステージを聴くことはできない。皆が揃った晩年の記念のライブとしては貴重だし、これを聴いてメンバーの若い頃の元気な時の演奏がまた聴きたくなってくるものだ。
テイトはその後もハンプトンと演奏を供にし、さらに10年間80歳を過ぎても2001年までニューヨークで活躍したが、引退して自分の娘と一緒に暮らすためにアリゾナに移った直後に亡くなったそうだ。
仕事人間は仕事をしている間が元気に過ごせるもの、一生引退してはいけないのかもしれない。

1. Ow!                  Gillespie 16:17
2. Hamp's Note            Hampton, Terry 9:47
3. Moody's Mood for Love     Fields, McHugh, Moody 3:31
4. I Wish I Knew           Gordon, Warren 8:04
5. Lover                Hart, Rodgers 9:35
6. Flying Home            Goodman, Hampton, Robin 5:53
7. Hamp's Boogie Woogie      Buckner, Hampton 3:41

Clark Terry (tp, flugelhorn)
Harry "Sweets" Edison (tp)
Al Grey (tb)
Buddy Tate (ts)
James Moody (ts,vocals)
Lionel Hampton (vibraphone)
Milt Hinton (b)
Hank Jones (p)
Grady Tate (ds)

Elaine Martone Producer, Production Supervisor
Recorded live at The Blue Note New York, Jun 11,13 1991

Live at the Blue Note
Lionel Hampton & The Golden Men of Jazz
Telarc

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これは「絶対にジャケ買いしそうにないアルバム」の代表かも・・・・?

2008-03-28 | CONCORD
GINZA / EDDIE DURAN

リーダーに知名度がある訳ではない。
「銀座」というジャズをイメージするには違和感のあるタイトル。
それに野暮ったい写真のジャケット、外から見ただけで中の音はまったく想像できない。
ただでさえコンコルドはアルバムジャケットのデザインの悪さでは有名だ。
これでは、見ただけで買う気がしない。
ライナーノーツに目をざっと通す。リーダーはサンフランシスコではそれなりに名の通ったギタリスト。経歴を見ればあのパーカーやシアリングとも共演したこともあるそうだ。チャーリーブラウンで有名なビンス・ガラルディと一緒にやっていた。これで、やっと少し身近に感じるようになる。

これが、久々にこのアルバムを手にした率直な感想だ。こんな感じの印象なので、もしConcordのアルバムを集めていなければこのアルバムは間違いなく手元には無かったであろう。
そして、このエディー・デュランを深く知ることも。

実は、このタイトル曲の”GINZA”はガラルディの曲。デュランもスタンゲッツやガラルディと一緒に吹き込んでいる。GINZA SAMBAというタイトルでも。
そう、ゲッツのスコットラファロと共演したアルバムでギターを弾いていたのがこのエディー・デュランだった。

このアルバムは、ピアノレスのギタートリオ。Cocnotdでは良くある編成だ。
地味な編成であるがこのデュランのギターは饒舌だ。シングルトーンの美しさに加え、時にモンゴメリーが十八番のオクターブ奏法も見せる。ギター好きのジェファーソンがまた新たなギタリストを表舞台に引っ張り出した。
地元中心に活動していたデュランも、この頃はベニーグッドマンのバンドに加わってツアーに出たり、その後はニューヨークで活動をしたとか。Concordでもこの後タニアマリアと共演する。活躍の場は徐々に広がっていった。
やはりジャズの道一筋で来ると、一度は表舞台で活躍してみたいと思うのであろう。Concordがまたお膳立てをしたことになる。
ジャケットのイメージとはかなり違っている。デュランのデビュー作から20年ぶりの気合の入ったリーダーアルバムだ。
人は見かけによらないとよく言われるが、中身はジャケットによらないこともある。

1. Ginza
2. Moonray
3. Three Little Words
4. Zigeuner
5. Breakfast Feud
6. A Flower Is A Lovesome Thing
7. Conjunto
8. Day Dream

Eddie Duran (g)
Dean Reilly (b)
Benny Barth (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recorded by Cost Recording, San Francisco, CA, March 1979
Originally released on Concord CJ-94
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ピーターソンの絶頂期に、脂の乗り切ったもう一人が・・・・

2008-03-27 | MY FAVORITE ALBUM
Very Tall / Oscar Peterson Trio with Milt Jackson

レッドノーボのヴァイブとロストンプキンスのピアノの掛け合いですっかり気分がよくなったが、ヴァイブとピアノというとこのアルバムを忘れることはできない。
ピーターソンとジャクソンが共演した有名なアルバムである。
ピーターソンは、有名ミュージシャンとの共演作が多い。その中でも、名作に残る一枚だ。

これまで数多くレコードやCDを買ってきた。何回も聴き返したものから、封を切って一回聴いたきりになっているものまで千差万別だ。
最近のipodでは、聴いた回数がちゃんとカウントされているのでその差が明確に分かる。だたし、ipodだとシャッフル再生があるので「お任せ」で聴くことも多く、比較的満遍なく聴くようになっている。
最近は古いレコードを引っ張り出して聴く機会が多いが、こちらはほとんど10数年ぶりで、いやそれ以上聴かなかったもの。久々に針を通すものばかり。特にアナログレコードは一時封印をしていたこともあり、まさに棚卸し状態だ。

その中で、この“Very Tall”は昔から好きなアルバムだったので何回も聴いたアルバムだ。最近も棚から出して近くに積んであった。ここ一年でも何回か聴いた記憶がある。
このアルバムのように何故か思い入れがあり、何度も聴き返したが故に、針を落とした瞬間に全体を思い浮かべることができるアルバムが何枚かある。
それらが本当の意味のフェイバリットアルバムかもしれない。ハーブエリスと共演したハローハービーもその一枚だった

ということで、聴きなれたアルバムではあるが、改めてライナーノーツにも目を通しながら聴き返してみた。さすがに名演だ。
ミルトジャクソンとピーターソントリオのコンビネーションは文句の付けようがない。
ライナーノーツの冒頭に、「シグペンの加わったピーターソントリオとジャクソンのレコードでの共演は始めて」と書いてある。そして、この録音もほとんどがワンテイクで行われたとも。普段一緒に演奏していなくとも、演奏し始めれば2人で通じ合う何かをお互い持ち合わせているのだろう。

ノーボとトンプキンスの相性もピッタリと書いたが、こちらの2人はその比ではない。
それに加えて迫力はこちらが一枚も二枚も上手。ピーターソン36歳。ジャクソン38歳。ちょうど二人とも脂の乗り切った時期であり、片や半分引退したノーボと比べる方が野暮であった。

それにしてのこのトリオの一体感が素晴らしいと思ったら、このアルバムの録音は1961年。
そう、あの61年から62年にかけて行われたロンドンハウスの長期間のレコーディングのちょうど間に行われたものだった。どうりでノリが半端ではない。
ピーターソンは、つい最近亡くなるまで長期間活躍を続け、作品もそれぞれの時代に数多く残されている。
しかし、いつのピーターソンが良いかと聞かれれば、この頃のピーターソンが一好きだ。
改めてディスコグラフィーも見直してみたが、61年はロンドンハウスのライブ以外スタジオ録音したのはこれ一枚だけ。このアルバムに入っている以外にその時のセッションの未発表曲もあるようだが、きっとそれもいい演奏だと思う、
果たして世に出ているのかどうかは?少し探してみよう。

1. Green Dolphin Street
2. Herartstrings
3. The Work Song
4. John Brown’s Guy
5. A Wonderful Guy
6. Reunion Blues

Milt Jackson (vib)
Oscar Peterson (p)
Ray Brown (b)
Ed Thigpen (ds)

Produced by Jim Davis
Recorded in New York September 15,18 1961

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CONCORDのジャズの味は、カリフォルニアワインの味?・・・・

2008-03-26 | CONCORD
A Taste of JAZZ

ジャズの故郷のニューオリンズ。綿花畑が続く中でブルースが生まれた。
楽器を手にした黒人はマーチンバンドをジャズバンドにした。そしてショパンの調べを奏でたピアノは酒場の喧騒の中でラグタイムを聴かせた。ミシシッピー川を遡ったジャズは都市に辿り着き、そこで生息し育っていった。そしてまた次の都市に。いつの間にか都会の生活に溶け込んで、ジャズはすっかりビルに囲まれた薄暗い地下室が似合う音楽になっていった。

Concordはサンフランシスコに近い西海岸の町。都会の喧騒からは程遠い環境だ。
そこに大きなジャズフェスティバルが行われるパビリオンも生まれた。なぜか、そこで行われる演奏は同じジャズでも、暗い地下室よりも西海岸らしい昼間の日差しの眩しさが似合う明るい演奏が多かった。それも、何となく垢抜けた雰囲気の大人のサウンドで。

コンコルドの北にはナパバレーがある。ブドウの農園があり、そしてそこで作られるワインはカリフォルニアワインの故郷として有名だ。ヨーロッパに負けないワイン作りを目指してここに農園が作られたのは1987年。ジャズがニューオリンズで生まれようとしていた頃だ。
100年経って、ジャズはその歴史を背負って東海岸から、そしてウェストコーストに育ったジャズもこの地にやってきた。
そこのジャズの味は、Concordの作ったジャズの味だ。
東海岸のハードバップ、そして西海岸のウェストコースト、時にカンサスやシンシナティーで育った独特の味付けも加えながら。

“A TASTE OF JAZZ”

ジャズは確かに色々な味がする。同じ曲でも演奏する人によって違う味がするし、聴く方にとっても気分によって違う味がする。ちょうどワインの味が同じ産地であっても年によって違うように。そして飲む雰囲気でも違うように。

一枚一枚こだわりの制作をしていたコンコルドも92枚目にしてコンピレーションを出した。それまでのアルバムからのベスト物だ。
タイトルは、まさに「A TASTE OF JAZZ」。
8枚のアルバムから1曲づつ選ばれている。総勢23人Concordに登場したミュージシャンの顔見世でもあり、Concordの味の試飲会が開かれた。
このアルバムはいずれも久々に聴き返して最近コメントを残したものばかり。記憶がまだ残っているが、改めて聴き直してもいい曲、そしていい演奏が選ばれている。

ギター好きのジャファーソンのことなので、全曲ギター入りかと思ったら7曲目のLush Lifeはピアノトリオ。でも他はすべてギターが加わっている。カルコリンズだけが2曲に登場というのも、この頃のコリンズの勢いかもしれない。
そして全編を通じて共通の味付けがされている。それがConcordサウンドだ。今回は、特に曲と演奏の美しさが際立っている名演が選ばれている。各プレヤーとも美しさの限界にチャレンジした演奏を繰り広げる。ブロー中心のファンキーなジャズもいいが、このようなサウンドに挑戦したジャズにも味わいがある。

ちょうどナパバレーのワインが世間に知れ渡ったように、Concordのジャズの味もやっと世間に広まっていた。
そして、このナパバレーの有名なワインのワイナリーがこの頃のコンコルドジャズフェスティバルのスポンサーもやっていたのだ。

1. Serenata
Howard Roberts <CJ-53>

 ロバーツのソロに始まり、ボサノバで軽くウォーミングアップ。スインギーな4ビートへ。1曲で3つの楽しみを。

2. Soft Shoe
Herb Ellis <CJ-3>
 コンコルドサウンドの原点。ミディアムスローなテンポに、スイートエディソンのトランペットとジョージデュークのフェンダーが何ともいえない。

3. The Very Thought Of You
Scott Hamilton <CJ-61>

 ベースだけをバックにむせび泣くテナーからいきなり始まる。これもミディアムスローなテンポから、軽快なリズムに乗ってハミルトンの世界に。カルコリンズのアコースティックギターのソロも聴き所。

4. Isn’t It Romantic
Ruby Braff <CJ-7>

 コルネットをこんなに綺麗に、そして表情豊かに吹ける人はそうそういない。

5. Watch What Happens
LA4 <CJ-63>

 アルメイダの生ギターにボサノバのリズムが加わり、輝くシャンクのアルトが。
 LA4ならではのジャズとボサノバのコラボだ。

6. Jillian
Warren Vache <CJ-87>

 続いてボサノバのリズムに乗って綺麗なフリューゲルホーン。シングルカットしたらチャックマンジョーネに負けずにヒットチャート入りしたかも。

7. Lush Life
Ross Tompkins <CJ-46>
 
 トンプソンのソロピアノに始まるお馴染みのスタンダードのバラード演奏。

8. A Time For Love
Ray Brown <CJ-19>

 コンコルドでは珍しいデイブグルーシンのフェンダー&シンセサイザーとレイブラウンのソロのデュエットが見事。

Produced by Carl Jefferson
Originally released on Concord CJ-93
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カールジェファーソンに見初められ、カナダからConcordに登場することに・・・

2008-03-25 | CONCORD
Fraser Macpherson Live at The Planetarium

コンコルドレーベルも72年に設立されてから79年までの7年間でカタログに100枚近くを残すレーベルに育っていた。そのアルバムの殆どをプロデュースしたのは、設立者でもあり、オーナーのカールジェファーソンだった。すなわち基本的に彼が好むミュージシャンの、彼が好む演奏だけを制作してきたといっても過言ではない。
何枚かはミュージシャンが自らプロデュースしたものもあるがそれは例外。Concordでお馴染みになったメンバーの過去の録音でお蔵入りしていたものや、自費出版に近いものを復活させたもの。シェリーマンバドシャンクがプロデュースしたアルバムもあったが、Concordの路線と少しトーンの違いのあるものになった。

このジェファーソンが、反対に他で出されたことのあるアルバムを、「自分の路線にピッタリだ」と気に入って、自分のレーベルで再発したものもある。
このアルバムはその一枚だ。アルバムの主役はフレーザーマクファーソン。

全くといって良いほど無名のサックス奏者だ。
Concordの得意とする中間派の少しモダンなプレーをする。テナーではあるがやや線が細い感じ。ゲッツほどではなく、強いて言うとズートシムス似かもしれない。
そのマクファーソンがドラムレスのトリオを編成して、地元カナダのコンサートの模様を収録した。元々はFMラジオの企画だったようだ。それでアルバムを作りマイナー出版した。
それを聴いたジェファーソンが「これぞ自分の好きな演奏だ」の一言で、コンコルドのカタログにも載ることになった。

これがきっかけで、このマクファーソンも有名になりテレビの仕事にも就き、その後ニューヨークへも出ることに。地元カナダでは、活動の功績を讃えて後に勲章を貰うまでになったとか。Concordでも、この後何枚かリーダーアルバムを残している。
人生何がきっかけで有名になるか分からない。

さて演奏の方は、マクファーソンのテナーにギターとベースを加えたドラムレスのトリオ。
"TANGERINE"に始まり、有名なスタンダードを中心にしてジェファーソン好みのスイングする演奏が聴ける。ドラムが無いせいかギターのバックがテナーに絡んで良く目立つ。洒落れたジャズクラブでよく聴かれるようなスタイルだ。
この演奏も小さいクラブという訳ではが、あまり広くない会場でのライブのようで雰囲気はぴったりだ。
こんな埋もれていたような演奏を陽の目にあてさせるものジェファーソンらしい。

1. Tangerine
2. I Cried For You
3. Django
4. I’m Getting’ Sentimental Over You
5. Li’l darlin’
6. Lush Life
7. My Funny Vallentine

Fraser Macpherson (ts)
Oliver Gannon (g)
Wyatt Ruther (b)

The music on this album was recorded at a concert sponsored by Willi Germann at the MacMillan Planetarium in Vancouver
Produced by Alain de Grosbois

Recorded December 1975

Originally released on Concord CJ-92

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裏舞台の一流達が・・・

2008-03-24 | CONCORD
Horn Of Plenty / Snooky Young

この人物の顔をアップで見たことはない。というのは、あまりコンボでの演奏をしていないし、リーダーアルバムも無いからだ。名前を聴いたことがあるかと聞かれれば、あるような無いようなというのが一般的な知名度であろう。
カウントベイシーのトランペットセクションで有名といっても、実は’57年に呼び戻されてからだ。それから5年在団した後は、NBCのスタジオのキーマンとなった。それでは、遅咲きのプレーヤーかといえばそうでもない。
最初のレコーディングは20歳のとき。30年代にすでに、色々なバンドから引っ張りだこだった。いわゆるFirst Call Superstarであった。その頃、ベイシーやハンプトンなどの有名バンドにも在籍していた。
それでは40年代の後半から57年まではどうしていたかというと、地元のオハイオ州のデイトンに引っ込んでいた。地元でもジャズをやっていたので、引退していたのではなかったのだが。その間世の中は、バップ旋風が吹き荒れ、そしてハードバップの時代に。最前線でプレーをしていたプレーヤーは大なり小なり新しい流れの影響をうけた。
しかし、この写真の主は自分のスタイルを地元でしっかり守っていた。

ベイシーオーケストラの全盛期、そしてあのサド・メルオーケストラの立ち上げの時にもリードトランペットを吹いていたのがこのスヌーキーヤングだ。
だが、オーケストラでのプレーは聴いたことがあっても、コンボでの演奏は珍しい。
Concordではマーシャルロイヤルとの共演でリーダーにクレジットされたのが始めて。そして、相方のマーシャルがリーダーアルバムを作ったのに刺激されてか、今度はスヌーキーがリーダーアルバムを作ることになった。マーシャルに遅れること3ヶ月で。
スヌーキーのトランペットは基本的に中間派といった方がいいだろう。このアルバムでも、”Valerie”ではルイアームストロングを思わせるような吹きっぷり。他もスイングすることを基本においた素直なトランペットだ。

このように実力がありながら、リーダーアルバム少なかったばかりに、あまり知られていないミュージシャンは多い。実はこのアルバムは影の実力者のオールスターバンドといってもいい。
レイブラウンのように超有名人、そしてConcordではお馴染みのハナもいるが、今回のもう一人の目玉はギターのジョンコリンズ。あの、ナットキングコールトリオの一員を長く努めたベテランだ。コールのアルバムでもコリンズのプレーの片鱗を聴くことはできたが、いつもコールの影に隠れていた。
それに、この頃好調なトンプキンスを加えたスヌーキーヤングのワンホーンアルバムがこのアルバムという訳だ。
影のオールスターバンドの実力と雰囲気は出だしの一曲目から始まる。ベースとスヌーキーのデュオによるユニゾンは単なるジャムセッションアルバムではない。
アップテンポ、バラード、ミュートプレーとスヌーキーのすべてを聴かせてくれる。まさに”Horn of Plenty”だ。小柄で普段目立たないスヌーキーだが、力一杯のプレーを聴かせてくれる。
そして、このアルバムは今も元気に活躍しているスヌーキーにとって唯一のリーダーアルバムとなる。

1. Lady Be Good
2. Alley Blues
3. The Gypsy
4. My Buddy
5. Rosetta
6. Old Blues
7. Valerie
8. Bad News

Produced by Carl Jefferson

Snooky Young (tp)
Ross Tompkins (p)
Jhon Collins (g)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)

Recorded at Sunwest Recording Studio, Hollywood, CA March 1979
Originally released on Concord CJ-91

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ブルースのルーツに近い演奏がどこかに・・・・?

2008-03-23 | MY FAVORITE ALBUM
Sweet Emma / The Bell Gal & Her Dixieland Boys


マリガンの“日本風ブルース”を聴いたら、反対に純なブルースを聴きたくなった。それも歌付きで。
とはいうものの生粋のブルース奏者&歌手のアルバムをほとんど持っていないので、思い出したのが「スイーツ・エマ・バレット」のアルバム。以前紹介したRiversideのJazz Legendsシリーズの一枚だ。何曲か歌も入っていたのを思い出して。

彼女の生まれは1897年、何と19世紀だ。
独学でピアノを覚え、歌も歌うが、彼女の特徴は赤いガーターにクリスマスベルを付け、演奏に合わせて足を動かしリズムをとるということ。それで、ニックネームは”the bell gal”。
彼女のピアノソロに合わせてそのベルの音がかすかに聞こえる。
録音が1961年だが、演奏スタイルは40年前と何ら変わることなく混じりけの無い「純」なニューオリンズジャズ。「地方の伝統芸能の保存会」の演奏のようなものだ。
生きた歴史証人といってもいいだろう。ジョージルイスを筆頭に多くのトラッドジャズのメンバーが表舞台に復活し活躍していた頃だ。
もっとも、このブームにより全国区、さらに海外でも演奏をすることになったことで、本来のピアノプレーの特徴が薄らいでしまったとか。彼女自身もニューオリンズで演奏していた時が一番楽しかったそうだ。「種」を保存するにはあまり外界に接しない方がいいのかもしれない。

久々に聴いたこのサウンド。ディキシーからジャズに入門した自分にとっても、このジャズの原点のような演奏は思い出のひとつだ。
この中で彼女は3曲歌っている。残念ながら歌にはブルースはなかった。
改めてライナーノーツを読み返して見ると、最初彼女はもっと頻繁に歌っていたらしい。ところが録音された自分の歌のプレーバックを聴いて、あまりに古めかしい歌い方をしていたので、その後、歌については話題を避けるようになり演奏の方に注力していったとか。もったいない話である。
きっと、そのピアノのプレーも徐々に世間の雑音に染まってしまったのは・・・?
素朴なニューオリンズジャズのサウンドはいつ聴いてもいいものだ。
純粋なブルース同様、大事に保存して引き継いでいって欲しいものだ。洪水にあったジャズの故郷は復興したのだろうか。

1. Bill Bailey
2. Chinatown
3. Down in Honky Town
4. The Bell Gal’s Careless Blues
5. I Ain’t Gonna Give Nobody None of This Jerry Roll
6. Just a Little White to Stay Here
7. Tishomingo Blues
8. When The Saint’S Go Marching In

Produced by Chris Albertson

Emma Barrett (p & vocals)
Percy Humphrey (tp)
Jim Robinson (tb)
Willie Humphrey (cl)
Emanuel Sayles (bj & g)
McNeal Breaux (b)
Josiah Frasier (ds)

Recorded in New Orleans, January 25, 1961



New Orleans: The Living Legends
Sweet Emma Barrett
Riverside/OJC

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半ば引退していたノーボも久々に・・・・

2008-03-22 | CONCORD
Red & Ross / Red Norbo & Ross Tompkins Recorded Live January 1979

サド・メルの拠点はビレッジバンガード。ニューヨークの老舗のクラブだ。
西海岸の拠点はというと、古くはライトハウス。そこに集まってプレーをしていたライトハウスオールスターズがウェストコーストジャズの発祥とも言われている。
西海岸の重鎮シェリーマンも一時自分のクラブ「シェリーズマンホール」を持っていた。
そして、Concordレーベルが育った70年代後半は”Donte’s”というクラブが良く登場する。カーメンマクレーの有名な"Great American Songnooks"もここでの録音だ。当時の西海岸のプレーヤーの溜まり場でもあり演奏の場でもあった。
Concordに登場するミュージシャンもよくここで演奏していたようだ。
コンコルドのレギュラーの一人ともいえるロス・トンプキンスもここの常連だった。

このアルバムはその"Donte’s"でのライブ。
その日はトンプキンスのトリオに一人のゲストが加わった。ヴァイブのレッドノーボだ。
ベニーグッドマンからチャーリーミンガスまで様々なグループで活躍したノーボもこの時すでに70歳を越えていた。
72年に奥さんを亡くしてからは、同じ西海岸でもサンタモニカに半分引退生活をしていた。ロスに顔を出すのは久々だったらしい。前の年も一度このトンプキンスと一緒にクラブに主演したが、久々のステージだったそうだ。

そのノーボを迎えるように、トンプキンスがピアノトリオで”Whisper Not”から始める。
そしてトンプキンスの紹介で、ノーボがステージに上る。
そしていきなりノーボ特有の残響が少ないバイブとピアノのデュオで次の”The One I Love Belongs To Somebody Els”へ、リズムが加わりそれぞれのソロが終わると、また途中で2人の絶妙のインタープレーが。いつも2人でプレーをしているようなコンビネーションだ。
ノーボにとって久々のプレーであり、そして2人も一年ぶりの顔合わせとはとても思えないコンビネーションだ。
ノーボのタッチとトンプキンスのスイングするピアノも相性も申し分ない。

B面に入って、“It Might As Well Be Spring”ではサンバのリズムに乗って途中のハナのドラムとの掛け合いも楽しみながら益々ノリノリに。
“ALL of Me”での掛け合いでピークを迎える。そして、最後はしっとりとバラードプレーの”Every Happens To Me”で締める。

久々に聴いたノーボであったが、ハンプトンとは違った味でよくスイングするヴァイブだ。
またConcordに素晴らしいゲストが登場した。

1. Whisper Not
2. The One I Love Belongs To Somebody Else
3. How About You?
4. It Might As Well Be Spring
5. All Of Me
6. Everything Happens To Me

Red Norvo (vib)
Ross Tompkins (p)
John Williams (b)
Jake Hanna (ds)

Produced by Carl Jefferson

Rcorded live at Donte’s, Hollywood, CA January 1979
Originally released on Concord CJ-90


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映画やテレビのサウンドトラックにはジャズが多い・・・

2008-03-21 | MY FAVORITE ALBUM
「クールジャズコレクション」のようなコンピレーションは、これからジャズを聴いてみたいという人にとってはとっつき易い企画かもしれない。新旧、さらに色々なスタイルが入れ乱れているジャズの世界は、外の世界から見ると「熱帯のジャングル」のようなもの。どこから入ってどっちへ行ったらよいか、ガイドが無いとなかなか自分で切り開いていくのは難しいものだ。

普段「ジャズのジャングル」の世界で楽しんでいる人間でも、いつも通り過ぎている場所で新たな発見をしたり、行ったことのない新たな道を見つけたり。通りすがりで新種の生き物を見つけたり。それが楽しみというもの。ジャングルファンの会話がマニアックになっていくのは仕方がないものだ。
ジャズのコンピレーションアルバムは入門編が多いこと、そして持っているアルバムと中身がダブルこともあるせいか、自分を含めてなかなかジャングルファンは手を出さないものだ。

「映画音楽をジャズで」というアルバムは色々なプレーヤーが手がけている。先日も2枚続けて聴き直したところだが、映画のサウンドトラックにジャズが使われていることは多い。「死刑台のエレベーター」のように有名なミュージシャンが大きくクレジット入りで演奏しているものあるが、多くはついつい気にせずに聞き流してしまうものだ。
多くのジャズミュージシャンがスタジオワークをしているということは、反対に彼らが演奏したサウンドトラックが山ほどあるということにもなる。

自分は映画をたまにしか見ない方なので、映画の方からアレンジャーやミュージシャンを追いかけたことはない。自分の好きなクインシージョーンズも映画音楽を数多く手がけているので、一度追いかけてもみてもいいかなとは思っているが。

そのような状況のミュージシャンがスタジオワークでどんな演奏をしているのか、日頃から興味はあったが。手ごろなコンピレーションアルバムがあったので、珍しく手に入れてたのがこのアルバムだ。

色々なミュージシャンや歌手が入り乱れており、有名プレーヤーの名前も。
曲自体は聴き慣れたもの、そして聴いたことがあったものが大半だ。オリジナル物もあれば、カバー物も多いが、懐かしく楽しく聴くことができた。
こんなコンピレーションの企画はジャングルファンにもいいかもしれない。また新たな楽しみを見つけるためのサンプルという意味でも。

1. Erwin Halletz & His Orchestra - Dragnet
2. Jimmy Smith - Mission Impossible
3. Sarah Vaughan - Peter Gunn
4. Chaquito & His Orchestra - I Spy
5. Count Basie & His Orchestra - M-Squad
6. Quincy Jones - Ironside
7. Peter Thomas Sound Orchestra - Caught At Midnight
8. Lalo Schifrin - Dirty Harry
9. The Button Down Brass - French Connection
10. John Gregory & His Orchestra - The Untouchables
11. Roland Shaw & His Orchestra - The James Bond Theme
12. Stan Getz - Charade
13. Paul Desmond - Lady In Cement
14. Roberto Delgado & His Orchestra - Hawaii Five-0
15. James Taylor Quartet - Gotcha (Theme From Starsky & Hutch)
16. Alfred Hause & His Orchestra - Theme From Shaft
17. Rhythm Heritage - Theme From S.W.A.T.
18. Sammy Davis Jr. - Keep Your Eye On The Sparrow (Baretta's Theme)

Thriller Jazz
Various Artists
Universal/Verve

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マリガンにも日本人の心を響かせる何かが・・・・?

2008-03-20 | MY FAVORITE ALBUM
Idol Gossip / Gerry Mulligan New Sextet

コッテリとした脂っ気を抜いた素材の味を生かした演奏をしたマリガンであるが、もちろんマリガン風味を生かした力強い演奏も行う。しかし決して思いっきり下町風の味付けのブローになることはない。やはり、ワンアンドオンリーのバリトンプレーヤーだと思う。
バリトンで有名なマリガンであるが、作編曲家でも有名だ。最初はというと、演奏したのはピアノ。仕事はアレンジャーとしてこの世界に入ったそうだ。初期のサックスのプレーで有名のものはマイルスの「クールの誕生」への参加辺りからか?
その後は、ピアノレスのカルテットで有名になり、コンサートジャズバンドまで、そのプレースタイルやトーンは、編成の大小はあっても変わることはなかった。
そして、自分のバンドを解散した後も、デイブブルーベックと一緒にやったり、また自分のバンドを作ったり、96年他界直前まで現役プレーヤーとしてこだわりを持っていた。
そして、その特徴あるバリトンの音色は変わることは無かった。

さて、最近黒人の演歌歌手ジェロの人気がうなぎ登りのようだ。
老若男女を問わず人気になる歌手が最近あまりいなかったので、しばらく話題が続くだろう。
日本人の心の故郷である演歌の世界を、黒人であるジェロが演じるミスマッチが余計に受けるのであろう。
反対に、黒人の心の故郷であるブルースの世界を日本人が歌うというのも同じことかもしれない。黒人のフィーリングたっぷりに真似て歌うのも一芸であるが、やはり日本人の演歌の心で「ブルース」を歌うという方がぴったりくる。
伊勢佐木町ブルースとか、柳ヶ瀬ブルースとか・・・・・・。ご当地ブルースに代表される日本版のブルースがその昔流行った。一種独特のブルースフィーリングの世界だ。
ところが、これは厳密な意味で、ブルースの基本であるブルノートスケールではない。ブルース風に味付けされたマイナーな演歌曲だが、これをサックスでやると実に雰囲気が出る。
本家のブルースも色々なバリエーションができているので、日本生まれの新種のブルースといってもいいかもしれない。

ジェリーマリガンのこのアルバムに“Out Back Of The Barn”という曲が入っている。
これを最初に聴いた時から、演歌ブルースをサックスで演奏した見本のようなもので気に入っている。ギターのオブリガードの付け方も実に演歌風でぴったりな合いの手を入れている。
ブルースではないが、実に日本人が何か感じる雰囲気がある。ちなみに、ライナーノーツにはこの曲の感じを"funky“と書いてあるが。いわゆるファンキーとは少し違うかな・・?
マリガンのオリジナルが大部分だがマルチングマチルダが一曲。これもマリガン風の料理がいけている。

‘76年の作品なのでちょうどカーネギーホールコンサートの後の録音だ。
ベテラン3人と新人3人で新編成されたグループだが、マリガンのグループとしての基本は同じだ。プレーを重視しつつもアレンジャーとしての心配りが常に曲全体に行き渡って、それがある種のメンバー間の緊張感にもなっているのかも。

1. Idol Gossip                       Mulligan 5:01
2. Strayhorn 2                      Mulligan 4:09
3. Walk on the Water                   Mulligan 3:33
4. Waltzing Mathilda                   Traditional 4:31
5. Out Back of the Barn                 Mulligan 7:34
6. North Atlantic Run                  Mulligan 5:38
7. Taurus Moon                      Mulligan 6:27
8. Just Want to Sing and Dance Like Fred Astaire  Mulligan 6:20
9. Jazzspeak                        Mulligan 16:48

Produced by Hank O'Neal

Gerry Mulligan (arr.bs.ss)
Tom Fay (p)
Dave Samuels (vb)
George Duvivier (b)
Mike Santiago (g)
Bobby Rosengarden (ds)

Recorded October, November 1976 in New York



Idol Gossip
Gerry Mulligan
Chiaroscuro

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アレンジャーが替っても、変わらないサウンドというのもがあるが・・・・

2008-03-18 | MY FAVORITE ALBUM
Night Lights / Gerry Mulligan

マニーアルバムの映画音楽のアルバムを聴いて、聞き慣れた音だなと感じたのがアートファーマー、ボブブルックマイヤー、そしてジムホールのギターの醸し出すサウンドだ。ベースのビルクローを含めてこの音こそジェリーマリガンのグループのサウンドだ。
御大マリガンは不在でアレンジャーは異なっても、このメンバーは似たような音を出していた。

思わず以前紹介したライムライトの”Butterfly with Hiccups”を思い出して、改めて調べてみるとアルバムのインパルス盤の翌年の録音。この頃はこのメンバーが良く一緒に行動していたことを改めて再認識。
そこでさらに新たな発見を。このマリガンの演奏と、マリガンの有名作の一つである“Night Light”が実は同じセッションだったとは。言われてみれば、よく似てはいたがレーベルも違っていたので同じセッションとは思わなかった。

という訳で、ナイトライツを改めて聴き直してみたが、自分のこちらの所有盤はCD。
Ipodに入れてあるので時々は聴いてはいたが、ついつい聞き流していたアルバムだ。
最近話題の「Cool jazz collection」にアルバムごとピッタリだといってしまえばそれまでだが。品の良い、ジャケットのイメージの通りの上質のジャズだ。

そもそもマリガンのバリトンはアダムスのようにバリトンの持つ豪快さより、バリトンには似合わない軽快さを売りにしたものだ。自分のアレンジを含めてその軽快なサウンドのアンサンブルワークが実に心地よい。脂っこい、こってりした料理が好きな人が、あっさりとした素材の良さを生かした味付けの妙がなかなか理解できないのと同様、こってり系のジャズファンにとっては少し物足りないかもしれないが。

改めでしっかり聴き返してみたが、マリガンはバリトンだけでなくピアノもつぼにはまっている。特にタイトル曲のナイトライツのイントロからファーマーへのつなぎ、そしてブルックマイヤーへと。数少ない音を有効に、どれだけ全体を美しく表現できるかに、皆が一心不乱に注力している様が感じられる。

素材は、ボサノバやショパンなど色々使われているが、それを超えるスタイルは見事に統一されている。そういえば、このショパンの曲は油井正一のラジオ番組のテーマ。懐かしい。
CD盤におまけで入っているナイトライツの’65version。世間ではどうも、嫌われ者になっているようだが、このwith strigsもなかなかいい。マリガンがクラリネットを吹いているだけでなく、マリガンのwith stringsあるようでない珍しいものだ。

きっと、このマリガンのサウンドも時代を超えて皆に愛され続けるだろう。
いい作品だ。

蛇足ながら、ブログで使用写真を自分で撮るのも面倒なのでCDのINDEXについている写真を使用した。fontanaのロゴもあり、オリジナルのジャケット写真を使っているのだろう。一方で、CDのジャケットはというとこのオリジナルのロゴなどが入らない部分をトリミングして使っている。
同じビルの写真でも視角が狭いということになる。
自分はあまりオリジナル盤の信奉者ではないが、ジャケットデザインも一つの作品なので、後世に良い作品を残すときはこのようなオリジナルなデザインに拘って欲しいものだ。
ビル群の建物がひとつ無くなっても、デザインとしては少し違う感覚になってしまう。ボーナストラックが不要という話も良くあるが、これは聴かなければいい話。デザインをいじるというのは、一曲の演奏のある部分をカットしてしまうようなもの。

1. Night Lights [1963 Version]           Mulligan 4:53
2. Morning of the Carnival             Bonfa, Llenas, Maria 5:27
3. In the Wee Small Hours of the Morning   Hilliard, Mann 5:34
4. Prelude in E minor                Chopin, Mulligan 4:11
5. Festival Minor                   Mulligan 6:45
6. Tell Me When                   Mulligan 4:06
7. Night Lights [1965 Version] *        Mulligan 2:53


Produced by Hal Mooney

Art Farmer (tp, flh)
Bob Brookmeyer (vtb)
Gerry Mulligan (p,bs,arr)
Jim Hall (g)
Bill Crow (b)
Dave Bailey (d)

Recorded at Nola Penthouse Studios, NYC, September 12, October 3,1963



Gerry Mulligan (cl)
Harry Bluestone (vln)
Johnny Gray (g)
Jimmy Bond (b)
Hal Blaine (d)
Julian Lee (arr, cond) 10 strings

Recoeded at Annex Recording Studios, Hollywood, CA, October 20, 21 & 22, 1965

Night Lights
Gerry Mulligan
Verve

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太いテナーのサウンドは魅力的だが、新人にはなかなか・・・・

2008-03-17 | CONCORD
The Clayton Brothers / Jeff Clayton & John Clayton


昨今の事情はいざ知らず、70年代後半のジャズシーンはそんな記憶がある。
当時のテナーというとウェインショーターに代表されるポストコルトレーンのテナーが全盛であり、図太いテナーの音を出してよく歌う新人テナー奏者にはなかなか巡り会えなかった。
Concordで発掘されたスコットハミルトンが珍しくよく歌う流暢なテナーであったが、「図太い」というには少し線が細い感じであった。

コンコルドレーベルもこのアルバムが88作目。オーナーのカールジェファーソンがほとんどのプロデュースを行ってきたが、この頃になると他のプロデュースサーも加わり出した。「業容の拡大」でだんだん一人では手におえなくなってきたのかもしれない。
その助っ人プロデューサーがFrank Dorritie。このアルバムの直前では、ハミルトンとバディーテイトの共演のプロデューサーも彼であった。

このドリティーが新人兄弟を探してきた。
兄弟がジャズプレーヤーで一緒にプレーをしていたとなるとアダレイ兄弟が有名だが、今回はジェフとジョンのクレイトン兄弟。どちらも20代の若手。兄のジョンの方がベースを弾くが編曲もするし、歌も歌うというマルチタレント。一方のジェフがこの時22歳であったが、実に良く歌う図太い音を出すテナーマンだ。
ドラムにはコンコルドではすでに先輩のジェフハミルトン。そしてピアノには女性ピアニスト、パトリスラッシェンが加わっている。彼女はリーリトナーなどと一緒にフュージョンのセッションではすでに有名であったが、ここではアコースティックピアノで参加。R&B色が強いピアノを聴かせてくれる。
よくスイングするグループという意味ではコンコルドレーベルの特色にぴったりだが、サウンド的には、アーシーであり、よりソウルフルな演奏。黒っぽさが色濃く出た演奏だ。これまでの制作方針とは少し違った軸の演奏だ。
これも、新しいプロデューサーのドリティーの影響かもしれない。これで大分幅が広がった感じがする。
このクレイトン兄弟、Concordで何枚かアルバムを出した後、あまり消息も知らなかったが、ビッグバンドも編成してまだ活躍しているようだ。

1. Big Foot
2. Blues for B.S.
3. Walkin’ Bass
4. Cherokee
5. Sometimes We Can’t See Why
6. Yo’Mama
7. Watergate Blues

Jeff Clayton (ts)
John Clayton (Bass , Voals)
Patrice Rushen (p)
Ron Eschete (g)
Jeff Hamilton (ds)

Recorded at Coast Recorders, San Francisco, November 1978
Originally released on Concord CJ-89
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ボサノバの新しい世界に皆でチャレンジしたが、・・・これが実に最高のできに。

2008-03-16 | MY FAVORITE ALBUM
Phil Woods / Floresta Canto with Chris Gunning and Orchestra

今年のBAFTA (British Academy of Film and Television Arts) のFilm AwardsのBest Musicを受賞したのは ”CHRIS GUNNING”。つい最近のニュースだった。
と知ったかぶりをして書き出したが、実は自分は映画ファンでもない。そんなニュースは今日まで何も気に留めていなかった。
久しぶりにこのアルバムを聴いてみたが、アレンジャーのクリス・ガニングについて実は良く知らなかった。何か情報を求めてネットを見たらいきなりこのニュースに遭遇したという次第だ。

ヨーロッパから戻ったフィルウッズは、70年代の中ごろ積極的にアルバム作りを行っていた。それらは、ヨーロピアンリズムマシーンでコンボ演奏を極めたのか、何故かオーケストラとの共演が多かった。それもミシェル・ルグランやこのガニングなど、ヨーロッパのアレンジャーによる編曲で。アレンジャーの個性もあるがアメリカのオーケストラのバックとは一味も二味も違うアルバムになっている。

特に、このアルバムは素材をボサノバにしている。ジャズとボサノバは相性がいい。ゲッツがジャズの世界にボサノバを持ち込んだのが60年代の始め。それからすでに10年以上が過ぎており、ジャズプレーヤーであればボサノバのひとつや2つはチャレンジが済んでレパートリーに加えていた時期だ。

ところがこのアルバムの制作には、プロデューサーのノーマンシュワルツ以下、ウッズやガニングのみならず、レコーディングのスーパーバイザーであるキースグラント、そして数多く参加したミュージシャン、さらに関係するスタッフ全員が並々ならぬパワーを注力し、ある種の思い入れとこだわりの元に完成したアルバムだそうだ。

その手のアルバムは、前知識がなくとも何か「ピン」と来るものがある。
初めてこのアルバムを聴いたとき、ボサノバのリズムはを聴き慣れたものではあったが、今までとは全く違う物を感じた。チックコリアのリターンツーフォーエバーのように。
ライナーノーツにも、「これは76年春に作られた作品であるが、数ヶ月いや15年は聴いてもらえる内容だ」と書かれている。15年どころかすでに30年以上経っているが、このオーケストレーションとそれに浮かび上がるウッズのサックスは今でも色褪せていない。
ウッズはもっぱらアルト中心であったが、このアルバムではソプラノも使用している。ボサノバには明るい高音域が合うのかもしれない。そういえばナベサダもフルートだけでなくソプラニーノを一時吹いていたものだ。

ヨーロッパでの演奏経験を経てウッズのアルトは太く逞しくなったが、このオーケストレーションもボサノバ特有の軽さはない、重厚な重みを感じる一方で、ボサノバ特有の軽さを感じるのはオーケストレーションに加えてパーカッションの使い方だ。打楽器奏者だけでも5人を揃え、使ったパーカッションは数知れず。
これがこのオーケストラの特徴である。このサウンドを生み出したアレンジャーが英国人というのも意外な感じだ。グローバルなメンバーやスタッフの組み合わせによる合作の成果だ。
インターネットも無かった時代に打ち合わせをするのもさぞ大変であったことと思う。

ガニングは今年だけではなく、これまでも英国のアカデミーともいえるBAFTAで何度もノミネートされ、そして受賞をしている有名アレンジャーとのこと。デビューしたての頃からこのアルバムのような素晴らしい作品を作っていたのだから、それも合点がいく。

1. Canto de Ossanha [Let Go]     DeMoraes, Powell 4:55
2. Let Me                 Gimbel, Powell 3:58
3. O Morro                Jobim 4:20
4. Chaldean Prayer            Cunning 8:56
5. Sails                   Cunning 3:56
6. Roses                  Ian 4:24
7. Without You              Woods 4:14
8. Portrait of Julia            Stratta 5:06
9. Jesse                  Ian 4:14
10. Menino das Laranjas         Theodorakis 2:42

Produced by Norman Schwartz
Arranged by Chris Gunning & Phil Woods
Technical Supervisor : Keith Grant

Recorded at Olympic Studios, London, England. April 1976


Phil Woods (as,ss)
Gordon Beck (Keyboards)
Dave Markee (Acoustic & Electric Bass)
Daryl Runswick (Acoustic & Electric Bass)
Alf Bigden (ds)

Chris Karan: Drums, Triangle, Windchimes, Claves
Tony Uter: Congas, Guiro
Tony Carr: Chocolo, Timbales, Cabasa, Maracas
Louis Jardim: Caxixi, Guiro, Quica, Cabasa, Claves, Temple Blocks, Triangle
Robin Jones: Tambourine, Caxixi, Cabasa, Pandiero

Jack Rothstein: Lead Violin & Concertmaster
Tony Fisher: Lead Trumpet
Kenny Wheeler: Trumpet
Nat Peck: Lead Trombone
Chris Pyne: Trombone
Tony Coe: Sax
Bob Efford: Sax
Stan Sulzmann: Sax
Roy Wilox: Lead Flute

etc.

フロレスタ・カント(紙ジャケット仕様)
フィル・ウッズ&クリス・ガニング・オーケストラ
BMG JAPAN

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こちらは父親同伴で・・・女流ピアニストと一緒に

2008-03-15 | MY FAVORITE ALBUM
Joanne Grauer introducing Lorraine Featehr

ジャズの世界に女性のスタジオミュージシャンというのは、もう少しいても不思議ではないと思うのだが。確かに管楽器や打楽器は演奏するプレーヤーが少ないので無理も無いが。ピアノはもう少しいてもいいかなと感じるのだが・・・。 あまり多くはないような。
最近はヴォーカルだけでなく女性パワーが台頭しているので実はたくさんいるのだろうが、実は知らないだけかもしれない。

というのも、このアルバムの主役ジョアングラウアーのキャリアを読んでそう思った。
父から小さい頃からピアノを学び、レパートリーは12歳の時にすでに2000曲を超えていたとか。その後ジュリアードなどで本格的に音楽を学んだ後は、テレビ、スタジオ、そしてライブでとあらゆるところで、作編曲だけでなく肝心なピアノプレーでも活躍をしていたらしい。有名なアンディーウィリアムスショーのスタッフとしても。男勝りのたいした活躍ぶりだ。

このアルバムは、そもそもそのグラウアーを紹介したアルバム。
彼女をある意味発掘してきたのはMPSレーベル。ドイツ生まれのこのレーベル、最初はSABAレーベルからスタートした。それにピーターソンの私的な録音などオーナーの趣味、も加わってMPSとして育っていった。アルバム数も多く、新人の発掘などにも力を入れていたようだ。ジョージデュークのデビューアルバムというのもあった。

ジャズピアノの歴史の系譜を振り返ると、60年代初頭のビルエバンスの位置づけが大きい。70年代を迎えてチックコリアやハービーハンコック、キースジャレットなどがその流れを汲んだ後輩が、自分達の世界を作っていった。
時を一にして登場したのが”Fender Rhodes”。いわゆるエレキピアノ。フュージョンの世界では欠かせなくなったが、主流のジャズでもこれを使った試みがいくつも行われた。御大エバンスのエレキピアノにも賛否両論があったような。

クラウアーはまさにそのジャズピアノのスタイルが変化する中で育った。特にスタジオワークとなると、あらゆるスタイルの演奏を求められたのであろう。このアルバムでも、アコースティックもあればエレキピアノも、そしてトリオをもあればソロも。バックのリズムもボサノバのリズムをベースにした8ビートも。そうあのチックコリアのサウンドだ。
フェザーのヴォーカルのバックでも、ホーンで加わっているアーニーワッツのプレーと合わせて、新しい流れに乗ったピアノプレーだ。Concordのアルバムを聴いていると演奏に年代の変化を感じないが、これが洗練された当時のジャズの流れに乗った演奏だろう。

このアルバムのもう一人の主役が、この直後Concordにデビューしたレナードフェザーの愛娘ロレインフェザーのヴォーカル。コンコルドがジャズヴォーカルのデビュー作かと思ったら、その前にデビュー作としてこのアルバムがあった。
Concordでは父親の影も見えず立派に独り立ちしていたが、こちらは父親同伴。プロデュースも父親であるレナードフェザーが努めている。
フェザーのヴォーカルも、Concord盤と比べるとクラウアーの演奏に合わせて、このアルバムではいわゆるAOR系のヴォーカルだ。ロスに戻る前は、ニューヨークでロックバンドのバックコーラスもやっていたので、実はこのスタイルの方がしっくりいっていたのかもしれない。彼女の歌は3曲収められているが、「ザ・ボイス」ではジョンヘンドリックス風のジャジーが歌い方も。彼女のその後の転進を予感させる。
もし、2人がこのスタイルでコンビを組んで演奏を続けていたら、新しいボーカルスタイルが生まれていたかもしれない。

1. Gork
2. Eveegreen
3. Misty Dreams & Ruffy’s Eyes
4. Longing **
5. Happy
6. See You Later *
7. Can’t Sleep *
8. The Voice *
9. Frog Child

Joanne Grauer (keyboards)
Lorraine Feather (vol) on(*)
David Troncoso (b) excepton (**)
Collin bailey (ds)
Doug Lenier (b.arr.) on(*)
Ernie Watts (ts) on(*)
Paulinho da Costa on (*and**)

Produced by Leonard Feather
Recorded December 12 & 13, 1977 at Capital Studio, Hollywood, CA.
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