A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ピアニストの歌といえばこの人を忘れては・・・・

2008-03-02 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
With Respect To Nat / Oscar PetersonTrio And Orchestra

本職はピアニストであっても、興に乗ってくると歌を歌うピアニストは多い。
最近紹介したアルバムでも、デイブフリッシュバーグジミーロウルズもピアノに合わせて時々得意の喉を披露している。
もっとも、歌の方がメインになったピアニストも。古くはナットキングコール、最近ではハリーコニックJr,もその一人であろう。どちらも、ピアノの腕前もピカ一であるが。
歌の上手いピアニストとしは、先日亡くなったオスカーピーターソンも忘れる訳にはいかない。昔はそこそこ歌っていたらしいが、キングコールに似ているので歌を封印したとか。スティットのアルトのようなものかも。キングコールがいなければ、ピーターソンの歌ももっと聴けたかもしれない。

そのピーターソンがキングコールが亡くなった(1965年2月)からという訳でもないと思うが、同じ年の秋にキングコールに捧げたアルバムを制作した。豪華な作りで有名であったライムライトレーベルから。
トリオ、それもハーブエリスを入れた昔のメンバーで7曲、そしてオーケストラをバックに5曲と凝った編成をしている。

昔のメンバーだったエリスはこの頃はロスでスタジオワークをしていた。もちろんピーターソンとは喧嘩別れをした訳ではないので、トリオが近くに演奏に来た時にはいつも飛び入りで加わっていたそうだ。この録音でピーターソンもロスを訪れた訳であるが、駆け付けたエリスとは「あうんの呼吸」でほんの数時間で録り終えたようだ。
2人のコンビは健在でこんな形では再会を続けていた訳だ。このような関係を保っていたことが、数年後の「ハローハービー」の好演につながっていたのであろう。

一方のオーケストラ録音はニューヨークでの録音。アレンジをしたのはマニーアルバム。相変わらずいいアレンジだ。歌伴とかソロイストのバックに回った時のスインギーなアレンジはお手の物だ。
メンバーを見るとニューヨーク在住の一流どころが集まっている。メンバーの多くはサド・メルの創世期のメンバーと重複が多い。時期的にもぴったり一致している。

歌と演奏はコメントするまでもなく素晴らしい。キングコール亡き後はどんなに似ていようと揶揄されることはない。反対にキングコールに対して彼の功績を称えた最高の弔いのアルバムになっている。
最後の一曲はボーカル無しのピアノのトリオの演奏のみ。これも、キングコールが歌だけではなくピアニストとしても素晴らしかったことに対して一曲手向けたかったのかもしれない。エリスのギターも、コールのトリオのギタリスト、オスカームーアに負けないイメージを出している。
単に余興ではない、本格的なボーカルアルバムだ。

1. When My Sugar Walks Down The Street
2. It's Only A Paper Moon (*)
3. Walkin' My Baby Back Home
4. Lorraine (*)
5. Unforgettable
6. Little Girl (*)
7. Gee Baby, Ain't I Good To You? (*)
8. Orange Colored Sky
9. Straighten Up And Fly Right (*)
10. Calypso Blues
11. What Can I Say After I Say I'm Sorry (*)
12. Easy Listening Blues (*)

<Personnel>

Produced by Jack Tracy
Orchestrated by Manny Albam

John Frosk, Joe Newman (tp) Ernie Royal, Daniel Stiles (tp, flh)
Wayne Andre, Jimmy Cleveland, J.J. Johnson (tb)
Tony Studd (btb)
Seldon Powell, Jerome Richardson (tfl, bfl)
Jerry Dodgion, Phil Woods (as)
Marvin Holladay (bars)
Hank Jones (p)
Oscar Peterson (p, vo)
Barry Galbraith (g)
Richard Davis (b)
Mel Lewis (d)

Recorded at A&R Studios, NYC, on November 13, 1965

(*)
Oscar Peterson (p,vol)
Herb Ellis (g)
Ray Brown (b)

Recorded at Hollywood, Los Angeles, CA on October 28, 1965
コメント
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