A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

何事も始めがあれば終わりがあるように、デビューアルバムもあればラストアルバムも・・・

2013-04-29 | CONCORD
A Fuego Vivo / Cal Tjader

レコードが一枚行方不明になったかと思ったらこの盤はCD所有であった。棚卸しが進まない中、最近新しいアルバムも増えて混乱状態。日頃の整頓が苦手なので一度大整理をしなくては・・・・。一度手をつければ凝り性なのだが、始めるまでなかなか重い腰が上がらない。

さて、カルジェイダーのConcordでのリーダーアルバムとしてはこれが4枚目。Concordになってからは、他のプレーヤーのバックや歌手の伴奏にも参加することも多く、Concordの看板スターの一人になっていた。
特に、デビュー作の“La Onda Va Bien”は80年のグラミー賞のラテン部門でウィナーにもなった。立ち上げたばかりのConcord Picanteにとっても新興のアウトサイダーが主流派に勝った大金星なので、オーナーのジェファーソンもジェイダーの活躍には大満足であったと思う。

順風満帆のジェイダーであったが、この演奏が収録された翌年の’82年5月に他界してしまう。まだ60前の働き盛りであった。死というものは思いがけず突然やってくるものだ。
ファーストアルバムは色々思想い馳せて制作されるが、ラストアルバムという物を意識して作ることは普通無いであろう。ラストアルバムというのは突然生まれるものだ。

ジェイダーのラストアルバムというと、同じコンコルドでこの後に発売されたカーメンマクレーとの共演盤であるが、ジェイダーの実質的なラストアルバムというとこのアルバムになると思う。

というのも、
レギュラーメンバーに加えてゲストにコンガの名人ポンチョサンチェスが加わり、ティンパレスにはラモンバンダが参加している。
そして、アルトのゲイリーフォスターが加わるオールスターメンバーだ。
さらには、このアルバムはライブ。ジェイダーの地元サンフランシスコにある、アメリカンミュージックホールでの演奏だ。500人以上入るホールだそうだが、いつものコンコルドのパビリオンとは違った会場の熱気を感じる。
曲も、メンバー達のオリジナルあり、コルトレーンのネイマやスタンダードのマイコンチネンタルありで、ジャズとラテンのハイブリットの世界をずっと歩いてきたジェイダーの集大成のような「場」がこのアルバムのために作られている。

人が死ぬと親族・友人達が集まり故人を悼み葬儀が行われ、故人を偲ぶ。しかし、死んでからはお互い言葉を交わすことができない。「元気に生きているうちに一度会いたかった」といつも思うことだ。そういう意味では友人との別れは「生前葬」という形で済ませてておく方が本当はいいのかもしれない。

このアルバムも、結果的にCDに残ったラストライブであるが、ジェイダーにとっては晩年の絶頂期に行われた「ファンに囲まれた盛大な生前葬」であったのかもしれない。




1. Serenata      Leroy Anderson / Mario Cisneros   6:55
2. Poncho Con Dos Amigos  7:04
3. Mindanao    Cal Tjader  7:05
4. Tesoro      Gary Foster  5:37
5. Santa Domingo  Mark Levine  3:27
6. Naima      John Coltrane  5:53
7. The Continental   Con Conrad / Herbert Magidson  6:12

Cal Tjader (vib)
Gary Foster (as,ss,fl)
Mark Levine (Fender Rhodes,p,elp)
Rob Fisher (b)
Vince Lateano (ds)
Ramon Banda (Timbales)
Poncho Sanchez (Congas)

Produced by Carl Jefferson
Phil Edwards : Engineer

Recorded live at The Great American Music HAll, San Francisco,California
On August 1 1981

Originally release on Concord Picante CPJ-176 (所有盤はCD)


A Fuego Vivo
クリエーター情報なし
Concord Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初のリーダーアルバムを目指して誰もが切磋琢磨しているが・・・

2013-04-27 | MY FAVORITE ALBUM
Foot Steps / BREEZE

久々に尾崎将司がニュースに登場した。トーナメントでエイジシュートとはたいしたものだ。それも62というスコアで。流石に尾崎は歳をとっても確実に布石を作っていっている。

ゴルフの世界で、プロのライセンスを持っているゴルファーは何千人もいる。しかし、ツアーに出られるとなると毎週100人くらい、年間を通して色々な推薦出場を入れてもツアーの世界で活躍できるプロは200人もいないであろう。さらに、その中で毎回のツアーで決勝に残り、賞金にありつけるのは50人足らず。年間でシードが取れる人数もその位だ。まして優勝できる実力の持ち主となると、運も含めてその中の一握り。
厳しい勝負の世界だ。
その中で、歴史に名を残すのはまた一部。

ジャズの世界でも、ジャズを演奏するミュージシャンは数千人、いや数万人いるかもしれない。しかし、その中でプロとして活躍し、ライブやコンサートをこなし、さらにはCDを出すまでに至るミュージシャンはほんの一握りだ。

スポーツの世界のようにNo.1を決めるのが目的ではないので、CDを出すミュージシャンは何人いてもいい。ところが、商売第一のレコード会社がジャズに力を入れている訳でもく、積極的にCDを出すためのミュージシャンを発掘する時代でもない。多くは、自費制作のような形でインディーズから世に出るものが多い。
さらに、世の中はネット全盛期。CD自体の売上が新譜・旧譜を問わずジリ貧状態。はたして、「CDを出す」といいうこと自体が無くなってしまうかもしれない状況なのだが・・・。

しかし、レコードから始まCDに至る「メディア」全盛時代では、CDを出すというのはプロにとっては有名になるための一つの登竜門。誰もが一度は「CD制作&発売」を夢見ていた。

当然、レコード(CD)デビューした者にとっては、初録音、そして初のリーダーアルバムというのは勲章のようなものだし、一生の記念だ。

先日紹介した野口久和Big Bandの専属コーラスグループ“BREEZE”にもデビューアルバムがある。
1992年に結成されたグループだが、5年間の活動で満を時して制作されたのがこのアルバム。結成当時とは若干メンバーも代わり、男2人女3人の5人組。現在のメンバーでこの中で残っているのは磯貝貴庸と小菅けいこの2人だけだ。アンサンブルを主体とするグループは新たにグループを作るとき音作りが大変だと思うが、コーラスの場合はなお更だろう。あのマンハッタントランスファーも初のレコーディング前には週6日、6週間の練習をしたとか。メンバーが代わるとまた一からやり直し。なかなかベストな状態を維持するのは難しい。

とすると、このアルバムもグループとしては初アルバムかもしれないが、実際にはこの5人組編成の時点での集大成。グループの歴史を振り返ってみても、きっといくつかの節目があったと思うが、このようなCDの形で残っているのは幸運といってもよいかもしれない。

ネット時代になり、世の中シームレスな時代と呼ばれている。確かに場所も時間も、そしてバーチャルもリアルも節目無く自由に結びつき拡大している。
一見便利なように思えるが、昔のように節々を明確にし、次のステップへとつながっていく足跡(Foot Steps)が確実になっている方が物事の理解と関係性が明確に分かるような気がする。

今こうやって、古いCDやレコードを聴きながら昔を思い出し記憶を繋げているが、これがもしネットの世界だけでできるかといえば多分情報はあっても不可能であろう。

1. Fil The McNasty
2. No More Blues
3. Stolen Moments
4. Joy Spring
5. Hey Jude
6. Evening Show
7. Perdido
8. Here’s That Rainy Day
9. Nune-No-Furiko (胸の振子)
10. The Island
11. On Green Dolfhin Street
12. Omae-no-Umaretahi (お前の生まれた日)

BREEZE
石川 真奈美
小菅 けいこ
中村 早智
迫田 晃和
磯貝 隆昭

原 朋直 (tp)
山口 真文 (ts)
佐藤 允彦 (p)
砂田 知宏 (p)
納 浩一 (b)
大坂 昌彦 (ds)
岡部 洋一 (per)

Recorded on Jan. 5,6 & Feb. 28 at King #1 Studio, Tokyo
Ecording Engineer : Takao Suga

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2人の出会いは無かったかもしれないが・・・・

2013-04-26 | PEPPER ADAMS
Two Altos / Sonny Redd & Art Pepper

"Two altos"というタイトルを見ると、アルト2人のバトルを想像してしまう。ところが、このアルバムは2人のアルト奏者の演奏のカップリング。一人はアートペッパー、もう一人はソニーレッド。2人が共演した演奏があるわけはない。2人のアルトを選んだ理由はというと、意識的なのか無意識かは分からないが、2人のファーストレコーディングを組み合わせたという編集になっている。

レッドの2曲はペッパーアダムスが加わっている’57年11月12日のセッション。この前紹介した“Jazz is busting out all over”というアルバムに入っている”Stop”とこの2曲を含めて計3曲がソニーレッドの初リーダーセッションということになる。
このレッドも出身はデトロイト、アダムスと同郷だ。レッドの初セッションということで、アダムスが駆けつけたのかもしれない。バックがウィントンケリーのピアノにドラムスがエルビンジョーンズというのも贅沢なバックだ。「初」というのは何事も緊張しがちであるが、旧知の仲間に囲まれ、レッドのプレーやサウンドは生き生きしている。
この後、レッドはブルーノートなどに何枚かのアルバムは残したが、晩年はどうなったのだろう・・・・?。

一方のアートペッパーの方は、それより4年前、’53年3月4日のセッションが、アートペッパーのリーダーとしての初のレコーディングだ。こちらも“Surf Ride”というアルバムに数曲収録されているが、このアルバムのセッションを含めた4曲がリーダーとしての初セッションだ。こちらのバックもハンプトンホーズのピアノ、ラリーバンカーのドラムスとその後ウェストコースとを代表するプレーヤーとの共演でのびのびした演奏だ。このメンバーで前の月にクラブ出演の後でのレコーディングなので、よりこなれているのかもしれない。
前年はスタンケントンオーケストラの一員としてプレーしたペッパーだが、本格的なソリストとしてスタートした一里塚だ。その後ペッパーは晩年まで麻薬との戦いでプレーも中断したり、波があったりだが、この後の50年代後半の演奏がやはり一番輝いている。

アダムスも、翌年からのニューヨークでも本格的な活動開始に向けて、色々なセッションに顔を出していた時。今回はレッドのデビューに付き合った形だったが、持つべきものは友。同郷のエルビンジョーンズとは、一週間後の11月19日には自分のアルバム"The Cool Sound of Pepper Adams"(リーダーアルバムとしては3枚目)に付き合ってもらい、この年の暮れには一緒にアパートを借りることに。

広い交友の中から親友が生まれ、一度の出会いがその後の自分の人生に影響を与えることもある。若い時はもちろんだが、歳をとっても「一期一会」を大事にしたい。

実際にソニーレッドとアートペッパーの出会いがあったかどうかは定かではないが、このような出会いもいいものだ。



1. These Foolish Things
Art Pepper (as) Hampton Hawes (p) Joe Mondragon (b) Larry Bunker (ds)
Los Angeles, CA, March 4, 1952

2. Everything Happens To Me
Art Pepper (as) Russ Freeman (p) Bob Whitlock (b) Bobby White (ds)
Los Angeles, CA, March 29, 1953

3. Deep Purple
4. What's New
Art Pepper (as) Jack Montrose (ts) Claude Williamson (p) Monty Budwig (b) Paul Ballerina (ds)
Los Angeles, CA, August 25, 1954

5. Redd's Head
Sonny Redd (as) Pepper Adams (bs) Wynton Kelly (p) Doug Watkins (b) Elvin Jones (drums)
Chicago, IL, November 12, 1957





トゥー・アルトス
クリエーター情報なし
日本コロムビア
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メンバーが若返ってますます元気に・・・・

2013-04-24 | MY FAVORITE ALBUM
Wayne / Masaru Uchibori & MU Big Band

内堀勝のMUビッグバンドが冬眠明けの今年初のライブがあり始動を始めた。1995年にバンドができて彼是20年近く。長く続いているバンドのひとつだ。



ビッグバンドのリーダーはプレーヤーがリーダーになるケースと、アレンジャーがリーダーになるケースがある。プレーヤーがリーダーだと、歳をとってもバディーリッチやメイナードファーガソンのようにプレーヤー自身が先頭に立って若者を引っ張って進化していくバンドもあるが、昔のスタイルのまま昔からのサウンドを大事にして進化をとめてしまうことが多い。

一方で、アレンジャーの場合は歳を重ねるとアレンジはかえって経験が増して多彩になっていく。ゴードングッドウィンも彼のアレンジがバンドカラーそのものだが、アルバムが出る毎に進化をし続け、メンバーもそれに応えていく。いつも新しいアルバムを聴くのは楽しみだ。

この内堀勝のビッグバンドもアレンジャーである内堀のオーケストラ。古いアレンジは20年以上前のものもあるという。新しいアレンジもあるし、他のオーケストラに提供したアレンジを入れたら、レパートリーは数知れない程あるのだろう。

この日は、「ブルースを多めに」とのコメントがあったが、持ち駒の中から自在にプログラムを組めるのもアレンジャーの率いるビッグバンドの強みだ。

結成時のメンバーで制作されたこの初アルバムは2004年の録音。今から10年前だ。
メンバーを見ると一流揃いのオールスターバンド。現在のメンバーは各セクションのリーダー格は当時のメンバーが残っているが他は若手に入れ替わっている。数年前に若手中心の今のメンバーに入れ替えたと聞く。

リードアルトの萱生昌樹は最近は他のオーケストラでもサックスセクションの要を努めることが多い。今やリードアルトでは若手のNo.1であろう。彼がフィーチャーされたのは”In a sentimental Mood”。この曲は以前のメンバーだったリードアルトをフィーチャーしていたので、彼が替わってからしばらくやっていなかったとのこと。このプレーが収められている演奏がYou tubeで10万回を超えるアクセスがあったということだが、自分は寡聞にして知らなかった。

気になったので、家に帰って早速見たら近藤淳だった。今は923Big bandのリードアルトだが、そこでも得意なバラードプレーは健在だ。この近藤淳と較べても萱生のプレーはなかなかであった。



このアルバムに収められている曲から、Lullaby for Y.U.と、賑やかなBoogie Woogieが演奏されたが、内堀のアレンジは特に奇抜さは無い正統派、しかし細かいところに仕掛けがある飽きないアレンジが多い。

自分が歳をとったかどうかのチェックポイントは、「行きたいと所がある」「会いたい人がいる」「食べたい物がある」の3点セットが日々の生活で持続されていることだそうだ。
もうひとつは、若者とも付き合っていると気が若くなる。確かに歳をとると、同窓会、OB会で旧友に会う機会が増えるが、大体は昔話。内堀もメンバーを一新したのは、昔話を繰り返すのは避けたかったのかもしれない。

若さを保つには、これに若い彼女でもできたら完璧なのだろう・・・。

今週末から新宿 Somedayはビッグバンド祭り。さて、何日行けるか?




1. Wayne
2. It Don't Mean A Thing
3. Emily
4. Just Friend
5. Nefertiti
6. Don't Get Around Much Anymore
7. Remember Mingus
8. Lullaby For Y.U.
9. Traffic Light Blues
10 .Boogie Woogie

近藤和彦 (as,aa,fl)
池田篤 (as)
三木俊雄 (ts)
岡崎正典 (ts,cl)
宮本大路 (bs)
エリック宮城 (tp)
菊池成浩 (tp)
木幡光邦 (tp)
佐久間勲 (tp)
岡崎好朗 (tp,fh)
片岡雄三 (tb)
橋本佳明 (tb)
三塚知貴 (tb)
河野聡 (btb)
守屋純子 (p)
佐藤慎一 (b)
稲垣貴庸 (ds)

Producer : 内堀 勝
Recording Engineer : Andy Waterman
Arranged & Conducted by Masaru Uchibori
(except 7 by John Laporta)
Recorded on May.26 & 27,2003

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アナログ盤でアナログサウンドの良さを改めて実感・・・・

2013-04-15 | CONCORD
First Edition / George Shearing & Jim Hall

先週末は久々に一日ゆっくり家にいた。
庭の雑草も急に伸び草取りでもしなければと思いつつのんびりしてしまった。昨年亡くなった母が残した鉢植えが花をつけるかが心配であったが、どうやら順番に咲き出してまずは一安心。



最近音楽は手軽なせいもあり、ついつい「ながら」でCDを聴くことが多い。メインのオーディセットでなく、PCとかipadとか車の中とか・・・。
久々にゆっくりしたということもあり、半日オーディオセットの前に陣取りアナログのLPを何枚か持ち出してきた。Concordのアルバムの続きがまずターンテーブルに乗る。

いきなりピアノとギターの音が妙に生々しく響く。ドラムとベースがいないせいもあり、ピアノのベースライン、ギターのリズムが良く浮き出てくる。いい音だ。この盤の録音のせいかもしれないが、音の厚みがCDより豊かな感じがする。
ついつい2人のコラボレーションに引き込まれていく。音のせいもあるが、お互いの技の極みを尽くす演奏に益々。

ジャズというのはプレーする仲間同士のコンビネーションが実に大事だと思う。それにはお互いの気が合う要素が多いことが大事になる。名盤といわれるものの多くは、その「気の合う」結果のプレーで生まれたのだと思う。
特にDuetとなると一対一の勝負。誰にも邪魔されずに。また助けてもくれない。2人のコラボがそのまま結果にでる。
この2人は以前一度演奏をしたことがあったそうだ。本格的に組んだのは今回が初めて。どんなプレーになるか・・・?しかし心配御無用であった、一緒に一曲演奏して、2人はいきなり「しっくり」きたようだ。

Concordのオーナーであったカールジェファーソンは、ある種のマッチメーカー。これまでもいい組み合わせのセッションを数多くお膳立てしてきた。これにはプレーヤー同士の相性もあるかもしれないが、ジェファーソンの趣味というのも重要な要素だ。
Concordには初アルバムに参加したHerb Ellis, Joe Pass以降次々とギターの大物が加わってきたが、遅めに加わったのがジムホール。
前作"Circle"でコンコルドに初登場した。

このアルバムで、ジェファーソンがそのジムホールの相方に選んだのが、ジョージシアリングだ。ジムホールのピアノとのDUOというとどうしてもビルエバンスとのUndercurrentを思い浮かべてしまう。その後2人のDUOはもう一枚あったが、Duoというとこの2人の演奏イメージが沸いてしまう。
久々に聴いたこの一枚。呼吸の合った2人の演奏が満喫できたが、2人の呼吸もあるがこれを予測したジェファーソンの眼力もたいしたものだ。

自分は決して熱烈なジムホールファンではないが、振り返ってみると持っているアルバムは他のギタリストより多い位だ。決して派手さはないのだが、今回のようにじっくり構えて聴きなおすと良さが再発見される。
女性と同じで一見派手で目立つ女性に思わず惹かれることがあるが、反面飽きるのも早い。一見派手さは無く控えめだが、付き合いが深まるにつれて中から次々に溢れ出る魅力に感激するのが本命という様に似ている。

自分にとっては、このアルバムで音の良さがジムホールの新たな魅力を発見させ、シアリングとのコラボがその魅力をさらに醸成したアルバムのような気がする。
”First Edition”第一章とタイトルされているが、果たして続編はあったのか・・・・?
すぐには思い出せない。

1. Street of Dreams        Sam M. Lewis / Victor Young 4:06
2. To Antonio Carlos Jobim    George Shearing   3:15
3. Careful            Jim Hall 5:54
4. I See Nothing to Laugh About  Marvin Fisher 5:09
5. Without Words         Jim Hall 5:03
6. I Hear a Rhapsody        Jack Baker / George Fragos / Dick Gasparre 3:41
7. To Tommy Flanagan       George Shearing 5:10
8. Emily             Johnny Mandel / Johnny Mercer 5:52


George Shearing (p)
Jim Hall (g)

Produced by Carl Jefferson
Engineer : Phil Edwards

Recorded at Soundmixers, New York,N.Y. September 1981
Originally Released on Concord CJ-177 (所有盤は国内盤)

1st Edition
クリエーター情報なし
Concord Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年の来日ビッグバンドはゴードングッドウィンから・・・・

2013-04-14 | MY FAVORITE ALBUM
Act your Age / Gordon Goodwin’s Big Phat Band

連休中は恒例になったSomedayのビッグバンドシリーズを筆頭にBig bandのライブが目白押しだ。神田には新たな施設のオープンに合わせて、無料のジャズコンサートが開催される。これにも再編された秋吉敏子のオーケストラを始めとしていくつかのBig bandが出演する。その後はバディーリッチのメモリアルBandも来日するようで、今年も来日するビッグバンドは多そうで楽しみだ。



今年の来日ビッグバンドの先頭打者はゴードングッドウィンのBig Phat Band。最初のアルバムが出た頃は一部ファンの知る人ぞ知るオーケストラであったが、ここ数年は毎年来日しているのですっかりお馴染みになった。
以前来日したときも記事にした記憶がある。今回ですでに5回目の来日、グッドウィンもすっかり日本贔屓になったようで、今回も益々パワフルな演奏を聴かせてくれた。

このアルバムは、日本盤も同時に発売されるようになった前々作。このあたりから日本でもすっかり人気バンドになった。このアルバムに納められている”Backrow Politics”も小道具を含めてショーアップされて、今回のステージでもハイライトになっていた。プロミュージシャンとして競争に勝ち残って(特に西海岸で)活躍しているこのバンドのトランペットセクションに捧げた曲だそうだが、ハイノートを含むソロの掛け合いはド迫力であった。誰がNo1というのではなく、トランペットセクション全員がサックスセクションより「勝ち」という落ちがついて。



このアルバム、実は通常のCDのほかにDVDも入っている。5.1chサラウンドでも聴けるし、ライブの映像や、曲やアーティストの紹介、自分でミキシングできるトラックや新人紹介まで入っている内容盛りだくさんのお徳盤。聴くだけでなく、グッドウィンやメンバーの人柄も分かりより身近な存在になる。なかなかCDが売れない時代と言われているが、このような配慮と努力がファンを増やすことになるのだろう。
たまたまこのグッドウィンのライブには、以前は息子を連れて行ったらすっかりジャズファンになったし、今回もジャズの興味に持ち始めた知人を連れて行ったら、お気に入りになった様子。ファンが増えて話相手が増えるのはいいものだ。

グッドウィンのBandの良さは、自身語っているように4ビートから、ファンク、ラテン、そしてクラッシクまで何でもありなのだが、グッドウィンの絶妙なアレンジで、それらが「ごった煮」にならないバンドカラーを持っていることだろう。
グッドウィンは西海岸を拠点として、普段は映画音楽なども多くこなしているようだ。映画音楽というのは、タイトルやシーンに合わせて表情豊かに映像のバックを飾るのが役割。ということは、アレンジにも多彩な技が求められると思う。例えば、メロディーがシンプルであっても、一つの曲がテンポやリズム、あるいは使用する楽器を変化させることで、実に色々な表情を持つようになるように。

このようなアレンジテクニックを、聴かせるためバン“Big Phat Band”のアレンジでも多用するのがグッドウィンの良さだ。ライブのステージでもそれに応えるメンバーの力量もたいしたもので、自在に変化するアレンジでも一糸乱れぬアンサンブルは実に聴いていて気持ちが良い。サウンド的にはある意味マリアシュナイダーとは対極にあるようなビッグバンドだが、スインギー&ファンキーな演奏が好きな好事家にはたまらないだろう。

今回は2ステージ聴いたが、1st Setと2nd Setのマリエンサルの違いに関心、曲想によってがらりと違う雰囲気に改めてメンバー達のプレーの多彩ぶりを実感した。
秋には新しいアルバムも出るようで、今回のステージでも一部披露されていた。アルバムを作る度に、グッドウィンのアレンジは益々難しくなっているそうだが、それをこなすメンバーのプレー振りが楽しみ。
バンドができて歳を重ねると昔の曲を繰り返し演奏することが多くなるものだ。いわゆる懐メロバンドだ。このアルバムのタイトルは、「年相応に振舞え」という意味かもしれないが、どうやらこのバンドは、進化が止まることなくグッドウィンのアレンジとメンバーのホットな戦いがいつまでも続きそうな気がする。彼らを見習って歳をとってもヤンチャに生きたいものだ。

1. Hit the Ground Running   Gordon Goodwin 4:5
2. Watermelon Man      Herbie Hancock 5:28
3. September        Maurice White 4:29
4. Yesterdays        Jerome Kern 3:19
5. Se�or Mouse       Chick Corea 5:00
6. Punta del Soul      Dave Grusin 5:04
7. Act Your Age       Gordon Goodwin 5:47
8. Chance Encounters     Gordon Goodwin 7:35
9. Backrow Politics     Gordon Goodwin 8:05
10. East Coast Envy      Gordon Goodwin 5:13
11. El Macho Muchacho     Gordon Goodwin 6:10
12. Gumbo Street       Gordon Goodwin 6:33
13. Floating Home       Gordon Goodwin 6:22
14. I Wish           Stevie Wonder 6:10

Gordon Goodwin's Big Phat Band

Wayne Bergeron (tp)
Dan Fornero (tp)
Dan Savant (tp)
Bob Summers (tp)
Pete DeSuinna (tp)
Andy Martin (tb)
Alexander Iles (tb)
Francisco Torres (tb)
Charlie Morillas (tb)
Craig Ware (btb)
Jeff Driskill (ts,fl,cl)
Sal Lozano (as,fl,pic)
Eric Marienthal as,ss,fl)
Brian Scanlon (ts,fl,cl)
Jay Mason (bs,bcl)

Gordon Goodwin (p,ts,ss,arr)
Andrew Synowiec (g)
Grant Geissman (g)
Rick Shaw (b)
Bernie Dresel (ds)
Brad Dutz (per,vib)

Nathan East (eb)
Chick Corea (p)
Dave Grusin (p)
Lee Ritenour (g)
Art Tatum (p)
Patti Austin (vol)

David A. Helfant A&R, Executive Producer
John Trickett Executive Producer
Produced by Lee Ritenour with Gordon Goodwin & Dan Savant
Recorded at Capital Studio Hollywood & Schinee Studios Studio City

Act Your Age
クリエーター情報なし
Immergent
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジェリーダジオンのリーダーアルバムはあまり聴いたことがないが・・・

2013-04-12 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Beauties of 1918 / Charlie Mariano - Jerry Dodgion Sextet

昨年もVanguard Jazz Orchestraが来日した。最近続けての来日は宮嶋みぎわさんのお陰だ。ファンとして感謝の念に堪えない。今年の夏も来日するようなので楽しみだ。

昨年来日したメンバーで、久しぶりで嬉しかったのがリードアルトにジェリーダジオンが加わっていたこと。サドメルのオーケストラの創設メンバーで、’68年の初来日の時もメンバーの一員として加わっていた
それからかれこれ50年近く。一体何歳になったのであろうか、確かに歳を感じさせるのは否めないが、元気なプレー振りを見て嬉しくなった。50年前には、貫禄十分のジェロームリチャードソンの隣であまり目立たない存在であったが。

このダジオンは、70年代を中心にセッションに加わったアルバムはたくさんある。あのハンコックの名盤”Speak Like A Child”のアルトフルートはこのダジオンだ。
元々西海岸の出身、50年代はジェラルドウィルソンやレッドノーボ、そしてベニ―グッドマンのバンドにも加わっていたが、60年からはニューヨークに居を移して、サドメルやデュークピアソンのオーケストラに加わる一方で、スタジオワーク中心で活躍を続けていた。

このダジオンセッションへの参加は多いが、自己のリーダーアルバムとなると晩年の”Jerry Dodgion & The Joy Of Sax”以外思い浮かばないが・・・・
50年代の録音にチャーリーマリアノと共演したアルバムがある。自分の所有盤はFreshsoundから再発されたものだが、オリジナルは”Beauties of 1918”というWorld Pacificのアルバム。



マリアーノとダジオンの2アルトの双頭グループというと、丁度この頃活躍していたPhil & Quillが思い浮かぶ。このグループは両者の熱っぽい演奏が売りであったが、この2人の演奏は、ウェストコーストのグループということもあり、Phil & Quillに較べればいくらか感じがするのは否めないが、それでも2人とも力強いプレーだ。
このセッションに参加している、シェリーマン曰く、当時「マリアーノは評価されていないプレーヤーだ」との事だが、ダジオンもそれに輪を掛けてUnder ratedなプレーヤーだろう。このアルバムを聴く限りは、当時のウェストコースのトッププレーヤーにも決して引けをとらないプレーだ。

タイトルの「1918年の美人達」の通り、このアルバムに選ばれた曲は当時の古い曲ばかり。日本風に言えば「美しき大正時代の流行歌をジャズの調べに乗せて」といった雰囲気だが、演奏自体は当時のウェストコースとサウンド。フェルドマンのバイブが清清しさを増している。マリアノ、ダジオンの西海岸時代の演奏が楽しめる一枚だ。



1. After You've Gone (Creamer, Layton) 4:49
2. When Johnny Comes Marching Home   (L. Lambert) 5:13
3. Deep River (H. Burleigh) 5:40
4. Till We Meet Again (Egan, Whiting) 4:15
5. K-K-K-Katy (J. O'Hara) 5:27
6. 'til The Clouds Roll By (Kern, Bolton, Wodelhouse) 2:39
7. Over There   (G.M. Cohan) 4:22
8. Ja Da (B. Carelton) 4:17
9. Hello, Central, Give Me No Man's Land (Lewis, Young, Swartz) 3:57
10. Vamp's Blues (Charlie Mariano) 7:05

Charlie Mariano  (as,,recorder on 3)
Jerry Dodgion  (as,fl)
Victor Feldman (vib)
Jimmy Rowles  (p)
Monty Budwig  (b)
Shelly Manne  (ds)

Recorded December 10 & 11, 1957 at Radio Recorders, Los Angeles, California
Produced by Russ Freeman

ビューティーズ・オブ1918
クリエーター情報なし
EMIミュージックジャパン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然美と人工美の組み合わせで・・・・・

2013-04-09 | MY FAVORITE ALBUM
The Very Best of Glenn Miller

春の新緑の頃は自然美を感じるには一番の季節だ。暖かくなってゴルフもいよいよシーズンイン。野山の自然の緑も美しいが、ゴルフ場のレイアウトに映える緑も人工美と組み合わさって美しい。
先週末は春の嵐で「外出を見合わせるように」との天気予報も出て、ラウンドを取りやめた人も多いと思う。自分はゴルフ好きの仲間とのラウンド予定。ギリギリまで予報を見極めて決行と相成った。

コースに着くと、風が若干あったものの日差しも出ていて絶好のゴルフ日和。案の定キャンセルもかなりあったようで、コースも空いていてのんびり気楽なラウンドを楽しめた。
途中で、にわかに黒い雲が空を覆い雨がぱらつく事もあるという目まぐるしく天候が変化する一日であった。傘をささなければならない程の降りには至らず、それも自然を味わう小道具のひとつであった。





さて、最近の映像や音楽の世界はデジタル処理が一般的になっている。映像では撮影素材にCG処理されたものを当たり前のように編集している。音楽では新しい録音がすべての工程でデジタル処理されているのは当たり前だが、古い録音もデジタルリマスーと謳っているものが多い。きっと以前のアナログより良い音になっているのだと思うが、新たに買って手持ちの物と比較して聴くようなことはしないので、果たしてどの程度の違いがあるものなのか?
一度はじっくり比較してみたいという興味はある。

デジタル処理はさらに進んで、古いモノクロ映像に色が付いたものが現れビックリしたが、音楽の世界でも古い録音のノイズ除去された物も多くなっている。特に、古いSP版のノイズは仕方が無いものと諦めていたら、何とこのノイズを取り去って全面的にクリーンアップした物があると・・・。

程度の違いはあれ、これでは自然体の美しさというよりも、徹底的に整形美を追求して、どちらが美しいかを比較しているような事。自然体を好む自分としてはあまり食指は動かなかったのだが。
レコードの世界では昔、ステレオが世に出た時、古いモノラル盤を無理やりステレオにした「にせステ」なるものが流行った。しかし、いつの間に音質を追求するのであれば、モノラルのままが良いということになり、にせステはいつの間に世の中から消えていった。

とは言うものの、一度はこのSP盤からの「大整形作業」の結果を味わってみようと思って購入したのがこのアルバム。
演奏の元はオリジナルのグレンミラーオーケストラ。1944年第2次世界大戦中に亡くなったグレンミラーなので、オリジナルはSP盤でしか聴くことのできないので、今まで復刻されたものを含めてオリジナルグレンミラーサウンドというのは、SP盤の音であった。
果たしてこの音がどう変わっているか?

この盤を聴き始めてもSP盤の雰囲気はしない。確かにダイナミックレンジも狭いし、最高の録音というわけにはいかないが、SP独特のノイズに塗れた音ではない。
演奏その物はオリジナルグレンミラー。懐かしのサウンドを良い音で聴けるのはやはりいい。
たまには整形美人と付き合ってみるのも悪くないものだ。ゴルフ場の自然を楽しむように。

1. In the Mood
2. Moonlight Serenade
3. Don't Sit Under the Apple Tree (with Anyone Else but Me)
4. Tuxedo Junction
5. A String of Pearls
6. Pennsylvania 6-5000
7. "Chattanooga Choo-Choo (From the 20th Century Fox film ""Sun Valley Serenade"")"
8. American Patrol
9. (I've Got a Gal in) Kalamazoo
10. On A Little Street In Singapore
11. The St. Louis Blues March
12. A Nightingale Sang In Berkeley Square
13. Star Dust
14. Little Brown Jug
15. When You Wish Upon A Star
16. The Woodpecker Song
17. G.I. Jive
18. Fools Rush In
19. Over There
20. Blueberry Hill
21. Over The Rainbow
22. Serenade In Blue
23. When Johnny Comes Marching Home
24. In the Mood


Very Best of
クリエーター情報なし
Sony UK
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昨年来日したビッグバンドで一番盛り上がったのは・・・・MARIA SCHNEIDERでは?

2013-04-05 | MY FAVORITE ALBUM
Evanescence / Maria Schneider Jazz Orchestra

昨年2012年は来日ビッグバンドの当たり年だった。老舗のベイシー、エリントン、毎年の来日がレギュラー化したMJO、VJO、そしてゴードングッドウィン。どのライブも盛況であった。
それらに混じって初来日のオーケストラがあった。待ち遠しかったマリアシュナイダーのオーケストラだ。前年の予定が震災、原発事故の影響で来日が延び延びになっていたようだが。

自分のビッグバンド好きは、エリントン、ベイシーに始まり、クインシー、バディーリッチと続き、そしてサドメルに入れ込んだ。
このマリアシュナイダーにはそれ程の思い入れがある訳ではなかった。しかし、一度は生で聴いてみたいとは思っていたので、来日を楽しみにはしていた。



初日の12月17日(Bluenoteのライブレポートはこちらで)、ゴルフ帰りに会場のブルーノートに駆けつけると会場はすでにごった返していた。ビッグバンドだと普段は年配の方々が多いが、この日は若者が多い、そして女性も。ミュージシャンの顔も多く見掛けた。

開演とともに流れるようなシュナイダーの曲が始まる。メンバーには、MJOで来日したスコットロビンソンの姿も。彼もこのオーケストラでもレギュラーとして長い。
いつものビッグバンドのような体が浮き浮きするような雰囲気ではない。ある種霧が体全体を包んでいくような感覚だ。曲が進み、お馴染みの曲が始まると、何ともいえぬどよめきが起こる。「濃い」ファンが多いのだなと、彼女の人気に対する認識を新たにした。

昔、色々ビッグバンドを聴いた時、ギルエバンスのアルバムは、何故か意識の外で聴いていた。ただしマイルスとの共演アルバムは別だった。サドメルに入れ込んでいたとき、ボブブルックマイヤーのアレンジの曲になると何か別の世界に入った感じがした。サドジョーンズのバラードも素晴らしかったが、それとは一味違った物であった。
メルルイスのオーケストラになって、ブルックマイヤーの曲がまた増え、サドメル時代とは少し違った印象を受けたが、のめり込むことはなかった。

それは、日々都会の喧騒の中での生活をおくっているある日、別荘の自然に包まれた清清しい休日を一日過ごした時の気分のようなものだった。休日が終われば、また都会の生活に戻って行った。

そして、シュナイダーのオーケストラが登場した。90年代の半ば、その頃自分は新しいジャズに対してはすっかりキャッチアップしていく意欲が失せていたが、この彼女のファーストアルバムは持っている。いつ買ったのは記憶が定かではないが。

数年前、ブログを始めるにあたって手持ちのLP、CDを聴き返す事が多くなり、このアルバムを聴き返し、心地よさを感じて最近のアルバムも購入した。その頃、辰巳哲也のビッグバンドを聴く機会があり、その中で彼女の作品を取り上げる事もあり急に身近な存在になった。

そしてブルックマイヤーのアレンジを改めて聴きなおすと、実に気分よく聴けた。結果的に、エバンスから始まり、ブルックマイヤーが引き継いだ脈々と続く流れの本質を、彼女が気づかせてくれたのかもしれない。

都会の生活もいいが、別荘生活をしばらく続けてみるのも悪くないと・・・・・。
最近のアルバムを見てみると、いつのまにか、彼女のオ-ケストラからは”JAZZ”がとれていた。



辰巳哲也のBigbandが東京TUCに28日に出演する。その日は彼女の曲をやるそうだ。
連休中はご機嫌なビッグバンドのライブが続くが、この日は一日「別荘生活」を楽しんでみよう。






1. Wyrgly 10:29
2. Evanescence 11:21
3. Gumba Blue 8:59
4. Some Circles 5:50
5. Green Piece 8:08
6. Gush 7:08
7. My Lament 4:47
8. Dance You Monster to My Soft Song 7:30
9. Last Season 8:24

Maria Schneider Composer, Conductor, Producer

Tony Kadleck Flugelhorn, Trumpet
Laurie Frink Flugelhorn, Trumpet
Greg Gisbert Flugelhorn, Trumpet
Tim Hagans Flugelhorn, Trumpet
Larry Farrell Trombone
John Fedchock Trombone
George Flynn Trombone (Bass), Tuba
Keith O'Quinn Trombone
Rich Perry Flute, Sax (Tenor)
Tim Ries Clarinet, Flute, Sax (Alto), Sax (Soprano)
Scott Robinson Clarinet, Clarinet (Bass), Sax (Baritone), Sax (Bass)
Mark Vinci Clarinet, Flute, Flute (Alto), Piccolo, Sax (Alto)
Rick Margitza Sax (Tenor)
Kenny Werner Piano
Ben Monder Guitar
Jay Anderson Bass
Dennis Mackrel Drums
Eddie Rivera Percussion
Emedin Rivera Percussion

Paul Wickliffe Engineer

Recorded in September 1992


Evanescence
クリエーター情報なし
Enja
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

百花繚乱の様相を呈した1957年の締めくくりに・・・

2013-04-04 | PEPPER ADAMS
Jazz is Busting Out All Over

彼岸前に桜が開花し、今年の花見は3月中に終わってしまうと思ったら、その後の冷え込みで散らずに4月まで持ちこたえた。各地の桜祭りの世話役は一安心だったろう。
これから春の花が順番に開花し、それに呼応するように木々が一斉に芽吹く。
いよいよ春本番だ。







1957年の秋、西海岸から戻ったペッパーアダムスは、色々なセッションに顔を出した。
ブルーノートでは、ハンクモブレーリーモーガンと一緒であったが、A.K.Salimのセッション、そして自己の3作目のリーダーアルバム、”The Cool Sound of Pepper Adams”などSavoyでのセッションも多かった。

Savoyでは、アダムスは名プロデューサー、オジーカデナの元で、西海岸へ行く前の56年にデトロイト出身者でアルバム"Jazz Men Detroit"を作っていた。カデナの頭には、この時のアダムスの演奏が印象に残っていたのかもしれない。ブルーノート同様、このSavoyでも連日のように録音が続く中で、アダムスに声がかかることも多かった。

このセッションはシカゴでの録音だが、プレスティージを含めた御三家はゲルダースタジオ御用達が多い。同じゲルダースタジオでも、レーベルによって少し音が違う感じがするのは、レーベルのポリーシーに合わせた味付けがあったからであろう。録音だけではなくSavoyはジャケットを含めて、派手さを抑えた何となく上品な感じがする。

アダムスのリーダーアルバムの録音は11月19日であったが、その一週間前の12日にアルトのソニーレッドのセッションにアダムスは参加して3曲収録している。レッドのデビュー、ピアノはウィントンケリーにドラムはエルビンジョーンズとアダムス以外にも聴き所がたくさんある。アルバム一枚分に足りなかったせいか、この3曲は泣き別れとなって最初から2枚のアルバムに収録されることに。

その内の一枚がこのアルバムである。いわゆるオムニバス盤であり、一曲はその中に収まった。これはよくあるベストものではなく、色々なセッションの余りを集めたもの。
結果的に、この年の録音のサンプルアルバムになっているが、この時代の録音は、数は多いが不思議と外れは無い。
レッドとアダムスの共演は一曲だけだが、他のセッションも錚々たるメンバーの演奏だ。
まさにアルバムタイトルどおり、この年57年は春の花が一気に咲き乱れるように、ジャズの華が一気に咲き乱れた年であった。

1. Monday Stroll
Frank Wess (tenor saxophone, flute) Kenny Burrell, Freddie Green (guitar) Eddie Jones (bass) Gus Johnson (drums)
NYC, January 5, 1957

2. June Is Bursting Out All Over
Jimmy Nottingham, Joe Wilder (trumpet) Marshall Royal (alto saxophone) Frank Wess (tenor saxophone) Charlie Fowlkes (baritone saxophone) Hank Jones (piano) Wendell Marshall (bass) Bobby Donaldson (drums) A.K. Salim (arranger, director)
NYC, July 1, 1957

3. Sugar Dugar
Phil Woods (alto saxophone) Benny Golson (tenor saxophone) Sahib Shihab (baritone saxophone) Hank Jones (piano) Paul Chambers (bass) Art Taylor (drums)
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, July 9, 1957

4. Walkin'
Jan-Cee Brown

Bernie Glow, Phil Sunkel (trumpet) Bill Harris (trombone) Phil Woods (alto saxophone, clarinet) Seldon Powell (tenor saxophone, flute) Sol Schlinger (baritone saxophone) Eddie Costa (piano, vibraphone) Wendell Marshall (bass) Gus Johnson (drums) Billy Ver Planck (arranger, conductor)
NYC, July 30, 1957

5. Sram
Wilbur Harden (flugelhorn, balloon) Yusef Lateef (tenor saxophone, flute, tambourine) Hugh Lawson (piano, turkishfinger, cymbals) Ernie Farrow (bass, rabat) Oliver Jackson (drums, Chinese gong)
NYC, October 10, 1957

6. M.C.
7. La Jolie
8. Southside

Donald Byrd (trumpet) Henry Coker (trombone) Frank Foster (tenor saxophone) Ronnell Bright (piano) Eddie Jones (bass) Gus Johnson (drums)
NYC, October 13, 1957

9. Stop
Sonny Redd (alto saxophone) Pepper Adams (baritone saxophone) Wynton Kelly (piano) Doug Watkins (bass) Elvin Jones (drums)
Chicago, IL, November 12, 1957


ジャズ・イズ・バスティング・アウト・オール・オーバー(紙ジャケット仕様)
クリエーター情報なし
ヒートウェーヴ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Blue Note 1500番台の再発掘の中に・・・・

2013-04-01 | PEPPER ADAMS
Poppin’ / Hank Mobley

モダンジャズのバイブルといえばブルーノートの1500番台。昔からのジャズファンだと自認する者は、このシリーズを知らぬ者はいないと思う。1952年録音のMilesのBLP1501から始まるシリーズは、BLP1599のBennie Green - Soul Stirrin'までのすべてがこの時代のジャズのドキュメンタリーその物である。
この1500番台であるが、1544のHank Mobely & his all stars以降のアルバムは、1957年初から1958年5月までの約1年半の短期間に録音されたものだ。いかに57年、58年のいわゆるハードバップ時代の名演が一気に花開いたかが分かる。

この間はブルーノートだけでなく、各レーベルとも毎週のようにレコーディングセッションが行われていたが、それら中には陽の目を見ずにお蔵入りしていたセッションもいくつかある。特に、内容が悪いからではなく、あまりの発売枚数の多さに何らかの調整・段取りがつかずに発売タイミングを逸したのであろう。

これらを世に出したのは、日本のジャズファンの後押しであった。特にこのブルーノート1500番台が大好きな日本の関係者の尽力で、1500番台の未発売シリーズとして新たに何十枚という遺産が東芝から発売された。
当時は、ファンもレコード会社も、そして評論家やプロデューサーも皆「元気」であった。平成に入ってからを失われた20年と言われるが、こんな所でも当時の活力を懐かしく思う。このアルバムも最初に出たアナログ盤は、すでに高値がついているようだ。

その中の一枚に、このハンクモブレーのアルバムがある。モブレーは多くのアルバムを残しているが、自分のレギュラーグループは?というと思い浮かばない。
このアルバムのセッションに参加しモブレーの相方を務めたアートファーマーはベニーゴルソンと、そしてペッパーアダムスはドナルドバードとその後レギュラーグループを組んだのだが。作曲も得意なモブレーが何故・・・?
ライナーノーツを見るとライブレコーディングが少ない理由も、自分がリーダーとなったレギュラーグループを持ち得なかったため。それは人が良すぎるのか、気が弱いのか、音楽以外の事には関心が無いのか・・・といった旨のコメントがあり納得した次第。
よくある名プレーヤーが監督になれない、仕事に長けた専門職が管理職になれないというのと同類かもしれない。

反対に、レギュラーグループを持たずにアルバムが多いということは、誰とやってもうまくやれる人気者ともいえる。ジャズメッセンジャーズにも加わっていたし、あのマイルスとも一緒にやっていた。

アダムスはこの時期ブルーノートには2回のセッションに参加している。9月29日にリーモーガンとのセッションに参加したばかり、今回はアートファーマーとモブレー。相手が代わってもアダムスの好調ぶりは変わらない。
この1500番台の再発掘、そしてこのモブレーのアルバムが出たことにより、アダムスの当時の元気な演奏を聴けるブルーノトでのもう一回のセッションも無事に陽の目を見ることができた。




1. Poppin' (H.Mobley)
2. Darn That Dream (Van Heusen-DeLange)
3. Gettin' Into Something (H. Mobley)
4. Tune Up (M. Davis)
5. East Of Brooklyn (H. Mobley)

Art Farmer (tp)
Hank Mobley (ts)
Pepper Adams (bs)
Sonny Clark (p)
Paul Chambers (b)
Philly Joe Jones (ds)

Produced by Alfred Lion
Reissue Produced by Michael Cuscuna
Recording Engineer : Ruddy Van Gelder
Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, October 20, 1957

ポッピン
ハンク・モブレー,ソニー・クラーク,ペッパー・アダムス,ポール・チェンバース,アート・ファーマー,フィリー・ジョー・ジョーンズ
EMIミュージック・ジャパン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする