A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

誰もが知っているテレビの主題歌を・・ジャズでやると

2013-10-30 | MY FAVORITE ALBUM
巨人の星 Jazz

我々世代が子供の頃はスポーツと言えば野球。キャッチボールをやる姿は街角のどこでも見かけたし、ちょっとした空き地では草野球がおこなわれていた。人数が少なければ三角ベース、子供なりの知恵を働かせて日が暮れるまでボールと戯れていた。最近ではめったに見かけない風景だ。
自分もそのような時代を経て、高校時代は野球部で本格的にやっていたので、野球に対してはそれなりの想い入れがあった。自分でやるだけでなく、よく観戦のため球場にも通った。子供の頃は当然のように巨人ファンであったが、学生時代を経て社会人になると徹底的なアンチ巨人に。

ところが、世の中で野球に人気が無くなった頃から、自分も急激に野球への情熱が無くなってしまった。50歳近くまで着ていた会社の野球部のユニフォームを脱いだ頃かもしれない。プロ野球の選手にもチームにも・・。

今では、興味の対象外となってしまった野球であるが、今年は流石に楽天のマー君の動向は気になる。
無敗でシーズンを終え、今は日本シリーズの真最中。今日楽天が勝っても負けても明日の一戦が天下分け目の戦いになるだろう。ここまできたので、マー君に胴上げ投手になって欲しいものだ。相手の巨人は、昔は天下無敵の存在であったが、引き立て役に甘んじているのも時代の変遷か。巨人といえば、「巨人の星」星飛雄馬も忘れることができないが、マー君が星飛雄馬となるのも皮肉なものだ。

ジャズを演奏するための素材は何でもありだ。クラッシクや民族音楽とのコラボはメインストリームのジャズとはまた違ったジャンルを創り出しているが、・・・
メインストリームの演奏では素材は何でもありで、この前スクールソングを素材としたアルバムを紹介した。皆が知っている曲というと映画やテレビのテーマソングもよくジャズのアルバムで取り上げられるが、日本のテレビ主題歌となると・・・・?

そんな中で、「巨人の星」を素材としたJazzアルバムがある。タイトルもその物ずばり、「巨人の星 Jazz」

全体がモーダルな演奏だが、ギターは何となくウェス風とか、個々人の演奏は多少味付けがされているような感じだ。いずれにしてもメロディーはオリジナルの雰囲気を出している。メインテーマを吹くトランペットは、コンボでの演奏以外でもビッグバンドでは常連、最近は自己のビッグバンドでも大活躍の高瀬龍一。ここでは哀愁が籠ったプレーが何とも言えない。

ジャズの楽しみ方の幅広さを感じるアルバムだ。

1. ゆけゆけ飛雄馬(クインテットバージョン)
2. クールな恋
3. 青雲高校応援歌 「青雲健児の歌」
4. ゆけゆけ飛雄馬 (トリオバージョン)

高瀬 龍一 (tp)
音川 英二 (ts)
中野 飛音 (g,arr.)
吉田 智 (g)
新津 健一郎 (p,arr.)
武田 桂ニ (b)
岩瀬 立飛 (ds)

Produced by Hiroyuki Fukuhara
Recording Engineer : Kazuhiko Miyamoto
Recorded at Heart Beat Reccording Studio、Tokyo on October 22, 2002


巨人の星JAZZ
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トライエム
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ジャズの素材は何でもいいが、大事なのは料理法・・・・

2013-10-29 | MY FAVORITE ALBUM
Swingin’ School Songs / The Dave Pell Octet




先日、浅草のHUBに行った。トラディショナル&スイング系のライブハウスとして有名だが、久々にニューオリンズスタイルのライブをタップリ聴いた。リーダーの大松澤さんがグループを結成したのは昭和39年、50年の歴史を持つ大ベテラン率いるバンドは流石に年季が入った演奏だった。リーダーの軽妙な司会で曲の説明、歌詞のさわりの紹介も堂に入ったもので、客席と一体になった楽しいステージを作り出していた。

ニューオリンズ&ディキシーのスタンダートが次から次へと繰り広げられたが、ダウンバイザリバーサイトや谷間の百合といった、元はゴスペルや讃美歌などの素材も多い。モダンジャズの時代になるとスタンダードはミュージカルや映画の音楽が多くなるが、ジャズの創世記は身近な素材を何でもジャズに仕立てていった。

客席には外国人も多かった。異国の地に観光に来て母国の懐かしい曲を果たしてどんな気分で聴いていたのか? にこやかに一緒に口ずさんでいる表情は存分に楽しんでいる様子が伺えたが、まさか日本でこのような演奏が聴けるとは思わなかったろう。日本人がアメリカを旅行して、演歌や民謡を聴けるとは思わないように。

最近ではジャズというとオリジナルも多く、少し取っ付きにくくなっているが、良く知っている曲がジャズで演奏されると、ジャズの良さや楽しさが伝わりやすいものだ。硬派のジャズファンはあまり好みでは無いかもしれないが。

ウェストコーストジャズの全盛期、西海岸で人気のあったグループのひとつにデイブ・ペルのオクテットがある。ダンスのバックから聴かせるジャズに変わっていった中、デイブ・ペルのオクテットはダンスのバックとしても活動をして地元で人気を博していた。それに加えて、ハイスクールやカレッジの学校での演奏も頻繁に行っていたそうだ。

メンバーの一人が、学校周りをやるならレパートリーにスクールソングを入れたらどうかというアイディアに早速数曲取り入れたら、これが結構評判がいい。ということで、このアルバムができたそうだ。

という経緯で、アメリカ人なら誰もが知っている校歌集が出来上がった。
アレンジはビルホルマンやマティーペイチといった西海岸の当時の西海岸の売れっ子を揃えているが、サウンドはお馴染みのデイブ・ペルサウンド。何をやってもそして誰がアレンジしてもバンドカラーとしては確立していたということだと思う。
日本では、辰巳哲也さんがこのオクテットの演奏を時折してくれるが、このペルサウンド好きにはたまらないグループだ。

HUBのライブで、大松澤さんがMCの中で、ディキシースタイルのいいところはメロディーラインを大事にしている所。バックのオブリガードもメロディーを大事にしてのバックなので、モダンジャズのようにひたすらソロを延々と吹くのはちょっと違うんだ。とコメントされていたが、このペルのオクテットの良さもメロディーラインを大事にしたアンサンブルが聴き処でソロは短い。コルトレーンを好む人には物足りないと思うが、古き良き時代のジャズをモダンにしたペルのオクテットはアンサンブルが好きな人には嵌ると思う。

1. On Wisconsin
2. The Victors
3. Rambling Wreck from Georgia Tech
4. Fight On
5. Far Above Cayuga's Waters
6. Iowa Corn Song
7. Indiana, Our Indiana
8. Navy Blue and Gold
9. The Eyes of Texas
10. Hal Purdue
11. Minnesota Rouser
12. Wave the Flag
13. Go, U Northwestern
14. Illinois Loyalty
15. Sweetheart of Sigma Chi
16. Notre Dame Victory March

Dave Pell (ts)
Don Fagerquist (tp)
Bob Enevoldsen (vtb,arr)
Marty Berman (bs)
Marty Paich (p,arr)
Tony Rizzi (g)
Buddy Clark (b)
Frank Capp (ds)
Bill Holman(arr), John T. Williams(arr), Med Flory(arr)

Recorded in Los Angeles, August 8,11 and 13, 1958

Swingin' School Songs
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Fresh Sound
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思わぬ人から思わぬ誘いが・・・・

2013-10-27 | PEPPER ADAMS
“Happy Session” & “Benny Ride Again” / Benny Goodman Quintet & Orchestra



人と人の出会いは様々。一度限りの出会いもあれば、長く続くこともある。相性もあるが、自分は会った瞬間の第一印象をかなり大事にする方だ。

一度限りと思っていたら思わずところで再会することもある。そして、その出会いから新たな人や仕事を紹介されまた新たな世界が広がることも。もちろんいいことだけではなく、出会いや紹介から人生転落の道が始まる事も多い。運不運もあるがプラス思考で考えれば世界が広がることはいい事だし、それを生かすも殺すも結局は本人次第ということだろう。

モダンジャズの台頭に連れて、一世を風靡したスイングジャズは段々と下火になっていった。特に、ダンスバンドとしてのビッグバンドは徐々に数を減らしていった。
そんな中、King of Swingともいわれるベニーグッドマンは1955年「ベニーグッドマン物語」が制作され一人気を吐いていた。グレンミラー物語は制作された時には、主役はすでに故人となっていたが、グッドマンの場合はまだ健在。今のようにネットで情報が世界に伝わる時代では無かったせいか、映画のおかげで改めて世界にその存在を伝えることができたのか、グッドマンは活動の場を海外ツアーに広げた。1957年には日本にも来日している。 
そのお蔭かどうかは与り知らないが、勢いでアメリカ国内のツアーも活発に行われていたようだ。

グッドマンも過去のスタイルを踏襲というのではなく、微妙にモダンな味付けを加えていった。それは演奏だけでなくメンバーの人選も。昔からのいつも顔ぶれではなく、モダンなプレーをするメンバーをさりげなく。このアルバムでもプレビンとのクインテットはかなりモダンな演奏だ。

 ピアノのアンドレ・プレビンは50年代の後半は西海岸で活躍し、コンテンポラリーに名作をいくつも残していた。グッドマンが海外ツアーから帰って直ぐにそのプレビンをピアノに据えて録音をした。地元のロス、ニューヨークと。
その合間にプレビンは10月6日に、先日紹介した“The Mitchells”というアルバムの録音に参加し、ペッパーアダムスと共演した。
前年はロスで活動をしていたアダムスなので2人は共演したアルバムは無くとも知らない仲ではなかったであろう。昔話に花が咲いて、何かの拍子にプレビンがアダムスをグッドマンのバンドに誘うことになった。プレビンは翌日にはミッチェルを加えた同じリズム隊でニューヨークの郊外コネチカットでグッドマンとのセッションが続いた。

アダムスの返事が2つ返事かどうだったかは分からないが、アダムスは翌週にはニューヨークを離れグッドマンのオーケストラに加わってツアーを始める。アダムスはケントンオーケストラに加わったのも、オスカーペティフォードの推薦で即決だったが、今回も素早い決断であった。

一か月近いツアーを終えたグッドマンオーケストラは11月にはニューヨークに戻り、コロンビアに録音を残すことに。
この時の録音が”Benny Ride Again”と”Happy Session”という2枚のアルバムに分かれて残されている。CDになってのアルバムはその前後の演奏や別テイクなど盛りだくさんだが、アダムスが参加したのは11月15日、18日、19日のオーケストラセッション。
Happy Session Bluesでは、アダムス節のソロも披露している。


この話には後日談があって、誘ったプレビンの方が果たしてアダムスにとっていいことをしたかどうかを気にしていたそうだ。確かに当時のアダムスは、ニューヨークに戻ってドナルドバードとコンビを組み、ジーンアモンズなどとのレコーディングを続け、よりハードバッパーとしての活動が目立っていた。
アダムスは、昔グッドマン楽団に参加したワーデルグレイが地元デトロイトで皆が興味津々で「グッドマンはどうだった?」と聞いた時、グレイは「映画のグッドマンでは彼の50%しか分からないよ」と答えていたことを思い出し、意味が良く分かったそうだ。

ベニーグッドマン物語のサントラが気に食わなくて、再度コロンビアでアルバムを作り直すほど気難しいという印象があったグッドマンであったが、実際に仕事を一緒にすると実に面倒見が良く、クラシックも演奏するグッドマンからバルトークの曲についても教えてもらい、何よりグッドマンオーケストラの譜面は実によく書かれていて実に勉強になったということだったそうだ。プレビンの心配は杞憂であったということだ。

その後もアダムスは機会があるとグッドマンのバンドに参加することもあったようなので、プレビンとの再会、そしてグッドマンオーケストラへの参加はプラスに働いたようだ。グッドマンだけでなく、ケントン、ファーガソン、グッドマン、そしてサドメルと続くオーケストラへの参加はどうやらアダムスによっては「吉」と出る誘いであったようだ。



●Benny Ride Again

1. Mission To Moscow          2:48
2. Benny Rides Again          4:34
3. The Earl               2:50
4. Oh, Baby               4:26
5. Fascinating Rythm           2:20
6. Everything I've Got Belongs To You  4:37
7. Whispering              2:42
8. All The Thi\Ngs You Are        3:49
9. You Do Something To Me        3:15
10. It Could Happen To You        3:25
11. Stereo Stomp             2:53
12. Benny Rides Again [Alternate Take]  4:18
13. The Earl [Alternate Take]      3:25
14. Oh, Baby [Alternate Take]      4:09
15. Atumn Nocturne            4:11
16. More Than You Know       4:54
17. You Couldn't Be Cuter        2:12
18. Oh Gee, Oh Joy            2:57
19. It's All Right With Me        5:02
20. Easy To Love             5:22
21. Who?                 4:22

● Happy Session

1. Happy Session Blues          5:10
2. You'd Be So Nice To Come Home To   4:30
3. The King And Me            4:53
4. Indian Summer             4:35
5. What A Diff'rence A Day Make     3:33
6. Batunga Train             2:56
7. Having A Ball             7:41
8. Clarinet A La King          3:28
9. Macedonia Lullaby           3:52
10, Diga Diga Doo            3:35
11. Happy Session Blues (Alternate Take) 5:21
12. The King And Me (Alternate Take)   4:52
13. What A Diff'rence A Day Make (Alternate Take) 3:26
14. Batunga Train (Alternate Take)     3:23
15. Macedonia Lullaby (Alternate Take)   4:32
16. Diga Diga Doo (Alternate Take)    3:11
17. Cherokee               3:19

Benny Goodman (cl)
John Frosk (tp)
Ermet Perry (tp)
Allen Smith (tp)
Benny Ventura (tp)
George Cooper (tb)
Rex Peer (tb)
Hale Rood (tb)
Herb Gellar (as)
James Sands (as)
Babe Clark (ts)
Bob Wilber (ts)
Pepper Adams (bs)
Russ Freeman (p)
Turk Van Lake (g)
Milt Hinton/George Duvivier (b)
Shelly Manne (ds)
Recorded in New York, November 15,17,18 1958

Taft Jordan(tp)
Buzz King(tp)
Eddie Bert(tb)
Vernon Brown(tb)
Harry DiVito(tb)
Skip Galluccio(as)
Ernie Mauro(as)
Dick Hafer(ts)
Buddy Tate(ts)
Gene Allen(bs)
Sir Roland Hanna(p)
Chuck Wayne(g)
kenny Burrel (ds)
Henry Grimes(b)
Roy Burns(ds)
Urbie Green(tb)
Zoot Sims(ts)
Don Lamond(ds)
Marthsa Tilon (Vcl)
Recorded in New York, July 7 & 14, 1958

Benny Goodman (cl)
Andre Previn (p)
Barney Kessel (g)
Leroy Vinneger (b)
Frank Capp (ds)
Recorded in Hollywood, September 3 & 4, 1958

Benny Goodman (cl)
Andre Previn (p)
Red Mitchell (b)
Frank Capp (ds)
Recorded in Stamford Conneticut, October 7, 1958

Benny Goodman (cl)
Russ Freeman (p)
Turk Van Lake (g)
George Duvivier (b)
Shelly Manne (ds)
Recorded in New York, November 19, 1958

Benny Rides Again!
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Essential Jazz Class


Happy Session
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Essential Jazz Class
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生みの親、育ての親、そして世に出てからも良き先輩に恵まれて・・・

2013-10-23 | CONCORD
Skye Boat / Martin Taylor

コンコルドのステファン・グラッペリのアルバムに、趣味のよいギターを弾く若者が参加していた。イギリス生まれのマーティン・テイラーだ。
親が同じくギターやベースを弾くミュージシャンであったこともあり、物心ついた時には周りに音楽が溢れ、4歳の時からギターを弾き始めたそうだ。親のバンドに加わってプレーをしたのは8歳、15歳ですでにプロ活動を始めたという。

人間持って生まれた才能もあるが、育った環境もまた大事ということであろう。
最近の遺伝子の研究でも、一生不変といわれるDNAに対して、日々新しく生まれる細胞にDNAを転写していく過程で、遺伝子の発現状態も分かるようになってきたそうだ。
要は持って生まれた遺伝子もそれを生かさなければ単なる宝の持ち腐れということになる。親から授かった遺伝子を生かすには、親から引き継いだ生活習慣も引き継いで本物ということになる。良く親は立派なのに子供は・・・?とい話を聞くが、これは親の教育、家庭環境の問題が大きいということだろう。

コンコルドレーベルはベテラン勢の復活の場として大いに機能したが、数は少ないが新人の発掘も確実に行っていた。初期の新人代表といえばスコット・ハミルトンだが、このマーティン・テイラーも、このアルバムがリーダーとしてのデビュー作だ。
一般的に新人で大成することは決して多くはないが、コンコルドでデビューした新人は皆、大物として育っているような気がする。ハミルトンを始めとして、ウォーレン・バッシェ、テッドナッシュ、クレイトンブラザースなど・・・・。

このマーティン・テイラーもステファン・グラッペリのグループで演奏していたのをリクルートされたのだろうが、さすがにプロデューサーの眼力はある。
生みの親の影響に加え、ステファン・グラッペリという育ての親に鍛えられた演奏は、デビュー作といえ完璧だ。

A・B面とも最初の曲が自分のオリジナルだが、後はお馴染みのジャズスタンダード。
ロリンズやパーカーの曲を見事にこなしている。ジョー・パスやバニー・ケッセルといったコンコルド創成期のベテランの演奏スタイルを見事に引き継いでいる。
タイトルになっているSkye Boat Songはセッションが終わってから、プロデューサーのドリティーからソロを勧められて収められた一曲。スコットランドのトラディショナルだそうだが美しい演奏だ。

ベースのピーター・インドは同じイギリスの出身、長年一緒に演奏してきたそうだが、ドラムのジミースミスはこのセッションが初共演。お初とは思えないほどコンビネーションが良い。


グラッペリとの共演 30年前の演奏


1956年生まれのテイラーもいつのまにかもうすぐ還暦を迎える。多くの先輩から学んだ物を今度は後進の指導に精を出しているようだ。


1. Mouse's Spinney           Martin Taylor 5:45
2. St. Thomas               Sonny Rollins 4:53
3. Sky Boat song                P.D. 4:05
4. Falling in Love with Love  Lorenz Hart / Richard Rodgers 4:32
5. Check It Out              Martin Taylor 4:11
6. Body and Soul    Johnny Green / Edward Heyman / Robert Sour 5:57
7..Billie's Bounce              Charlie Parker 4:36
8. Stompin' at the Savoy          Benny Goodman 5:33

Martin Taylor (g)
Peter Ind (b)
Jimmy Smith (ds)

Produced by Frank Dorritie
Engineer : Phil Edwards
Recorded at PER, San Francisco, California, July 1981

Originally released on Concord CJ-184

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持つべき物は友とよく言うが・・・

2013-10-21 | MY FAVORITE ALBUM

Thank You, Gerry / Gerry Mulligan All Star Tribute Band

人生を終えるとき誰に看取ってもらいたいか?
愛する家族か、苦楽を共にした仕事仲間か、あるいは一緒に遊び呆けた友人達か、・・・・それは人さまざまであろう。亡くなった直後は、誰もが故人の生前の思い出が走馬灯の様に駆け巡るが、月日が経つにつれ徐々にその思い出も薄れてくる。たとえ肉親であっても。

しかし、ミュージシャンの場合は録音を残すことで故人の演奏は時代を経ても代々聴き継がれていく。特にジャズの世界は過去の名演、名盤は永遠の宝物だ。今この時間に、世界中でマイルスやコルトレーンを聴いている人は何人もいるだろう。
そして故人と一緒に演奏した経験を持つミュージシャンは、故人との共演の思い出はこれも一生の宝物だろう。さらに、その共演から多少なりとも影響を受けた何かが今の自分の演奏に引き継がれていればなおさらだ。

故人をしのんで、仲間達や後を継ぐ者達によってTributeアルバムが良く制作される。
しかし、多くは亡くなってからしばらく月日が経ってから。特に本当のJazz Giantsになると、様々なミュージシャンによって、中には何十年たってから制作されることも数多い。

マリガンがこの世を去ったのは、1996年1月、このアルバムは亡くなった翌年、一周忌を終えた後に作られた。メンバーはマリガンと一緒に仕事(プレー)をした仲間達。
亡くなる直前まで一緒にバックに参加していたメンバーを始めとして、53年に一緒にプレーをしたリーコニッツ、ラストアルバムに参加しているランディー・ブレッカーなど多士済々だ。中でもカルテットでの共演も長く、その後も色々関係が深いボブ・ブルックマイヤーが参加しているのが嬉しい。

曲は、マリガンのオリジナルが大半だが、中に3曲だけがスタンダード曲が。いずれもマリガンの好きだった曲なのかもしれない。

演奏は、マリガンのバリトンは聞こえないが、マリガンサウンドそのもの。アレンジは、今回の纏め役、ピアノのローゼンタールが行っているが、マリガンのDNAはきちんと引き継いでいる。
それを演奏するメンバーも、亡きマリガンを忍びながらのプレーであったと思う、自然とマリガンの世界に取り込まれていく。
蛇足ながら、2インチのアナログテープで録られたという録音が実にいい音だ。マリガンサウンドはアナログが似合うのかもしれない。

マリガンも、昔の仲間に改めて弔ってもらい、無事自分の音楽が引き継がれているのを確認して、これで無事成仏できたに違いない。


1. Bark for Barksdale         Gerry Mulligan 5:09
2. Theme for Jobim          Gerry Mulligan 6:06
3. Elevation              Gerry Mulligan 4:10
4, My Funny Valentine Lorenz Hart /  Richard Rodgers 8:37
5. Rocker                Gerry Mulligan 5:30
6. Walking Shoes          Gerry Mulligan 7:29
7. Moonlight in Vermon John Blackburn / Karl Suessdorf 5:16
8. Line for Lyons            Gerry Mulligan 5:58
9. Festive Minor             Gerry Mulligan 6:39
10. Bernie's Tune Jerry Leiber / Bernard Miller / Mike Stoller 5:57
11. Curtains                 Gerry Mulligan 7:28

Gerry Mulligan All-Star Tribute Band
Lee Konitz (tp)
Randy Brecker (flh,tp)
Bob Brookmeyer (vtb)
Ted Rosenthal (p,arr.)
Dean Johnson (b)
Ron Vincent (ds)

Engineer : Paul Wickliffe
Music Direction :Ted Rosenthal
Produced by Bob Karcy
Recorded on August 28&29,1997, at Avatar Studio,New York


Thank You Gerry! Our Tribute to Gerry Mulligan
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Arkadia Jazz
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自分の曲を他人の編曲で演奏すると・・・・

2013-10-18 | MY FAVORITE ALBUM
The Gerry Mulligan Songbook / Gerry Mulligan and Sax Section

ジェリーマリガンはプレーヤーとしてだけでなく作編曲家としても有名だ。
ウェストコーストサウンドに代表されるクールジャズの代表格としてのマリガンサウンドは、マリガンのアレンジによって作られたといってもいいだろう。といっても、マリガンは決して西海岸を拠点として活動して訳ではない。

マリガンが音楽活動を始めたのはピアノから。自らも時にはピアノを弾く。だからピアノレスの編成が多いという訳でもないとは思うが。そしてクラリネット、バリトンサックに転じて表舞台に登場する。
しかし、プレーヤーとして頭角を表す前からアレンジャーとして活動を始める。いくつかのバンドにアレンジを提供し、クロードソンヒルにアレンジを提供したのはまだ20歳になったばかり。音作りの上手さは天賦の才能だろう。

プレーヤー、そしてアレンジャーとしても参加した初期の有名なアルバムは何と言ってもマイルスのクールの誕生だろう。このアルバム自体が当時の一般的なジャズアルバムと並べてみると特異なアルバムだ。マリガンもデビュー当時から「普通の人」とは、ちょっと違う道を歩み出していたのかもしれない。

50年代に入ると、あのチェットベイカーとのピアノレスカルテットが誕生する。
ドラッグで一時一線を退いたが、ボブブルックマイヤーとのコンビで復活を果たす。
そして、50年代の後半はいわゆるMEETSともいえる、色々なプレーヤーとの共演アルバムが続く。モンクからゲッツ、そしてベンウェブスターとスタイルや楽器の違いはものともせず、ディキシーからモダンな演奏まで、自分のスタイルを貫きながら得意のコンビネーションプレーを発揮する。これが、マリガンのプレーの特徴だ。

60年代に入ると自分の音作りをより深めるためにビッグバンドを作って新しい世界に入るが、50年代の活動がマリガンの長い活動歴の第一期だろう。

この節目に一枚のアルバムを作っている。
作曲家としても有名なマリガンは、ここまでにも多くの曲を作っているが、それらの曲を自ら演奏するソングブックアルバムだ。

このアルバムは、よく見ると単なる自作自演のソングブックではなく、面白い試みがいくつかある。
まずは管楽器の編成。ホーン楽器を使わずサックスだけ。集めたメンバーも一流揃いだが普段使っている楽器の持ち替えもある。例えばズートシムスがアルトとか。

ピアノレスはいつもと同じだがギターが加わっている。それもフレディーグリーンが。当然いつものカルテットよりリズムが強烈になっている。

そして肝心なアレンジはマリガンかと思いきや何と全曲ビルホルマン。マリガンはプレーヤーに徹している。

アレンジャーも変えて編成も変えると結果としてどんな音が出てくるかと思うと、マリガンサウンド。アレンジャーはよく演奏するプレーヤーを意識するという。この場合は、曲、プレーヤー、そしてバンドカラーまでマリガンを意識したのかもしれない。流石のホルマンも全く曲想を変えるわけにはいかったのかもしれない。反対に見事にマリガンサウンドを引き継いでいる。演奏しているマリガンもご満悦であったろう。
マリガンとホルマンの出会いはスタンケントンオーケストラを通じて。マリガンとケントンは肌合いが合わなかったようだが、ホルマンはマリガンの技をしっかり身に着けたという。その成果をマリガンにお返ししたのかも。

CD化されたこのアルバムには未発表だったエクストラトラックが4曲。これもストリングを加えたバックのマリガン節。これはマリガンのアレンジだが普段聴けないサウンドだ。しかし、パーカーのウィズストリングスとは異なり、ストリングスバックでもマリガン節のアレンジは健在だ。



1. Four and One Moore               Gerry Mulligan 4:23
2. Crazy Day                   Gerry Mulligan 7:05
3. Turnstile                   Gerry Mulligan 7:53
4. Sextet                    Gerry Mulligan 4:18
5. Disc Jockey Jump song review         Gerry Mulligan 4:35
6. Venus de Milo                 Gerry Mulligan 5:08
7. Revelation                  Gerry Mulligan 5:01
8. Mayreh                     Horace Silver 6:02
9. The Preacher                  Horace Silver 6:25
10. Good Bait             Count Basie / Tadd Dameron 4:39
11. Bags' Groove                  Milt Jackson 3:55

1~7
Gerry Mulliga (bs)
Zoot Sims (ts,as)
Al Cohn (ts,bs)
Allen Eager (ts,as)
Lee Konitz (as)
Freddie Green (g)
Henry Grimes (b)
Dave Bailey (ds)

Arranged by Bill Holman
Recorded in New York City on December 4&5 1957

8~11
Gerry Mulligan (bs)
Dick Wetmore (Violin)
Vinnie Burke (b)
Paul Palmieri (g)
Calo Scott (cello)
Dave Bailey (ds)
Recorded in New York City on December 5 1957

Richard Bock : Producer
Michael Cuscuna : Reissue Producer


Gerry Mulligan Songbook
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Blue Note Records
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ラストレコーディングはなかなか意図してできるものではないが・・・・・

2013-10-16 | MY FAVORITE ALBUM
Dream A little Dream / Gerry Mulligan Quartet

何の仕事をしていても必ず引退する時がある。
会社勤めをしていると定年退職は大きなきっかけだ。自分で仕事をしている人は歳をとるとそのタイミングをいつか意識し始めるものだ。しかし、長くひとつの仕事を続けていると自然と「体力と気力が続く限りは生涯現役」を貫く人が多いように思う。

スポーツと違って音楽の世界は年をとって益々その技に磨きがかかることも多い。先日来日したクインシージョーンズなどはその代表格だろう。プレーを辞めても、作編曲、プロデュースと色々な道はあるが、ベテランの元気な演奏する姿をいつまでもステージで見ることができるのはファンとしては嬉しいものだ。

その中で、ラストレコーディングが生まれる。意図して制作されることは少ないとは思うが、残り少ない演奏生活の集大成ともいえるラストレコーディングは人によって様々なアルバムとなって後世に残る。

しばらく前に、セルドンパウエルのEnd Playというアルバムを紹介した。自らのアルバムが少なく、リーダーとして活動も少ないパウエルのようなミュージシャンにとっては、仲間に囲まれたセッションがラストレコーディングとして残されていたのは素顔のパウエルの記念としても良かったと思う。

バリトンサックスの大御所にジェリーマリガンがいる。
プレーヤーとして、作編曲家として、バンドリーダーとして50年以上の幅広い活動暦がある。アンサンブルワークはどちらも得意であるが、ソロになるとペッパーアダムスとはある意味対極に位置するプレーぶりだが、どちらも個性があって好きな2人だ。

そのマリガンにもラストアルバムがある。1996年1月に亡くなる前の1994年と1995年にTelarcに2枚のアルバムを作っている。
結果的には95年の録音の自分の曲の作品集が本当のラストアルバムになるが。しかし、このアルバムは、自分の作品で固め、それもすべて新曲、そして普段あまり一緒に演奏したことのないゲストを迎えた演奏となると、これまでの集大成というより過去にけじめをつけて新たな船出を迎えた一枚という感じがする。

一方で、1年前のアルバムは、スタンダード曲をマリガンのワンホーンでたっぷり聴かせてくれる一枚だ。
マリガンはスモールグループでも必ずと言っていい程相手がいる。チェトベイカーやブルックマイヤーとのコラボレーションは有名だが、ブルーベックのグループに加わった時も、ブルーベックとのコラボレーションが基本だ。
ところが、このアルバムではピアノトリオは控えめで、あくまでもマリガンの独演会。スロー、ミディアムテンポの曲が多いせいもあるが、ゆったりとこれまでの人生を振り返りながら、あくまでも自分のテンポでマイペースにこなしていく。マリガンのフレーズ作りは以前のアルバムの紹介の時も書いた記憶があるが、何か日本的なノリを感じるので余計に親近感を覚える部分もある。
有名なスタンダードが並ぶ中でマリガンの曲も何曲かあるが、ウォーキングシューズをはじめとしてお馴染みの曲。スタンダードと言ってもいいかもしれない。
その中から、アルバムタイトルに選ばれたのは、”Dream A Little dream of me”。

アームストロングの歌で有名だが、


自分があの世に逝ってしまっても、この曲を聴いて自分のカルテットの夢を見て欲しいということかもしれない。好きなアルバムの一枚だ。
いずれにしても、この2枚がマリガンのラストアルバムになる。マリガンの音楽生活を振り返るにはふさわしい一枚だと思う。

自分も仕事を退くときは、ジャンルは別にして変な理屈や難しいことは無しにして、淡々とシンプルで明快な仕事をしたいものだ。

晩年の演奏だが、アルバムはこれより枯れた演奏だ。



1. Nobody Else But Me      Oscar Hammerstein II / Jerome Kern 4:09
2. Home (When Shadows Fall)   Harry Clarkson / Peter Van Steeden 6:00
3. Dream a Little Dream of Me Fabian André / Gus Kahn / Wilbur Schwandt 3:48
4. I'll Be Around                    Alec Wilder 3:16
5. They Say It's Wonderful              Irving Berlin 4:45
6. The Real Thing song review      Gerry Mulligan / Mel Tormé 4:41
7. Noblesse                     Gerry Mulligan 6:15
8. Here's That Rainy Day     DayJohnny Burke / James Van Heusen 4:25
9. Georgia on My Mind        Hoagy Carmichael / Stuart Gorrell 4:21
10. My Funny Valentine         Lorenz Hart / Richard Rodgers 4:39
11. As Close as Pages in a Boo           Sigmund Romberg 4:17
12. My Shining Hour          Harold Arlen / Johnny Mercer 4:05
13. Walking Shoes                 Gerry Mulligan 4:37
14. Song for Strayhorn               Gerry Mulligan 6:31

Gerry Mulligan (bs)
Bill Mays (p)
Dean Johnson (b)
Ron Vincent (ds)

Produced By Robert Woods
Engineer : Jack Renner

Recorded at Clinton Recording Studio A,New York City,April14-16,& April 28-29,1994


Dream a Little Dream
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Telarc
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兄弟プレーヤーはよくいるが、一緒にプレーすることは・・・

2013-10-13 | PEPPER ADAMS
Get Those Elephants Outa Here! / The Mitchells

兄弟プレーヤーといえば、サド、ハンク、エルビンの3兄弟が有名だが、晩年はそれぞれ別の道を歩んだ。若い頃には一緒にプレーしていた頃もあるようだが。アダレー兄弟は長く一緒にプレーしていたし、兄弟によってそれはそれぞれ。

ベースのレッドミッチェルは西海岸で50年代後半活躍したプレーヤーの一人で、当時のコンテンポラリーレーベルでは常連だった。レッドは最初ピアノを弾いていたが軍隊に入った時にベースに転向したそうだ。弟のウィッティー・ミッチェルも実は同じベーシスト。彼も最初はクラリネットだったのが、学生時代ある時チューバが欠員になり、それがきっかけでベースに転じたそうだ。ニューヨークを拠点にして、スタジオワークに加えてベニーグッドマンなどのバンドに加わった後、60年代に入るとテレビのプロデューサーに転身した。

その、ウィッティーがプロデュースした数少ないアルバムの一枚がこのアルバム。
タイトルもThe Mitchellsと兄弟のアルバムだが、もう一人のミッチェルとしてトランペットのブルーミッチェル(兄弟ではないが)同じ名前のよしみ?で加わっている。
ブルーミッチェルは、直前にはキャノンボールアダレーのリバーサイドデビューに参加し、この後ホレスシルバークインテットへ参加して大活躍する飛躍の頃だ。

3人は一緒にレコーディングをする話は以前からしていたが、この時ニューヨークにアンドレプレヴィントリオの一員としてレッドがニューヨークを訪れるまで、残念ながら実現しなかったようだ。というより、同じ楽器を弾くミッチェル兄弟がレコーディングを一緒にする機会はなかなかなかった。


という状況でセッションを企画したのはレナオードフェザー。ピアノはレッドとツアーをしていたアンドレプレビン、此の頃はまだジャズの世界で大活躍していた時。ドラムスは先日紹介したジャガーノーツのリーダーフランク・キャップが加わる。
そして、何故かペッパーアダムスがこのセッションに加わっている。プレスティッジでブルースアルバムを録音した後に、少し趣の違ったアルバムへの参加だ。
ドナルドバードとのレギュラークインテットは継続的活動していたので、同じような編成のミッチェル達のセッションではどのようなプレーになるか?

ミッチェル兄弟がメインなので、曲によって2人でベースを交代でプレーし、レッドがピアノを弾くことも。ミッチェル作曲のタイトル曲から始まるが、最初からアダムスがアダムス節で飛ばす。

西海岸のメンバーが主体なのでウェストコースト色が強いかと思うとそうでもない。ペッパーアダムスは57年には西海岸で活動したが、翌年からは拠点をニューヨークに移したように、実際には東西移動、交流は日常的に行われていたようだ。
また、此の頃は録音の数は非常に多いし、レーベルとしての特徴もあり、実際にはセッション毎で音作りは多種多様。よく言われるように厳密な意味での東西の線引きはなかったようだ。

色々なセッションがライブでもレコーディングでも毎日のように行われていた1958年、こんな形で兄弟での初レコーディングが実現した。兄弟が同じ楽器だと一緒にレコーディングをしたくとも一緒にできる機会はないものだ。

1. Get Those Elephants Outa Here!             Red Mitchell 3:58
2. My One and Only Love            Robert Mellin / Guy Wood 5:23
3. In the Wee Small Hours of the Morning    Mike Hillian / David Mann 4:22
4. Moten Swing                Bennie Moten / Buster Mote 4:20
5. Monster Rally                     Whitey Mitchell 3:08
6. Three Cheers                       Red Mitchel 7:15
7. Blues for Brian                    Whitey Mitchel 3:28
8. Fraternity                        Red Mitchell 4:00

Blue Mitchell (tp)
Frank Rehak (tb)
Pepper Adams (bs)
The Mitchells (tp)
André Previn (p)
Red Mitchell (b,p)
Whitey Mitchell (b)
Frank Capp (ds)

Produced by Leonard Feather
Recorded at Belton Studio,New York City on October 6 1958
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「天は二物を与えず」とはよく言われるが・・・・・

2013-10-11 | MY FAVORITE ALBUM
A Beautiful Friendship-Honoring Jay & Kai / Sliding Hammers

普通の人は一つの才能さえ生かしきれずに一生をおくるが、中には有り余る才能を多方面に発揮するマルチタレントもいる。しかし、それぞれプロといえる道を2つ歩むとなると、そうそう簡単ではない。一つの道も極められない凡人にとっては、2足の草鞋を履いて成功している人は羨ましい限りだ。

調布の柴崎駅前に、「さくらんぼ」というライブハウスがある。トロンボーン好きの皆さんであればご存じだとは思うが。オーナーがトロンボーンを吹いていたということもあり、トロンボーンのセッションが多い。自分は堀恵ニさんのサックスアンサンブルを聴きに行くことが多いのだが。

10月9日は、カールフォンタナの命日。ということもあり、この日はカールフォンタナに捧げた4トロンボーンのライブがあった。主催はカールフォンタナを研究している西島泰助さん。ゲストはアレン・ハーマン。ニューオリンズ出身でディキシーもやり、クリントン元大統領とも共演したこともある凄腕。

今日主賓はカールフォンタナとのアルバムも作っている隠れた名手。
一方の本職は医学用のバッテリー(ペースメーカー)の開発では世界的に有名な物理学者とか?詳しい所は知らないが、良く学会の仕事で来日して、夜はプレーもしているそうだ。

それに加えて、今回は紅二点、上杉優と駒野逸美が参加。上杉さんは先日、宮嶋みぎわのオーケストラでも大活躍していた。駒野さんもしばらくあごの調子が悪くプレーを休んでいたが元気に復帰。トロンボーンのカルテットは最近多いが、その中でも今回は珍しい組み合わせで、果たしてどんな演奏になるか楽しみであった。

一昨年のライブ



演奏は2人の長老に2人の孫娘といった雰囲気で和気藹々としたアットホーム雰囲気で大満足。もちろん演奏はホットであったが。トロンボーンは人の声に近い音域のせいか、アンサンブルは他の楽器と較べて聴いていて心地よい。
最後はゲストも加わって、大ジャムセッションで盛り上がって終わった。どこまでも広がる友達の輪といった感じで、次回のセッションが楽しみだ。



今回参加した上杉&駒野のコンビは2人での活動もやっているようだが、残念ながらまだ
そのプレーは聴いたことが無い。最近女性の管楽器のプレーヤー増えているがこれも喜ばしいことだ。こうしたベテランの大先輩との共演は2人にとっては、きっと明日への礎になっているだろう。

トロンボーン2人でコンビ組んだグループといえば,昔はJ&Kと相場が決まっていた。最近は女性の管楽器プレーヤーも多いが女性コンビのグループもぼちぼち見受ける。
トロンボーンコンビの大先輩と云えば、やはりスウェーデンのSliding Hammersの2人。金髪の美女のコンビだけでも興味が湧くが、その演奏は見かけと異なりホットなプレーで、歌も実に上手い。上杉さんも今回歌を披露していたが、和製”Sliding Hammers”に育っていってもらいたいものだ。



という訳で、Sliding Hammerのアルバムを一枚。
彼女達の3作目。前作と較べるとオリジナルの曲も増え、独自路線を打ち出してきているが、彼女達の良さはコンベンショナルなものに軸足を置いていること。
プレーは相変わらず男勝りのハードなプレー。

女性でありながら男勝りの演奏、天は二物を与えだした。これからはいよいよ女性の時代かもしれない。

1, Falcon               3:56
2. Penthouse              4:27
3. High Altitude Delivery        4:16
4. The Good Life            5:32
5. When Lights Are Low         5:14
6. The Hammer Theme           4:33
7. Winter                3:11
8. Being Alive             4:50
9. My Wedding Shoes           4:50
10. You'd Be So Nice to Come Home    4:54
11. All These Days           5:10
12. A Beautiful Friendship       6:30

Karin Hammar (tb.vol)
Mimmi Petterson Hammer (tb,vol)
Mathias Aigotsson (p)
Martin Sjostedt (b)
Ronnie Gardiner (ds)

Produced By Ingmar Matsgard
Engioneer : Goran Stegborn
Recorded at SAMI Studios, March 10 &12、2006


ア・ビューティフル・フレンドシップ~ジェイ&カイに敬愛をこめて~
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スパイス・オブ・ライフ
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どの業界にも世に知られざる「名品」を作り出す隠れた老舗企業があるが・・・・

2013-10-09 | MY FAVORITE ALBUM
The Bill Holman Band

先日の日曜日、辰巳哲也Big bandのAfternoon Liveに出かけた。
今回で3回目だが、毎回テーマを決めてあまり取り上げられない珍しいアレンジの演奏を披露してくれるライブなので、ビッグバンド好き、それもマニアックなファンにはたまらない。

前回はオルガン特集であったが、今回はビルホルマンのアレンジ特集。
ホルマンは普段あまり表には出ないが、50年代から今に至るまで結構色々なアルバムにプレーヤーとして、そしてアレンジャーとして顔を出している。

ゴルフクラブのメーカーに三浦技研という会社がある。いつも表に出るナショナルブランドと較べると知名度は圧倒的に低いが、有名ブランドの商品も実はこの三浦技研で製造されているクラブが多くある。いわゆるモノづくりのための技術は実はごく限られた数社に限られているという話はよく聞くが、その一例だろう。

このビルホルマンも実は有名オーケストラや歌手を支えてきたアレンジャーとしてはいなくてはならない存在だ。名盤といわれる中にホルマンがアレンジを行ったアルバムは枚挙の暇がない。

自分の紹介したアルバムでもホルマンが関係しているアルバムは結構な枚数がある。作編曲のクレジットを書き漏らしたものもあると思うので、丹念に探せばもっとあるかもしれない。最近では、ベイシーのパブロ盤が丸々ホルマンのアレンジであった。

今回のライブは、そんなホルマンの作品集だったので、果たしてどんな曲が飛び出すか楽しみであった。イントロは、まずはデイブペルのオクテットからスタートした。
Jazz goes to Siwash. “A Pell of A Time”というアルバムに入っている曲だ。

軽くウォーミングアップで本命はフルバンド編成のアレンジ。
50年代から最近までの物まで多くの作品があるが、今回も古いアレンジから比較的最近のアルバムに収められている曲まで色々と。途中、ホルマンのアレンジの特徴などの解説も入り、自分のような「聴くだけファン」には参考になった。
演奏する方にとっても難曲が多いらしく、プレーヤーとっても終わった後で達成感を感じた雰囲気が伝わってくるライブであった。

丁度バブルの絶頂期、日本の企業は業種を問わず元気であった。ジャズレコードの業界でも日本のレーベル、プロデューサー制作のアルバムがアメリカ録音で数多く作られた。バブルが弾けた結果の負の遺産は山ほどあるが、こと音楽に関しては、よくぞこの時残しておきてくれたというアルバムが何枚もある。これらは後世に残る遺産だ。

このホルマンのアルバムもそうかもしれない。ホルマンのバンドは1975年に結成され地元でリハーサルバンドとして活動を続けていたが、アルバムとして残っているものはあまりない。
ビクターの田口ディレクターが他の仕事でロスを訪れていた時、地元でのライブを聴いて、」ホルマンの作編曲の素晴らしさに惚れて、このアルバム制作に至ったそうだ。企業人が営利主義でしか行動できない今の時代では考えられないことだが。

曲は、ホルマンのオリジナルから、スタンダード、そしてモンクの曲まで、素材は千差万別。
それぞれアレンジの施し方が、ホルマンの本領発揮といった所だろう。

このアルバムに収められているJust friendsも今回のライブで演奏された。
ピアノのソロからスタートするが、各セクションの総出のユニゾンが延々続く。譜面を繰るのが追い付かないほど、これでもかという感じでひたすら突き進む。途中のベースソロで一服するが最後までアンサンブルワークが続く。普通の譜面では繰り返しが多いが、この様なアレンジはエリントンの大作物のようだ。

これは、WDR bigband の同じアレンジの演奏。



ジャストフレンズといえば、内堀勝のMUBig bandのトロンボーンアンサンブルが軽快でお気に入りだが、このホルマンのアレンジは心地よさを超えて強烈だ。CDで聴く以上にライブだとその迫力に圧倒される。
以前紹介した、Bill Holman の”Live”というアルバムからも何曲かDonna Leeはいきなり最初のメロディーの展開から意表を突くし、PressOneも楽しい曲だ。

やはりビッグバンドはライブでないと本当の迫力を実感できない。辰巳さんのバンドは拘りでいつもPAを使わない生音。今回のライブでもそうだったが、サンサンブルでもソロでも全く問題なかったし、反対に生音のバランスが心地良かった。

素晴らしいライブであったが、惜しむらくは聴衆が少なかった事。一回目のシュナイダー&ブルックマイヤーはそこそこの出足であったが、今回はせっかくの演奏にもかかわらず寂しい客席だった。

辰巳さんも自らのブログで語っているが、ビッグバンドファンは是非一度足を運んでみる価値はある。マイクプライスさんのバンドとか辰巳さんのバンドは普段聴けない曲の演奏をたっぷり楽しめるのだが。

クラシックの場合は、必ず出演者だけでなく、当日の演目が事前に発表される。聴きに行く人は、もちろん演奏家目当てもあるが、時には曲を聴きたくてということもある。
ところが、ジャズの場合は事前に分かるのは出演者だけ。曲目が告知されるのは稀である。
それでは、当然ライブに行く目的はその出演者目当てになってしまう。辰巳さんのような試みは、出演者というよりは、その日のプログラムが目的になるのだが。

もしかしたら、このオーケストラに何か別なネーミングが必要かもしれない。リンカーンセンタージャズオーケストラのように。

次回のケントンも日本では人気のない代表格。実は自分もあまり聴いていなかったが、ペッパーアダムスを追いかけていたら当然のようにケントンオーケストラに遭遇。西海岸の多くのプレーヤーが在籍したケントンは聴き返すとやはり素晴らしい。卒業生は数多い、マイクプライスもそうだし、先日来日した、ピーターアースキンもケントンオーケストラの卒業生だ。

今後もこのシリーズはマニアックなライブになりそうだが、何とかこのシリーズを盛り上げたいものだ。


1, Front Runner Bill Holman 5:39
2. Isn't She Lovely Stevie Wonder 6:24
3. St. Thomas Sonny Rollins 7:10
4. Goodbye Pork Pie Hat Bill Holman 5:39
5. I Mean You Coleman Hawkins / Thelonious Monk 5:48
6, Just Friends John Klenner / Sam M. Lewis 5:51
7. Primrose Path Bill Holman 6:47
8. The Moon of Manakoora Frank Loesser / Alfred Newman 7:21
9. The Real You Bill Holman 8:02

Carl Saunders (tp,flh)
Don Rader (tp,flh)
Bob Summers (tp,flh)
Frank Szabo (tp,flh)
Jack Redmond (tb)
Rick Culver (tb)
Bob Enevoldsen (tb)
Pete Beltran (btb)
Bobby Militello (as,ss,cl)
Lanny Morgan (as,ss,fl)
Bob Cooper (ts,ss,fl)
Bill Holeman (ts)
Dick Mitchell (ts,ss,fl)
Bob Efford (bs,bcl)
Barry Zweig (g)
Rick Eames (P)
Bruce Lett (b)
Jeff Hamilton (ds)

Akira Taguchi Producer
Takashi Misu Producer
Don Murray Engineer, Mastering
Leslie Ann Jones Assistant Engineer

Arranged By Bill Holman

Recorded on Nobember 30 & Decmber 1,1987 at Capital Studio in Los Angels.
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ブルースも街の音楽になり洗練された響きが・・・・

2013-10-07 | PEPPER ADAMS
Outskirts of Town / The Prestige Blues-Swingers

今から40年以上前、学生時代にグレイハウンドのバスを利用したアメリカ一周旅行をした。
当時、学生向けには確か1カ月99ドル(最初は3カ月?)という破格のパスで貧乏学生には有難いものだった。宿代を節約して深夜バスにもよく乗ったし、ターミナルで仮眠ということもよくやった。西海岸のシアトルからのスタートであったが、ロッキー山脈を越え、いわゆる穀倉地帯に入ると一日走っても変わらない景色にアメリカ大陸の広さを実感したものだ。

途中いくつかの街に立ち寄ったが、最初の大都市はシカゴであった。ミシガン湖に面した綺麗な街だが、ダウンタウンでは一歩通りを超えると黒人街があるような地域もあった。貧乏旅行で交通費もケチって街中を歩きで動き回ると、そのような場所に知らないうちに立ち入ってしまったことも。その時ほど、怖い場所を明示した地図を欲しかったことはない。

JAZZとは切っても切れないブルースも最初は農場で働く黒人の労働歌であったが、ジャズが都市で演奏されるにしたがって街の音楽へと変わっていった。今思えば、ニューオリンズからやってきたジャズが、シカゴブルースとして栄えた場所もそのあたりだったのかもしれない。

ペッパーアダムスが参加したジーンアモンズのアルバム”Blue Gene”はブルース色の強いアルバムであった。同じ頃プレスティッジではリーダーをとっかえひっかえ色々なセッションアルバムが作られていた。内容はハードバップがメインだが、中には少し毛色の変わった物も。ダグワトキンの”Roots”もジャズの原点を意識したアルバム。そして、ブルースを前面に出したアルバムもある。

The Prestige Blues Swingersと銘打った面々によるこのアルバムもその一枚。
アレンジャーのジミーバレンティンが編曲を担当しているので、彼がコーディネートしたグループだと思うが、このジミーバレンティンなるアレジャーはどのような経歴かはよく知らない。アールハインズやビリーエクスタインのバンドのアレンジをしていたようだが。このアルバムでは比較的大きな編成だが簡単なアレンジでソロを重視している。

集められた面々は当時のプレスティッジのアルバムには良く名を連ねているメンバー達。レギュラーグループではなく、多分このセッションの為に集まったのだろう。
その中に、ペッパーアダムスも加わっている。1958年8月の暑い盛り、アモンズのアルバムからは3カ月が経った頃の録音だ。アルバムのタイトル、そして内容からアダムスの黒っぽさを期待されての起用であろう。

タイトル曲は、ギターのイントロで始まりリチャードソンのアルトそしてジミーフォレストのテナーが朗々と響き渡る。2曲目はリチャードソンのフルート。この頃のリチャードソンはフルートの演奏をよく聴けるがブルージーなフルートは秀逸。
3曲目スインギーなブルースだがアダムスはここからソロで登場。軽快なアンサンブルとテンポに乗ってまずは快調に。次の曲では、ギターに次いでねちっこい側面を。

気取りの無い、心の底からの咽びの様なものがブルースの魅力だ。
やはり、ブルースは都市に出てきても、表舞台に立っても洗練された街の目抜き通りよりは、中心地から少し離れた街はずれ(Outskirts of Town)の裏口から聞こえてくるのが似合う。




1. I'm Gonna Move to the Outskirts of Town Jacobs / Andy Razaf / Will Weldon 6:15
2. Blue Flute                             Jerry Valentine 6:16
3. Blues A-Swingin                        Jerry Valentine 6:10
4. Jelly, Jelly           Billy Eckstine / Earl Hines / Trade Martin 6:02
5. Sent for You Yesterday and Here You Come Today
                  Count Basie / Eddie Durham / Jimmy Rushing 5:30
6. I Wanna Blow, Blow, Blow                    Jerry Valentine 5:55

Art Farmer (tp)
Idress Sullieman (tp)
Jerome Richardson (fl,as)
Jimmy Forrest (ts)
Pepper Adams (bs)
Buster Cooper (tb)
George Cooper (tb)
Ray Bryant (p)
Tiny Grimes (g)
Wendell Marshall (b)
Osie Johnson (ds)

Arranged by Jimmy Valentine
Engineer : Rudy Van Gelder
Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, August 29, 1958



Outskirts of Town
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Ojc
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サドジョーンズの名作は時代と国を超えていつまでも・・・・

2013-10-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Waves from The Vanguard-Live at Jazzclub Fasching / Srockholm Jazz Orchestra


先日宮嶋みぎわのビッグバンドのライブに出掛けた
場所は、神田の東京TUC、彼女のオーケストラの本拠地だが、自分は最近他のライブでもここを訪れる事が多い。何かここと相性が合っているのかもしれない。

みぎわのオーケストラを聴くのは昨年夏のライブから一年ぶり。
というのも、彼女は昨年の壮行ライブの後、一年間アレンジの勉強にニューヨークに行っていた。今回はその卒業記念&その成果のお披露目・帰朝報告を兼ねたライブということで期待も大きかった。

ちょっとしたギャクで始まったライブであったが、彼女の作編曲の新作・旧作を織り交ぜた1部、2部の構成もあっという間の2時間であった。旧作も今回の留学の成果を生かして一部手直しをしたとか。という意味ではオーケストラ全体が「新装開店」であった。

新作の中に、彼女のニューヨーク郊外の住居の周りの小鳥たちの囀りを模した”Find The White Line”(この曲名の由来を語るだけでも一仕事)があったが、このように彼女の目で見た自然の情景を音で著すのは彼女の得意技かも知れない。難しいアレンジと、表現にメンバー達も良く応えていた。

そして、1部、2部とも彼女に大きく影響を与えているヴァンガードオーケストラの創始者である、サドジョーンズの曲を一曲ずつハイライトに。
一部ではお馴染みの“Central Park North”。
サドメルの比較的初期の作品だが、そのアルバムが出たときには、それまでの曲想と少し異なりブーガルーのリズムも取り入れ、流石サドメルの8ビートと感心したのを思い起こす。

以前VJOのトロンボーン奏者のダグラス・パービアンスが来日した時に、このみぎわのオーケストラにゲストとして加わった時もこの曲を演奏したが、このオーケストラにとっても数あるサドジョーンズの曲の中でも大事なレパートリーの一曲だろう。
この時、実際にサドメルのオーケストラの流れを引き継ぐVJOの重鎮であるダグラスが加わっただけでオーケストラの音が変わると、彼女がコメントしていたのを思い出す。

同じ譜面でもコンマスの捌き方次第でオーケストラの味付けが変わるが、やはり本物の味付けを体験したメンバーが一人でも加わると、一段と味付け加減が本物っぽくなってくるから不思議だ。

スウェーデンのストックホルムジャズオーケストラも、サドメルのレパートリーのアルバムを出している。
サドメルはやはりビレッジバンガードでのライブがそのバンドの真骨頂を味わえる。だからという訳でもないと思うが、このアルバムも、地元のジャズクラブである“Fasching”での行われたライブ録音からピックアップされたものだ。
その中にこのCentral Park Northも収められている。

このメンバーの中に、ヴァンガードジャズオーケストラのディックオーツとゲイリースマリヤンが供に加わっている。またこのオーケストラの立ち上げにはジムマクニーリーが手伝ったようだ。

という意味では、サドメル直系の後継者達が暖簾分けを希望するフランチャイジーに自ら出向いて教育・指導しながらのライブともいえる。やはり、今回も本家の勝手を知っているメンバーが加わると一段と締まって聴こえてくる。

サドメルの曲のレパートリーオーケストラは他にもあるし、他のオーケストラでも何曲かは必ずと言っていいほど、サドメルの曲をレパートリーに加えている。
彼らが一同に会しての聴き較べも楽しそうだ。

宮嶋みぎわが今回のライブの最後の挨拶で、自分の曲を演奏してくれるメンバーに恵まれ、それを楽しんでもらえるファンに恵まれ、それを演奏できる場所にも恵まれ、作編曲家冥利に尽きるとコメントしていたが、確かにアレンジャーがその曲の出来栄えを自ら体験するには、自分のバンドを持たざるを得ない。サドジョーンズもそうであったように。

それが実現できている彼女はとりあえずアレンジャーとして第一の目標は達成している。
留学を終えた彼女は、また新しい目標に向かって色々画策しているようだが、この東京TUCでのライブは今後も彼女の活動のファンへのお披露目の場として続けてもらいたものだ。

本家の演奏 アルバムを出した頃のオリジナルメンバーの演奏



1. Low Down
2. Central Park Norhh
3. All My Yesterdays
4. It Only Happens Every Time
5. Off The Cuff
6. Kids Are Pretty People
7. Consummation
8. Fingers

Fredrik Noren (tp)
Peter Asplund (tp)
Magnus Broo (tp)
Gustavo Bergalli (tp)
Karl Olandersson (tp)
Bertil Strandberg (tb)
Markus Ahlberg (tb)
Magnus Wiklund (tb)
Magnus Svedberg (tb)
Fredrik Rudd (tb)
Anders Wiborg (btb)
Dick Oatts (as,aa,fl)
Johan Horlen (as,ss,fl)
Karl-Martin Almqvist (ts,cl)
Magnus Lindgren (ts,fl)
Robert Nordmark (ts,fl)
Gary Smulyan (bs)
Goran Strandberg (p)
Marlin Sjaostedt (b)
Jukkis Uotila (ds)

Produced by Lars Coran Ulander, Pawel Lucki
Recoeding Engineer : Ulf Osting, Jan Waldenmark, Pawel Luckki

Recorded live at Jazzclub Fasching, Stockholm, March 6,2003, September 18,2004, September 22,2005


Waves from Vanguard
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一つのことをやり抜くというのは、できるようでなかなかできないものだ・・・・

2013-10-03 | CONCORD
Juggernaut strikes again! / The Capp &Pierce Orchestra


先日、いすゞ自動車を再建した井田元社長の話を聞く機会があった。
2000年を迎え、突然訪れた巨額の赤字決算は、単なる外部環境の変化というより、長年いすゞが抱える赤字体質の膿が一気に表面化したものであり、簡単には業績は戻らず企業の存続さえ危ぶまれるものであったそうだ。

乗用車の生産中止を初めとして、主力の工場売却、アメリカからの撤退など、それまでの会社内の常識ではありえないことを続けさまに断行して再建を図り、今ではアジア市場中心に中核のバス、トラックで再建し、小型のSUVもタイで開発・生産し人気を博しているとか。アジアマーケットを見据えた本当の意味でのグローバル優良企業として再生を果たしたそうだ。

そのような中で一番大事なことは「一度決めたことはとことんやり抜くこと」だったそうだ。
もちろん決める内容も大事だが、やり抜くということはできそうで中々できないこと。
途中で調子が良くなるとついつい甘えも生じるし、反対に上手くいかないと目標、やり方が悪いのかと、これもついつい結果が出る前にあれこれ苛まれ結局挫折してしまうものだ。
仕事であれ、プライベートであれ普段はこのようなことの繰り返しだ。
やはり、本当の背水の陣に身を置くと、道筋を決めてやりきるしか他に道はないという心境になれるのかもしれない。

さて、このフランクキャップとナットピアースの双頭ビッグバンド”Juggernaut”は1975年に西海岸で生まれたビッグバンド。
地元のホテルやクラブでの演奏をメインにしたリハーサルバンド的なものだが、70年代の半ばに、Concordにもアルバムを2枚残しているのがデビュー作だ。
ベイシーライクな良くスイングする、重厚感のあるオーケストラだ。

このピアース&キャップのジャガーノーツをお手本とするビッグバンドが日本にもある。
その名もジャガーノーツ。
アレンジャーの藤崎邦夫氏が率いるビッグバンドだが、結成は1987年というので25年以上になる。もちろん本家のナットピアース&フランクキャップとも親交があって、本家の秘伝の伝授を受け、今でも定期的に活動を続けている。

本拠地は江古田のバディというクラブ。年に4回のライブだが、熱心なファンが多いのか広めの会場も毎回満員になる。今月の25日にも今年最後のライブが予定されている。

藤崎氏のジャガーノーツへの拘りと探求心は留まるところがない。どの譜面も市販の譜面はなく、コピーであっても自分で聴いて手をいれるとのこと、これが拘りであり、「やりきる」ということであろう。
果たして最後は本家を抜いてどんな演奏を聴かせてくれるか楽しみなオーケストラだ。

さて、本家のジャガーノーツは70年代の半ばにアルバムを出してしばらく音沙汰が無かったが、5年ぶりにConcordからアルバムを出した。以前の2枚がライブだったのだが、今回はスタジオ録音。2日間にわたる録音だったが一部メンバーが変わるには、スタジオワークの多いメンバーによるリハーサルバンドの宿命かもしれない。

このアルバムのライナーノーツの巻頭に、このJuggernautの演奏は、過去の栄光を追い求めたり、ノスタルジーのためのコピーではないと書かれている。そして、2人が敬愛するのは、ベイシー、ハーマン、そしてチャーリーバーネット。そしてもちろんエリントンも、と。

圧倒的なスイング感がこのオーケストラの魅力だが、このアルバムでも一曲目からヘフティーのベイシーナンバーのリトルポニーから満喫できる。ベイシーオーケストラの重鎮であったマーシャルロイヤルがリードアルトを務める。2曲目はこのロイヤルをフューチャーしたバラード。まさにベイシーオーケストラだ。

ピアースはベイシーの代役を務めた存在。他のセクションを見渡しても、ロイヤル以外も過去にベイシーオーケストラ出身のメンバーが多く加わっている。リーダーの2人もハーマン、ケントンで百戦錬磨。
単なるレパートリーバンドというのではなく、自らかって経験した親バンドから引き継いだDNAを持ち合わせたメンバー達が揃った再演バンド。いい音がしないわけがない。

何事も前向きにやりきるためには一代限りでは難しいことも。良い後継者を育てて、自分の想いを込めたDNAを引き継いでいくしかない、のかもしれない。

1. Little Pony
2. One For Marshal
3. I Remember Clifford
4. New York Shuffle
5. Chop’s, Fingers and Sticks
6. You Are So Beatiful
7. Parker’s Mood / Word From Bird
8. Charade
9. Things Ain’t What They Used To Be

Nat Pierce (p)
Franlie Capp (ds)

Johnny Audino (tp)
Frank Szabo (tp)
Al Aarons (tp)
Warren Luering (tp)
Snooky Young (tp)
Bil Berry (tp)
Alan Kaplan (tb)
George Bahanon (tb)
Buster Cooper (tb)
Mel Wanzo (tb)
Marshal Royal (as)
Joe Roccisano (as)
Jackie Keiso (as)
Pete Christlieb (ts)
Bob Cooper (ts)
Bob Efford (ts)
Bill Green (bs)
Ray Pohlman (g)
Bob Maize (b)

Arnie Andrews (vocal)

Produced by Carl Jefferson
Recorded at United Western Recording Studio, Hollywoo California
On October and November 1981

Originally Rekeased on Concord CJ-183

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各地で毎週のようにジャズのコンサートが開かれているが・・・

2013-10-01 | CONCORD
Concord Jazz All Stars at the North Sea Jazz Festival, Vol. 1


10月になっていよいよ秋の音楽シーズン。
各地のジャズフェスティバルも夏はリゾート地での開催が多いが、秋になると街のジャズコンサートが毎週のように開かれる。
先日は埼玉で、2日間にわたってアマチュアのビッグバンドが勢ぞろいしたライブがあった。これから学園祭も多くなるので、プロだけでなくアマテュアバンドや学生バンドの演奏もあちらこちらで気軽に聴ける。灯台元暮らし、自分の住んでいる街でも今週末に小さなフェスティバルが開かれるようだ。今まで行ったことはなかったが、ちょっと覗いてみよう。
ライブならではの、ハプニングがあるかも?
一つ一つのコンサートにワンアンドオンリーのドラマは付きものだ。

Concordレーベル誕生の源ともいえる、Concord Jazz Festivalは1969年1月26日に第一回が開かれた。何回かの開催を経て、1972年にはConcordレーベルがスタートする。初期のアルバムは、このジャズフェスティバルのライブが多かった。
この年ノーマングランツのBABLOレーベルもスタートする。まさにこの頃からメインストリームジャズが復興してきたころだ。モードから前衛、そしてフュージョンへと進化していたジャズが、原点回帰をしたことでベテラン勢の多くも再登場してきた。

Concord jazz Festivalも1975年には新しくできたパビリオンに場所を移し年々盛況になっていった。その様子はアルバムでも紹介されている。
10年近く経って80年を過ぎると、Concordレーベルも広く認知されることになり、アメリカ国内だけでなく、日本やヨーロッパにもConcordで活躍するオールスターメンバーがツアーを行った。

1981年の目玉は、おなじみのスコットハミルトンにアルバムでも一緒に競演したバディーテイト、そして新たに参加したアルコーンが加わった3テナーの競演だ。
このセットは、日本にも来日してライブアルバムが残されている。
ツアーはヨーロッパから始まったが、残念ながらバディーテイトはこれには参加せず、代わりにいつものメンバー、ウォーレンバッシェが加わった。

ヨーロッパツアーは、ノースシージャズフェスティバル。このイベントも1975年からスタートしたが、最初からヨーロッパの前衛から本場アメリカのメインストリームまで幅広いプログラムで大成功の内にスタートしたようだ。

演奏は、3テナーではなくバッシェが加わったグループなので、いつものこなれたオールスターズによる演奏。バラードメドレーからアップテンポの展開は手慣れたもの。安心して聴けるといえばそれまでだが、ライブだからというハプニングを期待するのは贅沢な望みか?
よく見る(聴く)とウォーレンバッシェをフューチャーしたBuddy Bolden’s Bluesは、数週間前に亡くなったピ-ウィーウォーレンに捧げた演奏とのこと。確かに、情感のこもった演奏だ。確か続編もあったはず、何か発見があるかも。近々聴き返してみよう。

1. Just You, Just Me
2. America The Beautiful
3. Alone Together
4. Buddy Bolden’s Blues
5. It’s The Talk of The Town
6. Everything I Love
7. 9:20 Special

Al Cohn (ts)
Cal Colins (g)
Scott Hamilton (ts)
Dave McKenna (p)
Bob Maize (b)
Jake Hanna (ds)

Produced By Carl Jefferson
Recorded live at The North Sea Jazz Festival, The Hague, Holland, July 1981

Originally Released on Concord CJ-182


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