A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

スーパーマンとは万能人間のことなのか?一芸に秀でている人間なのか?

2014-09-11 | JAZZ LIFE



What’s Up ? / Michel Camilo

ミシェルカミロというピアニストがいる。元々がドミニカ出身なので、ラテンのミュージシャンかと思いきや、今ではジャズだけでなくクラシックも。ジャンルを問わず何でも演奏する。そしてソロもあればデュオも得意、自らビッグバンドを率いたと思ったら、クラッシックのオーケストラとも共演する。
バーサタイルという言葉があるが、世の中マルチ人間が求められる時代、このような人間のことをいうのかもしれない。

先日、東京ジャズ2014が開かれたが、このカミロも来日した。今回は人気の上原ひろみとデュオであったが、そのピアノ演奏の迫力と、一方で繊細さ、そして表現力を目の当たりにして改めてそのプレーに度肝を抜かれた。
当日の模様はFMでも中継されていたようなので聴かれた方も多いと思う。テレビ放送も10月にある様なので楽しみだ。
YouTubeに今年7月のイタリーでの同じ二人の演奏のライブ映像があった。曲は東京でも演奏されたCaravan。こんな感じだ、ホールに響き渡る音は再現できなくとも、雰囲気だけでも伝わってくる。。



このカミロ、昨年はビッグバンドを率いての来日であった。メンバーには、ルーソロフ、クリスハンター、そして大好きなペッパーアダムスの後継者ゲイリースマルヤンの姿も。
他のオーケストラでもお馴染みの個性ある名手の顔が多かったが、このカミロのバンドに加わると皆のサウンドはカミロ色に変る。当たり前と言えば当たり前だが。レギュラーバンドではないので、バンドカラーをすぐに出すのは難しいと思うのだが、これはアレンジだけではないカミロのリーダーシップ、ディレクター、そしてバンドを指揮する彼の手腕だろう。

他にも、このソロアルバムの発売に合わせてソロのライブも行われた。まさに、毎回八面六臂の活躍ぶりである。

実は、このカミロとプライベートに数十年の付き合いをしている私の友人がいる。今回は短い滞在期間ではあったが、「彼と会食をする機会があるので一緒に来ないか」との嬉しい誘いを受けた。
もちろん二つ返事でお相伴に与って、このコンサートの夜、ご夫妻同士の会食の末席に割り込ませて頂いた。

昼間の真剣勝負のプレーぶりとは違って、実に穏やかで、フレンドリーで、終始和やかな雰囲気を崩すことは無かった。会話上手でもあり、いわゆる偉そうな感じを全く感じさせず、人の話も良く聴く素晴らしい人物であった。
あっというまの4時間であったが、友人とはプライベートな付き合いなので、音楽の話はそこそこに、ニューヨークの音楽仲間の話しから、世界中を回っている各地の話し、健康の秘訣の話、そして最後は世界経済の話まで、その知識と体験は只々驚くばかり。

ピアノへの拘りもすごく、演奏会場で使用するピアノ選びにも厳しい。今回もリハーサルで最初に使用したピアノは一曲でダメ出しお引き取り願ったそうだ。
日々4時間から6時間、時には9時間を超える練習を欠かさず、その毎日の演奏が今でもどんどん身に付いているそうだ。ピアノの演奏だけでなく、こうやって話をしていることも日々身についていっているので、自分のピアノは「この体そのもの」であり、すべて体の中に納まっているのだと。
それ故、今日はソロ、明日はビッグバンド、明後日はクラシックでも、全部身についているので大丈夫。ジャズだって、「スコットジョプリン、アートテイタム、ピーターソン、ハンコック誰でも、何でも、どんなスタイルも弾けるよ」とのことでした。
超人とはこのような人の事をいうのだろう。

この話を聞いてソロピアノを聴くと、ただ超絶的テクニックに感嘆するのではなく、一音一音にカミロの人生のメッセージが込められているのを楽しまねばと改めて思い直した次第だ。

昔、あるプロゴルファーとラウンドしている時の言葉を思い出した。プロは練習場ではほとんど寸分違わない同じショットができる。だからミスショットなんかしないのだ。しかし、コースに出ると、風も吹き、時には雨も降り、傾斜もあれば芝の状態も違う。その状況を瞬時に把握し、数百のチェックポイントを経て、その状況に最適なスイングをする。結果は、見事に読み通りの事もあるが、実際には何か見落とし判断ミスがあったり、体が違う反応をしてしまうので100点にはならない。日々の練習があってこそ、イメージ通りの一打が打てる、それは練習場とは違って1000回打って1000回違うものだと。

何か、カミロのピアノにも同じプロの世界を垣間見た感じがする。

カミロのバーサタイルというのは何もピアノのプレーだけでなく、人生そのものがバーサタイルであり、その経験があってピアノのプレーにも生かされているのを思い知った。
何の世界でも、その道を極めたプロというのは人物、人格的にも別格な人が多い。
本当のプロというのはとても凡人には真似のできない世界を生きているのだろう、並のマルチ人間とは別次元のような気がする。

1. What's Up?          Michel Camilo 3:43
2. A Place in Time       Michel Camilo 4:55
3. Take Five          Paul Desmond 5:08
4. Sandra's Serenade       Michel Camilo 6:31
5. Island Beat         Michel Camilo 4:43
6. Alone Together   Howard Dietz / Arthur Schwartz 5:28
7. Paprika           Michel Camilo 4:03
8. Love for Sale       Cole Porter 4:56
9. Chan Chan  Amparo & Francisco Repilado Con Grupo Compay Segundo 5:33
10. On Fire           Michel Camilo 4:43
11. At Dawn          Michel Camilo 3:04
12. I GOt Rhythm     G. & I. Gershwin 3:40

Michel Camilo (p)

Recorded at The Carriage Hpuse Studios,Stamford, CT on February 14,15 20113

#12 at Teatro Nacional in Diminica June 28,2011


ワッツ・アップ?
Michel Camilo
SMJ
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50年目の節目で、新たなチャレンジをしたプリザベーションホールジャズバンド・・・

2014-08-01 | JAZZ LIFE
Preservation Hall Jazz Band・New Orleans

世の中何であっても発祥の地があり、それを信じる者や熱烈ファンは一生の内に一度はそこを訪れてみたい聖地となる。ジャズの場合は言わずと知れたニューオリンズ。自分もアメリカには過去プライベートでも仕事でも何度か行ったことがあるが、南部はテキサス、フロリダまで。ニューオリンズは残念ながらまだ行ったことがない。一度は訪れてみたい所だ。

そのニューオリンズの中でのジャズの聖地といえば、ジャズの伝統を今に引き継ぐプリザベーションホールであろう。昔ながらのニューオリンズのジャズの伝統が聴ける所、ここのハウスバンドPreservation Hall Jazz Band(PHJB)が先日来日した。




簡単な歴史はこちらで↓


このプリザベーションホールを巡り、ここを訪れる「おばあちゃんドラマー」のドキュメタリーを前に見た事を思い出した。


80歳を過ぎた昔駐留軍周りをしていたおばあちゃんドラマーが、プレー仲間でもあった亡き夫の遺影を抱いて孫に連れられてここを訪れ、飛び入りでTake The A Trainを演奏して喝采を浴びるという内容であったが、普段あまりこの手の番組に思い入れを感じない自分だが、これを見ながら思わず感動を共有化してしまった。プレーヤーにとっては、ここを訪れるだけなくここで一度演奏できたら本望であろう。

自分がこのグループのアルバムで持っていたのはこれ。今から40年近く前の録音。今回来日したバンドリーダー、ベン・ジャフィーの父親が現役メンバーであった時代の演奏だ。
ジャズが初めてレコードになったのは1917年のオリジナルディキシーランドジャスバンドの演奏。このバンドがレパートリーにしていたニューオリンズジャズではスタンダードのタイガーラグで始まる。内容は、古き良き時代を伝える正真正銘ニューオリンズジャズの演奏だ。
もちろん、今回の来日メンバーはこのレコードの時代とは一新されているが、元々トラッドジャズが好きであったので、今回は本家本元の演奏を期待してでかけてみたが・・。

勉強不足で、最近の活動状況を知らなかったが、此のバンドも昨年結成50周年を記念して、すべてオリジナル曲によるアルバムを出して、これがヒットしているようだ。そのために、本拠地での演奏だけでなく、全米のツアーに出るようになり今回の来日もその一環のようだ。
これで、来日メンバーの紹介を含めて現在の演奏を聴ける



改めてこのアルバムを見るとこちらのメンバーは1900年~1910年の生まれが殆ど。録音当時でも70歳を超えるメンバー達で、彼らはまさにジャズの創世記を自ら体験した面々である。
一方で、今回来日したメンバーは地元の代々ミュージシャンの家系を引き継いでいる者が多いが、すでに3世代、4世代目だそうだ。

伝統芸能では何でもそうかもしれないが、代々引き継がれる伝統を重んじるのはもちろんだが、時代の流れに応じて新たな物を採り入れていくことも大事だ。ニューオリンズ出身のウイントンマルサリスなどはそのようなスタンスで活動をしているリーダー格の一人だろう。
今回はプリザベーションホールを守る本家も4世代目になって、オリジナル曲のアルバム作りという新たな世界に飛び込んだということになる。もちろん演奏スタイルも伝統的なスタイルとは一味も二味も違っている。

4代目の変身という事で、先日の老舗「白元」の破綻のことをふと思い出した。しかし、これは先代からの教えを無視して突っ走った結果の破綻。PHJBのメンバーはけっしてそんなことにはならないと思うし、仮になったとしても、この映像を見るとニューオリンズの街全体がジャズの伝統を引き継いでいる様子が分かる。きっと次々と新たな後継者が現れてくるであろう。いかに伝統を引き継ぐのが大事かを思い知らされる。

この映像↓を見ると、ニューオリンズの街がジャズミュージアム。ますます行ってみたくなった。



そして、再びこのアルバムのライナーノーツを見ると、ニューオリンズジャズの定義のような物が書かれている。

「20世紀の始めニューオリンズに生まれた新しい音楽は、人々に楽しい時を与えるものであった。それはすぐに人々の共感を得て、あっと言う間に全米中に広まった。そして世界中に。その演奏スタイルにはそんなに種類がある訳ではなく、基本はビートを刻んで単にメロディーを奏でる事。ニューオリンズのミュージシャン達はルーズでリラックスしたビートを皆で一緒に生み出していく術を学んだ。踊りださないまでも、足でリズムを刻みださざるを得ない雰囲気を作り出した。時には催眠術にかけるようなこのリズムは特に意識しなくても自然に続いていくものだ。もう一つの特徴は、一人のミューシャンが目立とうとするのではなく、皆でお互いに高めあっていくこと。そしてソロがフィーチャーされる時、即興的なアンサンブルコーラスが実に自然な感じに絡み合うようになる。ハーモニーを皆で一緒に作っていくということは、バンド全体の力強さを生み出していくものだ。そして、このアンサンブルがどんどん積み重なってして、スリリングなクライマックスの波が押し寄せる。

ニューオリンズスタイルはメロディーがいつも明確だ。
メロディー自体は変わらないが、色々な楽器で暖かさがある歌声の様に様々な形で歌われる。あるトランぺッターは、それを「聴いている人皆にプリティにプレイすること」という。曲自体、ハーモニーが複雑になったり、アレンジが施されて曲がぼんやりしたものになることもない。ミュージシャンは、その人生と同じようにシンプルな中にこそ、その本当の素晴らしさの真髄があると思っている。決して、無理矢理熱狂させたりや叫び声を上げさせたりするものではない。その代わりに、リラックスした気分でダンスをしたりマーチングしたりするものだと。彼らミュージシャンの名刺には、”Misic for all occasionsと書かれていて、どんな所でも、その場に合わせた演奏ができるということだ。普段のパーティーやパレードだけでなく、教会の洗礼から葬式まで。」

多少長くなったが、引用したのは今回のPHJBの新たなオリジナルの演奏も、実はこの枠の中の音楽であることには違いが無いということを感じたからだ。

確かに、これがニューオリンズに生まれたジャズの起源でありDNAということだろう。新生PHJBがどんな演奏をしようとも、実はこの教えは守られている。会社経営も創業以来の社是や家訓というものが必ずあるものだ。これを忘れなければ4代目の破綻という事は起こらないような気がする。

1. Tiger Rag
2. Amen
3. Over In Gloryland
4. Good Blues
5. Bill Bailey
6. Joe Avery
7. His Eye Is On The Sparrow
8. Memories
9. Panama

Willie Humphrey (cl)
Percy G. Humphrey (tp)
Frank Demond (tb)
Narvin Henry Kimball (banjo)
James Edward “Sing” Miller (p)
Allan P. Jaffe (tuba)
Josia “Cie” Frazier (ds)

Amazonレビュー
Preservation Hall has been a New Orleans landmark since 1961, when it first began providing a regular stage for the city's traditional musicians. It quickly became the object of regular pilgrimages for traditional musicians and enthusiasts around the world. By the time this recording was made in 1976, the official band had coalesced around the Humphrey brothers, Percy on trumpet and Willie on clarinet, veterans already in their 70s. Their age shows only in their fidelity to the music's repertoire and instrumentation, with the band still using a banjo player, Narvin Kimball, and the younger tubaist Allan Jaffe in place of a string bass. In this vigorous traditional jazz, the band brings lifetimes of received musical wisdom to hymns like "Over in Gloryland" and Dixieland warhorses like "Bill Bailey." --Stuart Broomer




New Orleans 1
Preservation Hall Jazz Band
Sony
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日本人による、日本の曲のジャズだが、何故か海外から・・・・

2014-07-23 | JAZZ LIFE
Otonowa / Akira Tana

早いもので、東北大震災から3年目の夏を迎えた。あれだけの大事件であっても遠く離れた所に住み、日々の生活に直接影響がないと段々と記憶も薄れがちだ。しかし現地では昔の生活に戻るという事など遠い夢の状態で時間が止まっている。特に福島の原発に関しては何の問題解決にも至っていない。果たしてこの先どうなることやら。

震災の直後は、被災地に多くの支援の手が差し伸べられた。しかし、3年経つとそれも次第に少なくなっていると聞く。ジャズ関係者もこの被災地支援に尽力した人は多い。良く行く新宿のサムデイのマスター森さんもその一人だった。義援金を募ってある程度の金額が溜まると自ら支援の品を持って現地に赴いていた。ジャズフォー東北というグループを編成し、今でも現地での演奏活動を続けているのはドラムの広瀬潤次さん。このグループにテナーの岡淳さんも加わっている。

遠く海の向こうでも、CD制作やライブコンサートなど数多くの取り組みが行われた。その中に、この震災をきっかけに結成されたグループがある。それが、このアルバムの主“Otonowa”である。ベイエリアで活動している日系アメリカ人のドラマーAkira Tanaが率いるグループだ。

実は、その3人が先日集まった。場所は森さんがオーナーをしている新宿サムデイ。



このOtonowaが編成されたのは、震災の直後、現地の被災者の模様を取材した写真家の作品展示会で演奏したのがきっかけ。他のメンバーも日本人、そしてすべて日本の曲を素材にした演奏が好評を博し、その後も継続的に活動を続けている。昨年も来日して東北で演奏をしているが、詳しくは、こちらのバンドの歩みで。

そもそも、このAkira Tanaは多くの名だたるジャズプレーヤーとの演奏経験があり、参加したレコーディングも100枚を超えるという隠れた実力者。サンノゼ出身でベイエリアを活動拠点にしているせいか、ベースのルーファスリードと組んだTana-Reidのグループでコンコルドに初のリーダーアルバムも残している。

このOtonowaが今年も東北の被災地でのライブツアーのために来日し、そのツアーの初日がこのサムデイでのライブであった。
編成は、Tanaのドラムをリーダーにしたカルテット。アルトのマサル コガも日本生まれだがベイエリアで15年以上活躍している。フルートに加え、尺八も吹く。アルバムではソプラノからバリトンまで吹くマルチリードプレーヤー。さらに各国の伝統音楽を学び、ブラジル音楽の打楽器も教える程の腕前。さらに、ピアノのアート ヒノハラも同じベイエリア出身だが、こちらもスタンダードから前衛までこなす多彩な腕前。バンド全体が実に表現力が豊かでバリエーションに富むのもTanaのドラミングに加え彼らの存在が大きいと思う。

日本の曲だけをやるというコンセプトはこのアルバムでも貫かれているが、選曲も童謡からヒット曲まで色々、どの曲も短めの演奏だが反対にメンバーの技を出し合った色彩豊かなプレーを楽しめる。

サムデイのライブでは、このアルバムからの曲がメインであったが、岡淳とのジャムセッションやボーカルのサキコーノのバックではスタンダードも。ワンホーンの普通の編成だがグループの名前の通り、4人でやってもゲストを加えても自然に音の輪の広がりを感じる楽しいグループだ。

1. 椰子の実(作曲:大中寅二 / 編曲:Art Hirahara)
2. 涙そうそう(作曲:Begin / 編曲:Masaru Koga)
3. 音の葉2(即興)
4. からたちの花(作曲:山田耕筰 / 編曲:Art Hirahara)
5. 赤とんぼ(作曲:山田耕筰 / 編曲:Art Hirahara)
6. 恋のバカンス(作曲:宮川泰 / 編曲:Ted Lo and Akira Tana)
7. 音の葉3(即興)
8. 宵待草(作曲:多忠亮 / 編曲:Noriyuki Okada)
9. 上を向いて歩こう(作曲:中村八大 / 編曲:Masaru Koga)
10. 紅葉(作曲:岡野貞一 / 編曲:Noriyuki Okada)
11. さくらさくら(日本古謡 / 編曲:Noriyuki Okada)
12. 音の葉1(即興)
13. 荒城の月(作曲:滝廉太郎 / 編曲:Masaru Koga)
14. 祇園小唄(作曲:佐々紅華 / 編曲:Masaru Koga)
15. 故郷(作曲:岡野貞一 / 編曲:Noriyuki Okada)

Akira Tana (ds)
Art Hirahara (p)
Masaru Koga (ss,as,ts,bs,fl,Shakuhachi,per)
Noriyuki "Ken" Okada (b)

Produced by Carl Yamada & Tana Akira
Recorded on 17 & 29 January 2013 at 25th Street Studio Oakland

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「まつきり三郎とスイングバイブラザース / 熱いファンに囲まれると当然演奏も盛り上がる・・・

2014-05-01 | JAZZ LIFE


最近毎月定期的にライブをやっている「まつきり三郎とスイングバイブラザース」。
今月のライブ会場はトラッド&スイングジャズの殿堂「浅草HUB」。たまたま今年2月の「さくらんぼ」でのライブを聴いて自分の好みともピッタリ。ということで、また出掛けてみたら。

リーダーの松木理三郎と渡辺恭一は、この日昼間は辰巳哲也ビッグバンドでも演奏。
ケニーホイラーのアレンジ集というマニアックな内容で、モダンビッグバンドの新鮮な響きを聴かせてくれたが、一方、こちらはがらりとスタイルを変えてモダンスイングの軽快な演奏を。



浅草HUBといえば、いつもオールドジャズの熱烈ファンが多く集まるがこの日も会場は超満員。
お馴染みベイシーナンバーのシャイニーストッキングでスタート、ロイヤルガーデンブルースと定番でスタートするが、その後はアニメソングやお馴染みフーテンの寅さんのテーマなど、オリジナル曲も交えてこのバンドの幅広いレパートリーが次々と。


このバンドの特徴は3管編成でアンサンブル重視のドラムレスの6人組。
ドラムは無くともスイング感が抜群な事、そして、管の3人はアンサンブルワークだけでなく、ソロをとらせてもみな味わいのある演奏をすること。そして、専属?女性ボーカルもいること。これだけで、演奏に幅が出て、変化が出る。

アレンジは大体リーダーの松木さんがやっているようだが、ジャムセッション用のヘッドアレンジというのではなく、きっちり書き込んだアレンジで、ビッグバンドのサウンドを3管でというコンセプト。それ故アンサンブルを聴くのも楽しめるワン&オンリーなバンドだ。

今回の会場はスイングファンが多いせいかお客さんのリアクションも良く、松木さんのMCも快調に。小さな子供達がリズムに合わせて踊り出し会場は和やかな雰囲気に。HUBのお客さんはこんなスタイルの演奏を好むファンが多いのか、3ステージの長丁場のステージであったが、途中で帰るお客さんも少なく最後まで盛り上がって終えた。

クロージングの曲は、サド・ジョーンズのTo You。
盛り上がったステージには、「相応しくなかったかも」とのコメントもあったが、熱さましには丁度良かったかもしれない。

実は、このTo Youは自分の好みの曲。
サドジョーンズのバラードはスタンダートなったチャイルイズボーンをはじめとして、メロディアスで情感のこもった演奏にはピッタリの素材となる。

先日紹介した、サドジョーンズのヨーロッパでの置き土産Eclipsでも演奏されていたが、




古くはベイシーとエリントン共演アルバム"First Time"でも演奏されていた。
このまったり感が何とも言えない。



フラナガン"Let'sのピアノも良い演奏だ、




そしてスコットロビンソンのサドジョーンズのソングブック"Forever Lasting"でも。
こちらは、何とバスサックスとオルガンで。



このスコットロビンソンはマリアシュナイダーやデビットマシューズのオーケストラで演奏したかと思うと、自分のグループでの演奏はトラッド系の演奏もよく行う。松木さんと相通じるところがあるのかも。

ということで、To Youの演奏をもう一枚


ジーンハリスのConcordのアルバム“Listen Here”に入っているが、ディスマスカレードやソングイズエンディッドもあり、お気に入りのアルバムだ。




アルバム紹介はいずれConcordの棚卸でしようと思うが、このペースではいつになることやら。


ライブの方は、当然これでは収まらず、アンコールを2曲やって再度盛り上がって終わる。
次回を楽しみにしよう。

このスイングバイブラザースによるTo Youが収められた初アルバムも作られた。



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ライブの雰囲気を再現するアナログ録音の素晴らしさ・・・・

2014-03-22 | JAZZ LIFE
Miyanoue-Oka Quartet Live in Mexico

昨日の晩は、久々に2人の大物の共演を聴けた。
ギターの宮之上貴昭とピアノの吉岡秀晃のDuo+1。

実は、この2人の共演を始めて聴いたのは今から30年以上前。以前もブログで書いたことがあるが、ピアノの吉岡が東京に出てきて間もない頃、ベースの金井英人に連れられてきて知人のホームジャズパーティーで弾いたのを聴いたのが最初だ。

パーティーは何回か続いたが、ある時、ギターの宮之上も一緒であった。若手であったが、モンゴメリー張りのスインギーなギターにびっくりした。吉岡のピアノもスインギーなバップスタイル。リクエストは何でもOKで、ウェスモンゴメリーとウィントンケリーの共演を思い起こすような演奏を繰り広げてくれたのを鮮明に覚えている。
会場で2人に聞いた所、2人もそのパーティーの事は良く覚えているとのことだった。
印象的なライブであったのだろう。

その後2人が有名になりレコードやCDでは良く聴いたが、なかなかライブで聴く機会は無かった。さらに2人一緒の演奏となると。

たまたまその2人が揃って荻窪のルースターに出演するのを知り、久々に出掛けてみた。
30年も経つと2人もすっかり貫禄がついているが、そういう自分自身も同様。月日が経つのは早いものだ。

2人はその当時から今まで30年来のプレー仲間、これまで数えきれないほど一緒にプレーしたことがあるということもあって、呼吸はピッタリ合って普通のセッションとは大違い。年季の入ったコレボレーションの楽しさを満喫させてもらった。

その会場で、紹介があったのがこのアルバム。
3月30日に発売予定だそうで、今日現在まだ世には出ていないアルバムだ。
ギターの宮之上は良く海外のジャズフェスティバルにも参加しているが、このアルバムは昨年の夏にメキシコシティーのジャズクラブBlue Monkに招かれた時のライブを収めた物。テナーの岡淳が一緒に参加しているが、ベースとドラムは地元のミュージシャン。
お馴染みのスタンダード曲がタップリCD2枚に収められている。昨日のライブも、これに収めらえている曲が多かった。

ジャケットのデザインにカセットテープのイラストがあるのが気になったが、家に帰ってから中を見てビックリ。このライブはあのSONYの往年の名機「カセットデンスケ」を使ってワンポイントマイクで録られたものだった。録音したのはテナーの岡淳自身。良くミュージシャンがライブの会場で手軽に録音をしているのを見かけるが、やり方次第でCDをつくれる音が録れるのかとびっくり。

先日来、録音の良し悪しに少しこだわっていたので、期待半分、諦め半分でCDをかけてみる。まずは手軽にPCでと思ったが、音の良し悪しを聴き定めるにはメインの装置を使って少し大きめのボリュームで。
ところが聴いてみてビックリ。ワンポイント割には4人の音のバランスもピッタリ。ワンポイントだとドラムがどうしてもオフ気味になるが左程気にならない。それよりもライブという事もあり、会場の臨場感がそのまま再現されている。楽器の編成は違うものの、昨晩ライブを聴いたばかり、思わず会場の様子を思い浮かべてしまう。

30年前のホームパーティーの思い出、そして昨晩のライブの名残、そして自宅居間に再現されるBlue Monkの舞台の様子が重なり合って、何か空間全体がジャズに包まれている感覚を覚えた。この臨場感を再現できるのが本当の音の良さかもしれない。

「カセットデンスケ」恐るべし。



本当は、吉岡&宮之上のコラボの素晴らしさをもっと中心に書かなければいけないのだが、思わずタイトルも含めて改めてカセットデンスケに感動してしまって演奏は2の次になってしまったが、演奏は悪い訳がない。

このCDの発売記念のライブは、来たる4月4日、荻窪のCOCOPALMで開かれる。
ここでは、テナーの岡淳も加わってメキシコでの舞台が再現そうだ。吉岡のピアノの掛け合いとはまた違った演奏になりそうで楽しみだ。



ディスク:1
1. SOUL STATION  (Hank Mobley)
2. STROLLIN'  (Horace Silver)
3. THE SIDEWINDER  (Lee Morgan)
4. MY ONE AND ONLY LOVE  (Guy Wood)
5. COME RAIN AND COME SHINE  (Harold Arlen)
6. HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON?  (George Gershwin)

ディスク:2
1. BESAME MUCHO  (Consuelo Velazquez)
2. YELLOW DAYS (LA MENTIRA)  (Alvaro Carrillo)
3. MANHA DE CARNIVAL  (Luiz Bonfa)
4. ROUND MIDNIGHT  (Thelonious Monk)
5. ON A CLEAR DAY  (Burton Lane)

宮之上 貴昭 (g)
岡 淳 (ts,fl)
Agustin Bernal (b)
Cabriel Puentes (ds)

Recorded by Makoto Oka
Recorded live at Blue Monk in Mexico City on August 2&3, 2013

ライブ イン メキシコ
宮之上貴昭
モックヒル・レコード
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821 Sixth Avenue New York

2014-02-09 | JAZZ LIFE
アメリカニューヨーク、マンハッタンの住所である。

昔であれば、ニューヨークの地図を見ながら大体の場所を想定する。
丁度、28丁目と29丁目の間、いわゆるマンハッタンの繁華街59丁目付近からすると大分南、Macy’sからも5ブロック位南、しかしグリニッジほど南にはいかない所。鉄道のペンステーション、マディソンスクエアーガーデンの横当たりの見当だ。旅行で行っても、どこか目的の店が無いと単にブラつく辺りではないと思う。土地勘のある人であれば大体その辺りの様子は想像できるが、行ったことのない人間にとっては、摩天楼が聳える所なのか、否昔ながらの街並みなのか、地図を見ただけでは皆目見当もつかない。




所が、現在のテクノロジーの進化は素晴らしい。
この住所をGoogle mapに入れると、いきなり地図上にポイントが表示される。さらにストリートビューを使えば、その辺りの最近の様子も手に取るように分かる。
821番地には街路樹の後ろに古い5階建てのビルが残っている。一階はファッションshopになっているが、昔のままの佇まいだ。

一昔前、コンピューターの世界で地図を表示するというのは一苦労であった。元地図を画像化すると重いデータになって非力なパソコンで表示するだけでも一苦労。カーナビの地図でも広域・詳細と複数の地図を使い分けながら何とかニーズを満たす機能を構築していた。さらにその画像データに色々な情報を付加しようとすると、ベースが画像データである限りは、色々制約が多くそれもまた一苦労であった。カーナビの機能の発展系を考えるとき地図データも問題と通信機能が大きな課題であった。

Google mapを始めとして最新の地図データサービスのプラットフォームは画像データではなくベクターデータに変わっている。地図イメージもいわゆる計算式取り扱えるようになった。ソフトで言うフォトショップからイラストレーターの世界への切り替えだ。複雑な画像データを計算式で扱えるようになって、CGの世界が格段に進化したのはご承知のとおり。写真クオリティーのCGデータをパソコンで扱えるようになったので映画やコマーシャルの世界も激変した。

地図データのベースがベクター化されると、地図と色々なデータとの融合がものすごくやり易くなる。人間の感覚として見慣れた地図に必要情報がマッピングされているのは実に使い勝手がいい。数値をグラフ化すると分かりやすくなるのと同様、位置情報は地図が一番。
知らない土地に観光に行って街に出ると、分厚い文字ベースの観光ガイドより、一枚の観光マップの方が格段に便利である。

ベクターベースの地図データに、位置情報さえつければ、アイコンだけでなく、画像であろうと、文字であろうと、音声であろうと何のデータでも地図上に表示させることができる。昔は位置情報を測定するのも一苦労であったが、位置情報そのものの付加もGPS付の携帯・スマホで簡単に把握、付加できる時代だ。

久々にグーグルマップを色々触ってみると、いよいよ本格的に位置情報サービスが提供できる環境が揃ってきているのを実感する。
唯一欠けているのが時間データ(いわゆるタイムスタンプ)の取り扱いルール。これさえ整理できれば昔考えていたキラーサービスは現実のものとなる段階だと思う。

というのも、実は、今から10年近く前、新たなメディアの開発の一環としてこの位置情報連動サービスの開発に参画していた。自分にとっては現役時代の最後の仕事であったので今でも思い入れはある。

当時はまだディバイスとしては位置情報サービスとして実用化され普及していたのはカーナビしかなく、各メーカーが製品の高度化に技術を競っていた頃だ。日本のメーカーがアドバンテージも持っていた時代。次世代のサービスに向けての基礎技術も日本メーカーやキャリアは十分に研究していた。製品としては成熟していたカーナビが通信機能を持ち、中身のコンテンツ、情報を自由に更新できるようになると、最初は車の中でインターネットを自由に見れば良い程度に考えていたものが、地図上のサービスの可能性がとんでもなく広がるのをエンジニアの方々は理解した。

ところが、技術の反映先が自ら手掛けるハード商品ではなく、サービスそのものというお題が目の前に現れると各社とも足がすくんだ。そこは自分達の本業ではないと。
世の中では、ITビジネスの次の段階はプラットフォームビジネスということも声高々に言われていた。それもハード面のプラットフォームだけでなく、サービス面のプラットフォームを含めての重要性が盛んに言われていたのだが。

しかし、その後サービス視点でプラットフォームを着々と構築していったのは、Yahoo、Googleであり、Appleであり、Amazonといった外資系ばかりである。ハードに依存してきた日本のメーカーは皆揃って商品のガラパゴス化、市場の縮小の中で、技術そのものを生かす場を失い、瓦解への道を歩んでいるということだろう。それを救うエンジェル企業も日本では育たなかった。

先日、SONYがテレビ事業と、パソコン事業を切り出す方針を発表した。技術のソニーといわれた時代の終焉、あるは昔のソニーの終わりかもしれない。自業自得といえばそれまでだが、あまりに寂しい限りだ。プラットフォーム構築にはじっと我慢の年月と、様々な技術を束ねるための地道な標準化作業が必要だ。一人でこつこつやるのは得意でも、皆揃ってやるのは不得手なのかもしれない。

アベノミクスの中で、元気な日本とか日本復活とか掛け声だけは威勢がいいが、いくらお金をばら撒いても、実はそれを支える人、ものの実態は何もないのが現実だ。実体のない中で好景気の継続などは絵空事でしかない。

日本の技術を大事にし、品質にこだわり、それを伝承する文化は何も明治維新に外国から持ち込まれたものではない。本来の日本人が脈々と築き上げてきた伝統を、西洋から導入された技術に適用して世界に通用する物を作り上げたものだと思う。

2020年の東京オリンピックの決定に浮かれているが、メーカーから技術者がいなくなり、建築現場から職人が消え、農業の現場から拘りの食材が消え、人々の日々の生活の中から感謝の気持ちが消えてしまった日本で一体どんなおもてなしができるのか、甚だ疑問である。

我々世代が元気に働けるのもあと10年、この間になんとかしなければと思うのだが。

「コーラス好きさん」のコメントに刺激され、話のイントロのつもりで始めたら檄文になってしまった。
大分話が横道にそれたので、本題は稿を改めることにするが、実は、821 Sixth Avenue New Yorkに今も残るこの建物が、モダンジャズの歴史を語る時に50年代から60年代にかけての生々しいジャズの最前線の生き証人となる大事な建物なのだ。

次回に続く。
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毎年、去る物もあれば、来る者もいる・・・・

2013-12-01 | JAZZ LIFE
Erika Fukasawa Orchestra 1 st. Live @保谷こもれびホール 

11月の自分の誕生日を過ぎると冬の訪れとともに忘年会シーズン、今年も別れもあれば新たな出会いもあり、この一年を改めて振り返る季節となった。
昨年は母を亡くした後、親戚に不幸が続いた。皆お世話になった近しい叔父たちであったので、世代替わりを痛切に感じた。反対に今年は新たな出会い、そして旧友たちとの再会が多く、何か新たな人生のスタートを感じた一年であった。

先週、もう一つの別れがあった。17年間乗った車が引退した。自分はあまり車を替えないで長く乗るタイプなので一層乗り続けた車に愛着が沸く。昔、キャンプやスキーに良く行っていた時に買い求めたSUVであるが、最近はもっぱらゴルフに行く時の足。ゴルフに行く頻度が増えるのに合わせて走行距離も伸びもうすぐ25万キロだった。たいした故障もせずに、エンジンは絶好調で毎週よく走ってくれたが、寄る年波には勝てず最近は足回りにガタが来始めていた。自分の体と同じかもしれない。最近のエコとは程遠い車だったが、横顔が好きな車だった。


という訳で、乗り潰す予定であったが、止む無く入れ替えを決めたという次第だ。ハイブリッド全盛だが、新しい車は走りにも少し拘りたくてディーゼルにしてみた。さてどんな付き合いになるか楽しみだ。

ジャズの世界でも、今年はシダー・ウォルトンや先日はフランク・ウェエスの訃報が届いた。反対に新人となると残念ながら欧米事情は詳しくないが、日本では最近ライブに良くいくせいもあり、期待の新人、若手を聴く機会も多い。

先週28日にある新人女性作編曲家のコンサートがあった。深澤恵梨香。平成元年生まれということなのでまだ25歳。
先日923Bigbandのライブへ行った時に、このコンサートのフライヤーが配られた。もちろん初めて聴く名前だったが、内容がストリングスを含むオーケストラであったこと、そして参加しているメンバーが普段聴く一流ビッグバンドの錚々たるメンバーということで、気にはなっていた。するとツイッターでコンサートの案内が、それがきっかけで予約をして行ってみた。

場所は、西東京市のこもれびホール。あまりジャズのコンサートでは行ったことが無い場所だった。200席くらいの小さなホールであるが、感じのよいホールだ。

改めて編成を見ると本格的なストリングスにTp3、Tb3、Sax4,それにフルートとクラリネット、それにピアノ、ベース、ドラムスに、パーカッションいう大編成。ジャズのビッグバンド編成でもないし、クラッシックのオーケストラ編成でもない、まさにジャズとクラシックを融合させたオーケストラだ。

曲は彼女のオリジナルが中心だがジャコの曲なども。最初は彼女が強烈な印象を受けたというトランペットの小幡さんとテナーの竹野さん(今回はアルトとバリトンであったが)をイメージし、2人をフィーチャーした曲からスタート。その後トランペットの3人の個性を上手く生かした「キャラバンの到着」。その後も、クラリネットフルート、トロンボーン・・・さらには、ピアノ、ベース、ドラムやパーカッション、バイオリンなどの順番にフィーチャーする曲が続く。確かに、これらの曲ではソリストが重要。一流のメンバーを揃えていただけあって、すべての曲が聴きごたえのある演奏だった。

それにしても、まだ学校を出てまもない彼女だが、ジャズのフルバンドの魅力を知ったのはそれほど昔ではないであろう。夏のクインシージョーンズのコンサートに行って感激したと言って自分でアレンジした曲もあった。また、今回のリハーサルの最中に打楽器の多彩な音にびっくりしたというように、まさに発展途上の彼女だが、ファーストコンサートでここまでの作品を数多く仕上げるとは並の才能ではなさそうだ。自分が影響を受けたプレーヤーを1stコンサートに招いて一緒に演奏できるというのも、実力だけではなく強運の持ち主であろう。

女性の作品は秋吉敏子や宮嶋みぎわがそうであるように、自分の体験した情景や感情を音にするのが得手なようだ。曲という素材だけでなく、今回のような28人ものプレーヤーの譜面一つ一つに上手く表現されているように思う。昔から、シンフォニックジャズはジャズとクラシックの融合とかいわれるが、彼女の場合はいきなりジャンルを超えた世界を作り上げてしまったように思える。あのマリアシュナイダーでさえ、長年の活動を経てやっと彼女のオーケストラからジャズの名前が消えたのだが。

いいコンサートであった。本格的に作編曲を学んできた彼女の今後の活躍に期待しよう。
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2013年11月8日(金)マイク・プライス・ジャズオ-ケストラ @ 新宿 SOMEDAY!

2013-11-06 | JAZZ LIFE
今週末のマイクプライスジャズオーケストラのプログラムの案内が来ました。
今回もなかなか充実していて楽しみです。



皆様こんにちは! 

マイク・プライス・ジャズオ-ケストラは
新宿サムデイで 11月8日 (金)に演奏します! 

レパ-トリ-の数々より、今回は最近入手したエリントンの美しい楽曲をフィ-チャ-します。
又、私の楽曲・アレンジ曲も演奏します。

皆さんの心に残るビッグバンドジャズとなりますように。

是非聴きにいらしてください。

どうぞよろしくお願いします。

マイク・プライス

http://www.mikepricejazz.com

日時  11月8日(金)
    19:45~、21:15~
場所  サムデイ (新宿)
    Tel 03-3359-6777
    新宿1-34-8 新宿御苑前ビルB1(やよい軒の地下)
    地図 http://someday.net/shinjyuku.html
Music Charge 3,990円

THE PROGRAM
1ST SET
SUCH SWEET THUNDER (Duke Ellington)

WHIRLYBIRDS (Hefti/ Count Basie)

MEAN WHAT YOU SAY (Thad Jones)

FRUSTRATION (Duke Ellington)

AIREGIN (Rollins / Bill Holman

JUICER IS WILD (Roger Neumann / Buddy Rich)

GONE (Miles Davis/Gil Evans -Porgy & Bess)

2ND SET
ZOOT & AL (Bill Holman)

CARLOS (Gerald Wilson)

WOODROW (Bill Holman)

FRAME FOR THE BLUES (Slide Hampton/Maynard Ferguson)

SECOND LINE (Duke Ellington)

ALFIE (Don Piestrup / Buddy Rich)

INTRO TO AN ENDING (Bill Holman)

DRUM SQUAD (Bob Florence/ Louie Bellson)

メンバ- 
土井徳浩、(as, clar)
八巻 綾一、(as, clar)
岡崎正典(ts)
川村裕司(ts)
宮本大路(bs)

佐久間勲(tp)
田中哲也 (tp)
高橋一光(tp)
今里通夫(tp)

西山健治(tb)
内田光昭 (tb)
橋本佳明(tb)
堂本雅樹(btb)

井上祐一 (p)
佐瀬正(b)
稲垣貴庸(d)
マイク・プライス

Mike Price 舞空

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久々の更新になる。

2013-09-06 | JAZZ LIFE
今日は久しぶりに、一日ゆっくり自宅で寛いでいるので、久々にブログも再開。
またぼちぼち始めてみよう。

夏休みというわけでもないが、あまりレコードやCDを根詰めて聴くこともなく、ゴルフもあまりの暑さに気乗りがしない季節だ。再開した仕事も余り思うようには軌道に乗らず、このような時は焦らず時の流れに身を任せるのが一番だ。
というより、何事もついつい現役の時のようなペースであり、結果を求めてしまうが、そろそろ歳相応を身に付けるようにしなければならない頃かもしれない。

ライブだけは、この夏も良く行っている。
クインシーも久々に元気なステージを観た。以前のビッグバンドの来日から30年近く経っているとのこと。若者に囲まれているのが元気の秘訣かもしれない。見習おう。
角田健一のピットインライブも、最近はスインギーな曲が多くご機嫌だった。

デビットマシューズもまた元気に来日していたが、TUCのライブでは伊藤ゆかりがゲストで、そして、先日社長を退任したマクドナルドの原田氏の飛び入りドラムプレーなども聴けて楽しいライブであった。

辰巳哲也のビッグバンドもようやく定期的に演奏する場所が決まって、彼らしい楽しい企画の演奏が聴けた。今回はオルガンをゲストに迎えて、あまり聴けない曲と演奏を「生」で楽しめた。次回の10月はビルホルマンのアレンジ特集ということで、これも楽しみ。

デビットマレーのビッグバンドはユニークだったが、VJOは流石貫禄で余裕の演奏。

先日は、ちょうどチャーリーパーカーの誕生日に行われた澤田一範のwith Stringsに行ってきた。前から一度行きたかったが、年に1,2回しか行われず予定が合わずにこれまで行けず仕舞いであった。確か、一昨年はあの震災の日に予定されていて行けなかった記憶がある。

澤田さんのアルトは普段はビッグバンドのメンバーの一員として聴くことが多いが、このような小編成、そして今回のようなパーカーを意識した編成となると、まさにパーカー派のアルトの第一人者振りを発揮していた。

ゲストで若手の中島あきはも飛び入りで加わった。初めてライブでプレーをきいたが、素晴らしい演奏だった。観客の拍手も一段と盛り上がる。客席には若手の仲間の、トロンボーンの上杉優、そして駒野逸美も。駒野さんは顎の具合が悪く、この前の内堀MUバンドも欠場していたが元気そうで何より。
若手の活躍が、特に最近は女性が多い、目立ってオジサンジャズファンとしては嬉しい限りだ。

ボブジェームス&デビットサンボーンのアコースティックカルテットは超満員だった。
現代版デイブブルーベックカルテットを意識したという演奏は、トラディショナルな4ビートでもないフュージョンでもない不思議な雰囲気だった。アコースティックと銘打っていながら、ボブジェームスの譜面がIpadだったのが印象的。

そして昨日は、田辺充邦の小粋なギタートリオでナットキングコールトリビュート。
ドラムレスの小気味よいスイング感が最高。いつもビッグバンドが多いが、たまには彼女でも誘ってこんな雰囲気を楽しむのもいいかもしれない。

そして、今週末はカウントベイシーもあるので楽しみ。

今月のライブの予定でも立ててみよう。近々古いレコードやCDの引越しもしなければならないので、たな卸しもボチボチ再開しようと思っている。
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JATPはやはり大観衆の熱気の中でないと・・・・・

2013-06-23 | JAZZ LIFE
ノーマングランツが率いたJATPコンサートの始まりは?というと、第2次世界大戦中の兵士向けの放送用のライブのディスクを聴いて、これは商品になるのではと思いついたのが始まりとか。
整然と行われるスタジオでの録音用の演奏にはない、会場の騒音の中で、粗削りであってミスはあっても、そのライブの記録はジャズのone&onlyの楽しみがある。

先日、ハリーアレンの好演に刺激され、彼らが出演する富士通Concordに出かけた。今年のConcordはノーマングランツに捧げるJATPの再演と銘打っていたので期待が大きかったのだが・・・。

富士通Concordには歴史がある。第一回が1986年なのでまだバブル絶頂期の前。企業が冠スポンサーになったイベントも数多くあった時代だ。
当時から錚々たるメンバーが来日して楽しみのイベントのひとつであった。会場の広いホールが一杯になり、日本のジャズコンサートも世界の中一流の仲間入りを果たしていた時代だ。自分もその頃はよく各地のジャズフェスティバルに足を運んでいたので思い出深い。
最近でこそライブにはよく行くが、この富士通Concordはしばらくご無沙汰だったので、その意味でも楽しみであった。

東京での会場はブルーノート。他を探したがここしかなかった。地方ではそれなりのホールが会場であったが東京では何故?東京ではいくらブルーノートでもJATPをやるにしてはキャパが少ないのではとちょっと最初から気にかかっていた。

当日(最終日の月曜日)に足を運んでみたら・・・・・それは反対であった。
今回のブルーノートでの公演は指定席がプロモーター扱いで、自由席がブルーノート扱いになっていた。自分は直前に行く事を決めたし、連れもおらず一人だったの自由席で、開演30分前に会場に着く。いつものように整理番号を受付でもらうが、その番号は14番。何か変だなと感じたが、会場に入るとやはり空席がかなり目立つ状況であった。
指定席もかなり空きがあったが、自由席に至っては両サイドのテーブル席に一人もいない状況。これは一体どうしたの?という雰囲気であった。

まもなく、開演となったが、JATPというと昔から会場の熱気が売り物。それにお互いのプレーヤーに呼応して大ブローになるというのが常であったのだが。
最初のセッションはチャールスマクファーソンと多田誠司のアルトバトル。いきなり初っ端から盛り上げるのは只でさえ難しいのに、この状況では尚更。演奏自体は悪く無かったのだが、空回りで終わる。

続いて、先日好プレーを聴いた、ハリーアレンとグラントスチュワート。かれらも曲数自体が少ないせいもあるが、盛り上がる間もなく終了。
次のトランペットバトルは、ランディーブレッカーのストレートなプレーに皆注目していたようだが、これも本領発揮せずで終わる。
ドラム対決もスネアのバトルなど嗜好は凝らしていたのだが・・・・。
最後に、全員が舞台に上がってパディードで幕を閉じたが、会場の人の少なさは如何ともし難くJATPというには寂しいコンサートだった。東京TUCのハリーアレンが良かっただけに。

家に帰って憂さ晴らしに、昔のJATPを聴き返した。古い録音だが熱気が伝わってくる。JATPはこうじゃなくては。
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久々にライブの凄さを体験した

2011-11-02 | JAZZ LIFE
Miggy + IBUKI


宮嶋みぎわ(Miggy)のオーケストラとVJOのDouglas Purvianceが共演するというので日曜日の夜に出かけてみた。場所は、Miggyオーケストラのホームグラウンドの神田の東京TUC。直前まで用事が長引き開演ぎりぎりだったが会場は立見もいる超満員。ビッグバンドの常連であるいつもの年配の客だけでなく、学生を含めて若物の姿が目立った。彼女のファンの層の厚さを感じた。春のライブはUstreamの中継で済ませたが、今回は何となく実際にライブで聴いてみようという気になった。やはり、ダグラスの共演で何かが起るような予感がしたので。

Miggyのオーケストラは基本的に彼女のオリジナル曲の演奏の場だ。彼女の曲はMCでのコメントにもあるように、彼女の体験の中から生まれてきた曲ばかり。その曲を自ら編曲し、オーケストラで奏で、時には自らのピアノで表現する。秋吉敏子と何か通じるものがある。この2人に共通した一貫した表現の仕方は、女性の方が、物事への感受性が強いという証左なのかもしれない。

彼女が語る自分自身の曲作りについて


ダグラスが参加していることもあり、今回のプログラムは彼女の曲にサドメル(VJO)の曲の取り混ぜた構成。それだけでも聴きに行った価値はあった。サドメルの曲は自分が学生時代だった40年近く前から学生バンドでも良く取り上げられていた。メンバーの多くは学生バンド出身だと思うので、彼らも昔一度は演奏した経験したことと思う。
一曲目のお馴染みのロウダウンから快調な演奏だ。MiggyのMCでもリハーサルでダグラスが入ったとたんバンドの音がどんどん変って来たと言っていた。さらに、お馴染みのセントラルパークノースでは、この曲が生まれた当時に流行ったブーガルーのリズムと踊りをダグラスが披露してくれた。これを見てバンドのノリが一段と良くなったとか。やはり同じ譜面でも、それをどう解釈し料理するかは料理人の腕次第だ。
こうなってくると、アンサンブルだけでなくソロも気合が入ってくる。先発が何か吹っ切れたプレーを繰り広げるとそれに続く2番手、3番手もそれに負けじと続く。ビッグバンドでのソロは所詮全体のアンサンブルの中の一部。フィーチャーされても手馴れた曲だと兎角ワンパターンになりがちだが、今回のメンバーのソロは明らかに違っていた。

自分が初めてサドメルのアルバムを聴いた時その洗練されたサウンドに惹かれたが、次のライブアルバムを聴いて、同じバンドの演奏でありながらスタジオ録音に無いライブ盤の熱気を感じさらに好きになった。そして、初来日した時、生のサドメルをあの伝説のピットインライブで聴いて、このバンドの凄さを更に体感したのを思い出した。この時も、ソロがノリ出すと延々何コーラスもエンドレスで続く、それに刺激を受けた他のメンバーもそれに続く。サドジョーンズのメンバー皆をのせる、そしておどけた指揮の仕草を思い出す。大きなステージではなく、小さなライブハウスの雰囲気が聴衆との間だけでなくメンバー間でも一体感を生む。ダグラスも語っていたように、この東京TUCの会場がサドメルの本拠地であるヴィレッジバンガードと似た雰囲気だ。プレーヤーもお客も一体となって音楽に集中する。このようなシチュエーションが本物のライブの凄さを創出するのかもしれない。
サドメルの曲でウォーミングアップされたバンドは、当然のようにMiggyのオリジナル曲でも元気溌剌のプレーが続く。ダグラスをフィーチャーした曲もあったが、バストロンボーンをあれほど表現力豊かにプレーするのを初めて聴いた。それに影響されてか続く榎本裕介も入魂のプレーに。きっとMiggy自身も自分の曲とアレンジが、こんな演奏になっていくのを初めて体験したのではないかと思う。久々にいいライブだった。

翌日はUstreamで、その興奮を再度味わおうと思ったが、残念ながら1stステージのみの中継。残念ながら2ndステージの盛り上がりは聴くことができなかったが、きっと初日以上の盛り上がりを見せたであろう。
そして、Miggyのアルバム“IBUKI”を聴き直してみた。確かにいい演奏だが、ライブの熱さは残念ながら感じなかった。サドメルのアルバムでさえそうなのだから仕方が無いことだが、ジャズの真髄はライブでしか体験できないのではないかという事を改めて実感した次第。

5月のライブの映像はこちらで 演奏は20分過ぎからスタート


1. IBUKI(いぶき)
2. Flowers
3. TOKYO
4. 夢
5. L.O.L. (Lots of Love)
6. Grateful lights from the sea
7. I opened that red door, and I found (Piano Solo) *Bonus Track for CD version.

宮嶋みぎわ(Piano, Composer, Arranger)
副田整歩・岡元利奈子・加藤BOB高弘・田辺秀治・中村麻里子 (Sax&Flute)
平井大貴・星加久実・徳丸雄三・山内俊吾 (tb)
永田慎裕・三浦賢・寒風澤淳・小枝克寿・藤井洋平 (tp)
粕谷謙介(Dr)
中村竜ニ(Wood Bass)

IBUKI(いぶき)
宮嶋 みぎわ
サウンズ・スプリング・レコード
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YouTubeを見直したぞ・・・・

2011-07-07 | JAZZ LIFE
3年ぶりにブログを復活したが、徐々にペースが戻ってきた。以前書いていた時も時々YouTubeの映像を差し込んでいた。最近また記事を書きながらYouTubeを覗いてみたら圧倒的にコンテンツの量が増えている。世の中にこれだけ貴重な大量のコンテンツが死蔵されているのかと改めて認識を新たにした。



見ると聞くとでは大違いというのはよくあることだ。
ジャズを聴くのはレコードであろうとCDであろうとまずは音源が頼り。いくら書籍や雑誌でその演奏の雰囲気や時代背景を思い浮かべても、それは想像でしかない。絵も音も無い中では本当の姿は分からないまま妄想だけが広がっていく。
音にちょうとした映像であってもそれが加わると同じ想像の世界も俄然リアリティーが増す。また、映像を通じて新たな発見をすることがあるので映像コンテンツは重要だ。真夏の夜のジャズが音だけでなく、映像が加わることでニューポートに関する如何に多くの情報を知ることができたか。

インターネットが普及して情報そのものの流通量は圧倒的に増えた。お陰でinformationレベルの調べ事は楽になった。そしてYouTubeが出現して初めて動画のコンテンツが世の中に流通し始めた。初めてそれを知った時、たとえ断片的であっても、画質や音質が悪くとも、視覚に訴えるコンテンツの可能性を実感した。メディアの歴史でラジオからテレビへの変化と基本は同じだ。
さらに、コンテンツの数が増えただけではない。高画質、高音質のコンテンツも多くなった。テレビが50年以上をかけてモノクロテレビからデジタルハイビジョンに変わろうとしているのに対して、YouTubeは数年で一気に高画質映像、長時間、さらにはライブコンテンツまで対応している。放送に対しての、攻撃を仕掛けるシナリオはほぼ出来たように思う。結局Youtubeでは新たな発見があるのに、テレビはというと新たな発見が出来るほどちゃんと見ていない。要は、コンテンツがつまらないということだ。

せっかくのYouTubeのコンテンツをどうやってみるかというと普通はPCだろう。最近は携帯や流行のスマートフォーンでも視聴可能になっている。自分のIpadも大活躍している。でも、せっかく高画質になったのであればデジタルテレビ用に普及した大型画面で見てみたいという気になるのが必然。そこで早速試してみた。
ネット接続されたテレビのネット接続のプラットフォームはアクトビラ。ではアクトビラでYouTubeを見れるかというとそうはいかない。アクトビラは動画視聴のプラットフォームであって、多様なアプリのプラットフォームにはなっていないようだ。アップルの一連のプラットフォームの方が良く考えられている。
ではどうするか・・。自分のブルーレイはパナソニックのディーガだが、そこにYouTubeのVIEWERアプリが入っている。多少使い勝手はよくないが、取りあえずは使える。自宅のテレビはオーディオ用の機器につながれているので音もバッチリいける。検索をして選んで見るという動作を繰り返さなければならないのが億劫だが、その内自分の好みを自動的に編成して連続再生できるような機能が備われば俄然使い勝手が良くなる。ニコ動やユーストリームも出てきて動画コンテンツはネット上にますます充実、このようなアプリができてくれば嬉しいのだが。コンテンツと視聴者を結ぶのがメディアだ。視聴者視点での新しいメディアの誕生まで今一歩。

これでテレビは見ないがテレビ画面に向かう時間が増えそうだ。
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束ねる強さと織り込む美しさ・・・・・昨夜の辰巳哲也BIG BAND

2011-06-24 | JAZZ LIFE
久々に辰巳哲也Big Bandを聴きに赤阪ビーフラットへ。ワークショップなどはやっていたようだが、今年に入ってライブを聞き漏らしたかなと思っていたのだが。ビッグバンドのライブ自体は昨年来だったとかまずは一安心。今回は、しばらく前に予告があったように、サドメルやボブプルックマイヤーのアレンジを主体にという構成。サドメルファンとしは期待して出掛けてみた。
 
 ジャズの楽しみは個性あるソロプレー。人によって同じ曲を同じ楽器を使っても百人十色。ゴルフで18ホールを回ってもコースとコンディションによって毎回全く雰囲気が違うのと同じだ。ビッグバンドの楽しさは、更にそれにアンサンブルワークが加わると、アレンジャーの匙加減ひとつで曲と楽器に更なる魅力が加わる。ビッグバンドファンとしては、ソロプレーに加えてそのアンサンブルを聴くのが楽しみだ。素材となるいい曲、それを奏でるプレーヤー、それを組み合わせるアレンジの3点セットが旨く組み合わさった時は最高にご機嫌だ。さらに、ライブだとその場の雰囲気、出来、不出来も大きく影響してくる。

 一本の繊維が束ねられて綱になると、たかが植物繊維でも不思議な強さが増す。それを目的に合わせて使いこなすための様々なロープの結び方には昔から先人達の知恵と工夫の積み重ねがある。ハイテク全盛期でもこのロープの構造と結び方は不滅だ。ビッグバンドも複数の楽器が組み合わさると、力強さと新たな技が加わる。セクション間のコール&レスポンスやソリなどの技はスイングバンドの時代から使われている技で、バンドカラーを生み出すひとつの要素だろう。

 一方で、繊維の美しさを面で味わうには織物がある。織り上げた布を衣服などに利用するのはデザイナーの腕の見せ所だ。これも機能面とデザインの両面で。ビッグバンドのアレンジの楽しさと美しさにはこの楽器間で生み出すテクスチャーもある。今回のお題のブルックマイヤーやサドジョーンズのバラード物は独特の美しさがある。古くはギルエバンスそして最近ではマリアシュナイダーに通じる流れだろう。自分は普段の仕事は左脳人間。論理的にゴリゴリ詰めていくが、こと音楽に関しては残念ながら才能がないせいか完璧な右脳人間。理屈で良さを説明できないが好きな音作りだ。

 2NDセットは、そのような彼曰く「重々しい雰囲気の曲」が続いたが、いつもスイングするビッグバンドに慣れ親しんでいるとこのような選曲へのこだわりも新鮮だ。サドメルのバンドでもお祭り騒ぎと強烈なアンサンブルの合間に心地よかったのと同様に。今回の震災を意識しての選曲&演奏と言っていたが、なかなか普段聴けない演奏で楽しめた。せっかく演奏なのに、辰巳さんのライブはいつもお客が少ない。何も大人数集めるのが目的ではないとは思うが、せっかくのライブ。同好の士はもっといるはずなのだが。

 サドメルのLOW DOWN(最初のライブアルバムにも入っているのでサドメルでも初期の作品)に始まり、最後はサンバ調のハイフライまで、あっというまの2時間だった。次回にも期待。次回、サドメルのレパートリーからサンバ調で締めるのであればSamba Con Getchuをリクエスト。

本家VJOのLOWDOWN



辰巳哲也 BIG BAND

辰巳哲也(cond, tp, flh)
woodwinds: Steve Sacks, 渡邊てつ, 渡邊恭一, 鈴木圭, 武田和大
tp, flh: 峰崎芳樹, 田中充, 高瀬龍一, 松木理三郎
tb: Fred Simmons, Pat Hallaran, 三塚知貴, 堂本雅樹(btb)
駒村光(g), 宮嶋みぎわ(p), 芹澤薫樹(b), 諸藤一平 (ds).

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復活してみよう。

2011-06-18 | JAZZ LIFE
久々に自分のブログを覗いてみた。当たり前だが以前のままに残っていた。
最後の記事を書いてから、3年以上が経過してしまった。
机の上を散らかしたまま長期間不在にし、久々に戻ってみたら其のままになっていて安心するような気分だ。

最後の頃は生活のリズムの中に取り込まれ毎日のように記事をアップしていた。故あって小休止しなければならない事情があったが、その時は、しばらくの間休むがすぐに復帰するつもりであった。その間アナログ環境で聴けない環境になり、仕事や生活環境も変わる内に、ここに戻るタイミングを逸してしまっていた。

もちろん、その間JAZZは聴いていたものの、もっぱらBGMで。以前のようにたな卸しをしながら記事を残すようにしっかり面と向かって聴くようなこともなかったのも一因である。
最近やっとアナログ環境を含めてJAZZをしっかり聴ける環境も戻り、ボチボチ肩慣らし(耳慣らし)も始めた。
やはり、JAZZはいい音で大きな音で聴くのがいい。

最近は時間的な余裕もできたので、家で聴くだけなくライブにでかけることも多い。
この休息期間愛読していたスイングジャーナルも廃刊になり世間の動きには疎くなっていた。世の中にジャズを聴く人が減ったのかと思いきや、ジャズを聴けるライブハウスは結構な数があるのが分かった。学生時代にはジャズ喫茶巡りをよくしていたが、これからはレコード&CD整理に加えてライブハウス巡りも楽しいかもしれない。

ライブはやはり好きなビッグバンドが多い。ビッグバンドの世界もテレビやスタジオの仕事も無くなりレギュラーバンドの維持が難しくなったといわれて久しいが、よく調べると結構ビッグバンドも盛況なようだ。5月の連休の時は新宿の“Someday”で連日ビッグバンドの競演が繰り広げられていた。ビッグバンドファンとしては嬉しい限りだ。
さすが、地震の後は外国からの来日アーティストは激減しているが、デビットマシューズは何人かメンバーは減ったもののMANHATTAN JAZZ ORCHESTRAを率いて来日してくれた。
「想定外」の日米メンバー混成メンバーで元気なプレーを聴かせてくれたが、世の中元気が無くなっている時だっただけに嬉しかった。マシューズの心意気居に感謝!。

などなど世の中変革期の真只中、書き留めたいことは色々あるが、またこのブログを復活してジャズのレコードのたな卸しと一緒に書き留めておくことにしようと思う。

どうなるか分からないけどペースが戻るまではボチボチと。
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映像とJAZZ・・・・YOU TUBEのお陰で身近になった。

2006-11-23 | JAZZ LIFE
「真夏の夜のジャズ」はニューポートジャズフェスティバルのドキュメンタリー。
映画音楽にJAZZを使っているものは多くあるが、単にJAZZの演奏の映像というのはなかなかお目にかかれなかった。
テレビに出ることのある有名プレーヤーであれば、エドサリバンショーなどの昔のテレビ番組などで見ることもできるのだが、純粋なジャズプレーヤーの本格的なプレーとなると。

ところが、最近では、当時の演奏風景やコンサートの映像がDVDなどで出回り始め、今までレコードで聞いて想像するしかなかった当時の演奏の様子を映像で目の当たりにすることができるようになった。やはり視覚へ訴えられると、印象は強烈だ。
特にJAZZはプレーヤー自身の個性と共演者、それに時代によっても演奏の内容が常に変化しているので、その時のプレーの雰囲気を色々想像してしまう。
イメージどおりの時もあれば、音だけで思い描いていた印象とは違うこともある。メールやネットだけでやりとしていた友人に始めて会ったときの第一印象と同じようなものだ。

そんな時代の流れにまた新たな「道具」が登場した。
すでに、お馴染みの「YOU TUBE」だ。
よく著作権問題やビジネスモデルが話題になるし。「素人の映像を見て何が面白いのか?」という話しも良く聞くが。
2006年11月6日、Time誌がその年の最高の発明に贈る「Invention of the Year for 2006」にYouTubeが選ばれた。
やはり、次の時代には必要な道具なのであろう。

実はこの「YOU TUBE」、JAZZのようなニッチなコンテンツを楽しむには最適なサービスだ。すでに、今までは写真とレコードでしか知ることができなかった、モダンジャズを創ってきたプレーヤーたちの演奏を数多く楽しむことができる。

例えば、ベイシーの62年の全盛期のこんな演奏も、こんな感じで。

マニアやファンにとっては、ますます便利になって、楽しみが増える世の中になったものだ。またまた楽しい玩具が増えてしまった。じっくり宝探しでもやってみよう。一日24時間では足りない感じ。時間が無くなるばかりである。

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