A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジャズのいい録音というと、楽器は何を・・・・・?

2007-11-29 | MY FAVORITE ALBUM
COLLABORATION / KUNIHIKO meets EIJI

昔、スイングジャーナルを読み始めた時からレコードの録音評というのは気になって必ず目を通していた。たいしたオーディオ機器を持っていた訳ではなかったので、この評価を確かめるのはもっぱらジャズ喫茶であった。
もちろん、店によって自慢のオーディオ機器の鳴り方は微妙に違うが、さすが優秀録音といわれる盤の素晴らしい音には、演奏内容を忘れて聴き入ったものだ。
いつかは、こんな音で自分の家でも聞いてみたいと思いながら。
マンション住まいの自分にとってはこの夢はまだ実現していない。いつ実現できることやら。

思い返してみると、優秀録音で気に入ったアルバムは、お馴染みのピーターソンの”We Get Requests”や、エバンスのモントルー、・・など。他にも不思議とピアノが多い。
そして、CDの時代に入ってからは何故か録音にはあまり興味が無くなってしまった。皆それなりにいい録音になったせいもあるが、やはりメカの組み合わせでいい音を探求することと、デジタルの時代になってからのこだわり方は違ってしまったのだろうか・・・。

アナログオーディの時代には、音の良さであり個性はお馴染みのルディーヴァンゲルダーをはじめとしたレコーディングエンジニアの腕にも左右されることが多かった。
日本も負けてはいなかった。日本で有名なエンジニアの一人といえば菅野沖彦。

ピーターソンのMPS盤を聴いて、いい音のピアノを少し思い出しながら聴いた一枚。
この菅野沖彦の録音したアルバム。ピアノは彼の弟の菅野邦彦。
それにクラリネットの北村英治、ベースの原田政長、ドラムの須永ひろしが加わったカルテット。
スインギーな演奏をするには最適な人選だ。

このアルバムの生まれた経緯が面白い。
当初、オーディマニア用のデモレコードのための2曲の録音(どうりで音は良いはずだ)の予定が、演奏を始めたらメンバーがのりに乗って、あっという間に次々と12曲演奏してししまったという代物。もちろんワンテイクで。
事前に何の打ち合わせもなくスタートするのに、スタンダード曲、そしてブルースは便利だ。いきなり皆の共通語として語り合うことができる。
何か、コンコルドレーベルの録音の話を聞いているようだ。
ジャムセッションなのに、レギュラーのバンドのように親密さを感じさせる演奏が続く。普段着の上質なジャズだ。
演奏する者同士が阿吽の呼吸でプレーを始め、どんどんそのコンビネーションが煮詰まっていくそのままを記録できる。ジャズの醍醐味そのものの記録だ。
そして演奏だけでなくよい音で。
ドイツ風の重厚で濃密な音とは少し趣の異なった、和風の繊細な音が楽しめる。

このアルバムに収められているのはその中の6曲。
結局この演奏はデモアルバムではなく、オーディオラボという新しいレーベルが誕生することに繋がった。

1. PERDIDO
2. THESE FOOLISH THINGS REMIND ME OF YOU
3. AUTUMN LEAVES
4. GONE WITH THE WIND
5. MY FUNNY VALENTINE
6. BLUES

北村 英治 (cl)
菅野 邦彦 (p)
原田 政長 (b)
須永 ひろし(ds)

Recorded in 1973

コラボレーション
北村英治,菅野邦彦,原田政長,須永ひろし
オクタヴィアレコード

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たまにはワンホーンでやってみようか・・・・

2007-11-28 | PEPPER ADAMS
EPHEMERA / Pepper Adams

ビッグバンドのソロプレーヤーとえども、なかなか自分のアルバムを出すに至るには時間がかかる。それにアルバム作りには何かきっかけや運も左右するかもしれない。
やはり本格的なリーダーアルバムを作るとなると、バンドを辞めて独立し、自己のグループを持つようにならないとなかなか難しいものだ。
ビッグバンドの全盛期には、ビッグバンドはある種の研鑽の場。バンドでの演奏だけでなく、その後の仲間たちのアフターセッションなどで鍛えられ、このようなプロセスを経て皆一流になっていったものだ。

ところが、同じオーケストラでもリハーサルバンドとなると多少勝手が違う。
元々他の仕事を持っている同好の仲間が集ってくる。スタジオ中心のミュージシャンもいれば、すでに自分のバンドを持っているメンバーも。腕達者がオーケストラでの演奏を楽しみに集ってくる。単なる新人達のOJTの場ではない。

サドジョーンズ・メルルイスのオーケストラはその代表的なバンドだった。
もともとサド&メル以外もリーダー格のメンバー達の集まり。揃ってオーケストラで演奏する以外にも、メンバー同士が三々五々集ってセッションを行うことが多かった。
それも、オーケストラの演奏旅行で各地を廻っている間に、その土地土地で。
日本に来た時も何枚かアルバムが残されているが、イギリス公演中にも一枚のアルバムが作られた。

このセッションのリーダーとなったのは、バリトンのペッペーアダムス。
サドメルに入る前はオーケストラ以外にもコンボで演奏する機会も多かったが、必ずと言っていいほど相棒のホーンプレーヤーがいた。ドナルドバードとのコンビが一番有名だ。
このアルバムは珍しくアダムスのワンホーンアルバム。彼のリーダー作としても、ワンホーンは初めての試みだったそうだ。
メンバーは一緒にツアーをしていた、ピアノのローランドハナ、ベースのジョージムラツ、ドラムは御大メルルイス。サドメルオーケストラのリズムセクションがそのまま参加している。
いつも、一緒にプレーしている仲間同士。それにツアーの最中は、いつも行動が一緒。本拠地での週一回の演奏の時よりも実は親密度が増していたかもしれない。

ワンホーンだと、曲のイントロからメインのテーマ、そしてアドリブへと、全部自分一人で組み立てなければならない。ここではピアノのハナがいいサポートをしているが、アダムスのバリトンが主役だ。

バリトンはもともとソロをとるには扱いにくい楽器だ。指も動かしにくいし、タンキングも難しい。そもそも、図体がでかくて重いので立ってソロをとるのも一苦労。
アダムスはこの扱いにくい楽器をいとも簡単に操る。巨漢な体格であれば納得はできるが、見た目あのおとなしそうな風貌から想像できないようなエモーショナルな音が飛び出てくるから不思議だ。ジャケットの表紙一杯の柔和な表情とは程遠い演奏である。

一曲目のエフェメラ。短命なもの、蜻蛉(かげろう)という意味らしい。雰囲気がでている。
続く、バドパウエルのバウンシング・ウィズ・バドでアダムスは炸裂する。よどみなく歯切れのよいソロも健在だ。まだまだ衰えをみせていない。
一転して、次のシヴィライゼーション・イッツ・ディスコンテンツではバラードプレー。演奏を言葉で表現するには難しい。特に自分は不得手であるが。
ライナーノーツには「音を消したTVの画面の中で、静かな入江に一直線に入ってくる船のモーションのようなアダムス」と。このように表現されている。なかなか言い得て妙である。
バリトンでこんなに綺麗な曲ができるのもアダムスの一面。マリガンとは少し違った味付けのバラードプレーだ。
トランペットであればミュートを使ったりして変化を付けられるが、サックスはそれ一本で色々な音を聞かせなければならない。特にバリトンで多彩な音を聞かせるのは名人芸ともいえる。
そして、急速テンポのジターバックワルツで、限界への挑戦といった感じであるが余裕綽々でこなす。
サド・メル在籍時はコンボでの録音はズートシムスとの共演の“Encounter”以外なかったが、久々のアダムスのコンボ演奏での好演だ。

1. EPHEMERA
2. BOUNCING with Bud
3. Civilization And Its Discontents
4. Jitterbug Waltz
5. Quiet Lady
6. Patrice
7. Hellure(How Are You’re)

Pepper Adams (bs)
Roland Hanna (p)
George Mraz (b)
Mel Lewis (ds)

Produced by Tonny Williams

Recorded at EMI Studios,Manchester Square,London on Monday , September 10 , 1973
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命の恩人に先立たれるが、それをさらなる励みにして恩返しを・・・・

2007-11-27 | CONCORD
ROSIE SINGS BING / Rosemary Clooney

ロージーこと、ローズマリークルーニーがジャズの世界に復活したのは1977年。
現役を引退していたロージーであったが、けっして悠々自適の生活を過ごしていたわけではない。家庭の問題、健康の問題、精神的にもかなり落ち込んだ生活をおくっていた。
ビバリーヒルズの彼女の家の近くに住んでいたのが旧知の仲であったビングクロスビー。
彼女を元気付ける意味でも、自分のコンサートに彼女を招いたのが1976年。
クロスビーにしてみれば、彼女に本格的な復帰を促すというよりは、単に気晴らしの場を与えたつもりだったのかもしれない。
しかし、彼女はこれで自信を取り戻し、翌1977年にはレコーディングも再開
そして7月のコンコルドジャズフェスティバルの舞台にも立って、カムバックを祝う満員の聴衆から拍手喝采を得る。
このアルバムのジャケットの写真はその時のものだ。
そして、8月16日、同じコンコルドパビリオンの舞台では、恩人のクロスビーがコンサートを行った。実はこれがクロスビーのアメリカでの最後のステージになってしまうのだ。
10月14日スペインで休暇を過ごしていたクロスビーは心臓発作でこの世を去ることに。

自分の復帰を支えてくれた恩人の死、ロージーの悲しみは人一倍大きかったことであろう。
そのロージーが、彼の死を悼み、そしてきっと感謝の意を込めてクロスビーの愛唱歌のアルバムを作った。それがこのアルバムだ。

レパートリーの多いロージー、曲を選ぶのにそれほど苦労はしなかったそうだ。というより多すぎて困ったのかもしれない。結果として30年代の曲が中心に選ばれた。
バックを努めるのは、トランペットのビルベリーが抜けてギターのカルコリンズが加わっているが前作と同じクインテット編成。中でも、スコットハミルトンのバックが一段と光る。大先輩達を相手に余裕綽綽の演奏ぶりはすでにロージーに負けない貫禄さえ感じさせる。

そして、この2人はその後もコンコルドのスタープレーヤーとして数多くのアルバムを作ることになる。
マイナーレーベルであったコンコルドが今のメジャーレーベルに育っていった基盤を作ったのは、実はこの2人であった。と言っても過言では無いかもしれない。

新人のデビューとスターの復帰というたまたま偶然ともいえる共演、そしてエリントンに捧げるアルバムへの参加。そして恩人クロスビーは、ハミルトンとロージーの運命の出会いを作り出した張本人だったのかもしれない。

もしもクロスビーが彼女に復帰を誘わなかったら・・・・。
人生というものは、こんな偶然の積み重ねなのかもしれない。

1. But Beautiful             Burke, VanHeusen
2. Pennies from Heaven        Burke, Johnston
3. Blue Skies               Berlin
4. I Surrender, Dear           Barris, Clifford
5. Where the Blue of the Night (Meets the Gold of the Day)  Ahlert, Crosby, Turk
6. It's Easy to Remember       Hart, Rodgers
7. Swinging on a Star          Burke, VanHeusen
8. Just One More Chance       Coslow, Johnston
9. I Wished on the Moon        Parker, Rainger
10. Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (That's an Irish Lullaby) Shannon

Rosemary Clooney (vol)
Scott Hamilton (ts)
Nat Pierce (p)
Cal Collins (g)
Monty Budwig (b)
Jake Hanna (ds)

Carl Jefferson Producer

Originally released on Concord CJ-60

Rosie Sings Bing
Rosemary Clooney
Concord Jazz

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ビッグバンドでは有名でも自分のリーダーアルバムとなると・・・・・SAL NISTICOもその一人

2007-11-26 | MY FAVORITE ALBUM
NEO / NISTICO / Sal Nistico

ウディーハーマンオーケストラというと、セカンドハード時代のクールなサウンドのイメージがあるが実際はそうでもない。ホットな演奏も得意としている。
その要となるのは、やはり3本のテナーリードのサックスセクション。60年代のハーマンオーケストラのサックスセクションを引っ張っていたのはサル・ニスティコ
迫力満点なセッションワークだけでなく、その豪快なソロでも有名だった。
このニスティコはその後のベイシーのオーケストラにも加わったり、ビッグバンド生活が長い。オーケストラではソロの機会も多いが、いざ自分のリーダーアルバムとなると。先日紹介したスヌーキーヤング同様、このニスティコもあまり数が多くあるわけではない。

お気に入りのプレーヤーができると、当然リーダーアルバムを探すわけだが、ビッグバンドのメンバーだとそうそう簡単に見つかるわけではない。ニスティコの名前を見つけて中身も確かめずに買い求めた一枚だ。

「ネオ/ニスティコ」と題されたこのアルバム。心機一転、オーケストラのイメージを払拭して、コンボの演奏での「新・ニスティコ」をアピールしたかっただろう。
付き合っているメンバーは、ハーマンバンドの仲間だったバリトンのニックブリグノラに、トランペットはテッドーカーソン。リズムは、ロニーマシューズのピアノに、ベースがサムジョーンズ、そしてドラムにはロイヘインズ。
初めて聴く前に、果たして「一体どんな演奏が聴けるのか?」といった期待を持たせるメンバー達だ。

一曲目のアンソロポロジー。パーカーの曲だが、演奏もネオ・バップだ。
そのそも、このBEE HIVEというレーベルが、新ハードバップを狙ったアルバム作りをしていたようだが。
A面はお馴染みの曲が続くが、演奏はいずれもメインストリーム。

ニスティコはロリンズやジーンアモンズに通じるテナーだが、本人が言うには、アーネットコブ、イリノイジャケー、そしてベンウェブスターやレスターの影響も受けたとか。さらには、テナーの前にはトランペットを演奏していて、本当はトランペットに憧れていたとか。
そのせいでもないとは思うが、B面の一曲目にはケニードーハムに捧げたブルース。
続いてオリジナルが続くが、演奏もだんだんとバラエティーに富んでラテンのリズムにのって快調に。
そして最後はショーターの曲。ニスティコもここではコルトレーンを意識してのスタイルに。もちろん、コルトレーンの影響も受けたとのこと。

アルバムを通して聴いてみると、ニスティコのバップからコルトレーンまでのショーケースである。ビッグバンドでは羽を伸ばしきれないニスティコが思う存分吹きまくった一枚。
70年代の後半、メインストリームジャズの復活に合わせてニスティコのこんなチャレンジングな演奏もあった。

ANTHOROPOLOGY
YOU DO’T KNOW WHAT LOVE IS
BE MY LOVE
BLUES FOR K.D.
BAMBU
FEE-FI-FO-FUM

Sal Nistico (ts)
TedCurson (tp,flh)
Nick Brignola (bs)
Ronnie Mathews (p)
Sam Jones (b)
Roy Haynes (ds)

Recorded on November 3 , 1978

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過去の遺産を後世に残すには・・・・進取の精神で前向きの取り組みを

2007-11-25 | CONCORD
HERITAGE / Bud Shank

最近「世界遺産」という言葉を良く聞く。
景観であり、文化であり、建造物であり、その結果生まれる産業であろうと、これまでの人間は自然との共生で発展を続けてきた。そのすべてが、人間が生みだした「遺産」だ
環境問題を筆頭としてそのバランスが大きく崩れようしている。その結果として遺産の消滅が待っている。
何事もそのままの姿で保存するのは難しい。大きな変化に合わせて徐々にその姿をかえつつも、事の本質を後世に引き継いでいくことが大事だと思う。

Concordの第一作目のアルバム”Sushine Express”がそれなりの評判を得て、Bud Shankはオーナーのカールジェファーソンから、次のアルバム制作の打診を受けた。
ジェファーソンからは「スタンダード曲でやってくれないか?」という依頼であった。

前作はConcorレーベルから発売されたアルバムではあったが、実は、プロデュースはシャンク自身。演奏している曲もシャンクとそのアルバムでピアノを弾いているマイクウォフォードの曲が中心であった。
必ずしも、ジェファーソンのコンセプトに合った内容ではなかった。ジェファーソンは自分の好みの一枚を作りたかったのだろう。

シャンクはこの申し出を受けたが、単に「懐メロアルバム」を作ることに同意した訳ではなかった。
シャンクは、50年代の最初から第一線で活躍していたベテラン。60年代に入ってからはスタジオ中心の活動であったが、一時はウェストコースト派を代表するアルト奏者でもあった。当時の仲間を集めて、手馴れたスタンダード曲で、懐メロアルバムを作ることは彼にとっては簡単であったろう。

ところが、シャンクは今まで色々なセッションで何百回となく演奏してきたスタンダードに、まったく新しい解釈と試みを行うことでこのアルバム作りに同意した。
まずは、楽器はアルト一本に絞る。当時は同時にLA4などでも活動し、アルトだけではなくフルートの演奏も多かったのだが。

昔はアートペッパーやリーコニッツと比較されることが多かったが、ここでは限りなくパーカーライクなアルトに徹する。
演奏は限りなくストレートなジャズ。ただし、時代の流れは取り入れた70年代のビバップでありハードバップ。
そのために、バックを努めるメンバーはベテランではなく若手を抜擢。

その結果生まれた演奏は、フュージョン全盛期に実に新鮮なハードバップのサウンドを聴かせてくれる。
手垢のついたスタンダード曲集になりがちな企画に、新しい生きた血を流入した演奏になっている。まさに、“New wine in old bottles”といえる演奏だ。
久々に聴き直したがいい演奏だ。
コンボ、そしてビッグバンドでのその後の活躍への転機となったアルバムかもしれない。

このアルバムの主役であるシャンクはまだまだ元気に現役で活躍している。先日も確か来日したはずだ。80歳を過ぎても元気に演奏を続けることができるのは、よほど「進取果敢」な精神の持ち主なのであろう。

このアルバムのタイトル”Heritage”。
まさに、懐古趣味で無く将来に向かって「遺産」をどう残すのかということだ。今世の中に問題提起され、対応を問われていることそのものだ。

そういえば、ボサノバをアメリカに紹介したのは、ゲッツより一足先にこのバドシャンク。よほど、時代の先読みができる人物なのだろう。

1. THERE IS NO GREATER LOVE
2. ELSA
3. I’M GETTING SENTIMENTAL OVER YOU
4. THREE LITTLE WORDS
5. IF I WERE A BELL
6. STELLA BY STARLIGHT
7. MY SHIP
8. DEARLY BELOVED

Bud Shank (as)
Bill Mays (p)
Bob Magnusson (b)
Steve Schaeffer (ds)

Originally released on Concord CJ-58
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孤高のギタリストといえば・・・・

2007-11-24 | CONCORD
Tal Farlow ’78 / Tal Farlow Trio



新田次郎の小説に「孤高の人」という作品がある。
孤高に生きることができない実社会を離れ、一人雪山にいるときだけが幸せと感じる人生観。世の中が複雑になり、自分を捨てなければ社会生活ができなくなりつつある現在、その意味が分かるような気がする。

ジャズの世界にもこの「孤高の人」がいる。周囲を気にすることなく、ひたすら自分のペースでプレーに没頭する。そんなミュージシャンだ。
ギターのタルファーローも、その一人だろう。
ファーローの本当の人生観を知っているわけではないが、彼の生き方を見ているとそんな感じがしてならない。

20歳を過ぎてから始めたギター。あっというまに、実力的には一流の仲間入りをする。だからといって派手さがある訳ではない。そして、着実に活動の幅を拡げていったかと思ったら、第一線から退いてしまう。
"SIGN PAINTER"を職とするが、けっしてギターを捨てたわけではなかった。
地元ではプレーを続けていた。

そして、Concordで復活した。このアルバムが2作目だ。
一作目は、レイブラウンとハンクジョーンズとの共演。
3人のコラボは素晴らしかったが、これは相手を気にしながらのプレーだったのかもしれない。

今回は、無名の2人のサイドメンを従えての演奏だ。
オリジナル曲のコンビネーションを聴くと、普段一緒にプレーしている仲間であろう。ファーローとの呼吸はぴったりだ。
今回のアルバムは、他のメンバーを気にせずにマイペースで一段とリラックスした演奏に聞こえる。

噛むと一瞬刺激的な味がするものの、すぐに何の味もしなくなるチューイングガムと違って、噛めば噛むほど味が出るのがスルメ。タルのギターに派手さは無いが、スルメのようなものだ。簡単に聞き流せるが、聴けば聴くほど味がでる。

タルファーローに何故ジャズをやるのか?と聞けば、「そこにギターがあるからだ」と答えが返ってきそうだ。

1. Mahoney's 11 Ohms               Farlow 6:59
2. Here's That Rainy Day              VanHeusen, Burke 5:08
3. Autumn Leaves                  Kosma, Prevert, Mercer 6:06
4. With the Wind and the Rain in Your Hair   Edwards, Lawrence 3:28
5. Perdido                       Lengsfelder, Tizol, Drake 5:34
6. Medley: Ill Wind                  Arein          1:31
      Invitation                  kaper          2:06                         
7. Satin Doll                      Strayhorn, Mercer, Ellington 5:57
8. Gymkhana in Soho                Farlow 4:05

Tal Farlow (g)
Gary Mazzaroppi (b)
Tom Sayek (ds)

Originally released on Concord CJ-57

Autumn Leaves
Tal Farlow
Concord Records

このアルバムが入ったCDは

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1964年はジャズもオリンピックイヤー。名選手ならぬ名プレーヤーが集まった・・

2007-11-23 | MY FAVORITE ALBUM
ONE NIGHT STAND / Harry James Orchestra ’64 in Japan

オリンピックイヤーは、何事につけても何か節目になることが多い。
東京オリンピックが行われたのがこの年1964年だ。首都高速道路も新幹線の開通も、皆この年だった。「三丁目の夕日」で語られている時代の丁度最後の締めくくり。
次の近代化に向けての節目の年。

日本では、この年はジャズの世界も大物ミュージシャンの来日ラッシュ。
まだ、その頃自分ははジャズに興味を持つ直前だったので、世間がそうであったことをまったくと言って良いほど記憶にはないが。
ジャズの方は、節目だからと言って別に新しい物(人)だけが押し寄せたのではない。
スイングからモダンまで、次から次と色々なコンサートが開かれたそうだ。

その中で、アルバムタイトルどおり、スイング系の大御所のたった一回限りのスペシャルコンサートが開かれた。

以前紹介したエディーコンドンのオールスターもその一つ。そのライブもTBSの放送用の収録であったが同じTBSで収録され放送された中にハリージェイムスのビッグバンドもあった。
スタジオをホテルのラウンジのように仕立てお客を入れたライブなので、通常のコンサートホールの演奏と較べるとリラックスしている雰囲気だ。
特にテレビ用の収録なので映像付きでよく分かる。

ビッグバンドは冬の時代と言われていた頃だが、ハリージェイムスのオーケストラは、当時でもラスベガスのホテルで年に40週近く契約があったそうだ。なので、恵まれた環境にあったバンドのひとつだろう。

メンバーにほとんど有名どころはいないが、唯一の例外であり反対に目玉おスタープレーヤーががドラムのバディーリッチだ。自己のオーケストラを立ち上げる少し前。このジェームスのオーケストラに加わりながら、虎視眈々と自分のオーケストラの立ち上げ時期を考えていたのかもしれない。

演奏している曲は、ハリージェームスのテーマ「チリビリビン」で始まるが、スイングナンバーを中心に、スタンダード。オーケストラの演奏で有名な曲が多い。
ビッグバンド名曲集といってもよいかも。エリントンにベイシーに、そしてハリージェームス、各バンドの名曲集の揃い踏み状態だ。

第一部のクロージングが、ホットな演奏のツーオクロックジャンプ。当然ワンオクロックジャンプをもじったスインギーな曲で盛り上がる。最後はバディーリッチのソロで締めくくるが、やはりバンド全体がスイング感に満ちた演奏はバディーリッチの存在が大きい。

後半に入りバラードメドレーでは、ズートシムスの兄の、レイシムスのトロンボーンや、コーキーコークランのテナーがフューチャーされる。
そして思わぬ拾い物が。ボーカルのルースプライスの歌も聞ける。あまり有名ではないがシェリーマンとのアルバムがあった。

サドメルのオーケストラもそうであったが、このように当時の録音が数多く復活してくれるいいものだ。
テレビ放送用なので、映像付で見ることができるのは嬉しい(当然メディアはCDではなくLD)が、まだモノクロ映像。
カラー放送は当時始まっていたが、まだまだ一部の番組だけだった。
そういえば、当時のテレビ欄には番組にカラー放送は明記されていた。丁度、今、ハイビジョン放送に徐々に番組が切り替えられていくように。

慣れは恐ろしいもので、いつの間にかハイビジョンやデジタル放送もカラー放送のように当たり前のものになっていくのであろう。
以前「昔はテレビというものは白黒だった」と息子に言ったが全くイメージが沸かないようだった。レコードは最近自分が良く聴くので興味を示しているが。

CIRIBIRIBIN
DON’T BE THAT WAY
SEPTEMPER SONG
CHEROKEE
I’M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
CUBABO CHANT
SHINY STOCKINGS
IF I COULD BE WITH YOU
TAKE THE A TRAIN
TWO O’CLOCK JUMP
CIRIBIRIBIN
SLEEPY LAGOON
IN A SENTIMENTAL MOOD
MY FUNNY VALENTINE
PRELUDE TO A KISS
COME RAIN OR COME SHINE
CARAVAN

Harry James Orchestra

Harry James (tp)
Ray Sims (tb)
Corky Corcoran (ts)
Buddy Rich (ds)
Ruth Price (vol)
etc.

Recorded on April 8, 1964 at Studio G TBS

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オルガンでSOULFUL なCHRISTMASといえば・・・・

2007-11-22 | CHRISTMAS
CHRISTMAS COOKIN’ / Jimmy Smith

今日は寒い夜だ。東京でも雪が舞ったとか?ホワイトクリスマスはまだまだ先だが、これだけ寒いとすっかり冬支度が必要になる気候だ。コート無しには寒さが身に染みる。
この寒さのせいもあるが、クリスマスソングを聴いたら続けて聴きたくなった。

ハリーコニックJr.が、クリスマスをニューオリンス風に料理した後は、誰が料理する何料理がいいか・・・・?

ジミースミスの「クリスマスクッキング」とタイトルされたアルバムがあった。
赤鼻のトナカイに引かれたソリならぬ、赤いスポーツカーに乗ったスミス。シェフとメニューを見ればなんとなく想像はつく。本格的なソウルフードが味わえそうだ。

料理方法は2種類。ビッグバンドサウンドをバックにした「コース料理」。そして、いつものギターを加えたトリオの「単品料理」。
どちらも、美味しそうに並ぶ。

一曲目、ティンパニーの打ち鳴らすリズムに乗ってチューバがリードするアンサンブル、そしてブラスの荘厳なサウンドで始まる。そこにスミスのオルガンが。
ソウルフルなR&B風のビッグバンドを予想すると少し肩透かしを食らう。サドジョーンズのオーケストラをバックにしたスミスのアルバムでも、アレンジの特徴を生かしたビッグバンドサウンドを楽しませてくれた。
“VERVE”に移籍したスミスは、制作予算も増えたのかビッグバンドをバックにしたアルバムが多い。プロデューサーはクリードテイラー。これは、何もスミスに限った話ではない、当時のヴァーブの特徴のひとつだ。

ビリーバイヤース率いるビッグバンドだが、サックス抜きのブラスオーケストラ。
どうりで、出だしから荘厳なサウンドが響き渡るはずだ。

トリオの演奏もしかり。ホワイトクリスマスは、軽快なボサノバのリズムの乗ったミディアムテンポだ。現メロディーはいずれも忠実に生かしているが、料理方法は色々凝っている。
本場のソウルフードかと思うと、結構都会的な味付けがされたソウルフードだ。

1. God Rest Ye Merry Gentlemen       Traditional 4:19
2. Jingle Bells                   Pierpont 3:15
3. We Three Kings (Of Orient Are)      Hopkins 3:45
4. The Christmas Song             Torme, Wells 4:32
5. White Christmas                Berlin 2:51
6. Santa Claus Is Coming to Town       Coots, Gillespie 5:26
7. Silent Night                   Gruber, Mohr 4:04
8. God Rest Ye Merry Gentlemen       Traditional 6:11
9. Baby, It's Cold Outside [*]          Loesser 6:00
10. Greensleeves [*]               Traditional 8:53


Jimmy Smith Organ, Arranger, Leader, Co-Leader

Billy Byers Arranger, Conductor
Al Cohn Arranger (3)

Joe Wilder,Danny Stiles ,Ernie Royal ,Bernie Glow (tp)
Joe Newman,Jimmy Cleveland,Chauncey Welsh (tb)
Tommy Mitchell Trombone,Paul Faulise (bass&baritontb)
James Buffington ,Donald Corrado, Morris Secon, Earl Chapin (French Horn)
Harvey Phillips (tuba)
Quentin Warren (g)
Kenny Burrell (g)  (8)
Wes Montgomery (g) (9)
Art Davis (b)
Grady Tate (ds)
Billy Hart (ds)
Ray Barretto ,George Devens (per)
Margaret Ross (harp)

Creed Taylor Producer

Recorded on April 20, 1966
        September 29, 1966
        June 1965 (9)
        September 28, 1966 (10)


クリスマス・クッキン
ジミー・スミス,グラディ・テイト,クウェンティン・ウォーレン,ケニー・バレル,ビリー・ハート,ウエス・モンゴメリー,レイ・バレット
ユニバーサル インターナショナル

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秋が深まればもうすぐクリスマス・・・・

2007-11-21 | CHRISTMAS
Harry for the Holidays / Harry Connick, Jr.

猛暑で暑い日が続いていたと思ったら、いつの間にか秋も深まり、最近は肌寒い日が続く。
関東では木枯らし一番が吹き、北国からは初雪の便りも。気候の良い期間は短い。
秋が深まるともうすぐクリスマス。街にもクリスマスの飾りつけが。そろそろクリスマスアルバムが聴きたくなる頃だ。

クリスマスソングは一流になるための登竜門であり、そのための規定課題のようなものだ。皆が慣れ親しみ、誰もが知っている曲を、どれだけ個性豊かに表現できるかを競っているように思う。その解釈、歌いっぷりは千差万別。歌手によって自分の得意ジャンルや個性をどれだけアピールできるか、そしてファンがその料理方法にどれだけ満足してくれるのか。今年は、誰が新譜をだしてくれるのか、毎年恒例のコンテストのようだ。

先日秋を感じて、ハリーコニックJr,を一躍スターの座に引き上げたアルバムを聴いた。
コニックは、ジャズの故郷ニューオリンズ出身で、ストレートに歌いきるスインガー。
シナトラとも比較されるが、自らピアノも弾くし編曲もする。歌だけではなく、バックを含めた全体の表現力のバリエーションは御大シナトラを上回るかもしれない。

このコニックもクリスマスアルバムを2枚出している。
2枚目の比較的最近のアルバムがこのアルバム。
ビッグバンドをバックに軽快に始まるクリスマスソングは、ニューオリンズのディキシーランドジャズのパレードを思い浮かべる雰囲気でスタートする。ミディアムテンポでスイングする「ブルークリスマス」。やはり、生まれ育った土地柄が反映しているのかも。
後半に入ると、静かなクリスマスソングに相応しい曲、そして演奏も。

特に、“I’LL BE HOME FOR CHRISTMAS”はアレンジも秀逸だ。
すごくシンプルなストリングスをバックに、シンプルなピアノ、そして静かにかすれるような音色のテーナー。コニックの歌声とともに、このアルバムでは一番のお気に入りだ。
派手な曲もいいが、やはりクリスマスにはこのような曲もいい。ピッタリな雰囲気だ。

1. Frosty the Snowman        Nelson, Rollins 3:34
2. Blue Christmas           Hayes, Johnson 3:23
3. The Christmas Waltz        Cahn, Styne 3:18
4. I Wonder as I Wander        Traditional 3:07
5. Silver Bells              Evans, Livingston 3:58
6. Mary's Little Boy Child        Hairston 5:10
7. Santa Claus Is Coming to Town   Coots, Gillespie 3:56
8. The Happy Elf             Connick 3:42
9. I'll Be Home for Christmas     Gannon, Kent, Ram 5:57
10. I Come With Love         Connick 4:43
11. Nature Boy             Ahbez 3:49
12. O Little Town of Bethlehem   Traditional 3:25
13. I'm Gonna Be the First One    Connick 3:27
14. This Christmas           Hathaway, McKinnor 3:47
15. Nothin' New for New Year     Connick 4:08
16. Silent Night             Gruber, Mohr 4:54

Harry Connick, Jr. (Bass, Piano, Arranger, Conductor, Drums, Vocals, Orchestration)

George Doering (g)
Leo Nocentelli (g)
Biff Watson (g)
Neal Caine (b)
Arthur Latin (ds)

Sandy DeCrescent Orchestra Contractor
Derrick Gardner(tp)
Roger Ingram (tp)
Leroy Jones (tp)
Joe Magnarelli (tp)
Mark Mullins (tb)
Craig Klein (tb)
John Alfred (tb)
Lucien Barbarin (tb)
Joe Barati (btb)
Charles Goold Sax (sa,ts)
James Greene (sa,ts)
Jerry Weldon (ts)
Mike Kam (ts)
David Schumacher (bs)
George Jones (Vocals)
Phil Frazier (Tuba)
Paul Franklin (Pedal Steel)
Tracey Freeman (Producer)

Recorded May 13, 2003-May 22, 2003

Harry for the Holidays
Harry Connick Jr.
Columbia

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本当のデビュー作・・・後から発掘されることがよくあるが?

2007-11-20 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Opening Night / Thad Jones & Mel Lewis big Band

タレントがメジャーデビューする以前に、隠れデビューしていることがある。場合によっては芸名も違って。デビュー後、徐々に有名になると、過去の経歴や埋もれたままの幻のデビュー作が陽の目を見ることに。

マンハッタントランスファーも、アトランティックレーベルでのデビュー作の前に、前身のグループでのアルバムがある。ランバートヘンドリック&ロスしかり
サドジョーンズ&メルルイスのオーケストラのデビュー作は、ソニーレスターが設立した当時の新興レーベルであるソリッドステートレーベルの「PRESENTING」といわれていた。

ところが、本当のファーストアルバムが、2002年になってから発売された。
“Presenting”に先立つ2ヶ月前、1966年の2月7日、サドメルのオーケストラが、本拠地のVillage Vanguardに出演した時のライブ。これぞ本当の初演であり、初アルバムだ。

評論家のアラングラントは、ニューヨークのFM局WABC FMで、”Portraits in Jazz”という番組を持っていた。ジャズクラブからのライブ演奏を売りにしていたそうだ。

サドジョーンズとメルルイスがペッパーアダムスを加えたクインテットでHalf Noteに出演していた時、アランがたまたまこの演奏を聴きに訪れた。そこで、メルルイスから、「実は18人編成のオーケストラのリハーサルをA&Rスタジオでやっている」という話を聞く。
さっそくリハーサルを聞きに出掛けたアランは、ニューヨーク在住の有名ミュージシャンを集めたそのオーケストラの演奏を聴いて、その素晴らしさにただ驚くばかりであった。
その演奏を皆に聴かせようと、ヴィレッジバンガードのオーナー、マックスゴードンに相談を持ちかける。とんとん拍子に話が進み、初出演の日が2月7日と決まった。
手作りのチラシを作ってコンサートの案内をしたものの、お客の入りはあまり期待していなかったとか。
ところが、いざ蓋を開けてみれば階段までお客で一杯。店外の行列は隣のブロックまで続くという大成功。こうしてサドメルの初演が拍手喝采の元に無事終了。
その後Monday Nightのレギュラー出演に続いていったそうだ。

この演奏の模様をFM放送用に収録したテープが残っていて、陽の目をみたのがこのアルバム。サドメルファンにとっては、「こんな演奏があったのだ」と改めて歓喜した一枚だ。
グラントはビッグバンド好きなのか、同じ頃誕生したDuke Pearsonのビッグバンドのアルバムにもその誕生を祝うライナーノーツを書いている。ニューヨークでこの頃新たなビッグバンドが生まれたのには、裏方として彼も一役買っていたのかもしれない。

演奏には、サドメルの初期のお馴染みのレパートリーが並ぶ。ジョーンズのこの頃の作品には、ベイシーのオーケストラ用に作編曲してお蔵入りしていたものが多くある。後期の作品に較べると、ベイシー風な曲想が多いのもそのせいだろう。
”ONCE AROUND”や”MEAN WHAT YOU SAY”など素晴らしい演奏が続く。ベイシーはリハーサルさえしなかった曲もあったらしいが、ベイシーが演奏していたらはたしてどんな演奏になったのだろうか?興味津々だ。

小さなクラブでのライブ。
これが初演とは思えないほどこなれた演奏だ。リハーサルにたっぷり時間をかけたのだろう。
聴衆のざわめきやメンバーの合いの手や掛け声が生々しく収められている。サドメル独特のアンサンブルにワークに加え、この雰囲気に後押しされるようにソロも自由にブローしている。まさにサドメルの原点ここにありといったプレーぶり。 若き日のエディーダニエルスも熱演している。
このようなアルバムが、月日が経ってから発掘されるのは嬉しいものだ。

ちなみに、ジャケットの写真に写っているチラシは、アラングラントがその時の物をとってあったもの。入場料が2ドル50㌣とは。この演奏がこの金額で聴ければ毎日でも通います。

1. Introduction
2. Big Dipper
3. Polka Dots Moonbeams
4. Once Around
5. All My Yesterdays
6. Morning Reverend
7. Low Down
8. Lover Man
9. Mean What You Say
10. Don’t Ever Leave Me
11. Willow Weep For Me
12. The Little Pixie


Thad Jones, (Cor,Flh, Co-Leader ,Arranger)
Snooky Young, Bill Berry, Jimmy Nottingham, Jimmy Owens(tp)
Bob Brookmeyer (Valve-tb ,Arranger)
Garnett Brown, Jack Rains. Cliff Heather (tb)
Jerome Richardson, Jerry Dodgion (as,ss,cl,fl)
Joe Farrell, Eddie Daniels (ts,ss,cl,fl)
Pepper Adams (bs,cl)
Marv Holiaday (bs,cl)
Richard Davis (b)
Sam Herman (g)
Hank Jones (p)

Mel Lewis (ds, Co-Leader)

Alan Grant MC, Producer, Liner Notes

Recorded live at the Village Vanguard , New York , Monday 7,February 1966

Opening Night
Thad Jones,Mel Lewis
Alan Grant Prod.

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昔は花形であったクラリネット。あまり聴かなくなったが・・・なかなかいいものだ。

2007-11-19 | MY FAVORITE ALBUM
Mean What You Say / The Eddie Daniels Quartet

ウディーハーマンはアルトも吹いたがメインはクラリネット。最後まで、クラリネットに対するこだわりは捨てなかった。クラリネットの伝承者の一人だった。

元々クラリネットはジャズの歴史の中では主役を演じていた。
1917年に録音された最初のジャズのレコードといわれる、オリジナルディキシーランドジャズバンドの演奏でもクラリネットは欠かすことのできない楽器。ジャズ発祥のニューオリンズジャズでもトランペットと並んで花形であり多くの名プレーヤーを生んだ。スイング時代に入っても、ベニーグッドマンを筆頭にクラリネットが主役であるのは変らなかった。
モダンジャズが流行り出した時に、ジョージルイスなどニューオリンズジャズを生み出した伝説のプレーヤーなどが次々と現役に復帰し元気に往年のプレーを再現したのだが。
しかし、クラリネットは何故かモダンジャズの世界ではマイナーな楽器になってしまった。トランペットがいつの世においてもジャズの世界では花形であり続けているのに対して皮肉なものだ。

モダンジャズでクラリネットを演ずる数少ないプレーヤーの一人にエディーダニエルスがいる。
若手と思っていたらいつのまにか60歳を超えベテランの仲間入りをしていた。
ダニエルスを初めて知ったのはサドジョーンズ&メルルイスオーケストラで。
ほぼ創設時のメンバーの一員だ。ベテラン揃いのメンバーの中に若手として参加していた。
サド・メルの最初の来日の時にも加わっていて、そのプレーをピットインで聴いたのをつい先日のように覚えている。サド・メルのサックスセクションはアンサンブルワークでクラリネットを多用するが、ソロをとる機会はなかったように記憶している。サドメルのテナーセクションは溌剌としたプレーをする若手を起用することが多かった。
そのダニエルスも、サドメルを離れて独自の活動を行うようになると、テナーよりもクラリネットをメインにするようになる。

このアルバムは比較的最近の録音。昔のサドメルの仲間であるハンクジョーンズとリチャードデイビス、それにケニーワシントンのドラムをバックにしたワンホーンでの演奏。
歳をとったせいか円熟味が増してはいるが、相変わらず元気な演奏を聴かせてくれる。

サドジョーンズの作品でサドメルのオーケストラでも有名なMean What You Sayから始まる。他のメンバーも昔良く一緒に演じた曲だ。綺麗な流れるようなこの曲にクラリネットは良く似合う。
続く、It Had to be You。先日、ハリーコーニックのアルバムを聴いて耳に心地よく残っている曲だ。ハーマンのアルバムでもこの曲をタイトルにしていた。この曲もクラリネットには相性がいい。
このアルバムでもクラリネットがメインであるが、My One and Only Loveではテナーに持ち替えている。コルトレーンの有名な演奏があるが、はたしてこれを意識したかどうか。図太い音というよりはゲッツの流れを汲むダニエルスのテナーにぴったりのバラードプレーだ。

晩秋の朝ひんやりしたすがすがしい空気を吸いながら、爽やかなダニエルスのクラリネットを聴いた。モダンなクラリネットもいいものだ。

1. Mean What You Say           Jones 6:24
2. It Had to Be You             Jones, Kahn 7:11
3. Passion Flower              Strayhorn 6:14
4. Nagasaki                  Dixon, Warren 2:49
5. My One and Only Love          Mellin, Wood 7:23
6. Why You...                   Daniels, Jones 3:01
7. Azure                     Ellington, Mills 6:55
8. The Touch of Your Lips         Noble 6:09
9. You and the Night and the Music   Dietz, Schwartz 5:27
10. I'm Getting Sentimental Over You  Bassman, Washington 6:46
11. My Little Suede Shoes         Parker 4:07
12. How Deep Is the Ocean?        Berlin 5:51

Eddie Daniels (cl,ts)
Richard Davis (b)
Hank Jones (p)
Kenny Washington (ds)

Recording Date May 2005

Mean What You Say
The Eddie Daniels Quartet
IPO Recordings

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他流試合が好きな飛び入り名人がジャムセッションに・・・

2007-11-18 | MY FAVORITE ALBUM
HOW HI THE FI / A BUCK CLAYTON JAM SESSION featuring Woody Herman

ステージやセッションに予定外の飛び入り参加が時々ある。
「偶然の共演」というのは、「意図した共演」とは別の緊張感と楽しみがあるものだ。
ケニーバレルのエリントンに捧げたアルバムでもサド・メルのオーケストラのメンバーが大挙駆けつけ、入れ替わり立ち代りバレルとのセッションを繰り広げていた。
そもそもジャムセッションは飛び入りそのものといってもよいが、あるジャムセッションの録音にウディーハーマンが駆けつけた演奏がある。このハーマンは自分のオーケストラ以外のセッションにもちょくちょく登場する飛び入り名人だ。
この録音の翌日には、自分のオーケストラを率いてヨーロッパに旅立ったとか。

このジャムセッションの主役はバッククレイトン。ベイシーのオーケストラでレスターヤングと一緒にプレーをした中間派の名手だ。

スイングからモダンジャズへと変遷と遂げていた50年代の初頭、モダンジャズに乗り遅れたり、戸惑っているベテランが多くいた。
一方で、レコードもSPからLPへ変りつつあり、長時間の録音が可能になった。
そこに目をつけたのは、コロンビアレコードのジョージアバキャン。長時間録音が可能になったことで、長尺のジャムセッションのレコード化が可能になった。
このアルバムの収められている、”HOW HI THE FI”という曲も、LPの代名詞“HI FI”とHOW HIGH THE MOON を引っ掛けたもの。何事につけてもLPレコードが話題の時代であったのだろう。

そこで、スイング派のメンバーを集め、日頃のストレスを解消してのびのびとした気分で、スタジオでのジャムセッションを企画することになった。
これが、このバッククレイトンのジャムセッションの企画の始まりといわれている。

演奏は、ベイシーオーケストラのメンバーが多いこともあり、ディキシーやスイングといよりはカンサスシティースタイル。10人を超える大型コンボだが、簡単なヘッドアレンジによるアンサンブルをバックにソロを次々にフィーチャーしていく。ここではハーマンもメンバーの一人。JATPスタイルの奔りともいえる。

バッククレイトンは70年代になってからも“CHIAROSCURO”レーベルでジャムセッションアルバムを作っている。ジャムセッションの仕掛け人が性分にあっているのかもしれない。

そして、そもそもこの企画を思いついたのはジョージアバキャンであったが、この企画のアシスタントを務めたジョンハモンドにこの企画はすぐにパクられて、コロンビアとしてはこの企画は長続きしなかったという後日談もある。
やり方次第では、ノーマングランツのJATPや、カールジェファーソンのConcordのように育てることができたかもしれなかった企画であったのだが。

1. How Hi The Fi (13:51)
2. Blue Moon (14:05)

Buck Clayton (tp, leader)
Joe Newman (tp)
Urbie Green, Trummy Young (tb)
Woody Herman (cl),
Lem Davis (as)
Al Cohn, Julian Dash (ts)
Jimmy Jones (p, celeste)
Steve Jordan (g)
Walter Page (b)
Jo Jones (d)

Recorded on March 31, 1954

3.Sentimental Journey (13:49)
4.Moten Swing (12:39)

Buck Clayton (tp, leader)
Joe Newman (tp)
Urbie Green, Benny Powell (tb)
Henderson Chambers (ts)
Lem Davis (as)
Charlie Fowlks (bs)
Sir Charles Thompson (p)
Freddie Green (g)
Walter Page (b)
Jo Jones (d)

 Recorded on December 14,1953

Jam Session, Vol. 1
Buck Clayton
Blue Moon

このセッションが収録されているCDは

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昔のままのスタイルで復活するベテランもいれば、新しい境地にチャレンジするベテランも・・・・・

2007-11-17 | MY FAVORITE ALBUM
Autumn Blow / SADAO WATANABE featuring LEE RITENOUR & HIS GENTLE THOUGHTS
1977年はConcordレーベル飛躍の年。新たに発表されるアルバム数も多く、復活するプレーヤーも多かった。そしてスコットハミルトンという「新人」も登場する。古き良き時代のジャズが復活してきた。

一方で、Rockからクロスオーバーを経て、新たに生まれた“Fusion”。新しいジャズも大分こなれたサウンドになりつつあった。そして着実に広まり始めていた。特に、デイブグルーシンと彼を囲む仲間たちの活躍が、都会風の新しい洗練された息吹を感じさせた。



日本人で、このジャンルを引っ張っていたのは渡辺貞夫。その年には44歳と脂ののりきった時期。ナベサダは、古いJAZZに原点回帰するのではなく、ジャズの伝統を引き継ぎながら、ボサノバを手初めに常に時代の先端にいて新しいものを取り入れていた。
そして、その活動に対して昭和51年度(第31回)には芸術祭大賞を受賞する活躍ぶりであった。

自然の流れか、ナベサダは彼らのグループと一緒に演奏するようになる。
そして、ナベサダのフュージョンの世界が始まった。
FMラジオで、”My dear life”という レギュラー番組があった。良く聴いたものだ。この年の77年には、番組名をタイトルに冠したアルバムをリー・リトナー達とLAで録音したが、その秋にはそのメンバーを率いて日本でコンサートを開いた。その時の厚生年金会館でのライブ録音がこの一枚。このコンサートには行った記憶が。会場の聴衆の一人であったという訳だ。

テナーにはアーニーワッツ。10年前にはバディーリッチのオーケストラに加わっていたが、この時にはフュージョンの世界の第一人者に大出世であった。ナベサダとワッツのアルトとテナー、そしてソプラノとソプラニーノのアンサンブルは、まさに時代の旬なサウンド。
そして、ギターのリー・リトナー率いるオールスター。その後のフュージョンを引っ張っていく大物が揃っていた。曲はすべてナベサダのオリジナル。それぞれをフィーチャーしたステージの模様が生々しく伝わる。

1. JUST CRUSIN'
2. THE CHASER
3. SOMEDAY IN SUBURBS
4. RAPTURE
5. INNER EMBRACE
6. ORANGE BYPASS

Sadao Watanabe (as,fl,sn)
Lee Ritenour (g)
Ernie Watts (ts,ss)
Patrice Rushen (p,el-p)
Anthony Jackson (el-b)
Harvey Mason (ds)
Steve Forman (per)

Recorded Live Oct.23, 1977 at Kosei-Nenkin Kaikan, Shinjuku,Tokyo

オータム・ブロー
渡辺貞夫フィーチャリング・リー・リトナー&ヒズ・ジェントル・ソウル
ビクターエンタテインメント

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最高のピアノで、最高の録音で、そして最高の演奏をソロで・・・・

2007-11-16 | MY FAVORITE ALBUM
My Favorite Instrument / Oscar Peterson

ピアノの綺麗な調べというとついついクラッシックのピアノを思い浮かべてしまう。
ジャズのピアノの主流というとピアノトリオ。ベースとドラムが絡み合ったピアノもそれなりに綺麗と思うことはもちろんあるが、ピアノのソロの美しさとは一味違う。
スインギーなピアノであろうと、静かなバラードであろうと、このトリオの三位一体のサウンドがジャズの基本だ。
クラシックのピアノの調べとは違ったピアノの世界の素晴らしさであり、楽しさだ。

そして、同じ楽器を弾いても人によりタッチも音色も異なる。特にジャズでは。
先日オイゲンキケロのアルバムを聴き、久々に新鮮な響きを味わった。聴きなれたピアノトリオの編成ではあったが。もちろん、曲の素材がクラシックであることが一番、そしてキケロのタッチ、ピアノが綺麗な音で輝くような響きが伝わる。

このアルバムのピアノが綺麗なもうひとつの理由は録音のせいであろう。
ジャズといえば、ブルーノートの響き。そうゲルダーのサウンドだ。
このピアノの音がジャズピアノの定番の音である。いかにもジャズっぽい音だし、この音に慣れ親しんでいると、このキケロの演奏は違う楽器を聴いているような錯覚にも陥る。

ドイツ生まれのMPSレーベルが世に出たときに、このピアノの音にすごく違和感を感じ、そして同時にその音の美しさに感嘆したものだ。
このキケロのアルバムもMPSの録音だ。

MPSのピアノといえばオスカーピーターソンを聴かないわけにはいかない。
Verve時代も“WE GET REGUEST”という録音の素晴らしい作品を残してはいたが、いわゆるジャズサウンドとしての素晴らしさだ。ピーターソンの録音の中には、ピアノ自体がそもそもお粗末なピアノであったという作品もある。

これに較べるとMPSはすべてが完璧な環境と言われていた。
ピアノもスタインウェイの最高級品。調律も完璧。そして録音方法もクラシックの手法を生かした楽器の素材の良さを生かす録音テクニック。
ヨーロッパ生まれの、今まで慣れ親しんだジャズのピアノとは違う音が生まれた。

ピーターソンのMPSの何枚かのアルバムの中で、このアルバムはピーターソンのソロ。
ピアノの美しさと、ピーターソンのピアノのテクニックの素晴らしさを、両方満喫することができる。

そもそもMPSでのソロの演奏は、MPSの社長の自宅のパーティーで録音されたものが最初とか。これが素晴らしかったのか、何枚かのトリオの録音に混じってソロでの録音が行われた。ピーターソンにとって初のソロアルバムだそうだ。

ピアノソロのアルバムは時には単調になることもあるが、このピーターソンのアルバムは全く心配無用。ピーターソンの素晴らしさのすべてがアルバムに展開されている。

ピーターソンはこれに気を良くしたのか、その後もソロアルバムを残すことになる。

Someone To Watch Over Me
Perdido
Body And Soul
Who Can I Turn To
Bye,Bye Blackbird
I shoud Care
Lulu’s Back In Town
Little Girl Blue
Take The ‘A’ –Train

Oscar Peterson (p)

Recprded Hans Georg Brunner-Schwer Studio, Villingen, West Germany, circa April, 1968


Exclusively for My Friends, Vol. 4: My Favorite Instrument
Oscar Peterson
Verve

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サド&メルオーケストラをバックに演奏できる幸せ者は・・・・・

2007-11-15 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Jazz Wave, Ltd. On Tour Vol.1

サドメルのオーケストラも設立後何度かヨーロッパを訪れているが、もしかしたらこれが最初のツアーの記録かもしれない。オーケストラ結成後まもない‘69年、ドイツでの録音だ。
メンバーも一番充実していた時のライブでもある。
日頃の狭いVIILLAGE VANGUARDでのステージと違って、広いステージでさらにゲストを加えていっそう伸び伸びとした演奏を繰り広げている。

このコンサートは、サド・メル単独ではなく、サドメルが最初のアルバムを出したレーべル「SOLID STATE」のプロデューサーであるソニーレスターが率いる御一行様のヨーロッパツアーでのライブだ。サドメル以外にも、ケニーバレルやフレディーハバード、オルガンのジミーマグリフ、そしてあのビルエバンスとの共演で有名になったフルートのジェレミースタイグなどと一緒の公演であった。

“JAZZ WAVE LTD.”と銘打ったコンサートパッケージは、レスターがJATPの現代版を意図して組んだメンバーの人選と演奏かもしれない。
当時の主流派の演奏がライブでたっぷりと聴ける。その後70年代に興隆を極めた新主流派によるジャズフェスティバルブームの前哨戦ともいえる。

コンサート全体を仕切っているのは、やはりサドジョーンズ。
次々にステージに上がるメンバー紹介のMCも努めている。やはり、ソニーレスターの音楽観と、サドメルの当時考えていたことがぴったり合ってこのステージが演出されている。

最初の曲。ドントギットサッシーはサドメルの十八番。
ソロは、ハナに始まりマービンスタムとジョーヘンダーソン。
演奏によって、ソロが変る典型だ。バックのアンサンブルが自由で多彩だ。

録音状態はいまひとつだが、ステージの臨場感は最高。
特に、サドメルのバンドをバックにして最後の曲“ONCE AROUND”では、スタイグやハバード、バレルなどのゲストプレーヤーが次々とソロを繰り広げる演奏はサドメルの他のアルバムではなかなかお目にかかれない珍品だ。最後のルイスとヘイズのドラムバトルも珍しい。

VOL.1と記されているが、はたしてVOL.2が出たのかどうか分からないが、続きをもっと聴いてみた気分だ。

●Don’t Get Sassy
Thad Jones & Mel Lewis Orchestra
Thad Jones(flf)
Al pocino(tp)
Danny Moore(tp)
Snooky Young(tp)
Marvin Stamm(tp)
Bob Burgess(tb)
Benny Powell (tb)
Jimmy Knepper(tb)
Jullian Priester(tb)
Jerome Richardson(as)
Jerry Dodgion(as)
Joe Henderson(ts)
Eddie Daniels(ts)
Pepper Adams(bs)
Hank Jones(p)
Richard Davis(b)
Mel Lewis (ds)

●Reza
Jeremy Steig (fl)
Ron Carter (b)
Louis Hayes (ds)

●Green Sleeves
Kenny Burrell(g)
Richard Davis (b)
Mel Lewis (ds)

●Body and Soul
Fredie Hubbard (tp)
Roland Hanna (p)
Ron Carter (b)
Louis Hayes (ds)

●Slow But Sure
Jimmy McGriff (org)
The Thad Jones & Mel Lewis Orchestra

●People
Kenny Burrel (g)

●Final - Once Around
The Thad Jones & Mel Lewis Orchestra
Jeremy Steig (fl)
Kenny Burrel (g)
Jimmy McGriff (org)
Fredie Hubbard (tp)

The 1969 Jazz Wave Ltd. European Concert Tour
Produced by Sonny Lester
Recorded in Germany December , 1969







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