A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジャズというと何の楽器を思い浮かべるか・・・・・?

2007-08-31 | CONCORD
Drop Me Off In Harlem / RICHIE KAMUCA

ピアノ派の人がいると思うし、トランペットを挙げる人も。
自分はサックス派だが、バリトン好きなのが少し捻くれているところかもしれない。
サックスの王者はやはりテーナーサックスだろう。テナーの魅力がジャズの王道のような気がする。
ジャズを聴き始めた時、ディキシーからジャズに入門した自分にとってサックスは少し遠い存在だった。ロリンズやコルトレーンのサックスを聴き、これがモダンジャズなのかと思ったのを覚えている。そして、スタンゲッツのテナーを聴き、同じサックスでもここまで音が違うのかとJAZZの奥深さを感じ、ある意味感心もした。

このジャズのテナーの系譜を辿ると、そのひとつがレスターヤングにたどり着く。
いわゆるCOOL SOUNDの良くうたうテナーの原点だ。
50年代、レスター派ともいえるテナー奏者が数多くレスターのプレーを引き継いだが、その中の一人がRichie Kamucaだ。
西海岸でも活動が長かったので50年代はいわゆるWEST COAST派と共演、そしてケントンやハーマンに加わっての演奏が多い。60年代にNew Yorkに出たのは、メルルイスと同じような経歴の持ち主だ。
そして、70年になると他の多くのミュージシャン同様L.A.に戻り、スタジオワークと地元での活動に転じた。あまり目立つ存在ではないが好きなタイプのテナーだ。

ConcordでもBILL BERRYのオーケストラRay Brownのアルバムなどに参加していた。
そのKamucaが1977年に癌の病に倒れる。死の直前に、最後の演奏をJeffersonに託し、Concordに何枚かのアルバムを残した。その一枚がこのアルバムである。

テナーが主役のコンボ編成というと、普通はピアノトリオを加えたカルテット編成が中心。
軽快なピアノのバックで、小気味良いドラムのリズムに乗って、確実なベースラインに合わせて、よくスイングするテナーが自分は好みだが・・・。
ロリンズは良くピアノレスの編成をした。ピアノが抜けサックスの音色が浮き上がると、よりサックス自体の演奏の良し悪しがはっきり分かる。さらに、リズムの要のドラムレスになると、スイングしない表現力の無いサックスは長く聴いていられるものではない。
小さなジャズクラブのライブで時折ドラムレスのサックスの演奏があるが、サックスプレーヤーにとっては誤魔化しのきかない本当の腕試しのようなものだ。

このアルバムも実は、ドラムレス。
それも、ピアノとのDUOと、ギターとベースのトリオの2つの組み合わせで。
相手を務めるのは、ピアノがDAVE FRISHBERG。先日、ソロの演奏が入ったアルバムを紹介したばかりだが、彼のスイング感に根ざしたピアノはドラムレスにはぴったり。
ベースとギターがRay BownにHerb Ellis。ピーターソンのドラムレスのトリオを支えた2人なのでこれも適役。
そして、肝心の演奏の方は、イメージどおりの好演。
脇役やセッションプレーの多い彼の経歴だが今回は良くうたうサックスが主役だ。この時、近くに迫った死期を知っていたのかどうかは知らないが、淡々と吹き続けるテナーには哀愁をも覚える。Dear Bixでは歌も披露するが、雰囲気はテナーのチェットベイカーといったところか。Frishbergの曲とあるが、彼は参加せず。ここでのバックはBrownとEllis。
エリントンのDrop Me Off In Harlem に始まり、Harlem Butterflyに終わる編成。ハーレムの片隅のジャズクラブでの演奏が似合う今回の演奏に何か意図を持った選曲なのかとも思う。
覚えやすいメロディーの”Three Little Words”。色々なプレーヤー、それもLester Youngを筆頭にサックスの名演の多い曲だ。今まで紹介したアルバムの中ではGOLSONもやっている。このアルバムのKamucaのプレーも、バックのFrishbergの左手のリズムの効いたバックとともに印象に残る一曲だ。

Drop Me Off In Harlem
I Didn’t Know About You
All Alone
Dear Bix
Three Little Words
It Must Be True
With The Wind And The Rain
Harlem Butterfly

Richie Kamuca (ts)
Dave Frishberg (p)
Ray Brown(b)
Herb Ellis (g)

1977 , Concord CJ-39

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ベイシーに負けずに我々も・・・・・

2007-08-30 | MY FAVORITE ALBUM
The Oscar Pettiford Orch. in Hi-Fi. / O.P.'s Jazz Men. Volume Two

ベイシーのオーケストラが第2期の黄金期を迎えていた1957年、BIG BANDの世界が全体では必ずしも絶頂期を迎えていた訳ではない。BIGBANDに付き物のダンスをする場も少なくなり、17人編成の大所帯を維持する仕事場が多くあった訳ではなかった。
一方でジャズの進化はバップムーブメントが行き渡り、本格的なモダンジャズの時代へ一段とアクセルが踏まれた。西海岸と東海岸で別のアプローチではあったが、主役はコンボであり個性のあるソロの競演の世界に。
しかし、オーケストラの世界でも新しいジャズへの取り組みが忘れ去られていた訳ではない。色々なプレーヤーがBIG BANDに挑戦したアルバムを制作している。QUINY JONESがベイシーやガレスピーのオーケストラから独立して自己の道を歩みだし、「私の考えるJAZZ」を大編成で表現したのもその一枚だし。アートブレーキーもしかり。
いずれも、ベイシーやエリントンの老舗のオーケストラとは違う形で。

この頃、もう一人オーケストラで新しい試みをしていた人物がいる。ベースのOSCAR PETTIFORD。彼が、New Yorkで編成したオーケストラだ。
モダンジャズのベースの祖とも言われているが、この頃、様々なセッションに加わって大活躍をしていた。その中でBIG BANDを編成し、レコーディングだけでなくBIRDLANDにも出演してライブの演奏をしていたそうだ。オーケストラの魅力と可能性を忘れていた訳ではない。

ベティフォードといえばベースだけでなcelloでも有名。ここでも、セロのソロを披露しているがベースの重厚な音と違ってより、乾いた歯切れの良いメロディアスなプレーが聴ける。
オーケストラには、New Yorkの新進気鋭のメンバーを集めているが。
17人編成のレギュラー編成にはこだわらない・・・
フレンチホルンが入ったまろやかなサウンド・・・。
一曲だがハープを加えた斬新な曲想・・・など、クインシーにも共通する既存の枠組みにとらわれないチャンレンジングな編成と演奏になっている。
演奏内容自体は、周りで進化しているジャズの流れをBIGBANDの世界でどのように表現するかに挑戦しているが、何も小難しくすることが目的ではなく大編成のモダンサウンドへの挑戦だ。これも、クインシーと合い通じるところがあるように思う。
そして、ここにもメンバーの中にJerome Richardsonがいる。彼は、いつの時代にも先進的なオーケストラには声が掛かる。やる気があって、実力があり、融通が利くメンバーとなると人材豊富なニューヨークといえども何人もいる訳ではないからだろう。
このオーケストラ自体も短命に終わる。そして、ペティフォードもヨーロッパに渡り60年には38歳で亡くなっている。彼ももう少し長生きしていたら、もっと色々な側面で活躍したに違いない。

このアルバムのプロデューサーはCreed Taylor。
彼も元々はトランペットを吹いていたが、いつの間にか楽器を置いてプロデューサー業に。
過去の枠組みに囚われずに、新しいJAZZを追い求めた人間の一人だろう。それも、新しさの方向に難解に道を求めるのではなく、聴きやすさを常に意識しながら。しかし音作りの複雑さと意外性を探求してきたのは、QUINCY JONESと同じ世界。2人の共作も何枚かある。
自分の好みの原点も、古き良き伝統を引き継ぐ演奏に加えて、このようなアプローチの音楽に興味があったことを、自分の持っているアルバムをひっくり返しながら最近改めて再認識した次第。これまで紹介したアルバムの中にも、そもそもタイトルのA DAY IN THE LIFE以外にも、クリードテイラーのプロデュース作品が多くあるような気がする。


The Now See How You Are
LAURA
Aw! Come On
I Remember Clifford
SOMEWHERE
SEABREEZE
LITTLE NILES

Oscar Pettiford Orch.
Kenny Dorham,Ray Copeland, Art Farmer (tp)
Al Grey(tb)
Julius Watkins, David Amram (fr-h)
Gigi Gryce (as, arr)
Benny Golson (ts, arr)
Jerome Richardson (ts, fl)
Sahib Shihab (bs)
Dick Katz (p)
Oscar Pettiford (b, cello)
Gus Johnson (d)
Betty Glamann (harp*)

Produced by Creed Taylor
Recorded in New York City , August 23 , 1957

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やはり活躍のホームグラウンドはベイシーのオーケストラ

2007-08-29 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Basie Plays Hefti

サドジョーンズが、「ジョーンズ一家」のアルバムを録音した50年代の半ば、やはりサドの活躍のメイン舞台はカウントベイシーのオーケストラ。
ルーレットに移籍して“ BASIE”いわゆる「アトミックベイシー」を録音したベイシーオーケストラは絶頂期を迎えていた。そのトランペットセクションを支えていた一人がサドジョーンズだ。

このアルバム“BASIE”の編曲はニールへフィティー。
ベイシーオーケストラの代表作にもなった”Li’l Darlin’”や“Splanky”が含まれている。後年もレギュラーレパートリーになった曲ばかりだ。エリントンオーケストラと異なり、ベイシーは自ら曲を作りアレンジをする訳ではなかった。その時々、様々なアレンジャーを起用したが、どのアレンジでもいざ演奏するとベイシー風に料理してしまう不思議な魅力のあるバンドだ。ベイシーのリーダーシップ、そしてそれを支えるリズムセクションのお陰だろう。

その中でも、ベイシーオーケストラはヘフティーの曲、そしてアレンジが何故かベイシーにぴったり合う。自らハーマンのオーケストラにも加わっていたヘフティーだが、自分がメンバーでもないベイシーオーケストラのことを一番理解していたのかもしれない。ベイシーオーケストラの良さを引き出す、ピッタリの曲とアレンジを提供している。

このへフティーのアトミックベイシーに続くアルバムが、この“BASIE plays HEFTI”だ。
このアルバムにも、ベイシーオーケストラの代名詞とも言える有名な曲がある。
“Cute”だ。



ソニーペインのブラッシュワークから始まる軽快な曲。ウェスのフルートも曲のイメージにピッタリだ。ビッグバンドというとどうしても歯切れの良いスティックワークのドラムを思い浮かべるが、このアルバムでは全体的にブラッシワークが目立つ。
へフティーのアレンジの特徴かもしれない。歯切れの良さの中にも、少し角が取れたメローなサウンド。アンサンブルとソロのバランスもよい。体が揺れるようなスイング感。これぞベイシーサウンドという心地よい響きが続く。
どのセクションを見ても、ベイシーオーケストラを代表するつわものが揃っている。第2期の黄金時代といわれる訳である。
サドジョーンズは最後のPONY TAILでやっと登場。
こんな豪勢なメンバーの中でやっていると、なかなか出番は無い。
たまには自分のコンボで思う存分やってみたいという気分にもなるであろう。
久々にこのアルバムを聴いたが、Heftiのアレンジを演奏するBasieは、BIG BANDの原点ともいえる。

1. Has Anyone Here Seen Basie
2. Cute
3. Pensive Miss
4. Sloo-Foot
5. It's Awfly Nice To Be With You
6. Scoot
7. A Little Tempo Please
8. Late Date
9. Count Down
10. Bag-A' Bones
11. Pony Tail

Snooky Young, Thad Jones, Wendell Cully, Joe Newman (tp)
Al Grey, Henry Coker, Benny Powell (tb)
Frank Foster, Billy Mitchel (ts)
Marshal Royal, Frank Wess (as)
Charlie Fawlkes (bs)
Count Basie (p)
Freddie Green (g)
Eddie Jones (b)
Sonny Payne (d)


Recorded at Capitol Studio, NY, Apr 3, 1958 (1,3,6,10)
Apr 4, 1958 (4,8,11)
Apr 14, 1958 (2,5,7,9)
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曲の思い出や想い入れは、人によって様々な経験の中で・・・・・・・

2007-08-28 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Mad Thad / Thad Jones

先日紹介した、Tommy FlanaganのThad Jones作品集の中に収録されていたBird Songの最初の録音が収められているアルバムがある。
レナードフェザーが監修したアルバム“Jones Boys”の姉妹編がこのアルバム。Jones仲間としては、Thadの末弟のElvinが加わっているが、今回は他のメンバーも加わって、サドのトランペットをフィーチャーすべく更なる音作りを楽しんでいる。
Jones姓のミュージシャンばかりを集めた一見お遊び風のセッションを基本にした企画だが中身は結構充実している。
このセッションにThad Jonesが曲を2曲提供している。
その内の一曲が“Bird Song”だが、フェザーの解説によれば録音時には、まだUn-titledだったそうだが。

Bird SongはA面の2曲目に。
サドが持ち込んだ新曲を聴いて、レナードフェザーがパーカーのオリジナルの曲の雰囲気に非常に似ているので、これをBird Songと命名したとのことだ。
サドの綺麗なミュートプレーで始まり、Frank Wessがこのムードにぴったり合わせて続く。そして、次に登場するのがこのJonesセッションに助っ人で参加したTommy Flanaganだ。実は、このサドの新曲のお披露目に立ち会っていたピアニストがフラナガン本人だったということだ。フラナガンがサドを偲んだ作品を録音に臨んでこの曲を弾いた時、きっと40年近く前のこのセッションのことを思い出したに違いない。

B面に移ると、2曲目にベニーゴルソンの名曲“Whisper Not”が収められている。
この曲のアレンジがQuincy Jonesだ。少しゆったりしたテンポで、ミュートをつけたサドのバックにFrank Fosterのベンウェブスター風のバックとヘンリーコーカーのトロンボーンをうまく絡めている。この低音域の魅力をどう作るかがこの曲の魅力の引き出し方の共通の課題だろう。元々は、ゴルソンがガレスピーオーケストラに提供した曲だが、ゴルソン自身の編曲やプレーを含めてこの曲には名演が多い。やはり「名曲あっての名演あり」の代表的な一曲だろう。
これも、お気に入りの曲のひとつだ。

Jumping for Jane *
Bird Song **
Mad Thad *
Cat Meets Chick **
Whisper Not *
Quiet Sip **

Thad Jones (tp)* **
Jimmy Jones(p)*
Eddie Jones(b)**
Elvin Jones(ds)**
Jo Jones(ds)*
Quincy Jones(arr.)
Frank Foster(ts)*
Frank Wess(ts,fl)**
Tommy Flanagan (p)**
Henry Coker(tb)**
Doug Watkins(b)*

Recorded on December 12 , 1956 *
on January 6 , 1957 **
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先進的なプレー志す者は、スタジオ入りしてもその志は衰えず。

2007-08-27 | CONCORD
The Artful Dodger / Victor Feldman

50年代の後半のContemporaryやRiversideのアルバムにはよく登場したVictor Feldman。改めて経歴を見てみると、イギリス生まれの彼は最初ドラムの天才といわれて音楽活動に入ったそうだ。プロになってからは、最初はヴァイブで有名になり、そしてピアニストとして名を成した。ハーマンのバンドを経て、キャノンボールアダレイのグループにも加わり、マイルスとも共演し曲(Seven Steps To Heaven)も提供している。
そのまま、ひのき舞台を歩むかと思ったら、彼はL.A.にそのまま居座りもっぱらスタジオの仕事が中心となった。

しかしJAZZへの探究心が旺盛なのか、スタジオワーク以外にも時々ストレートなJAZZアルバムを出し続けた。それも忘れた頃に。
そのFeldmanがConcordレーベルに登場したのは1977年。それも、自らの名を冠したリーダーアルバムで。
多芸なフェルドマンではあるが、ここではピアノのプレーに専念する。ただし、新しい物を追っていたFeldmanらしく曲によってはFender Rhodesを用いてプレースタイルも新しい流れを存分に取り込んでいる。その点では、今までConcordに登場した「スタジオの雄」の面々とは一味違ったプレーを聴かせてくれる。
アルバムタイトルは、ARTFUL DODGER(巧妙なごまかし上手)とでも訳すのだろうか。
けっして誤魔化しではなくFeldmanの多彩な才能が全面的に披露されている。

一曲目のライムハウスブルースからその本領発揮だ。ディキシーの演奏にも似合う古いスタンダード曲であるが、2拍子と4拍子を交えながらも、ボサノバ風のリズムを加えたモダンな解釈で曲の古臭さを感じさせない。
21世紀のbebopとライナーノーツで書かれた2曲目のAGITATIONは、非常に攻撃的なドラミングに鼓舞されたピアノプレーで新主流派のピアノとしても一級品だ。B面のアルバムタイトル曲のARTFUL DODGERも同様に先進的な演奏だが、ドマニコのベースやベイリーのドラムのソロや絡み合いもピアノトリオの演奏として聴き応えがある。
一転スタンダードのSmoke get in your Eyesでは、Fenderの軽やかなタッチが冴える。
A面、B面最後の曲は共にHAUNTED BALLROOMと同じ曲。A面はスイングするピアノプレーだが、B面はJack Sheldonのトランペットとユーモラスなヴォーカルが楽しめる。
色々な顔を持つFeldmanであるが、このアルバムではピアニストとしての多芸ぶりを発揮している。
B面4曲目のSPONGE MONEYはFeldmanのオリジナルとライナーノーツには書いてあるが、どう聴いてもロリンズのセントトーマス。色々なものがぎっしり詰まっているアルバムだ。

1. Limehouse Blues        Braham, Furber 6:10
2. Agitation               Feldman 4:36
3. Walk on the Heath           Feldman 4:50
4. Haunted Ballroom        Feldman, Adamo 5:07
5. Isn't She Lovely            Wonder 3:29
6. Artful Dodger             Feldman 3:18
7. Smoke Gets in Your Eyes     Kern, Harbach 4:57
8. Sponge Money(St. Thomas) Feldman(Rollins)4:17
9. Haunted Ballroom, No. 2    Feldman, Adamo 3:05

Victor Feldman (p,elp)
Chuck Domanico (b)
Monty Budwig (b)
Collin Baily (ds)
Jack Sheldon (vol,tp)

Recorded 1977 , Concord CJ-38


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自分の作った曲を他のプレーヤーが演奏してくれたら本望・・・・さらに一枚のアルバムになれば

2007-08-26 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Let's Play the Music of Thad Jones / Tommy Flanagan Trio

作曲家サドジョーンズの作品は、当然サドメルのオーケストラや自己のコンボでの演奏の機会が多い。しかし、中にはスタンダードとして様々なプレーヤーに演奏あるいは歌詞が付けられて唄われるようになった曲もある。代表的な曲は、A CHILD IS BORNであろう。
この曲のオーケストラのアレンジ、そしてサド・ジョーンズ自らのフリューゲルホーンの演奏は、そのメロディーの美しさだけでなく一度聴けば忘れられない名演だと思う。
この曲は発表された直後から色々なアルバムで取り上げられることが多い。
愛聴曲のひとつだ。

このサド・ジョーンズの作品だけで作品集のアルバムを作ったピアニストがいる。
TOMMY FLANAGANだ。
トミーフラナガンとサドジョーンズは同じデトロイト出身。フラナガンが地元でデビューした時に加わったのが、サドジョーンズとビリーミッチェルのグループだったそうだ。1950年のことだ。その後50年代後半には二人が共演したアルバムも多い。
しかし、晩年はあまり一緒に演奏をしたというアルバムの記憶はない。
このアルバムは1993年の録音。サドジョーンズが亡くなったのが88年だから、5年後のことだ。
フラナガン自身あまるアルバム制作をしていなかった時期なのだが、亡き先輩を偲んで作られたアルバムかもしれない。

このアルバム中には当然A CHILD IS BORNは収められている。他にもよく聴く機会のある曲も多い。古くは、Bop調のBird Song、サドメル以外でもタイトル曲になったアルバムのあるMean What I You Sayなど。
Flanaganの晩年の作品としても素晴らしいプレーが聴けるが、改めて作曲家としてのサドジョーンズの曲を思い返すににも
格好の一枚だ。

Let's
Mean What You Say
To You
Bird Song
Scratch
Thadrack
A Child Is Born
Three In One
Quietude
Zec
Elusive
Bitty Ditty

Tommy Flanagan (p)
Jesper Lundgaard (b)
Lewis Nash (d)

Enja (G) ENJ 8040-2
Recorded in Munchen, West Germany, April 4, 1993
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夢が叶うとまた次なる夢が・・・・・

2007-08-25 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
SUITE FOR POPS / THAD JONES & MEL LEWIS ORCHESTRA

仲間と事業を共同で立ち上げて、苦労しているときはお互い二人三脚で力を合わせて頑張るが。一度目標が達成されて一段落するとお互いに次なる夢は異なってしまうことが多い。仲違せずにそれぞれの道を歩めれば幸せだが会社はひとつ。結局はどちらかが去らなければならない。ビジネスの世界ではよくあることだ。

ジャズの世界でも2人でコンビを組んだ双頭バンドは、いつかはこのような局面が生じる。
サド・ジョーンズとメルルイスのオーケストラも、週一回のVILLAGE VANGUARDでの活動をメインとするリハーサルオーケストラとしてスタートしたが、レコーディングや国内外のツアーも増えてレギュラーバンドとしての活動をするようになってきた。
そして、これまでの活動の集大成ともいえる、アルバム“CONSUMMATION”を制作して一区切りを迎えた。1970年のことだ。

オーケストラ自体は、益々人気を集めて活発な活動を続けるが、メンバーの移動も激しくなってきた。そして、所属のレーベルも変わり、新生サド・メルがスタートすることになる。新たな所属先、A&M HORIZONから発表されたのがこのアルバム”SUITE FOR POPS”だ。作曲家としてのサドジョーンズの想いがより前面に出たアルバム作りになっている。

作曲を志すものにとってのひとつの夢は、曲を数多く作曲することに加え、いくつかの曲を組み合わせ、「組曲」として自分のイメージを複数の曲で実現することなのかもしれない。組曲はクラッシクの世界では数多くあるが、ジャズの世界ではやはりエリントンが代表的であろう。

作曲家としてのサド・ジョーンズが、このような夢を実現したのがこのアルバム。POPSの祖ともいえるサッチモ、ルイアームストロングに捧げたのがこのアルバムだ。
このような趣旨なので、自由なアドリブを繰り広げるというよりは、一曲ごとに計算されたアンサンブルとソロの組み合わせが特徴的だ。
サド・ジョーンスのフリューゲルホールをフィーチャーしたバラードは、いつものことながらサド・ジョーンスの曲とアレンジの美しさの独自の世界に引き込まれる。エイトビートやカリプソのリズムを取り入れたアップテンポもサドの洗練されたアレンジで派手さが一オブラートに包まれたような独自のサウンド。
ボーカルのディーデューブリッジウォーターが加わったTHE GREAT ONEも秀逸。

一方で、サドメルオーケストラの良さは、白人・黒人がうまく混成され、曲やアレンジも色々なメンバーから持ち寄られ、ライブで本領を発揮する自由なアドリブが本来の出発点。
そのような点では、設立時のコンセプトから少し趣きを変えて、サドジョーンズの意向に重きを置いて取り組んだ一枚である。メンバーの移動が多い中、2年がかりで作られたのもこのアルバムの登場には色々紆余曲折があったのだろう。立ち上げ時を支えた、ジェロームリチャードソンやボブブルックマイヤーもいない。メルルイスとの呼吸も、この頃から合わなくなり始めたのかもしれない。
もちろん、内容的にはサドメルの特徴と良さが十分に出ているが。

MEETIG PLACE
THE SUMMARY
THE FAREWELL
TOLEDO BY CANDLELIGHT
THEGREAT ONE
ONLY FOR NOW
A GOOD TIME WAS HAD BY ALL

Thad Jones (flh,perc)
John Faddis , Stephen Furtado, Jim Bossy , Lew Soloff , Snooky Young , Marvin Stamm , Virgil Jones , Cecil Bridgewater (tp)
Jimmy Knepper , Quentin Jackson , Billy Campbell , Eddie Bert , Janice Robinson , Earl Mcintyer (tb)
Cliff Heather , Jack Jeffers , Dave Talor (btb)
Jack Jeffers (tuba)
Jim Buffington , Peter Gordon , Earl Chapin , Jullius Watkins , Ray Alonge (frenchhorn)
Jerry Dodgion , Eddie Xiques (as.ss,fl)
Billy Harper , Eddie Daniels Ron Bridgewater , Frank Foster , Greg Herbert Lou Marini (ts,fl,cl)
Pepper Adams (bs,cl)
Roland Hanna (ep)
George Mraz , Richard Davis , Steve Gilmore (b)
Leonard Gibbs (conga)
Mel Lewis (ds.per)
Dee Dee Bridgewater (vocal)

Recorded January 25, 31,September 1 1972 , July 22 1975
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伝統を重んじ、先輩を思い出しながらも新しい試みを・・・

2007-08-21 | MY FAVORITE ALBUM
TRADITIONALISM REVISITED / THE BOB BROOKMEYER QUINTET

暑い日が続くが、「真夏の夜のJAZZ」となると、あのNEWPORTのドキュメンタリーだ。
最初に登場するのがジミージュフリー。ボブブルックマイヤーとのトリオの演奏で始まる。
ホットなジャズの中でちょっとした清涼剤ともいえる演奏だ。

ボブブルックマイヤーは、ジェリーマリガンとのコンビや、クラークテリーとの双頭コンボなど、コンボの演奏では相棒を従えた編成が多い。相手を気遣いながらあまりしゃしゃり出ることも無く確実なプレーをするいい女房役なのかもしれない。
一方で、サドメルのオーケストラで見せたような見事な編曲とダイナミックなプレーも得意とする。きっと理論家でもあり、研究家なのであろう。計算尽くされたプレーが色々な側面で見受けられる。ちょうど、サドメルが始めて来日した時にそのプレーぶりを目の当たりにしたが、縁無しのめがねをかけた風貌は、一見大学教授かビジネスエリート。プレーぶりも実直そのもの。お茶目なサドジョーンズや、ローランドハナとは一味違った雰囲気を醸し出していた。

ジャズは常に前向きの新しい物を追い求めているように思えるが、古きよき伝統と先輩たちのプレーを継承していくのも大事なことだ。アニーロスにしてもデイブフリッシュバーグにしても、彼らなりの解釈で過去の名演や名プレーヤーを称える演奏を残している。
ボブブルックマイヤーも、そのようなアルバムを残している。タイトルそのものも、伝統主義への回帰と多少仰々しいタイトルが付けられている一枚だ。ちょうどNewport出演の一年前の録音。いつものトリオに、ベースとドラムを加えたクインテット。ブルックマイヤーが時折ピアノを弾くが、全体の音作りはいつものトリオと変らない。
ただし、このアルバムは過去の名演を確実に彼らなりの解釈を加えて演奏している。しかし単なるコピーではなく彼らのサウンドで再構築している。
伝統を重んじながら常に進化を求めるとはこのようなことなのだろう。
今の時代も本当はそれを求められているような気がする。過去を捨てたり壊すのではなく、よい伝統を将来に引き継ぐ策を。


LOUISIANA
SANTA CLAUS BLUES
TRUCKIN’
SOME SWEET DAY
SWEET LIKE THIS
JADA
DON’T BE THAT WAY
HONEY SUCKLE ROSE

Bob Brookmeyer (vtb,p)
Jimmy Giuffre (cl,bs,ts)
Jim Hall (g)
Joe Benjamin, Ralph Pena (b)
Dave Bailey (ds)

Recorded July 13.16 1957
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多くのJAZZプレーヤーがヨーロッパを活動の拠点に・・・・その中に。

2007-08-20 | MY FAVORITE ALBUM
ANNIE ROSS & PONY POINDXTER with the Berlin All Stars

LHRの一員であったアニーロスはグループを去ると母国イギリスに戻った。一方で、LHRのバックを努めていたPONY POINDEXTERもアメリカを去りヨーロッパでプレーをすることに。
その頃のヨーロッパのジャズの世界は活況を呈していた。
古くは50年代からジャズを受け入れてきたヨーロッパに数多くのアメリカのジャズメンが訪れ一緒にジャズのプレーを楽しんでいた。そして、古くはケニークラークなどその中の何人かはヨーロッパに定住し活動の拠点を移した。
60年代の後半になり、その数は加速度的に増えていった。PHIL WOODSもそうであったし、BARNEY KESSEL、そしてSTAN GETZなども。
無名であたったが、ポインデクスターもその一人であった。

有名&実力あるプレーヤーがヨーロッパに集結すればいいプレーが聴けるのも当然だ。
ヨーロッパに渡ったポインデクスターは、旧知のアニ―ロスとも共演した。
LHR時代第4のボーカルといわれたポインデクスターであったが、アニーロスとはDUETで歌う機会も多かった。
その2人が、フランクフルトジャズフェスティバルに出演した時の演奏がこのアルバムだ。
レーベルはドイツのSABA。ライブ録音であるが、音の良さが光る。
SABAはあのMPSの前身、あのMPS特有の音作りがすでに実現されている。

メンバーは、当時の状況を象徴するように国際色豊かな面々。地元ドイツからはドラムの、ピアノはオーストリアから。ロスはイギリス、ポインデクスターはアメリカ。管楽器のレオライトやカーメルジョーンズもアメリカからの脱出組だ。
アニーロスを前面に出した演奏だが、単なるVOCALのバックではない。
LHRからの流れか、アニーロスの歌は「ビバップの歌版」そのもの。相変わらず過去の名曲そして名演をボーカリーズした熱唱だ。特にハイノートの切れ味が鋭い。
Poindexterは、歌の相方を務めると同時に、アルトとソプラノのプレーも溌剌としている。

2人のソロだけではなく、バックの面々もそれぞれにソロがフィーチャーされている。
そのような意味では、歌の伴奏ではなく歌もひとつの楽器とみましたコンボ演奏そのものだ。
本場アメリカではなかなか聞かれなくなったバップに根ざした好演がドイツでは繰り広げられていた。

Saturday Night Fishfry
All Blues
Home Cookin’
Jumpin’ at the Woodside
Moody’s Mood For Love
Goin’ to Chicago
Twisted

Arnie Ross (vol)
Pony Poindexter (as,ss,vol)
Carmel Jones (tp)
Leo Wright (as)
Andre Condouant (g)
Fritz Pauer (p)
Jimmy Woods (b)
Joe Nay (ds)

Recorded Frankfurt /Germany Volksbidungsheim ,May 1st ,1966



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70年前のJAZZにタイムスリップすると・・・・

2007-08-19 | CONCORD
GETTING SOME FUN OUT OF LIFE / DAVE FRISHNERG

ジャズの歴史を紐解けば、ニューオリンズに発したジャズはディキシーランドジャズからスイングジャズへと形を変えて、そして戦後ビバップの誕生でモダンジャズの時代に入るということになる。その間、同じディキシーでも、ニューオリンズからシカゴへその活動の拠点は移り、禁酒法の時代はカンサスシティーで新たな試みが行われていた。
でも、ベニーグッドマンやグレンミラー、そしてリントンやベイシーといった有名バンド以外となると、名前は知っていて一度は聞いたことはあってもプレーヤーのその演奏活動を深く追い求めることはよほどのマニアでもないとしないものだ。

そして、時代が変わって今風の演奏を取り入れるだけでなく、その伝統の演奏スタイルを自己のスタイルとして演奏するミュージシャンとなるとこれも数は多くない。

Concordはこのような古き良き時代のJAZZを伝承するプレーヤーを発掘してきたが、また新たなピアニストを登場させた。DAVE FRISHBERG、リーダーではコンコルド初デビューだ。
BILL BERRYのBIG bandにその名前があったが、このアルバムのようなプレーを好むピアニストとは知らなかった。

ジャズピアニストであり、ボーカルも歌い、曲も書く。それも古いタイプの曲を。さらに、ペンを執ってライター活動もするというオールマイティーぶりだ。
1957年にNew Yorkに来てからは、カーメンマクレーや、アニタオデイのバックを努め、アル&ズートともプレーをしたらしい。61年には、ソプラノのKENNY DAVERNと、昔の名曲を普通のディキシーではない、オールドスタイルの演奏でチャレンジもしたそうだ。
他の多くのミュージシャン同様71年には西海岸に移り住む。そしてスタジオミュージシャンの生活に。

そんな彼が、Concordに吹き込んだ初アルバムは、1940年頃のJAZZの世界にタイムスリップ。
JOHN KIRBYのスモールオーケストラのサウンドに極似しているとライナーノーツには記されているが。残念ながら自分は聴いた事が無い。
アルトのMARSHAL ROYALはベイシーオーケストラでならしたベテランだが、BOB FINDLEYはこれがアルバムデビューかもしれない。演奏スタイルは完全に昔のスイング時代のスタイルを再現。
彼のピアノのスタイルは、ファッツワーラーを思わせるプレーだ。左手のリズムの効いたピアノは否が応でもスイング感を増す。B面はピアノソロで彼のスタイルの本領発揮。モダンジャズ世代のピアノソロとは一味違う。彼自身はその世代のプレーヤーであるが、古い伝統に根ざしたスイング時代のピアノスタイルでソロを繰り広げる。
普段はSPレコードやラジオ放送にしか残されていない40年代のスイング時代の懐かしいサウンドが、最新の録音で楽器特有の迫力のあるサウンドで聞くことができる。それから30年がまた経った。アメリカのどこかで、また新たな新人によってこのようなサウンドが伝承されているに違いない。

1. Lotus Blossom              Johnston, Coslow 4:06
2. (I Would Do) Anything for You  Hopkins, Hill, Williams 2:50
3. Stevedore Stomp             Mills, Ellington 2:16
4. Violet Blue                   Strayhorn 4:43
5. Old Man Harlem             Vallee, Carmichael 2:43
6. Dear Bix                     Frishberg 3:52
7. Save It, Pretty Mama        Redman, Davis, Denniker 4:15
8. Alligator Crawl            Waller, Razaf, Davis 3:07
9. In a Mist                    Beiderbecke 4:08
10. Wonderful One            Grofe, Whiteman, Terris 2:46
11. Getting Some Fun Out of Life         Leslie, Burke 3:47
12. King Porter Stomp                  Morton 2:20

Dave Frishberg (p)
Bob findley (tp)
Marshal Royal (as)
Larry Gales (b)
Steve Schaeffer (ds)

Recorded 1977
Concord CJ-37
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ジャズのライブの楽しみは身近なON STAGE・・・・・・

2007-08-18 | MY FAVORITE ALBUM
NAT KING COLE AT THE SANDS

小さなJAZZ CLUBで身近に聴くのがジャズのライブの楽しみ。
Bev Kellyのアルバムを聴くと改めてそれを感じる。
しかし、大物プレーヤーとなると大きなステージでの演奏にならざるを得ない。自分が若い頃はジャズのコンサートでも結構大きな演奏会場を一杯にしていた。しかし、観客席から遠く離れた演奏は、ライブとはいいながら演奏するプレーヤーと一体感を持つのはなかなか難しかった。

そんな中で、比較的聴衆との距離が近いのはホテルなどのステージでのライブ。もっとも自分はなかなかそのような環境で聴く機会はなかったが。
そして、いわゆるジャズフェスティバルでよくあるオープンスペースでの演奏。どちらも聴くほうが普通の劇場と違ってリラックスして聴けるからだろう。自然とプレーするほうにもそれが伝わる。こんな一体感を持ったライブ演奏が多く行われている。
そして、そのライブ演奏が録音されて残されている。

ホテルや大きなホールでのライブといえばシナトラのカウントベイシーと一緒のSANDSでの熱唱はそのようなアルバムの一枚だろう。
大物歌手は大体何枚か有名なライブアルバムがあるものだが、不思議とライブ演奏が少ない歌手もいる。
NAT KING COLEもその一人だ。
反対にポピュラーの世界で有名になったのでテレビの出演は非常に多かった。自分のショーを持ったくらいなので歌いっぷりを目にした機会は結構多いのだが。ライブの演奏となると確かに思い浮かばない。

このアルバムは古巣CAPITALで初めての“ON-STAGE”と銘打たれている。
場所はシナトラ同じ、というかシナトラがオーナーだったラスベガスのSANDS HOTEL。
いつものトリオにオーケストラのバックを従えての熱唱だ。ショーの幕開きと同時に紹介されていきなり歌いだす。聴衆との呼吸もピッタリだ。途中、自らのピアノも披露する。
大オーケストラをバックにした迫力は小さなクラブでの録音では望めない。特にストリングも加えた演奏となると。ホテルならではのくつろいだ舞台でお馴染みの曲を、こんな雰囲気で聴いてみるのも最高だ。

1. BALLERINA (C. Sigman/B. Russell)
2. FUNNY (NOT MUCH) (Neil/Broughton/Prince/Merrill)
3. THE CONTINENTAL (C. Conrad/H. Magidson)
4. I WISH YOU LOVE (C. Trenet/A. Beach)
5. YOU LEAVE ME BREATHLESS (F. Hollander/R. Freed)
6. THOU SWELL (R. Rodgers/L. Hart)
7. MY KIND A LOVE (I. Alter/J. Trent)
8. SURREY WITH THE FRINGE ON TOP (R. Rodgers/O. Hammerstein II)
9. WHERE OR WHEN (R. Rodgers/L. Hart)
10, MISS OTIS REGRETS (SHE'S UNABLE TO LUNCH TODAY) (Cole Porter)
11. JOE TURNER BLUES (W. C. Handy)

Nat King Cole (Piano, Vocals)
John Collins (g)
Charlie Harris(b)
Lee Young (ds)
Antonio Morelli conducting the Orchestra
Arrangements by Nelson Riddle, Pete Rugolo and Dave Cavanaugh.

Rcorded live at the Sands in Las Vegas , January 14, 1960
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POINDXTERが素敵なVOCALのバックで・・・・

2007-08-16 | MY FAVORITE ALBUM
BEV KELLY IN PERSON

PONY PONDEXTEはランバートヘンドリックス&ロスのバックを努めたが、他の歌手のバックも努めていた。
最近買い求めたBEV KELLYのアルバムを見るとバックに、PONY POINDEXTERの名前が。彼がバックをしているとは知らなかった。

BEV KELLYについては、名前を聞いたことはあったが聴く機会が無かった。CDで再発されたのを期に買い求めて聴いてみたがこれが実にいい。
いわゆる白人のハスキー系の部類に入ると思うが、ピアノTRIOをバックに小粋な歌い方でいきなり始まる。ソロを受け渡す時に、ピアノのFLIP NUNEZを紹介する。ライブ演奏ならではの合いの手である。フィリピン出身のピアニストらしいが詳しい経歴は知らない。曲の後半になって最後のコーラスでやっとPOINDEXTERのオブリガードが入る。ライブ独特の雰囲気に包まれ曲が続くがその後もPOINDEXTERのバックは全体的に控え目。アップテンポのNIGHT AND DAYになって、初めてアルトのソロが前面に出る。パーカーライクなプレーの片鱗を聴くことができる。
次々と珠玉のスタンダード曲が並ぶ。60年代、このようなジャズボーカルが生き残れない時代の到来と共に、彼女のその後の消息は分からない。

この録音が行われたのはサンフランシスコのクラブ。1960年のことだ。ここにレギュラー出演していたそうなのでライブでもコンビネーションはぴったり。POINDEXTERはサンフランシスコに住んでいたので、地元のミュージシャンとしてこのセッションに参加していたのかも。
RIVERSIDEレーベルのボーカルはアビーリンカーンのアルバムがあったが、それほど数が多い訳ではない。Orrin KeepnewsがBEVのどこに気入ったのか分からないが、このようなアルバムが残されているのは嬉しいものだ。この前のアルバムではスコットラファロとの共演があるが、この辺りが接点かもしれない。
それにしてもRIVERSIDEのライブ物は臨場感がある。ライブへのこだわりを持っていたリバーサイドなので、録音のテクニックにも長けていたのだろう。たいそうな機材は使っていないと思うのだが、エンジニアの腕なのか。レーベルのポリシーなのか。

1. Long Ago (And Far Away)       Kern, Gershwin 2:57
2. Then I'll Be Tired of You     Harburg, Schwartz 4:04
3. My Foolish Heart         Washington, Young 2:50
4. Night and Day                Porter 2:45
5. It Never Entered My Mind       Rodgers, Hart 3:07
6. Just Friends             Lewis, Klenner 3:47
7. Body and Soul       Green, Heyman, Sour, Eyton 4:04
8. Love Letters              Heyman, Young 3:43
9. This Is Always             Gordon, Warren 3:27
10. Falling in Love With Love       Rodgers, Hart 2:36
11. My Funny Valentine          Rodgers, Hart 4:32

Pony Poindexter (as)
Flip Nunez (p)
Johnny Allen (b)
Tony Johnson (d)
Bev Kelly (vo)

"Coffee Gallery", San Francisco, CA, October 14, 1960

ベヴ・ケリー・イン・パーソン
ベヴ・ケリー,ポニー・ポインデクスター,フリップ・ヌニス,ジョニー・アレン,トニー・ジョンソン
ビクターエンタテインメント

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歳をとっても新しいものへの憧れは・・・・

2007-08-15 | MY FAVORITE ALBUM
FEELING FREE / BARNEY KESSEL

時代の流れと共に新しいものが流行り出すとついつい手を出したくなる。時には、年甲斐も無くと思われることもあるが、基本は本人のやる気と感性。
うまく新しい事を取り入れながら、徐々に変っていければいいが・・・・。
なかなかフィーリングがピッタリ合うことは少ないものだ。

Quincy JonesやMiles Davisは、常に感性で自己を変えることができる類まれな才能を持った人物だろう。
新しいものを取り入れるというよりは、自ら新しいものを開拓していったようにも思える。
なかなか誰もがそのようにはいくものではない。それに、何も新しいものが常によいとは限らないし。古き良き伝統をきちんと継承するほうが実は大事なこともある。

ジャズの世界でも、演奏スタイルの変化に合わせて新しい流れにチャレンジしていったベテランのジャズメンは多い。古くはバップの流れに挑戦したスイング派のコールマンホーキンズ。そしてコルトレーンが推し進めたモードジャズには、ハードバッパーの何人もが挑戦した。そして、うまく流れに乗った人もいれば、乗り損なって自分のスタイルを無くしていった人もいる。

ギターのBarney Kesselはバップの洗礼を受け、50年代の後半はWestコースト派とスインギーな演奏を繰り広げていたが・・。60年代に入るとスタジオワークが中心になり、ジャズの第一線からは次第に退いていった。60年代の前半はメインストリーマーがプレーし難い環境ではあったので、決して彼一人の話ではない。
スタジオワークでは、Jazzyな演奏だけでなくPOPSや映画音楽などクレジットの無いアルバムを入れたら、彼の参加したセッションの数は枚挙に遑がない。
あらゆるジャンルでオールラウンドなプレーをしていたので、ギタリストとしては本望であったのかもしれないが。

そんな中、一念発起して突然意欲的なJAZZアルバムを録音した。それも古巣のコンテンポラリーレーベルに。この頃、かっての名門コンテンポラリーも、新録音はほとんど休止状態だった。
これがきっかけで、再びジャズを演奏したいという想いに掻き立てられたのか、その後ヨーロッパにツアーに出向くと、そのままイギリスに留まって活動をする。ROCKやFUSIONが台頭を始め、メインストリームジャズが肩身の狭い思いをしていた時だ。ヨーロッパには、メインストリーマーを暖かく迎える素地があったのかもしれない。

このアルバムのバックを努めるメンバーを見ると時代が変わりつつあることが解る。
ドラムはElvin Jones。コルトレーンの所を辞してフリーになったがそのプレー振りは全盛期。Elvinのドラミングは、シーツオフサウンド、波打つリズムはビートというよりもパルスを感じるという表現をよくしていた。
そして、VibeにはBobby Hutcherson。ハロルドランドと組んで西海岸を中心にプレーをしていたが、彼も丁度試行錯誤の変革期だった。
全体がエルビンのドラムに引っ張られながら、KesselもHutchersonも、どこまで変身できるかチャレンジしているような感じを受けkesselのプレーは明らかに、以前のスイングするプレーとは一線を画すプレー振りだ。

曲も当時のヒット曲のバカラックやサイモンとガーファンクルを取り上げているが、アプローチは真正面からストレートジャズの素材としてだ。決して、イージーリスニング仕立てではない。全編を通じてベテランプレーヤーの新しいジャンルへのチャレンジの気概を感じる演奏だ。

しかし、イギリスから戻ったKesselのプレー振りは、Concordの数々のアルバムのとおり。以前のスインギーなプレーに戻っている。
新しい試みはタイトルどおり、一度は「自由を感じてみたかった」という、一時の迷いだったのかもしれない。
Kesselにはやはりスインギーなプレーがよく似合う。
1. Moving Up                Kessel 5:14
2. Blue Grass                Kessel 9:24
3. This Guy's in Love With You   David, Bacharach 5:14
4. Blues up, Down and All Around       Kessel 8:21
5. Sound of Silence              Simon 7:39
6. Two Note Samba              Kessel 4:55

Bobby Hutcherson (vib)
Barney Kessel (g)
Chuck Domanico (b)
Elvin Jones (d)

Los Angeles, CA, March 12, 1969
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大人のJAZZファンにもオーケストラの楽しみをもう一度・・・

2007-08-13 | CONCORD
150MPH / Louie Bellson And His Big Band

ConcordのオーナーのCarl Jeffersonは自らプロデュースして次々とアルバムを制作していったが、たまに以前録音されてお蔵入りしていた音源を発掘してリリースした。
前に紹介したShelly Manneのアルバムもそうであったが、このベルソンのオーケストラもその一枚。
74年の録音だが、当時は一部で限定配布されていたもの。広くは流通していなかった。
「このような演奏は広く世に出したほうが良い」とのJeffersonの英断でConcordレーベルにラインアップされて再登場したもの。

ルイベルソンは、西海岸を拠点にしてBIG BANDを編成していたが、活動のひとつはヴォーカルのバック。TONY BENNETや、ベルソン婦人でもあるPearl Bailyのバックバンドを努めていた。
ライブの活動の拠点はロスの「Donte’s」。
そして、もうひとつの活動は学生バンドのクリニック。ハイスクールやカレッジ周りをして、若者へのJAZZの教育、啓蒙・普及にも貢献したそうだ。
ロック世代の若者にBig Band Jazzの素晴らしさを伝え、スタンディングオベーションを受けるにつけ、大人のジャズファンにも今の彼の演奏を伝えたいと思って活動はしていたが。レコーディングの機会に恵まれず、しても広く世に出ることは無かったということだ。
そこに助け舟を出したのがJeffersonだ。ベルソンのコンボのアルバムはすでにConcordからリリースしていたが。今回はBIG BANDの演奏に陽の目を見させたということだ。

メンバーは西海岸のスタジオミュージシャンが中心。ベテランと新進気鋭のメンバーが集まっている。
編曲を含めてコンマス格はサックスのDON MENZA。
MENZAはBill BailyのBigbandにも参加していてこの時期西海岸では売れっ子だったのだろう。10年前にBudy Richのバンドの立ち上げに参加したBobby Shewもいる。サックスのPete Chiristliebもいて、Time Checkではメンザと2人でバトルを繰り広げている。
この時代のBIG BANDを象徴するように伝統的なベイシーサウンドを引き継ぎながらも、
ジャズロック風のプレーも取り入れ、サドメルが得意にした木管を重視したアンサンブルを取り入れたりしてコンテンポラリーサウンドもこなしている。
ベルソンのトラミングも、コンボのベルソンのドラミングの時とは異なり、アンサンブルの合間に絶妙なショットを繰り広げる。
その後ConcordやPabloでの録音も続き、ベルソンオーケストラ復活のきっかけとなった一枚だ。
そういえば、ベルソンは“pearl”ドラムを使っている。奥さんの名前にちなんでかも。

1. Louie Rides Again Bellson, Hayes 8:31
2. Spanish Gypsy Menza 6:56 *
3. Back Home Menza 5:02
4. Spacin' Home Bellson, Hayes 5:29
5. Time Check Menza 8:11 *
6. Hello, Young Lovers Rodgers, Hammerstein 5:04 *
7. Love Dreams Bellson, Hayes 3:15
8. Inferno Menza 10:36

<Personnel>
Bobby Shew , Stuart Blumberg ,Frank Szabo ,Conte Candoli ,Blue Mitchell (tp)
Charlie Loper , Frank Rosollino , Gil Falco , Dana Hughes (tb)
Dick Spencer , Larry Covelli (as)
Don Menza , Pete Christlieb (ts)
Billy Byrne (bs)
Nat Pierce (p)
Gene Cherico (b)
Jack Arnold (per)
Louie Bellson (ds)
 Recorded May 29 , 1974

(*)
Bobby Shew , Stuart Blumberg , Frank Szabo , Conte Candoli , Harry Sweets Edison (tp)
Nick DiMolo , Mayo Taina , Dona Hughes , Bob Payne (tb)
Dick Spencer , Larry Covelli (as)
Don Menza , Pete Christlieb (ts)
Billy Byrne (bs)
Ross Tompkins (p)
Mundell Lowe (g)
Gene Cherico (b)
Joe Porcaro (per)
Louie Bellson (ds)
Recorded May 25 , 1974

Concord CJ-36

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一緒にやったら予想通り最高の出来・・・・・・さっそく続編を

2007-08-12 | MY FAVORITE ALBUM
Annual Report / The Mills Brothers & Count Basie

バンドカラーはアレンジャーが代わっても早々変わるものではない。
カウントベイシーもアレンジャーが代わってもベイシーサウンドは不滅だ。サドジョーンズがベイシーオーケストラに在団時代スコアを出したが没になったそうだが。さすがバンドカラーを変えるようなアレンジは使えないということかもしれない。その曲がサドメルでやられることに。確かに曲調が違う。

ベイシーオーケストラがバックに回るときも、それに適したソロイストやヴォーカルというのも自然と思い浮かぶ。先日紹介したミルトジャクションなどはピッタリはまるプレーヤーだ。歌手の方も、シナトラを筆頭にさすが男女を問わず大御所達はベイシーサウンドとはぴったり息の合った歌を聞かせてくれる。
コーラスも、ベイシーの演奏をヴォーカライズしたLHRはもちろん、ベイシーがバックで似合うグループはたくさんある。さて、果たしてどのくらい録音があるのか?すぐに思い浮かばないのはあるようで実はあまりないのかもしれない。
その中でぴったり合うグループの一つは「ミルスブラザース」。

どちらも昔から活躍しているので、古くから競演盤がありそうなものだが・・・?
自分が持っているのは60年代に入ってからのもの。
“The Board Of Directors”が予想通りの好演であり、続編が翌年に制作された。
タイトルは「Annual Report」。取締役会シリーズになりそうなタイトルだ。
曲は、ミルスブラザースのお馴染みの曲に加えてベイシーの十八番を3曲持ち寄る形で、お互いのコラボが一層深まっている。
アレンジはChico O'Farril、ドラムにはHarold Jonesが入り、Eddie "Lockjaw" Davisのソロも雰囲気十分。2作目ということに以上に両方の特徴がピタリと決まっている。
このようなアルバムこそが「この歌にはこのバックあり」といえる代表作だろう。

1. Gentle On My Mind
2. Cherry
3. You Never Miss The Water Till The Well Runs Dry
4. Glow Worm
5. Sent For You Yesterday
6. Sunny
7. I'll Be Around
8. Cielito Lindo
9. Blue And Sentimental
10. Everyday I Have The Blues

<Personnel>
Mills Brothers
Harb Mills, Harry Mills, Don Mills (vo)

Gene Coe, Oscar Blusher, Sonny Cohn, Al Aarons (tp)
Grover Mitchel, Richard Boone, Harlan Floyd (tb)
Bill Hughes (btb)
Eric Dixon, Eddie "Lockjaw" Davis (ts)
Marshal Royal, Bobby Plater (as), Charlie Fawlkes (bs)
Count Basie (p)
Freddie Green, Norman Brown (g)
Norman Keenan (b)
Harold Jones (dr)

Recorded at : NYC, Jul, 2 & 3, 1968
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