A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「世界は日の出を待っている」・・・来年こそ本当の夜明けが来てほしいものだ

2013-12-31 | MY FAVORITE ALBUM
Jass At Ohio Union / Geroge Lewis

いよいよ今年も今日で終わりである。

歳をとると一年経つのが早いとよくいうが、確かにたいしたことをやっていないのにあっと言う間に一年が過ぎ去る。子供の頃一日は長かった。一年経つのをすごく長く感じたものだ。
確かに、生まれてからの延べ時間に占める絶対時間の一時間の割合は、遥かに子供の頃の方が大きいので長く感じるのかもしれない。あるいは子供の方が何事も同じ時間で吸収する情報量が多いので、一日が盛りだくさんに感じたのかもしれない。

新年を迎える準備も昔の方がきちんとけじめを付けていた。今より新たな年を迎える心構えもできていたように思う。大掃除も単に綺麗にするだけではなく一年の棚卸でもあった。最近はけじめもなく新年に突入してしまうので、年の区切りも不明確になる。あの出来事は去年だっけ、一昨年だっけということは良くあることだ。
今年は年末に引越しもあり掃除どころかまだ片付けも終わっていないが、少しはけじめをつけようと今日は最後の足掻きをした。何とかけじめを付けて正月を迎えられそうだ。

そして、せっかくのけじめを設けたので、買い置きをしてあったレコード針を久しぶりに交換した。アナログディスクを聴く機会も一時減っていたので彼是2年ぶりかもしれない。新しい針で新年の「初聴き」を迎える緊張感はいいものだ。子供の頃、新しい下着で新年を迎えたのと同じで。

愛機はYAMAHAのGT-2000、カートリッジはShureのV15typeⅢ。当時のベストセラーだが、もう30年近く使っているのにまだまだ元気に動いている。最近の電気製品は安くなった半面、壊れたら使い捨てが大部分。その点、昔のメカ物は大事に使うといつまでも持つし、修理で蘇るので感動ものだ。



先日も、17年乗った車を買い替えたが愛着があった車なので別れが寂しかった。今のオーディオ機器もあと何年もつか分からないが、かなり愛着が沸いているのでもう少し頑張ってもらいたい。しばらく前にShureの交換針がメーカーで純正品が製造中止になって一時はもう使えなくなるのでは?と心配したが、しっかりサードパーティーが供給してくれている。有難いことだ。

自分が最近使っているのはJICOのSAS針。JICOとは日本精機宝石工業。兵庫の日本海側に工場がある小さな会社だと聞く。そこがすでに製造されていない2000種類近いカートリッジの針を今でも提供している。すべて手作り、工具も自前で作っているそうだ。製品には一本一本特性の検査データがついてくる。作った人の真心を感じる。このような会社があるからこそ、昔の愛着ある製品を今でも使える訳で感謝感激だ。粗製濫造&利益追求型の企業とは基本的にスタンスの異なる会社だが、もう一度このような会社を大事にする社会になって欲しいものだ。

日本では大手のメーカーの多くが利益追求型経営に走ったために大事な技術を失った。特にオーディオの世界ではそれが顕著だと思う。アナログ高級オーディオが最近復活しているようだが、その中に日本メーカーの名前は聞かない。このJICOも頑張って欲しい。

さて、大晦日となると、昔はラジオ番組では必ずといっていいほど「世界は日の出を待っている」がリクエストされた。
今年、自分は久々にトラッドジャズに復帰したが、トラッドジャズの世界ではこの曲はどのバンドも十八番にしている。最近では、青木研のバンジョーのプレーが印象に残る。CDも出たし、ライブでもこの曲で彼の技のすべてを披露してくれる。



自分のジャズの原点はジョージルイス。そしてジョージルイスといえばオハイオユニオンのコンサート、そしてこのライブにローレンス・マレロのバンジョーをフィーチャーした「世界の日の出を待っている」が入っている。



このアルバム自体、昔は幻の名盤といわれた。このアルバムの再発に当時尽力したのは、評論家で研究家であった河野隆次氏。苦労の末やっと再発にあたっては、当時の名だたる評論家の皆さんが揃って解説を書き下ろした名盤である。その中でもこのマレロの「世界は日の出を待っている」のために、このアルバムを買って損は無いといわれた名演だ。

改めてこのアルバムを聴き返すと、コンサートの最初のメンバー紹介からイントロへ、途中の会場の雰囲気の変化も手に取るようにわかる。そしてこの「世界は日の出を待っている」では、マレロが技を駆使して「これでどうか」とソロを続けると、会場は否が応でも盛り上がる。イントロからこれらの演奏に加え、そしてアンコールの雰囲気まで、ニューオリンズジャズの醍醐味をたっぶり味あわせてくれる。会場の雰囲気をそのままの姿で収録した完全ライブアルバムだ。時は1954年、ジャズの世界はビバップで賑やかだった頃、ニューオリンズに残されたジャズの古き伝統が再び陽の目を浴びた。

今日は、この曲をもう一度聴いて新年を迎えることにする。
長く暗いトンネルを通り続けている「平成の時代」、来年こそは本当の夜明けを迎えたいものだ。日本の良き伝統が陽の目を見ることを願って。

Disc1
1. Introduction (Basin Street Blues)   Spencer Williams 3:33
2. Salute to Ohio State        Traditional 1:33
3. Collegian              Traditional 3:44
4. Mama Don't Allow It Cow      Cow Davenport 6:32
5. Climax Rag            James Scott 4:05
6. Lord, Lord, You Sure Been Good to Me    Traditional 4:43
7. High Society         Armand Piron / Clarence Williams 4:56
8. If I Ever Cease to Love            Traditional 1:47
9. The World Is Waiting for the Sunrise  Eugene Lockhart / Ernest Seitz 6:33
10. Maryland, My Maryland           Traditional 2:53
11. Funeral Sequence:
    Just a Little While to Stay Here
    Flee as a Bird
    I'll Be Glad When You’re Dead You Racal You Traditional 5:24
12. Burgundy Street Blues             George Lewis 4:30

Disc2
1. Over the Waves               Juventino Rosas 5:56
2. Bugle Boy March               Traditional 5:05
3. Doctor Jazz Walter              Melrose / King Oliver 4:30
4. Red Wing Thurland              Chattaway / Kerry Mills 3:55
5. Sensation Rag                Eddie Edwards 3:29G
6. Corrine, Corrina         Mitchell Parish / J. Mayo Williams 6:50
7. Ice Cream      Howard Johnson / Robert A. King / Billy Moll 6:08
8. Chimes Blues                    King Oliver 4:23
9. When the Saints Go Marching In        James Black / Traditional 5:33
10. Muskrat Ramble              Ray Gilbert / Kid Ory 2:47
11. Finale                   George Lewis 1:17

Kid Howard (tp,vol)
George Lewis (cl)
Jim Robinson (tb)
Alton Purnell (p)
Laurence Marrero (bjo)
Alcide Pavageau (b)
Joe Watkins (ds)

Recorded live at Ohio State University on March 3, 1954


ジャズ・アット・オハイオ・ユニオン
George Lewis
徳間ジャパンコミュニケーションズ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

表向きの顔と素顔の違いが明確になる時はどんな時・・

2013-12-29 | MY FAVORITE ALBUM
Stan Getz & Bill Evans

スタンゲッツとピアノといえばビルエバンスとの共演も忘れる訳にはいかない。

VerveレーベルはJATPのコンセプトの流れか、50年代の後半は有名プレーヤー同士のバトル物のアルバムを多く作った。スタンゲッツもピーターソン、マリガン、ベイカー、JJジョンソンなど数多くある。

60年代に入ってジャズの世界が変わった。必ずしも大物同士のセッションが受け入れられる時代ではなく、よりマスマーケットを狙ったアルバム作りになった。よくコマーシャリズムに毒されたといわれる時代だ。
マイスルやコルトレーンなどを除くと、大物といわれるプレーヤーも路線変更を強いられた。クインシージョーンズのビッグバンドもPOP路線になり、ベイシーやエリントンもビートルズナンバーやヒット曲でアルバムを出した時代、ゲッツもボサノバで売り出した。

Verveはその時代もピーターソン、モンゴメリー、ジミースミスなど大物ミュージシャンを抱えていた。時代は変わり、プロデューサーもクリードテイラーに変わったが、大物の共演アルバムはビッグバンドをバックにして少し趣を変えて作られていた。いゆゆる丁々発止にという感じは薄れて。

大物達の中にはゲッツとエバンスもいた。両者の共演アルバムは当然あってもいいはずだが、当時はそれぞれ人のプレーは「人の動向には我関せず」のスタンスで、共演アルバムなどは夢の中といった雰囲気であった。プロデューサーによって表向きの顔が作られてしまったからか。

丁度東京オリンピックの頃、自分がジャズを聴き始めた時代のジャズ界であった。

ところが10年近く経ってから、実はゲッツとエバンスのアルバムがあったという話題が広まり、未発表アルバムとしてリリースされた。当時リリースされたアルバムでの演奏とはガラッと雰囲気の違うストレートな2人のホットな演奏にビックリしたし、「やればできるじゃない」と思ったものだ。

人は社会に出ると自然といくつかの顔を持つようになる。家庭の顔、仕事の顔、友人付き合いの顔、そして恋人同士の顔・・・・などなど。
自分も意識している訳ではないが、寡黙な時もあれば多弁な時もある、穏和に感じられることもあれば、怖い印象を与えていることもあるようだ。仕事で知り合って付き合ってみるとプライベートでは全く違うキャラの持ち主だったということは良くある。異性と付き合う時は、意識して付き合い出すとなかなか素顔の自分を出すきっかけが難しいが、最初から本音ベースで付き合えると結構気楽な付き合いが長く続くものだ。もっともこればかりは相性がまずは大事だが。

60年代に入ってからのジャズアルバムも、売るための仕掛けが色々と工夫されるようになると、いつの間にか世に出る演奏スタイルは普段のプレーとは違った形で意図的に作られた物になってきた。
ボサノバのスタンゲッツなどはその最たるものであろう。その点、エバンスの方が化粧は薄めだが。でも、リバーサイドのビレッジバンガードのライブのような素顔の演奏とは異なってきていた。

さて、ゲッツとエバンス、この2人のスタイルは似てはいるとは言ってもそれぞれ自己主張が強い。それに何と言ってもこのアルバムは強力なバック陣だ。エルビンジョーンズにロンカーター&リチャードデイビスといえば、それぞれも時代を代表する主役。このアルバムは、まさにリズムを加えた4人の自己主張とお互いぶつかり合ったコラボレーションの成果だ。

お蔵入りしたのが不思議なアルバムだが、やはり「表の顔が売れている最中に素顔のアルバムは如何なのか?」という辺りが実情であったのだろう。もっとも、その後2人はライブでも共演の機会があったが、ここではゲッツのプレーぶりに腹を立ててエバンスがプレーを中断したという話もあるので、2人の微妙な意識のずれがアルバムに残すのに躊躇いがあったのかもしれない。ジャズはある意味瞬間芸の産物、そのようなアルバムがあってもいいとは思うのだが。

では、このアルバムが録音された64年当時のゲッツの素顔のアルバムが皆無かというとそうでもない。
同じ‘64年の5月の録音にボブブルックマイヤーのアルバムにスタンゲッツが客演したアルバムがある。ここでは、リズム隊は同じエルビンにカーター、このアルバムの様にゲッツのホットなプレーが聴ける。
こちらはレーベルがCBSと異なりプロデューサーもテオマセロが務めている。自宅では表向き大人しくしていたゲッツだが、遊びに行った友達の家で他所ではそこの親御さんの理解があり一暴れさせてもらった感じだ。実は、このアルバムは、それに先立ち自宅でも親の目を盗んでひと暴れしていたというものだ。
まさしく、表の顔と素顔が同時期にうまく両方残されていた。



オリジナルのLPは味気ないジャケットデザインであったが、再発CDのジャケットはオリジナルとがらりとイメージを変えたデザイン。イラストの中にエラ&ルイのアルバムが据えられているが、それは何か意味を含ませているのか??
あまり表裏のない感じの仲睦しい2人を羨んでいるのかも。




1. Night and Day     Cole Porter 6:45
2. But Beautiful      Johnny Burke / James Van Heusen 4:41
3. Funkallero       Bill Evans 6:40
4. My Heart Stood Still   Lorenz Hart / Richard Rodgers 8:37
5. Melinda         Burton Lane / Alan Jay Lerner 5:04
6. Grandfather's Waltz   Lasse Färnlöf / Gene Lees 6:28
7. Carpetbagger's Theme   Elmer Bernstein 1:47
8. WNEW (Theme Song)    Larry Green 2:50
9. My Heart Stood Still   Lorenz Hart / Richard Rodgers 6:45
10. Grandfather's Waltz   Lasse Färnlöf / Gene Lees 5:32
11. Night and Day      Cole Porter 6:34

1~6が当初のLP収録曲。

Stan Getz (ts)
Bill Evans (p)
Ron Carter (b)
Richard Davis (b)
Elvin Jones (ds)

Recorded in NYC, May 5 & 6 1964


Stan Getz & Bill Evans
Stan Getz
Polygram Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホーキンズのブルースプレーをタップリ楽しめると思ったのだが・・・・

2013-12-26 | PEPPER ADAMS
Stasch / The Prestige Blues-Swingers featuring Coleman Hawkins

クリスマスアルバムが続いたのでしばらく中断したが、久々にペッパーアダムスのアルバム紹介に戻ってみる。

1959年2月2日から5日まで連日レコーディングセッションが続いたが、最初の2・3日はアービーグリーンの軽快なビッグバンド4日はミンガスのヘビーなアルバム、そして最終日の5日は。

プレスティッジレーベルはオールスターメンバーで色々なセッションを立て続けに収録していたが、ブルースのアルバムもちらほら。生粋のブルースミュージシャンではなく、ジャズミュージシャンのブルースアルバムも。此の頃はハードバップの最盛期だが、かれらも普段の演奏ではブルースバンドで演奏することも決して珍しいわけではなかったようだ。

ペッパーアダムスが加わったアルバムとしては、前年にThe Prestige Blues-Swingersと看板を掲げたメンバーで”Outskirts of Town”というアルバムを作っている。Jimmy Valentineというアレンジャーの作品があった。
今回はその続編ともいえるアルバム。ただしメンバーは多少入れ替わって今回はコールマンホーキンズがメインとなる。

ホーキンスといえば、スイングジャズ時代はテナー奏者として第一人者としての地位を得ていた。しかし、50年代に入りモダンジャズ時代に入ってからはその変化について行けずに長いスランプ期間が続いていた。プレーヤーによって時代の変化を上手く取り込みながら自分の演奏スタイル変化させるタイプと、頑なに自分のスタイルを貫き通すタイプがある。ホーキンスは前者であり、レスターヤングは後者であるといわれている。何事においてもそうだが、変化に上手く合わせられれば良いが、反対に合わないとそれがストレスになるのは容易に想像できる。

そして、58年にバッククレイトンと一緒に吹き込んだ、”High and Mighty Hawk”が復活のアルバムとなった。一曲目のBird of Prey Bluesで延々と淀みなく続くソロは圧巻である。また、ホーキンスはブルースを必ずしも得手とはしていなかったらしいが、この演奏でブルースプレーも吹っ切れたといわれている。確かに、苦手とは思えない好演だ。

このアルバムは、それから1年後の吹き込み。自信のついたホーキンスのブルースプレーを前面に出そうとしたのかもしれないが・・・・。

他のメンバーを見ると、アダムスにしてもリチャードソンにしても、ブルースを吹かせても味わいのある演奏をするが、必ずしもR&Bを本業としている訳ではない。その中で、ホーキンスのソロだけが妙に浮き出ている。R&Bのテナープレーを求められているのではなく、ハイアンドマイティーホークのプレーで良かったのにと思うのは自分だけか。

アダムスは、4日連続の録音の疲れを感じさせず自分の持ち場と役割をきちんとこなし、ソロプレーヤーとしてだけでなくビッグバンドで鍛えられたセクションプレーヤーとしての実力を遺憾なく発揮している。

1. Stasch             Jerry Valentine
2. Since I Fell for You        Buddy Johnson
3. Roll 'Em Pete          Pete Johnson / Big Joe Turner
4. Trust in Me           Milton Ager / Arthur Schwartz / Ned Wever
5. Skrouk             Jerry Valentine
6. My Babe            Willie Dixon

Coleman Hawkins (ts)
Pepper Adams (bs)
Jerome Richardson (as,fl)
Idress Sulieman (tp)
Roy Gaines (g)
Wendell Marshall (b)
Walter Bolden (ds)

Arranged by Jerry Valentine

Recorded by Rudy Van Gelder on February 5, 1959


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レーベルのサンプラーとしてはクリスマスアルバムが最適かも・・・

2013-12-25 | CHRISTMAS
A Concord Jazz Christmas

今日はクリスマス。ツリーや飾りつけは12月に入ると次々登場するが、今日街を歩くとケーキやチキンの出店が出て、いよいよクリスマス当日を実感する。海外だとクリスマス休みから年末にかけて仕事はOff。街は静まり返っているが。
今年は、自分も久々にクリスマスから年末休みと思っていたが、諸々あって通常モードに。予定を何も入れていなかったので夜の部はこの時期にしては寂しい日々になっているが・・・。

クリスマスアルバムを聴くのも今年は今日が最後。何枚かを聴いたが、紹介するのは好みのレーベルのコンコルドのクリスマスアルバムに。

先日のローズマリークルーニーもコンコルドのクリスマスアルバムの一枚だが、多くのミュージシャンが集まって皆でそれぞれのスタイルを競って祝うアルバムもクリスマスアルバムの楽しみ。
このアルバムでコンコルドも613枚目。多くのアルバムをリリースしてメジャーレーベル入りしたコンコルドにとっては、クリスマスアルバムは契約ミュージシャンのお披露目の場にもなる。

まさにサンプラー代わりに。

色々なアルバムから曲を集めたオムニバスも良くあるが、このアルバムは他のアルバムには収められていない曲ばかりを集めている。企画があって録音したのか、録音してあったのを集めたのかは定かではないが、録音されたのは多くは1993年、1994年にかけての物が多い。企画予定に合わせて録溜めしておいたのかも。

それにしても、大部分の曲が録音されたのは季節外れの春から秋にかけて。演奏する方も気分が乗らないかもしれない。一層の事、クリスマスは南半球で録音すればいいのかもしれない。

最初のローマリークルーニーのChristmas Time is Hereは、自身のアルバムでも収められているが、こちらはコンボをバックに一足お先に録音したもの。較べてみるのも楽しみだ。
他に、ボーカルはチーザムがブルージーに、マッコークル、アリソン、アトウッドと続き最後はキャロルスローンが締める。
今年ベニーグッドマンオーケストラで来日したペロウスキーはグッドマンスタイルであったり、ギターとのデュオであったりとスタイルを変えて。ハミルトンのデュオも圧巻。

コンコルドらしいギター較べも、チャーリーバードはギタークインテットで、速弾きギターで有名なフランクビニョーラのジングルベルも今回はリズミックなシングルトーンで楽しく、ジミーブルーノはアコースティックのソロでとバラエティーに富んでいる

いつもお馴染みのコンコルドの看板スターの、クリスマスだからといって変に味付けをしないいつもながらの個性溢れるプレーを比較できるだけでも楽しいアルバムだ。

1. Christmas Time Is Here Vince Guaraldi / Lee Mendelson 3:07
 Rosemary Clooney

2. Have Yourself a Merry Little Christmas Ralph Blane / Hugh Martin 3:35
 Ken Peplowski Quartet

3. I'll Be Home for Christmas Kim Gannon / Walter Kent / Buck Ram 4:44
 Gene Harris Quartet

4. An Apple, an Orange and a Little Stick Doll Jeannie Cheatham / Jimmy Cheatham 3:34
 Jeannie Cheatham / Jimmy Cheatham

5. Angels We Have Heard on High Traditional 4:45
 The Stefan Scaggiari Trio

6.Silent Night/Carol of the Bells Franz Gruber / Joseph Mohr 2:36
 Charlie Byrd / Washington Guitar Quintet

7. The Secret of Christmas Sammy Cahn / James Van Heusen 2:28
 Susannah McCorkle

8. God Rest Ye Merry Gentlemen Traditional 3:49
 Marian McPartland

9. Jingle Bells James Pierpont 3:44
 Frank Vignola Quintet

10. Coventry Carol Robert Croo / Traditional 5:23
 Karrin Allyson

11. A Christmas Love Song Alan Bergman / Marilyn Bergman / Johnny Mandel 4:31
 Scott Hamilton / Al Plank

12. Santa Claus Is Coming to Town J. Fred Coots / Haven Gillespie 2:11
 Jimmy Bruno

13. The Christmas Waltz Sammy Cahn / Jule Styne  4:30
 Rob McConnell Trio

14. Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! Sammy Cahn / Jule Styne 4:25
 Eden Atwood

15. O Little Town of Bethlehem Phillip Brooks / Lewis Redner 2:15
 Dave McKenna

16. Winter Wonderland Felix Bernard / Dick Smith 6:14
 Alden Howard / Ken Peplowski

17. What Are You Doing New Year's Eve? Frank Loesser 2:42
 Carol Sloane




Concord Jazz Christmas 1
クリエーター情報なし
Concord Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピアニストに元気づけられるスタンゲッツ・・・・

2013-12-24 | CONCORD
Pure Getz / The Stan Getz Quartet

スタンゲッツのプレーは好不調の差が大きいと言われている。ゲッツだけではないが、来日コンサートでは手抜きプレーが目立つということもあった。気分屋なのだろう。否、いつも妥協することなく真剣勝負をしているので、上手くいく時もあれば、行かない時があるのかもしれない。
ゲッツ自身が、評論家のダン・モーガンスタインに語っている。「自分はいつも聴衆とコミュニケートしたいと思っているが、決して彼らに媚を売るようなことはしない」と。プレーヤーがのらないのは聴衆側にも責任があるのだろう。盛り上がるステージというのは自然発生的に生まれるものだ。

60年代のはじめヨーロッパから戻ったゲッツはジョビンやジルベルトと一緒にボサノバで一躍有名になった。このままジャズの世界から引退してしまうのかと思ったら、”Sweet Rain”でいきなりストレートジャズの世界に舞い戻って来た。
当時はレコードを通じてしか動向が分からいので、日頃のクラブ出演でどのような演奏をしていたかは想像することができなかった、少なくともレコードで熱い演奏を再び聴けるようになったのはファンとしては嬉しかった。

Sweet Rainの溌剌とした演奏をバックで支えたのはピアノのチックコリア、ベースのロンカーター、そしてドラムのグラディーテイトだった。すでに中堅であったカーターとテイトと較べて、新進気鋭のコリアは自己のリーダーアルバムは作ったものの、たいした実績は無く、まだニューヨークでジャムセッションに参加して他流試合をしていた頃だ。

このゲッツのプレーを支えたコリアは、翌年名盤”Now He Sings Now He Sobs”で一流入りをする。その後マイルスのグループに加わり、自己のグループReturn To Foreverが生まれる。以降、今まで途切れることなく活躍が続いている。メンバーに抜擢したゲッツに見る目があったのか、それとも熱いゲッツに影響されコリアが開花していったのか・・。
コリアが名声を得た後、ゲッツは再び”Captain Marvel”でコリアと共演する。コリア一人というよりはリターンツーフォーエバーとのコラボだった。これもすごいメンバーであったが、これを機にゲッツはまた飛躍をする。

ゲッツの素晴らしいプレーは、不思議とピアニストに支えられることが多い。もしかしたら好不調はピアノとの相性かもしれない。

ゲッツが、ニューヨークからサンフランシスコに居を移してレギュラー活動を行うようになったのは1981年。そしてコンコルドと契約してアルバムを残すことになる。また一人ベテラン大物の復帰に手を貸すことになった。
カールジェファーソンはプレーヤーに特に目新しい物を望むこことは無く、プレーヤーが本来持っている素晴らしい能力を演奏する場を与えていた。普段着の魅力を披露する場合もあれば、多少余所行きの格好をする場合があることも。そして昔の仲間との再会の場を与えることも。

最初のアルバム”The Dolphin”は、キーストンコーナーでのライブ。当時の普段着のゲッツの姿だった。ピアノは昔のウェストコーストでの仲間ルーレビィーであったし。しかし、いつも新しい物を追い求めるゲッツは、単に昔の懐メロ大会にすることはなかった。

今、アメリカに留学している宮嶋みぎわさんが御師として学んでいるのはバンガードオーケストラで有名なジムマクニーリー。ピアノだけでなく作編曲家としても有名だ。そのマクニーリーにも駆け出しの頃があった。その若い頃の学びの場のひとつが、スタンゲッツのグループであった。

75年に地元のシカゴからミューヨークに出てきたマクニーリーは、78年にはメルルイスオーケストラに参加している。サドジョーンズが抜けた後、メルルイスが自己のオーケストラづくりに試行錯誤していた時だ。この時のマクニーリーはまだピアニストとしての参加で、アレンジャーとしてはまだ表舞台には立っていなかった。

新グループ編成にあたって、ゲッツはそのマクリーニーに白羽の矢を立てた。
そして、翌年1982年の1月に生まれたのがこのアルバム。タイトルも「ピュアゲッツ」。前作が多少は昔を回顧しながらのプレーであったかもしれないが、今回は「今」のゲッツの真剣勝負。そのプレーを支えたのが、ジムマクニーリーのピアノだった。ゲッツとマクニーリーは1985年まで一緒にプレーをする。ゲッツとの相性も良かったのだろう。
マクニーリーも、その後フィルウッズのグループを経て、バンガードジャズオーケストラに戻る。ピアニストとしてだけはなく、今度は作編曲の重鎮として活躍することになる。

このアルバムでは、マクニーリーのオリジナルも披露されているが、他はエバンス、マイルス、そしてストレイホーンやパウエルの曲を、そしてスタンダードのカムレインオアカムシャイン。選曲も意欲的だが、ゲッツのプレーはまさに”Pure”そのものだ。マクニーリーのピアノも素晴らしい。

ゲッツは、クールジャズやボサノバの代名詞として語られることが多いが、実は“Pure”なゲッツはプレーも内に秘めた意欲も実にホットなプレーヤーだ。その陰には名ピアニスト有で。

モノトーンで顔を大写しにしたジャケットはConcordでは珍しいデザインだ。目立たないが良いアルバムだと思う。



1. On the Up and Up           Jim McNeely 8:10
2. Blood Count            Billy Strayhorn 3:34
3. Very Early            Bill Evans 7:05
4. Sippin' at Bell's         Miles Davis 5:02
5. I Wish I Knew          Mack Gordon / Harry Warren 7:52
6. Come Rain or Come Shine    Harold Arlen / Johnny Mercer 8:07
7. Tempus Fugit            Bud Powel 7:17

Stan Getz (ts)
James Mcneery (p)
Marc Johnson (b)
Victor Lewis (ds)
Billy Hart (ds) 3,5,6,

Produced by Carl Jefferson
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, Califoenia, January 1982
   At Soundmixers, New York, February 1982

Recording Engineer : Phil Edwards & Ed Trabanco

Originally released on Concord CJ-188 (所有盤は東芝の国内盤)


Pure Getz
Stan Getz
Concord Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一人で迎えるクリスマスには・・・

2013-12-23 | CHRISTMAS
A Dave Brubeck Christmas / Dave Brubeck

ジャズの特徴の一つにコール&レスポンスがある。
古くはニューオリンズジャズから今のジャズまでコール&レスポンスは色々なところで必ずといってくらい登場する。ソロとバックであったり、歌と伴奏であったり、ビッグバンドでもセクション間の掛け合いで。普通のセッションでも4小節のソロの交換もコール&レスポンスだろう。
このコール&レスポンスはさらに遡れば、ジャズの起源であるアフリカ音楽にその源はあるようだが。何れにしても誰かの演奏に他のプレーヤーが応えながらお互いが聴衆を巻き込みながら盛り上がっていくのがジャズの楽しみである。

クリスマスはキリストの降誕を皆で祝うのが始まり。キリスト教徒であればクリスマスの礼拝に教会を訪れ皆で祝うのが普通であろう。信者でなくても、クリスマスには仲間で集まり、家族そろって、そして恋人同士は2人でクリスマスを肴にして語り合う場ができる。
日本では丁度忘年会シーズン、仲間同士で盛り場に繰り出すこともあったが、最近ではクリスマスだからといってバカ騒ぎもなくなった。家でゆっくりという人が増えているようだ。

しかし、今の時代は個の時代。クリスマスには残業する人も少なく、いつもの飲み仲間も見つからないと一人でクリスマスを迎える人も多いだろう。普段は一人でもいても気にはならないが、この日ばかりは一人でいると何か取り残された気分になりがち。家で一人クリスマスソングを聴いていても何故かむなしい気分になってしまうものだ。

ジャズの世界は2人いればコール&レスポンスが成り立つ。しかし、ジャズにはソロも多くある。きっとプレーヤーは一人でも自分の世界でコールレスポンスをやっているのだろう。
自分で何か訴えたいことがあれば問わず語りで一人でも饒舌に語れるように。

先日マリアシュナイダーのライブに行った。昔ながらのコール&レスポンス、そしてジャズ特有のアフタービートとはかけ離れた世界だ。でも包み込まれるように取り込まれていく。

デーブブルーベックのピアノも昔からスイングしないとよく言われたものだ。
このブルーベックがソロでクリスマスソングを奏でているのがこのアルバム。

普段は賑やかなジングルベルもブルーベックの手にかかると別世界に、ジャズともクラシックともいえないブルーベックワールドとクリスマスソングが妙に相性がいい。ソロではあるが、得意の左手と右手のソロでコール&レスポンスをやっている。そして、曲によっては曲想をダブらせながら。
このブルーベックのアルバム、大勢で華やかなクリスマスパーティーには似合わないが、一人クリスマスのバックにはピッタリだ。スローな曲が大部分の中で、力強い”Winter Wonderland“
のストライドは妙に元気を与えてくれる。

今年のクリスマスは自分も一人クリスマス。ブルーベックが亡くなったのが去年の12月。ちょうど一回忌が過ぎたところだ。このブルーベックのアルバムをバックに、ブルーベックの呼びかけに自分も一年を振り返り、そしてブルーベックを偲んで2人でコール&レスポンスをやってみようと思う。



1. "Homecoming" Jingle Bells        James Pierpont 3:22
2. Santa Claus Is Coming to Town      J. Fred Coots / Haven Gillespie 3:42
3. Joy to the World       George Frederick Handel / Lowell Mason / Isaac Watts 2:55
4. Away in a Manger            James R. Murray / Traditional 5:06
5. Winter Wonderland           Felix Bernard / Dick Smith 4:22
6. O Little Town of Bethlehem       Phillip Brooks / Lewis Redner 5:37
7. What Child Is This? (Greensleeves)   William Chatterton Dix / Traditional 3:30
8. To Us Is Given             Dave Brubeck 3:36
9. O Tannenbaum             Traditional D 3:38
10. Silent Night              Franz Gruber / Joseph Mohr 4:56
11. Cantos Para Pedir las Posadas       Traditional 4:01
12. Run, Run, Run to Bethlehem        DaveBrubeck / Iola Brubeck 3:51
13. "Farewell" Jingle Bells        James Pierpont 3:02
14. The Christmas Song           Mel Tormé / Robert Wells 4:28

Dave Brubeck (p)

Produced by John Snyder, Russell Gloyd
Recording engineer : Jack Renner
Recorded at Ambient Recording Studio, Stamford Connecticut, on June 6 &8 1996


Dave Brubeck Christmas
Dave Brubeck
Telarc
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマスアルバムはオリジナルアルバムか、オムニバスアルバムか・・・・・?

2013-12-21 | CHRISTMAS
Christmas Songs / Diana Krall


実は、結果が良ければどちらでもよいのだが・・・・。

ジャズアルバムの多くは、アルバムが企画され何回かのセッションに分けて録音が行われるか、さもなければこれまでの既存アルバムから何曲かを集めてベスト物が作られるかのどちらかである。

最近ではCDになったので、LP時代の2枚のアルバムをカップリングした2 in 1や、アルバムに未収録であった曲を追加してオリジナル+α、さらには別テイクを含めたコンプリート物まで多種多様なアルバムが街に溢れている。ユーザーとしては同じ演奏を選ぶにしても目的に合わせて何のアルバムを選ぶかの選択眼が必要になっている。

今後は、メディアが無くなりダウンロード主体になってくると、自分なりに作ったプレイリストが当たり前になり、これまでのアルバムの意味は次第に無くなってくる。
これはメディア全体の大きな変化であるが、編集権が利用者側に移るということは、コンテンツ産業の大きなビジネス価値の変化となり、ビジネスの構造自体も変わりつつある。自分の息子と音楽の聴き方を比較しても、すでに自分の様な旧人種と息子世代の若者達との間では、大きなギャップがあると思う。


アルバムに編集して仕立て上げるにあたって元となる素材がたくさん溢れているからといって、それらをユーザーにいきなり提供しても必ずしも素材の良さを味わう聴き方ができるとは限らない。やはりプロの目で選び、足りないものを補い、意思を持って編集した作品には、一流としての人を説得できる筋書きが見えるものだ。
素材選択の自由度が高まっただけに、提供側のプロのプロデューサーがますます重要ということだろう。ネット社会のメディアの在り方の一つの答えのような気がする。

さて、クリスマスアルバムというと、普通のアルバムよりはオムニバス物が多くなるが、きちんと企画され制作されたアルバムにはかえってプロデューサーの主義主張を感じる。特に、素材としてクリスマスにまつわる曲という共通のお題があるので、色々なクリスマスアルバム間でまさに規定課題のコンペの様相を呈する。それだけにミュージシャンやプロデューサーの個性と能力の訴求力が問われる。
その結果として毎年発売されるアルバムの中から選ばれたアルバムだけがシーズンソングのスタンダードとして生き残っている。

最近のジャズボーカルものとしては、ダイアナクラールの”Christmas Songs“もその中の一枚だ。最近と書いたものの、このアルバムが出たのは2005年。すでに8年が経っているとは月日が経つのは早い。

人気のダイアナクラールのボーカルにクレイトン&ハミルトンオーケストラのスインギーなオーケストラのバックのブレンドが何とも言えない。ローズマリークルーニーのアルバムがストレートな歌に対してストリングス入りのオーケストラを起用してお化粧を完璧に施したのに対して、このアルバムでは通常のフルバンド編成のオーケストラ、曲によってコンボ演奏やソロを微妙に配している。アレンジもクレイトン以外に曲によってクラール自身、そしてマニーアルバムのアレンジを採り入れて全体のジャズアルバムとしての統一感を図る一方で変化を持たせている。クリスマスアルバムとしてシーズンに楽しむ以外でも、普段でもじっくり聴きごたえのあるアルバムになっている。
このアルバムが、色々なチャートでも上位にランクされ名アルバムに名を連ねているのは必然かもしれない。

ところがこのアルバムは、まったく新規に作られたのではなく今回のフルアルバムの企画にあたってすでにミニアルバムで1998年に発売された2曲に、新たに追加で10曲が収録されたものだ。
そういう意味では新規に全体が設計されたというのではなく、小さくスタートした建物に新たに増築して立派なビルになったようなものだ。オリジナルにこだわる方はこれに異を唱える方もいらっしゃるが、最初の良さを生かしながら立派な建物になったのであればこれは第一期工事と第二期を組み合わせた結果で「良し」としてもいいのではないかと思う。
これがよくある増築を繰り返して、迷路のような通路でつながった何の統一感もない建物のようになったのであれば別であるが。普通に聴けば、全体を聴いての統一感に何の違和感もないので。プロデューサーが立派ということだと思う。オムニバスというよりも立派なオリジナルアルバムだ。

あるファンの方が指摘しているように、唯一ケチをつけるとすると、曲のクレジットを正確に記していつの録音かを明記することだろう。同じ歌手が同じ曲を歌っても録音時の違いで内容が大きく変わるのがジャズの特徴。古いジャズファンは結構この辺りの拘りがあるものだ。ワイン好きが同じ銘柄でも何年物がいいというように。




1. Jingle Bells             James Pierpont / Traditional 3:25
2. Let It Snow             Sammy Cahn / Jule Styne 4:01
3. The Christmas Song          Mel Tormé / Robert Wells 4:23
4. Winter Wonderland           Felix Bernard 3:14
5. I'll Be Home for Christmas       Kim Gannon / Walter Kent 3:07
6. Christmas Time Is Here      Vince Guaraldi / Lee Mendelson 3:34
7. Santa Claus Is Coming to Town  J. Fred Coots / Haven Gillespie 2:53
8. Have Yourself a Merry Little Christmas Ralph Blane / Hugh Martin 4:19
9. White Christmas                 Irving Berlin 4:31
10. What Are You Doing New Year's Eve?       Frank Loesser 4:09
11. Sleigh Ride           Leroy Anderson / Mitchell Parish 3:26
12. Count Your Blessings        Instead of Sheep Irving Berlin 3:40

Produced by Tommy LiPuma and Diana Krall
Co-produced by Tommy LiPuma and Johnny Mandel (6.8)
Recorded by Al Schmitt

Arranged and conducted by John Clayton
Except
9. by Diana Krall
3. by Diana Krall & John Clayton
6.8.12. by Johnny Mandel

1.2.4.5.6.7.10.11.
Diana Krall (vol,p) & Clayton/Hamilton Jazz Orchestra
3.
Diana Krall (vol,p), Anthony Wilson (g), John Clayton (b), Jeff Hamilton (ds)
6.8.
Diana Krall (vol,p),Jeff Hamilton (ds), Beb Wolfe (b), Russel Malone (g), Assa Drori (Concert Master),Jules Chaiken (contractor)
9.
Diana Krall (vol,p),Anthony Wilson (g),John Clayton (b), Jeff Hamilton (ds), Stefon Harris (vib)
12.
Diana Krall (vol,p),Alan Broadbent (p), Randy Waldman (key), Anthony Wilson (g), Robert Hurst (b), Jeff Hamilton (ds), Emil Richards (perc), Assa Drori (Concert Master), Jules Chaiken (contractor)



Christmas Songs
Diana Krall
Verve
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人生の転機で成功するには良い人との出会いと確かな人の推薦があれば・・・

2013-12-20 | MY FAVORITE ALBUM
Miles and Miles of Swing….. / Butch Miles

カウントベイシーオーケストラに加わって今年来日したブッチマイルスのプロとしてのデビューはメルトーメのバックであった。マイルスのその後の活躍を見ると、ドラムを自分でもプレーするメルトーメが新人を起用した選択眼は正しかったということであろう。
そして、ベイシーオーケストラに加入したが、ドラマーを探していたベイシーにマイルスを推薦したのは、マイルスが師と崇めるバディーリッチであった。
もちろんリッチが強く推した眼力にも間違いはなく、ベイシーに気に入られたマイルスはベイシーオーケストラに5年間在籍して大活躍した

ブッチマイルスもメルトーメとの出会い、リッチの推薦、そしてベイシーでの実績が無かったら、今のマイルスは無かったであろう。

ペッパーアダムスもニューヨークに出てきてオスカーペティフォードとの出会いがあり、そしてスタンケントンへの推薦が無かったら、全く別の人生を歩んだかもしれない。
人生、何をやっていても良い人との出会いと、人を見る目を持った確かな人に推され、そして新天地へ踏み出せる機会を得ることが大きな転機を迎える秘訣かもしれない。

ブッチマイルスはベイシーオーケストラに75年から5年間在籍したが、その在籍中にフェイマスドアレーベルでこの初リーダーアルバムを作っている。
ファイマスドアというレーベルは伝説のレーベル「キーノート」のプロデューサーであったHarry Limが捲土重来を期して1973年の立ち上げたレーベル。こちらのLimは志は高かったものの色々挫折を繰り返して、一時はレコード店の店員をやって、ファイマスドアに辿り着いた苦労人だったようだ。

このレーベルは"Concord"同様中間派の中堅プレーヤーの演奏が多いが、その中で若手の代表としてブッチマイスルにもリーダーアルバム制作の白羽の矢が立った。

こうして、ベイシーで活躍中のマイルスのもう一つの表の顔として、ジョンバンチやミルトヒントンというベテランに共演メンバーをバックにブッチの初アルバムが作られた。
バディーリッチやジーンクルーパというモダンスイング派のドラミングを継承しているブッチの軽快なドラミング。そのソロでA面、B面ともにスタートする。曲はお馴染みのスタンダード中心。メンバーも心得たもので、ブッチの軽快なドラムを引き立たせる好演をしている。
フロントラインにはベテラン、アルコーンに加えて同じ新人のスコットハミルトンも加わっている。ちょうどハミルトンがコンコルドにデビューする直前の録音で、ニューヨークに出てきたハミルトンが中間派の溜まり場であるCondon’sでプレーをしていた時だった。

因みに、ハミルトンはこのCondon'sでの演奏をたまたま聴いたジェイクハナの強い推薦でConcordへのデビューを果たせた。

時代が代わり、このマイルスやハミルトンの推しによって第一線で活躍しているミュージシャンも多いと思う。表舞台に立って良き伝統を次世代に引き継いでもらいたいものだ。
次々に隠れた存在から、このような晴々した顔を世の中にお披露目できるようになって。



このジャケットに「ファイマスドアは最高級の機器と技術を使用した録音」と謳っている割には、50年代や60年代の録音より音が悪いのは何故? 同じ時期のConcordの録音はそこそこ良いのに。
Harry Limは夢は大きかったものの、最後まで大成功に至る運気に恵まれなかったのかもしれない。

1. Cherokee
2. I’m Getting Sentimental
3. Take The A Train
4. The King
5. Sweet Lorraine
6. For The Boss
7. Broadway

Butch Miles (ds)
John Bunch (p)
Milt Hinton (b)
Marky Markowitz (flh)
Scott Haminton (ts)
Al Cohn (ts)

Produced by Harry Lim
Recording Engineer : Richard Le Page
Recorded at Mastertone Recording Studios, New York, Fall 1977

Miles And Miles Of Swing...
Butch Miles
Famous Door
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマスソングをコーラスでやると・・・

2013-12-19 | CHRISTMAS
The Spirit of Christmas / The Ritz

クリスマスソングといえば、教会で歌われるクリスマスキャロル。コーラスで歌われることがそもそも。
という訳でクリスマスアルバムを作っているコーラスグループは多い。
ジャズコーラスといえばマンハッタントランスファーが代表格だが、マントラももちろんクリスマスアルバムを作っているが、一時マントラを追いかけて人気のあったThe Ritzもクリスマスアルバムを作っている。

ボストン出身で前身のPUTTIN' ON THE RITZが結成されたのは1982年、初アルバムを出したのは1984年。最初は3人のコーラスであったが、メンバーが一人変わったのを機に4人にスケールアップしてThe Ritzとして再スタートした。男性2人、女性2人で、マントラの人気に乗じてこのリッツも続けてアルバムを出した。

初アルバムの”The Ritz”はDENONから発売された日本企画だったので、今思えば本国よりも日本で人気が出たのかもしれない。このグループも”The Spirit of Christmas”とタイトルされたクリスマスアルバムを作っている。
マントラも古いスタイルから新しいフュージョンまでどんなスタイルでもこなすが、このリッツもどんなスタイルでも得意としていた。このアルバムでも、アカペラからフュージョンスタイルまで曲想に合わせて歌い分けている。

讃美歌のイメージどおりのアカペラでSilent Night。
お馴染みのGreen Sleevesはクリスマスソングなのかどうか?だが、スイング感溢れるJazzyなバックで。
ポールマッカトニーのWonderful Christmas Timeもコーラスで上手くカバーしている。
The Chris Songはピアノトリオをバックに重厚なハーモニーで
Carol For the Bells はスイングルシンガーズ張りのダバダバスキャットというように。

人肌の温もりを感じるコーラスグループのクリスマスアルバムというのも改めて聴くとなかなかいいものだ。

1. The Spirit of Christmas          Sharon Broadley 5:56
2. Silent Night               Franz Gruber / Joseph Mohr 2:57
3. Have Yourself a Merry Little Christmas  Ralph Blane / Hugh Martin 7:37
4. A Wonderful Christmas Time       Paul McCartney 3:42
5. Sleigh Ride               Leroy Anderson / Mitchell Parish 2:28
6. What Child Is This? (Greensleeves)    William Chatterton Dix / Traditional 4:32
7. The Christmas Song            Mel Tormé / Robert Wells 4:01
8. Carol of the Bells             Mykola Leontovych / Traditional 5:35
9. Christmas Time Is Here          Vince Guaraldi / Lee Mendelson 5:56

Daryl Bosteels (Vol)
Sharon Broadley (Vol,Arr)
Melissa Hamilton (Vol)
Bob "Mink" Martin (Vol,Arr)

Jeff Auger (Keyboards, p)
Marty Ballou (b)
Bob Bowlby (Multi Instruments)
Les Harris Jr. (ds)

Tatsunori Konno Executive Producer

Produced by Jeffey Weber
Recorded by Kevin Clark

Recorded on July 22-26,1988 at Plum sound, Newburyport, MA


ザ・スピリット・オブ・クリスマス
クリエーター情報なし
コロムビアミュージックエンタテインメント
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホワイトクリスマスには誰にもそれぞれの思い出が・・・

2013-12-14 | CHRISTMAS
White Christmas / Rosemary Clooney

最近、自宅と実家の2重生活をしていたのを解消するためにそれぞれの家の大整理と引越しを敢行。結局整理が間に合わず荷物に埋もれた生活をして居るが、とりあえずレコードとCDは一ヶ所に集約。物置のスイングジャーナルも陽の目を。これで、色々聴きやすくなった。
というわけで、ブログの更新も滞りがちだが、バタバタしている間にクリスマスも終わってしまうので、まずはクリスマスアルバム優先で。

ジャズのクリスマスアルバムも改めて探し出してみるとコンボあり、ビッグバンドあり、そしてボーカルアルバムありで結構いろいろバリエーションがあるが、やはりクリスマスは歌物が一番。それもクリスマスソングはストレートに歌って曲の美しさと歌の上手さを感じさせてくれるものがいい。

Concordにもクリスマスアルバムは何枚かあるが、正統派となるとロージーことローズマリー・クリスマスのアルバムになる。

タイトルは、そのものズバリ”White Christmas”。

誰もが自分のホワイトクリスマスにはそれぞれ違った想いがあると思う。歳を重ねると新たな想いよりは昔経験したホワイトクリスマスの思い出が、そして若者はこれから経験するであろう素敵なホワイトクリスマスを。もっとも幾つになっても、素敵な女性とのクリスマスを過ごしてみたい気持ちが無くなることはないが。

ホワイトクリスマスといえば、ビングクロスビーの歌が何と言っても有名。



ロージーにとってこのホワイトクリスマスの思い出はこのビングクロスビーとの共演した映画であろう。



クロスビーとロージーの仲は良く、コンコルドの専属になってからもクロスビーに捧げたアルバムを作っている


1942年の映画のオリジナルはこちらで


そのような経緯があるので、ロージーのクリスマスアルバムといえばタイトルが”White Christmas“になるのはある種の必然。
豪勢なオーケストラをバックに、全21曲を歌いきる。有名曲は大体網羅しているが、無いのはジングルベルくらいか? タイトル曲のホワイトクリスマスはコーラスのイントロから始まりバースからしっかり歌い上げている。
バックのオーケストラには、ストリングスあり、コーラスありの大編成だが、時にサックスのオブリガードがジャジーな雰囲気を醸し出す。クレジットを見るとゲイリーフォスターなどの名前も。

大御所の晩年のクリスマスアルバム、体格も貫禄がついているが流石に聴きごたえがある。

ステージでの姿はこちらで



1. The Christmas Song             Mel Tormé / Robert Wells 3:50
2. Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!    Sammy Cahn / Jule Styne 3:10
3. Joy to the World       Hoyt Axton / Lowell Mason / Isaac Watts 0:42
4. I'll Be Home for Christmas    Kim Gannon / Walter Kent / Buck Ram 3:31
5. It's the Most Wonderful Time of the Year   Edward Pola / George Wyle 2:20
6. Have Yourself a Merry Little Christmas    Ralph Blane / Hugh Martin 3:31
7. Christmas Love Song   Alan Bergman / Marilyn Bergman / Johnny Mandel 3:29
8. The First Noë                     William Sandys 0:50
9. Winter Wonderland              Felix Bernard / Dick Smith 2:46
10. Christmas Time Is Here         Vince Guaraldi / Lee Mendelson 3:10
11. Christmas Mem'rie       Alan Bergman / Marilyn Bergman / Don Costa 3:51
12. Rudolph the Red-Nosed Reindee               Johnny Marks 1:02
13. The Spirit of Christmas              Tom Adair / Matt Dennis 4:32
14. Santa Claus Is Coming to Town        J. Fred Coots / Haven Gillespie 2:39
15. Count Your Blessings (Instead of Sheep)     Irving Berlin / Cole Porter 3:24
16. O Little Town of Bethlehe          Phillip Brooks / Lewis Redner 0:58
17. The Christmas Walt                Sammy Cahn / Jule Styne 2:44
18. White Christma                       Irving Berlin 3:34
19. Silent Nigh                  Franz Gruber / Joseph Mohr 1:19
20. Sleep Well, Little Children                 Alan Bergman 2:14
21. Don't Wait Till the Night Before Christmas    Abel Baer / Sam M. Lewis 1:25

Rosemary Clooney (vol)

with Peter Matz Orchestra & Eal Brown Singers
Gest Vocalists Nock Clooney & Michael Feinstein

Produced by Peter Matz
Engineer : Leslie Ann Jones

Recorded at Capatal Studio, Los Angeles on April 1 - 4 1996


White Christmas
Rosemary Clooney
Concord Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たまにはラージアンサンブルの演奏も・・

2013-12-11 | MY FAVORITE ALBUM
My Favorite Colors / Junko Moriya

先日、深澤恵梨香のストリングスを含む大編成のオーケストラを聴いていつものビッグバンド編成とは違ったジャズを堪能したが・・・

コンボとビッグバンドの中間に大編成のアンサンブルを売りとしたグループがある。
トロンボーンカルテットというのは最近多いが、サックスとブラスを組み合わせたオクテット、ノネット、テンテットとなると、ビッグバンド同様ソロもバラエティーに富むし、アンサンブルワークも楽しめる。辰巳哲也さんがデイブ・ペルのオクテットのスコアを中心に演奏しているグループはあるが他はあまり聴く機会は無かった。探せば色々あるのだろうが。

守屋純子のノネットのライブがTUCであった。ちょうどその日は夕方から予定があったのだが、予定がキャンセルになったので急遽駆けつけることができた。ちょうどBフラットでは923ビッグバンドがあったが、こちらは何度も聴いているので今回はこちらに。

開演まで少し時間ができたので、久々に近くの神田の街を歩いてみた。
駿河台下から神保町にかけては予備校時代、会社勤めを始めた頃慣れ親しんだ街なので路地の裏まで知り尽くしていたが、目的も無くゆっくり歩くのも久しぶり。初めての場所のタウンウォッチングと異なり、勝手知った街は、何が変わっているかを見定めるのも楽しみの一つである。

最近はどこの街に行ってもチェーン店全盛時代だが、この辺りにはまだ拘りの美味しい物を食べさせてくれる店が多い。久しぶり歩いてみたが、懐かしい看板がいくつも、まだまだ古い店が残っている。
その中の一軒、共栄堂のスマトラカレーを食した。
火事で焼けた戸建ての店からビルの地下に移ってから大分経つが、相変わらず昔ながらの特徴ある味は変わらない、食前に出てくる熱々のスープもこの時期は有難い。カレーは食べた瞬間はあまり辛さを感じないが、ジワジワ効いてくるタイプ。そしてここのもう一つの名物は焼きりんご。丸々一つは食べではあるし、甘さを控えてじっくり焼き込んだ味はカレーの後にはピッタリ。お勧めです。





さて、守屋純子のノネット。デビュー当時のアルバムがあるがライブで聴くのは初めて。
特に奇抜なアレンジではないが、彼女のビッグバンドの原点ともいえるモダンなアレンジを楽しめる。メンバーも一流処が揃って、曲は”A Foggy Day”からスタートしたが、CDに収められている曲中心にスタンダードあり、オリジナルありで彼女の本領発揮というところだ。オリジナル曲はどれも意欲的で、秋吉敏子を筆頭に女性作曲家は若手に至るまで誰もが情景や叙情の表現が直接的であり挑戦的なような感じを受ける。
何故かガーシュインに始まりガーシュインで終わるアンコールも” I Got Rhythm“であったが、皆のソロを披露するエンディングに相応しい選曲だった。ジャムセッションのように大ブローで終わるのではなく、きちんとアレンジで収められているのはノネットならでは。

そして、もう一つ当日の拾い物は彼女のピアノソロ。ちょうど1部と2部の間で聴けたが何とラグタイムピアノ。何でも近々コンサートでも披露するそうだが、スコットジョプリンのメイプルリーフラグやジェームスPジョンソンが聴けるとは。最近トラッド回帰しているので楽しい幕間のひと時だった。

このアルバムが録音されたのは1997年。彼女が本格デビューした直後の今から15年以上前だが、今でも斬新さを感じるアレンジだ。アルバムのメンバーは彼女がアメリカに留学していた時のプレー仲間、そして録音はルディーバンゲルダーという本場のミュージシャン、スタッフを起用したニューヨーク録音。

因みに、今回のライブのメンバーは、

守屋純子(pf)
奥村 晶(trp)
岡崎好朗(trp)
近藤和彦(as)
岡崎正典(ts)
岩持芳宏(bs)
パット・ハララン(trb)
中村健吾(b)
広瀬潤次(ds)

という強力な布陣。もちろん彼女の15年前の意欲作を色褪せずに再現してくれた。

ラージアンサンブルもなかなかいいものだ。近々探してまた出かけてみよう。

1. Dancing Puppet        Junko Moriya 7:12
2. A Foggy Day         G.Gershwin 4:13
3. Watercolor         Junk Moriya 6:01
4. One For The Art Festival   Junko Moriya 10:35
5. Song For K         Junko Moriya 5:45
6. Cheerful Colors       Junko Moriya 6:27
7. Lullaby           Junko Moriya 5:07
8. All The Things You Are    J.Kern 6:32
9. Stardust           H.Carmichael 5:40
10. In Your Own Sweet Way    D,brubeck 6:37

Junko Moriya (p)
Ron McClure (b)
Tony Reedus (ds)
Ryan Kisor (tp,flh)
Chris Potter (as,ss,fl)
Willie Williams (ts)
Scott Whitefield (tb)
Howard Johnson (bs,bcl)

Produced by Don Sickler
Recording Engineer : Rudy Van Gelder
Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Clliffs, N.J. on May 14,15,1997


マイ・フェイヴァリット・カラーズ
Junko Moriya
Spice of Life
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

好きなジャズでも最近の世間の動向には疎くなっていた・・・

2013-12-06 | CHRISTMAS
Jazz Piano Christmas / Beegie Adair

12月に入ると街はすっかりクリスマス一色。最近は、車で移動することも多く、盛り場に出掛ける機会も減っているのであまり肌感覚では感じることは少ないが。
このシーズンになると、ジャズもクリスマスアルバムを聴くことが多くなる。いいアルバムでも流石に暑い盛りにクリスマスアルバムを大音量で聴くのは憚れるし。さて、聴いてみようと思うのだが、別にクリスマスアルバムだけを纏めている訳ではないので探すのも一苦労。丁度、今週末は引越し予定、自宅や実家に散在していたレコード、CDの整理を始めたので丁度良いタイミング、何枚かを引っ張りだしておいた。

まず、このアルバム。何年か前に買い求め気楽に聴けるピアノアルバムとしてBGM的にはよく聴いていたのだが。このピアノを弾いているビージー・アデール。自分は名前も忘れていたが・・・。
ところがこのアデール、ここ数年ブレークしていて日本でも大人気。彼女のアルバムはここ数年常に売上のランキング上位、そしてリリースされているアルバム数も半端ではない。
これだけ流行っているのを知らなかったとは…、拘りのそれもニッチな昔の演奏ばかりに興味を持っていると、世間の情勢には疎くなるものだ。スイングジャーナルを眺めていた時にはそれなりにキャッチアップはしていたのだが。テレビも見ない、新聞も読まない生活をおくっていると次第にそうなっていくのだろう・・・。



日本では新人といってもすでに年齢は70歳を超えている大ベテラン。その彼女が何でこんなにブレークしているのか。ソフト、ロマンティック、スインギー、そして曲は有名曲(ジャンルを超えたスタンダード)のカバーが多い。まさにピアノトリオのお手本のような演奏だ。オスカー・ピーターソンが60年代に入ってSongbookシリーズを出してから多少ソフトタッチな演奏が増えたが、丁度そのような雰囲気が漂う。ライブハウスよりはラウンジが似合う感じだが、カクテルピアノよりはジャジーだ。

最近は居酒屋でもジャズをBGMにしている所が多い。「ジャズに興味を持ったら最初に何のアルバムを買ったらいい?」という質問には丁度いいかもしれない。

このアルバムはクリスマスアルバム、当然曲はクリスマススタンダードで聴きなれた曲が並ぶ。彼女のトリオの魅力に自然に引き込まれていく。
彼女の事を全く知らなかったが、思い返せばこのアルバムはよく聴いていた。クリスマスシーズン以外にも。実は何の予備知識は無かったが、自分も彼女のピアノの魅力に自然に取り込まれていたということだろう。
遅ればせながら、ヒットアルバムを今度聴いてみようと思う。



1, Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!       Sammy Cahn / Jule Styne 2:55
2. Santa Claus Is Coming to Town       J. Fred Coots / Haven Gillespie 3:08
3. Have Yourself a Merry Little Christmas      Ralph Blane / Hugh Martin 4:42
4. I've Got My Love to Keep Me Warm               Irving Berlin 3:16
5. The Christmas Song                 Mel Tormé / Robert Wells 3:24
6. The Little Drummer Boy    Katherine Davis / Henry Onorati / Harry Simeone 5:01
7. Frosty the Snowman               Steve Nelson / Jack Rollins 3:25
8. White Christmas                       Irving Berlin 4:26
9. God Rest Ye Merry Gentlemen                 Traditional 3:40
10. The Christmas Waltz               Sammy Cahn / Jule Styne 2:42
11. What Are You Doing New Year's Eve?             Frank Loesser 4:15
12. O Little Town of Bethlehem/When You Wish upon a Star   Ned Washington 3:12

Beegie Adair (p)
Roger Spencer (b)
Chris Brown (ds)
Recorded by Brendan Harkin at Wildwood Recording, Brentonwood, TN
Arranged by Beegie Adair
Produced by Jack Jezzro

Jazz Piano Christmas
Beegie Adair
Green Hill
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近「掘り出し物」にはとんとお目にかかれなくかったが・・・

2013-12-04 | PEPPER ADAMS
Message / Urbie Green Big Bnad

昔は、人に知られず人目に付かないところに知る人ぞ知るという「宝物」がたくさんあった。
ジャズのアルバムはもちろんのこと、食べ物屋であり、名産品であり、飲み屋であり、そして女性も偶然の出会いがたくさんあった。最近は何でもネットに情報が載る時代、簡単に情報を得て手に入れることができる。便利といえば便利だが味気ないものになった。

「宝物」を探してやっと手に入れた快感は格別である。そしてやっと探し当てたものが思っていた以上にいい出来栄えだと満足度は一段と上がる。まして人が見向きもしない中から見つけると。「掘り出し物」というと自分はこんなイメージだった。

最近では、何でもほとんどの物が規格品。全国どこへ行っても同じ店、同じ食べ物、そして女性も似たような雰囲気で変わり映えがしない。そして、いつの間にか掘り出し物というのは安く買える事の代名詞になっているようだ。

1959年2月の初旬、ペッパーアダムスは4日連続レコーディングをこなしたが、チャーリーミンガスのヘビーな演奏を求められたアルバム”Blues and Roots”に先立ち、2日3日の2日間はビッグバンドの一員としてレコーディングに参加した。

そのビッグバンドのリーダーはアービー・グリーン。

トロンボーン奏者として名前はよく聞く。スタジオワークが多く60年代、70年代にかけても色々なオーケストラのクレジットには必ずと言ってもいいほど名前を見かけた一人だ。
しかし、リーダーとしての活躍はというとすぐにはアルバムを思い出せない。自分も持ち合わせていなかったし、特に追っかけて聴き込んだ記憶もない。
アダムスの参加しているアルバムを追いかけていたら、たまたまこのアルバムに出会った。

58年から59年にかけてはビッグバンドの世界も大きく変化した時。ガレスピーも頑張っていたが解散した。スイングオーケストラからモダンビッグバンドへの変化の波が押し寄せたビッグバンドの世界、ベイシー、エリントンといった老舗のバンドも衣替えを図っていったし、ファーガソンやクインシーといった若手による新興ビッグバンドも生まれた頃だ。

前年1958年の秋にはベニー・グッドマンのオーケストラに加わって久々にスインギーな演奏に参加したアダムスであったが、このアービー・グリーンのビッグバンドも基本はスインギーなダンスミュージックオーケストラだ。
改めてアービー・グリーンのキャリアを追ってみると、ジーンクルーパーのグループに参加し、バッククレイトンのジャムセッションシリーズにも。そしてハーマンのサードハードとキャリアを積む。ベニー・グッドマンのビッグバンドにも在籍していた。
そこで50年代の後半、一度は自分のビッグバンドはという思いで自己のバンドを編成し、何枚かのアルバムを出している。

60年代に入るとトミードーシーオーケストラを引き継ぎ、ベイシーにも在籍した。基本はスイング時代の流れを組む綺麗なトーンのトロンボーンの第一人者だ。そして、その後はスタジオワークが多く長く現役で活躍していた。まだ健在のようだ。

この1958年2月のセッションが入っているアルバムを探したら、ちょうど1956-1959年のコンプリートアルバムがあったので早速購入したが、4枚のアルバムがパッケージされている。その4枚目がこの日のセッションだ。オリジナルのアルバムタイトルは“Message”。ところが、このアルバム録音は1959年だが世に出たのは1986年になってからとのこと。いわゆるお蔵入りになっていたアルバムだった。



駄作だったのかと多少気になりながらCDを聴き進むと、前作からこのアルバムのタイトル曲“Message”になると、突然雰囲気が変わる。
ライナーノーツを見ると、アレンジはアービー・グリーン自身が行っている。曲を見渡すと、ベイシーのワンオクロックやハーマンのアーリーオータムなどが入っている。そしてグリーンのオリジナルも。

アレンジのせいか、録音のせいか、はたまたプレーヤーのせいか、オーケストラの響きが前作までと異なる。アダムスのバリトンがアンサンブルの中の低音域を歯切れよく下支えしている。スイングオーケストラというよりは、明らかにモダンビッグバンドだ。周囲の変化に影響されたのか、グリーンも「自分だって」という気持ちで制作されたのかもしれない。

アンアンブルとソロのバランスも絶妙だ。アレンジもワンオクロックのお馴染みのリフをうまく料理している。曲毎に細かい配慮を随所に感じさせる。最後のアーリーオータムもお馴染みのアンサンブルはサックスではなくトロンボーンのアンサンブルで、アダムスのバリトンがソロを引き取り、キューンのクラリネットに繋げて締めくくる。全9曲があっと言う間に終わる。

単なるダンスバンドと思ったら大間違いだった。このアレンジだとアダムスを起用する意味合いも十分に理解できる。アダムスのソロでの出番も多い。
アダムスのおかげで、久々の「掘り出し物」に出会う事ができた。
ライナーノーツの最後も「便り(Message )が届くまで大分長い時間が掛かったが、待つ価値は十分にあった」と締めている。

当時ダンスオーケストラと甘いトロンボーンで人気を得てアルバムを出し続けていたグリーンだが、この豹変ぶりにメジャーレーベルは出し渋ってお蔵入りにしたのかもしれない。
訳アリでお蔵入りしている未リリース録音にも「掘り出し物」はまだまだありそうだ。

1. The Message        Urbie Green 3:23
2. I'm Confessin'       Dougherly-Reynolds-Neiburg 2:13
3. But Not For Me       George & Ira Gershwin 2:36
4. Goodnight My Love     Gordon-Revel 2:38
5. One O'Clock Jump      Basie-Durham 6:48
6. I'm Through With Love   Kahn-Malneck-Livingston 4:05
7. Whirlaway        Urbie Green 5:32
8. I'm In A Dancing Mood   Sigler-Goodhart-Hoffman 2:37
9. Early Autumn         Burns-Herman-Mercer 3:25

Urbie Green (tb,arr,)
John Carisi, Bernie Burt Collins, John Frosk, Irving "Marky" Markowitz (tp)
Eddie Bert, Billy Byers, Marshall hawk (tb)
Hal McKusick, Rolf Kuhn (as,cl)
Don Lanphere, Dick Hafer (ts)
Pepper Adams (bs)
John Bunch (p)
Barry Galbraith (g)
Teddy Kotick (b)
Nick Stabulas (d)

Recorded on February 2 & 3 1959, in New York




Complete 1956-1959 Recordings
Urbie Green
Lonehill Jazz Spain
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古き良き時代の楽器を存分に・・・・・

2013-12-02 | MY FAVORITE ALBUM
Melody From The Sky / Scott Robinson plays C-Melody Saxophone

今年もマリアシュナイダーが来日する。昨年は初来日ということもあり会場のブルーノートは大盛況であったが今年も多くのファンがかけつけることであろう。
このマリアシュナイダーオーケストラのサックスセクションの重鎮にスコット・ハミルトンがいる。昨年はマンハッタンジャズオーケストラにも加わって来日した。秋吉敏子のオーケストラにもいたことがあるし、フルバンドでもコンボでもスタイルを問わず何でもこなせるオールマイティーなプレーヤーだ。一見特徴が無さそうだが・・・・

このロビンソン、自分のグループの演奏となると、スタイルはどちらかというとコンベンショナルなスタイルになる。それも、曲だけでなく楽器も古き良き伝統を重んじている。特に楽器のマルチプレーヤーふりは半端ではなく、今では博物館にでもいかなければ無い様な代物まで登場する。

さて、このアルバムの主役はCメロディーサックス。
トラディショナルジャズはクラリネットが主役。サックスは脇役であったが、時にテナーともアルトともつかないやや明るい感じのサックスの音色を聴くことがある。1920年代のサックスは、このCメロディーサックスがジャズでも多く使われていたようだ。今では作られていないCメロディーサックスの魅力を存分に味わえるのがこのアルバム。

曲も、当時のビックスバイダーベックの曲から、ロビンソンのオリジナルまでバラエティーに富んでCメロディーサックスの特徴を生かす選曲とアレンジが綿密に施されている。バックも単にピアノトリオだけでなく、オルガントリオ、ストリングスカルテット、アコースティックギター、マリンバ、ギターを加えたカルテット、トランペットを加えたクインテット、ピアノとのデュエットなど曲に合わせて実に多彩に考えられている。

エリントンの”Isfahan”も演奏しているが、この曲はジョニーホッジスの名演で有名なエリントンナンバー。先日来日したエリントンオーケストラではアルトのチャーリー・ヤングが好演をしていたが、ここではアルトとは一味違った魅力をこの曲に提供している。
“C Here”では、オルガントリオをバックに、コルトレーンのカルテットのようなアプローチまで、Cメロディーサックスがモーダルなジャズにも通用することを証明している。
個人の技を競い合うようなセッションプレーを重視した演奏も魅力だが、このようにプログラムされ尽くして何かをアピールしようというアルバムも貴重だ。

このアルバムが作られたのは1998年。この楽器の魅力を21世紀にも繋げようという意志でつくられたようだが、果たしてこのCメロディーサックスの運命は今ではどうなっているやら?
アメリカの家庭にはこのCメロディーサックスが使われなくなってたくさん眠っていたようだが、ネットオークションが普及してこれらの死蔵品が大分世に出回るようになったとか。復元・修理されて吹かれる機会が増えたのであれば、ロビンソンも同好の士が増えて喜んでいることだろう。
いずれにしても、ロビンソンの多芸・多才ぶりには恐れ入るばかりだ。


ライブではこんな演奏も・・・一度聴いてみたいものだ。



Scott Robinson (C melody Sax)
Larry Ham (p,org)
James Chirillo (g)
Lee Hudson (b)
Jon-Erik Kellso (tp)
Mark Shane (p,org)
Greg Cohen (b,bass Marinba)
Marty Grosz (g)
Klaus Suonsaari (ds)
Valerie Levy (vin)
Ming Yeh (vin)
Carol Benner (viola)
Hong-Chi Chen (cello)

Produced by Scott Robinson
Recorded by Jay Newland
Recorded at Edison Studio, New York City on November 11 & 12.1998



1. Davenport Blues      Bix Beiderbecke 5:46
2. Where Is Love?      Lionel Bart 3:45
3. Just Like a Melody Out of the Sky  Walter Donaldson 2:59
4. Isfahan          Duke Ellington / Billy Strayhorn 4:49
5. Yardville        Scott Robinson 6:35
6. I'm Making Believe    Mack Gordon / James V. Monaco 3:35
7. Saxophone Blues      Al Bernard / Rudy Wiedoeft 8:27
8. This Is No Laughing Matter    Al Frisch / Buddy Kaye 3:42
9. Sweet Rhythm         Eddie Wilcox 4:26
10. The Swan (Le Cygne)     Camille Saint-Saëns 2:36
11. Ups and Downs    Scott Robinson 5:34
12. Count Your Blessings (Instead of Sheep)    Irving Berlin 3:54
13. For No Reason at All in C   Bix Beiderbecke / Frankie Trumbauer 3:32
14. Singin' the Blues  (Till My Daddy Comes Home)
Con Conrad / Sam M. Lewis / Jimmy McHugh / J. Russel Robinson / Joe Young 2:37
15. C Here           Scott Robinson 4:41
16. A Melody from the Sky    Louis Alter 4:27



Melody From the Sky
クリエーター情報なし
Arbors Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

毎年、去る物もあれば、来る者もいる・・・・

2013-12-01 | JAZZ LIFE
Erika Fukasawa Orchestra 1 st. Live @保谷こもれびホール 

11月の自分の誕生日を過ぎると冬の訪れとともに忘年会シーズン、今年も別れもあれば新たな出会いもあり、この一年を改めて振り返る季節となった。
昨年は母を亡くした後、親戚に不幸が続いた。皆お世話になった近しい叔父たちであったので、世代替わりを痛切に感じた。反対に今年は新たな出会い、そして旧友たちとの再会が多く、何か新たな人生のスタートを感じた一年であった。

先週、もう一つの別れがあった。17年間乗った車が引退した。自分はあまり車を替えないで長く乗るタイプなので一層乗り続けた車に愛着が沸く。昔、キャンプやスキーに良く行っていた時に買い求めたSUVであるが、最近はもっぱらゴルフに行く時の足。ゴルフに行く頻度が増えるのに合わせて走行距離も伸びもうすぐ25万キロだった。たいした故障もせずに、エンジンは絶好調で毎週よく走ってくれたが、寄る年波には勝てず最近は足回りにガタが来始めていた。自分の体と同じかもしれない。最近のエコとは程遠い車だったが、横顔が好きな車だった。


という訳で、乗り潰す予定であったが、止む無く入れ替えを決めたという次第だ。ハイブリッド全盛だが、新しい車は走りにも少し拘りたくてディーゼルにしてみた。さてどんな付き合いになるか楽しみだ。

ジャズの世界でも、今年はシダー・ウォルトンや先日はフランク・ウェエスの訃報が届いた。反対に新人となると残念ながら欧米事情は詳しくないが、日本では最近ライブに良くいくせいもあり、期待の新人、若手を聴く機会も多い。

先週28日にある新人女性作編曲家のコンサートがあった。深澤恵梨香。平成元年生まれということなのでまだ25歳。
先日923Bigbandのライブへ行った時に、このコンサートのフライヤーが配られた。もちろん初めて聴く名前だったが、内容がストリングスを含むオーケストラであったこと、そして参加しているメンバーが普段聴く一流ビッグバンドの錚々たるメンバーということで、気にはなっていた。するとツイッターでコンサートの案内が、それがきっかけで予約をして行ってみた。

場所は、西東京市のこもれびホール。あまりジャズのコンサートでは行ったことが無い場所だった。200席くらいの小さなホールであるが、感じのよいホールだ。

改めて編成を見ると本格的なストリングスにTp3、Tb3、Sax4,それにフルートとクラリネット、それにピアノ、ベース、ドラムスに、パーカッションいう大編成。ジャズのビッグバンド編成でもないし、クラッシックのオーケストラ編成でもない、まさにジャズとクラシックを融合させたオーケストラだ。

曲は彼女のオリジナルが中心だがジャコの曲なども。最初は彼女が強烈な印象を受けたというトランペットの小幡さんとテナーの竹野さん(今回はアルトとバリトンであったが)をイメージし、2人をフィーチャーした曲からスタート。その後トランペットの3人の個性を上手く生かした「キャラバンの到着」。その後も、クラリネットフルート、トロンボーン・・・さらには、ピアノ、ベース、ドラムやパーカッション、バイオリンなどの順番にフィーチャーする曲が続く。確かに、これらの曲ではソリストが重要。一流のメンバーを揃えていただけあって、すべての曲が聴きごたえのある演奏だった。

それにしても、まだ学校を出てまもない彼女だが、ジャズのフルバンドの魅力を知ったのはそれほど昔ではないであろう。夏のクインシージョーンズのコンサートに行って感激したと言って自分でアレンジした曲もあった。また、今回のリハーサルの最中に打楽器の多彩な音にびっくりしたというように、まさに発展途上の彼女だが、ファーストコンサートでここまでの作品を数多く仕上げるとは並の才能ではなさそうだ。自分が影響を受けたプレーヤーを1stコンサートに招いて一緒に演奏できるというのも、実力だけではなく強運の持ち主であろう。

女性の作品は秋吉敏子や宮嶋みぎわがそうであるように、自分の体験した情景や感情を音にするのが得手なようだ。曲という素材だけでなく、今回のような28人ものプレーヤーの譜面一つ一つに上手く表現されているように思う。昔から、シンフォニックジャズはジャズとクラシックの融合とかいわれるが、彼女の場合はいきなりジャンルを超えた世界を作り上げてしまったように思える。あのマリアシュナイダーでさえ、長年の活動を経てやっと彼女のオーケストラからジャズの名前が消えたのだが。

いいコンサートであった。本格的に作編曲を学んできた彼女の今後の活躍に期待しよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする