A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ブルースで育ったアネスティンアンダーソンが久々にブルースづくしで・・・

2016-03-15 | CONCORD
When The Sun Goes Down / Ernestine Anderson

ベテランミュージシャンの「再生」を得意としたコンコルドは、ボーカリストの再生も手掛けた。一番の成功はローズマリークルーニーであったと思うが、このアネスティンアンダーソンもその一人だ。一度はアメリカを離れて活動をしていたアンダーソンを再びアメリカで活躍するきっかけを作ったのはレイブラウンであった。再デビューアルバムに付き合って以来、いつもアンダーソンのアルバムには一緒にプレーしてきたが、前作”Big City”ではモンティーバドウィックにベースの席を譲っていた。

アンダーソンは、子供の頃ブルース好きの両親の元で育った。何事においても幼い頃の幼児体験が大人になって役立つと言われているが、彼女のブルースフィーリングは生まれ育った環境によるものかもしれない。といっても、彼女の場合はオールラウンドシンガー。ブルースだけでなく、スタンダードからポップスまで何でもこなす。ブルースは彼女の幅広いレパートリーの一部であった。彼女のブルースをタップリ聴きたいと思うファンも多かったのだろう。

そんなファンの気持ちを察知したのか、ジェファーソンが彼女のブルースアルバムを企画した。オーナーの片腕であり、アンダーソンの後見人ともいえるレイブラウンは早速段取りを始めた。コテコテのブルースだけでなく、ブルース風の曲、そして古い曲だけでなくザヴィヌルのマーシーマーシーマーシーまでを選んだ。
ブルースに拘るとなるとバックのメンバーも大事だ。ピアノにはジーンハリスを起用した。アンダーソンとは昔、ライブで一緒にステージを共にしたこともあった。そして、テナーにはレッドホロウェイ。コンコルド初登場だがブルースナンバーの歌伴には良い人選だと思う。ドラムには若手だが、ジョーウィリアムスのバックも務めたゲーリックキング。今回はベースも自ら務め、全体のアレンジもレイブラウンが担当した。

お膳立てはすべて揃って、お馴染みの”Goin’ To Chicago Blues”からスタートする。そして最後のマーシーマーシーまで一貫してブルースフィーリングで歌い通す。ブルースに拘ったアルバムにしようというレイブラウンの思惑通りの出来に仕上がったのではないだろうか。ジャズ歌手であればブルースの一曲や2曲はアルバムやステージのプログラムに入れるのは当たり前だが、全曲ブルースに拘るというのもたまにはいいものだ。



コンコルドでは7枚目になるが、その後もコンコルドでのアルバムは続く。その後は?と思ってディスコグラフィーを見ると、2011年まではアルバムを出している。まだ健在のようなので。前回紹介したリーショーのように米寿になってもまだどこかで歌い続けているかもしれない。

このセッションがきっかけになったのか、ジーンハリス、レッドホロウェイも2人もコンコルドに登場する。

1. Goin' to Chicago Blues            Count Basie / Jimmy Rushing 4:48
2. Someone Else Is Steppin' In                Denise LaSalle 4:45
3. In the Evening (When the Sun Goes Down)            Leroy Carr 7:20
4. I Love Being Here with You           Peggy Lee / Bill Schluger 4:59
5. Down Home Blues                      George Jackson 6:04
6. I'm Just a Lucky So and So          Mack David / Duke Ellington 6:21
7. Alone on My Own                      Tony Webster  3:18
8. Mercy, Mercy, Mercy Johnny "Guitar" Watson / Larry Williams / Joe Zawinul  4:57

Ernestine Anderson (vol)
Red Holloway (ts)
Gene Harris (p)
Ray Brown (b)
Gerryck King (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California. August 1984
Originally released on Concord CJ-263

When the Sun Goes Down
クリエーター情報なし
Concord Records

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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大変残念ながら、、 ( Love Ernestine forever!)
2016-08-12 18:01:27
私の一番好きなシンガーErnestine Andersonは貴殿のブログ更新の5日前の3月10日に87歳で旅立ちました。寂しい限りです。ライブで3回聴きお会いできましたが、もっともっと聴きたかったです。こちらのブログで取り上げて頂き嬉しく拝見させて頂きました。ジャズシンガーが歌うブルースはいわば形を借りたものであることも多くライブで全曲ブルースは歌えないはずです。彼女のブルースは魂から来るもので本物でした。エラもサラもカーメンもシャーリーも敵いません。唯一ブルースを歌う事のできたのは彼女の他は女性ではダイナワシントン、男性では今もご健在のアーニーアンドリュースぐらいでしょうか。
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亡くなったとは知りませんでした (YAN)
2016-08-16 11:06:48
Love Ernestine foreverさん

コメントありがとうございました。
誰にでも思い入れのあるミュージシャンはいるもの。休止中のブログにもかかわらず、目にとめて頂いたのも、その思い入れがあるからこそだと思います。
本物は時代を経てもその良さは変らないと思います。
オーディオ装置が不調になったこともあり、しばらく古いアルバムの棚卸も休んでいました。
反対にライブにはよく行っているのですが、これを機に棚卸作業もボチボチ復帰したいと思います。

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