A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

桜が咲いたと思ったら、あっという間に今日で4月も終わり。

2007-04-30 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Count Basie / April in Paris

Sarahのアルバムで、スローでじっくり歌いこんだApril In Parisを聴いたが、この曲はやはりベイシーで聴かなければ。4月中に聴いておくことにしよう。
春の本番を感じさせる浮き浮きするようなベイシーサウンドだ。

パリと違って日本では4月は新年度、新学期と春の訪れだけではなく諸々区切りの月。
新緑に包まれる木々も新たな一年の始まりだが、我々も気持も新たにスタートラインにつくことが多い月だ。
正月、新たな年を迎えると、身に凍みる寒さが新しい年の緊張感を呼ぶが、しばらくは冬眠状態が続く。4月になると寒さも遠のき、気持ちも体もウォーミングアップ十分でスタートをきれるようになる。

新生BASIEオーケストラも、52年にモダンなサウンドを目指してフルバンドに再編したとはいえ、しばらくは試行錯誤のウォーミングアップの期間。この年から、ニューポートにも参加。名実共に、新生ベイシーオーケストラが本格稼動したのもこのアルバムからだろう。

この、新生ベイシーオーケストラの最初のヒット曲といえば、やはりこのApril in Paris。ベイシーが言わなくとも、思わず自然に“One more time”と誰もが言い出しそうな雰囲気の曲だ。

他にも、コーナーポケット、そして自分にとって大のお気に入り曲のシャイニーストッキングなど、ベイシーの定番が続く。
このアルバムで、ベイシーオーケストラも無事に「スタート準備の4月」を終え、5月病になることもなく、50年代後半の本格的な飛躍のステップに踏み出していく。

トランペットセクションには、後のサドメルのリーダー、サドジョーンズが。最後の2曲のトランペットセクションにクインシージョーンズの名前が。ガレスピーのオーケストラに加わる直前の参加だ。

このアルバムは、内容的にも、人材的にも、モダンBIG BAND時代の始まりとなる一枚だ。

April in Paris
Corner Pocket
Did'n You
Sweaty Cakes
Magic
Shiny Stockings
What Am I Here For
Midgets
Mambo Inn
Diner with Friends

Joe Newman, Thad Jones, Wendell Cully,Reunald Jones(tp)
add Quincy Jones(tp)
Henry Coker, Benny Powell, Bill Hughes(tb)
Marshall Royal(cl,as).Billy Graham(as)
Frank Foster,Frank Wess(fl,ts)
Charlie Fowlkes(bs)
Freddie Greene(g)
Eddie Jones(b)
Sonny Payne (ds)

Recorded in NY, Jul.26,27,1955 : Jan.4-5,1956
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旧知の仲でも、なかなか一緒に演奏する機会がないこともある

2007-04-29 | MY FAVORITE ALBUM
TOGETHER AGAIN-FOR THE FIRST TIME / MEL TORME & BUDDY RICH

この2人もどうもそういう仲だったらしい。
BUDDY RICHがオーケストラを再編して約10年。短命に終わるのではという世間の心配を他所に、コンスタントに活躍を続けていた。
ちょうど10年前の立ち上げの時は、サミーデイビスJr.のバックを努めたが、今度は、よりJazzyな歌い方もするMel Tormeとの共演。
前年にGryphonレーベルと契約したトーメであったが、ProducerのNorman SchwartzがこのRichとの共演を企画した。

このアルバムの録音がプランされた時、RichのオーケストラはMiamiで演奏中。TormeはLas Vegasでショーの真最中。プロデューサーはLondonに。録音が行われるNew Yorkに三々五々集まる予定であったが、季節は1月。全国的な雪で飛行機は欠航、バスは大きく迂回をする有様。予定が大幅に遅れて時間が無い中での録音になったそうだ。
広いアメリカ大陸の中で、各地で活動する有名プレーヤの共演セッションを企画するのが大変だということが良く分かる。

一日目は呼吸合わせに時間がかかったが、2日目からは呼吸もぴったり。
このアルバムのハイライトは、やはり呼吸も合ってきた最後の曲、”Lady be good” だろう。エラに捧げたこの曲は、トーメがスキャットで縦横無尽に歌いまくるが、最初のコーラスはエラの30年以上も前に録音されたChick Webbのオーケストラでのスキャットをコピーし、最後は、Four BrothersやSister Sadie 、そしてAir Mail Specialのフレーズまで飛び出す大サービス。

何となく様子見で始まった2人の共演も、この一曲でまずは大成功といったところだろう。
初めてのお見合いでもすぐ打ち解けた仲.
ジャケットの2人の写真を見ると幸せ一杯という顔をしている。
一緒にショーにでも出演していて付き合いを深めたら、もっと親しい仲になれたかもしれない。2人の玄人好みのコラボが何かを生み出したような気がする。


1 When I Found You Randall 3:18
2 Here's That Rainy Day Burke, VanHeusen 4:56 (*)
3 Blues in the Night Arlen, Mercer 8:05
4 Bluesette Gimbel, Thielemans 3:30
5 You Are the Sunshine of My Life Wonder 4:30
6 I Won't Last a Day Without You Williams, Nichols 3:56
7 Oh, Lady Be Good Gershwin, Gershwin 4:37

produced by Norman Schwartz
Chuck Schmidt,Dean Pratt,John Marshall,Dave Kennedy (tp)
John Mosca,Dale Kirkland,Dave Boyle (tb)
Tony Price(tuba)
Chck Wilson,Alan Gauvin,Steve Marcus,Gary Pribek,Greg Smith (saxes)
Hank Jones(p)
Tom Warrington(b)
Buddy Rich (ds)
Mel Torme (vol)

Phil Woods (as) *

Recorded at RCA studio, New York, January ,1978
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名プロデューサーBob Shadが、カーメンマクレーのプロデュースをすると。

2007-04-28 | MY FAVORITE ALBUM
Women Talk,Live At The Village Gate / CARMEN McRAE

Emercyのクリフォードブラウンとヘレンメリルサラヴォーンの共演アルバムのProducerはBOB SHAD。エマーシーで幾多の名作を残している名プロデューサーだ。
JAZZだけではなく、R&B、そして晩年はRockのアルバムなどもProduceした。
Mercuryレコードを辞したシャッドは、60年代に入って自己のレーベル「Mainstream」を設立した。
まさに、メインストリームなJAZZを出したが、Carmen McRaeも、このレーベルから、Bob Shadのプロデュースの元、何枚かのアルバムをだした。

Roland Hannaが「ピアニスト」だとすると、「マクレーは『シンガー』だ」とShadがライナーノーツに書いている。
歌手というと、レコードや、クラブや、そしてステージと、歌う場所で微妙にそのニュアンスが違う。歌手によって歌うシーンの得手不得手もある。
マクレーはオールマイティー。彼女の歌う姿をどのようなシーンで思い浮かべてみても、ぴったりはまる貫禄を常に備えている「シンガー」だ。
中でも、ライブのマクレーは一段と魅力がある。聴衆に向かって訴えかけるような、説得力のあるしっかりした歌い方が彼女の特徴だろう。

場所は、New YorkのVillage Gate。ステージとしては申し分ない。
Billie holidayの有名な、Don't explainから、新しいShadow of your smileまで、幅広い選曲、そしていつもと違ってラテンパーカッションなども加えて、盛り上がったステージを演出している。
タイトル曲のWoman Talkに相応しい、大姉御の大人の魅力たっぷりの歌いっぷりが際立つ。

Sometime I'm Happy
Don't Explain
Woman Talk
Kick Of Your Shoes
The Shadow Of Your Smile
The Sweetest Sounds
Where Would You Be Without Me?
Feelin' Good
Run, Run, Run
No More
Look At That Face
I Wish Were In Love Again

Carmen McRae (vol)
Ray Beckenstein (fl)
Norman Simmons (p),
Joe Puma (g),
Paul Breslin (b),
Frank Severino (d)
Jose mangual (bongos)

Recorede live at The Village Gate" New York, 1965

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ROLAND HANNAは、JONES兄弟と同じデトロイト出身。

2007-04-27 | MY FAVORITE ALBUM
Dear John C. / Elvin Jones

よくモータシティー出身のミュージシャンといわれるように、ここデトロイト出身のJAZZプレーヤーは一大勢力を誇っている。
Hank Jonesを長兄とする「Jones3兄弟」もデトロイト出身だ。
サドメルのリーダー、サドジョーンズの元に、ローランドハナやペッパーアダムスなどが集まり長い期間在籍したのも、お互い同郷のよしみだったからかもしれない。
今のようにネット社会で自由にコミュニケーションがとれなかった時代、地方から見知らぬ都会に出て頼りになるのは地縁、血縁なのは何処も同じ。

このアルバムは1965年の録音。
前年「至上の愛」を録音したコルトレーンが、同じインパルスレーベルから矢継ぎ早にアルバムを発表した年だ。
それに参加しているElvin Jonesがリーダーとなって、タイトルどおり「親愛なるコルトレーンに捧げた」アルバムだ。

新しいモードジャズの流れの中、エルビンジョーンズのドラムも、4ビートから絶妙な脈動を感じさせる新しい流れのドラミングが確立していた。
中堅どころのメンバーが集まって、あまり肩肘張らずに新しい流れに取り組んだ一枚だ。

アルバムに記されているように、新鮮で、メロディックで、スイングも忘れずに。
曲もオリジナルとスタンダードが半分ずつ。ピアノも、ハンクジョーンズとローランドハナとで半分ずつ。
この2人のピアニスト、そしてベースのリチャードデイビスは、実はサドメルのオーケストラがスタートした時期のメンバー。
このアルバムの録音の後、まもなくしてサドメルも活動を開始している。
このセッションもなんとなくサドメルへ誕生へのステップのような気がする。

でも、このアルバムでのハナのプレーはやはり脇役。
サドメルでの活躍を経て、表舞台に立つのはまだ10年も先のことである。

Smoke Rings
This Love Of Mine
Anthropology
Feeling Good
Fantazm

Charlie Mariano (as)
Hank Jones (p -3/6)
Richard Davis (b)
Elvin Jones (d)

Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 23, 1965

Dear John C.
Ballade
Love Bird
Everything Happens To Me

Charlie Mariano (as)
Sir Roland Hanna (p -1/3)
Richard Davis (b)
Elvin Jones (d)

Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 25, 1965
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ロ-ランドハナは本物のピアニスト

2007-04-26 | MY FAVORITE ALBUM
1x1 / ROLAND HANNA & GEORGE MRAZ

ロランドハナのディスコグラフィーを見ると、SOLOやDUOのアルバムが非常に多い。JAZZであれば普通はトリオ編成からが普通。特に、ピアノがリーダーになると、管を入れたセッションよりトリオの演奏は多くなるが。ソロやDUOもあるがそれは稀である。
ところがハナの場合は、ソロやDUOのアルバムがトリオと同じくらいある。
ピアノ一台でも十分味わいのある演奏ができる、まさに本物の「ピアニスト」だといえる。

ところが、ハナのリーダーアルバムとなると70年代になってからが大部分。
40歳を過ぎてから本格的に活動を開始した大器晩成型だ。
自分がハナを知ったのは、サドメルを通じてであったし、実際にライブを聴いて、好きになったのは68年の来日の時から。
その時、早速ハナのアルバムを探したが結局見つからずじまい。
ELVIN JONESのアルバムに、その名前を見つけたのは嬉しかった。50年代に何枚かのリーダーアルバムの録音があるが、その実力とは裏腹に若いときはマイナーなミュージシャンであったということであろう。

サドメルの1974年の2度目の来日のとき、メンバーの何人かにオーケストラとは別のセッションでの録音の話がいくつか持ち上がった。
ハナもその一人だった。
ピアノトリオを予定したが、まずはドラマーが見つからなかった。オーケストラのリーダーのメルルイスという話もあったらしいが契約の問題で難しく、結局はDUOでの録音になった。
さらに大変だったのはまだまだメジャーではなかったハナのリーダーアルバムを出すレーベルがみつからなかったらしい。結局、評論家でもあった悠雅彦氏が自費出版のような形で発売したのがこのアルバム。

DUOの相棒を務めたのは、サドメルのベースとして一緒に来日していたGORGE MRATZ。
内容は、「素晴らしい」の一言。
この手の企画はとかく単調になりやすのであるが、選曲、2人のテクニック、そしてソロにコラボレーションといいあっというまに両面の7曲が終わる。
どちらもクラッシックの素養があるせいかもしれない、ムラーツのボウイングでの演奏などが始まると、ジャジーな演奏とは少し違った美しいクラッシックの小品集を聴いているようだ。

この後、ハナはサドメルを離れ、モントルーにもソロで出演する。
ハナの新しい世界のスタートになったのも、この一枚がきっかけだったかもしれない。

ROLAND HANNA (P)
GEORGE MRAZ (B)

C JAM BLUES
IN A SENTIMENTAL MOOD
SCRAPPLE FROM THE APPLE
PERUGIA
OLEO
MY FUNNY VALENTINE
WISTFUL MOMENT

Recorded on March 9.11.13, 1974,Tokyo,Japan

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同じような企画を続けてやるのもアイディアの内?

2007-04-25 | MY FAVORITE ALBUM
SARAH VAUGHAN

企画を考えるには、何の世界でも想像力が必要だ。
次から次へとアイディアが出れば苦労はないが、所詮一部の天才を除けは、湧き出るようなアイディアはそうそう思いつくものではない。
プロデューサーとかクリエーターは、何か自分なりの特徴ある形を作って、その中でバリエーションを作っていくのが常であろう。
WESのアルバムに代表される、A&Mのシリーズを作ったクリードテイラーなどは、その顕著な例だろう。ただ、その企画の斬新さ、クオリティーが素晴らしいものであれば、2番煎じどころが、同じようなコンセプトの中で次に何が出るかが楽しみになる。

クリフォードブラウンとHELEN MERRILLの共演を企画をしたプロデューサーのBOBBY SHADは、その録音の数日前にこのSARAH VAUGHANと同じクリフォードブラウンとの共演を制作している。
結果的に、この2枚のVocalアルバムは、クリフォードブラウンとの共演で有名であるが。その録音当時は、まだまだブラウンといえども売り出し中。その後すぐに亡くなるとは思っていなかっただろうし、今のような伝説的なプレーヤーになることが分かっていたわけではないだろう。
ブラウンの共演も、もしかしたら偶然かもしれないが、同じような企画のアルバムが数日おいて続いて録音されたことは間違いない。そして、この2枚のアルバムは対のように、「クリフォードブラウンとの共演」という形でよく取り上げられる。
しかし、このアルバムのタイトルも、ただ「SARAH VAUGHAN」とだけ。
クリフォードブラウンも伴奏者の一人に過ぎない。
あくまでもサラがメインのアルバムだ。

サラのアルバムとしては、前に紹介した「CRAZY AND MIXED UP」が晩年の名作とすると、初期の名盤はこのアルバムだろう。
このアルバムの録音で、ホーンセクションがバックを務めた最後の録音が「It’s Crazy」。
それまでが、ヘッドアレンジ風のアンサンブルが施されていたのに対して、これはジャムセション的な演奏だ。まさかこの曲が、CRAZYだからといって、「CRAZY AND MIXED UP」につながっているわけではなかろう。

内容の紹介は改めてするまでもないと思うが、ララバイオブバードランドが始まると何か、テーマソングが流れたような気分になる。
そして、ゆっくりとしたテンポでピアノとのDUOで始まるAPRIL IN PARISはお気に入りだ。

Lullaby Of Birdland
April In Paris
He's My Guy
Jim
You're Not The Kind
Embraceable You
I'm Glad There Is You
September Song
It's Crazy

Clifford Brown (tp)
Herbie Mann (fl)
Paul Quinichette (ts)
Jimmy Jones (p)
Joe Benjamin (b)
Roy Haynes (d)
Sarah Vaughan (vo)

Fine Sound Studios, NYC, December ,16, 18, 1954

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メリルといえば定番になるが、久しぶりに聴いてみると・・・・

2007-04-24 | MY FAVORITE ALBUM
HELEN MERRILL

桜も終わり新緑の季節。一年で一番緑が美しく感じる時かもしれない。
花曇りの空の先週末のゴルフ場で。「淡い緑」が木々から湧き出て押し寄せてくるような感覚をもった。ぎらぎら輝く太陽の元、メリハリの効いた鮮やかな緑が飛び込んでくる感覚とは明らかに違う。
木々を良く見ると、同じ緑でも微妙に色が違う。ひとつひとつの木々の微妙に特徴ある色彩も美しいが、それらが合わさった全体の色のバランスは何ともいえない美しさを感じる。

HELEN MERRILLというと、このクリフォードブラウンとの共演が真っ先に上がる。
昔から何度も聴いたアルバムだが、久々に聴いた印象は、まさに今の季節そのものだ。

メリルの歌声は独特のハスキーボイス。夏の太陽のイメージとは程遠い。
春霞のオブラートにくるまれた春の景色の下絵のようだ。
クリフォードブラウンのアレンジはまさに木々の淡い緑。ひとつひとつの音は控えめに、派手さはないがお互いが絡み合って「モワっと」湧き出てくるような感覚は、今の季節の林を見ているようだ。
ブラウンのトランペット、ガルブレイスのギター、そしてバンクのフルート、・・・・・。
緑の木々に間に、転々と色づく春の花のようだ。

ブラウンとクインシーは友人同士。ライオネルハンプトンのバンドでは隣同士に座ってトランペットを吹いていた仲。
このセッションには、クインシーはアレンジで参加している。
メリルとブラウンの共演ばかりが、このアルバムの紹介されることが多いが、実は2人を浮かび上がらせる、クインシーの「木々の緑」のバックの色使いの妙が、このアルバムを魅力的にしているのではないかと改めて感じた次第。

でも、やはりこれはメリルの名盤だ。
改めてジャケットの表紙をみると、アルバムタイトルは「HELEN MERRILL」。
クリフォードブラウンの名前もクインシーの名前もない。

‘S WONDERFUL
YOU’D BE SO NICE COME HOME TO
WHAT’S NEW *
FALLING IN LOVE WITH LOVE *
YESTERDAYS *
BORN TO BE BLUE
DON’T EXPLAIN

HELEN MERRILL (vol)
Clifford Brown (tp)
Danny Banks (bs,fl)
Jimmy Jones (p)
Barry Galbraith (g)
Milt Hinton (b)
Oscar Pettiford (b) *
Bobby Donaldson (ds) *
Osie Johnson (ds)
Quincy Jones (arr.&cond)

春には程遠いニューヨークのクリスマスイブの録音。

Recorded in New York on 22,24 December , 1954

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歌伴をやると歌心が伝わるのか?

2007-04-23 | MY FAVORITE ALBUM
CRAZY AND MIXED UP / SARAH VAUGHAN

一曲目に針を落とすと、サラボーンの円熟した歌声が、ジョーパスのギター、そして、ローランドハナのメロディーの間を美しく軽快に飛び跳ねるピアノが。
ハナのピアノが、サラのバックにぴったり収まる。

ハナは、若い頃サラのバックを務めたそうだ。歌手との共演は自然と歌手の心が伝わるのか、この経験がハナの歌心のあるプレーの一面を作ったのかもしれない。
何年かぶりの共演だったかもしれないが、ハナのピアノはいつにも増して輝いている。

どれをとってもノーマルだし、まともだし。
何がクレージーで、混乱しているのか?
アルバムのタイトルの意味が、浅学の自分にとっては分からない。
これぞ、JAZZ VOCALのスタンダードといった雰囲気だ。

3曲目の枯葉になると一転これは普通の解釈ではない。
ジャズの世界ではマイルスとかエバンスとか名演が多い。
かなりのアップテンポのスキャットで始まり、パスのソロを挟んでそのまま最後まで一気にスキャットで駆け抜ける。
いつもの、物悲しげな雰囲気の「枯葉」の雰囲気はない。
これも、JAZZ VOCALのひとつの姿。

そして、ボサノバのリズムに乗った、ジアイランド。
ハナのオリジナルのシーズンズは、まさに季節の移り変わりを感じさせるような叙情的な美しい曲。
最後は、ハナとのDUOで、「美しすぎるあなた」をじっくりと聞かせる。

このアルバムはサラが自分でプロデュースした一枚。
プロデューサーとなると、選曲、伴奏者、アレンジ、そしてアルバム作りまで、何から何まで自分で決められる。
もしかしたらアルバムタイトルの意味は、限られたアルバム一枚分の録音の中で、サラが自分の想いをすべて出しきろうとして「混乱状態」にあったということかもしれない。
一曲毎に、サラの色々な側面が垣間見られる、名盤であることには間違いないが。

このアルバムの録音は1982年。
ちょうどCDが初めて世に出た年の録音。アナログレコードの時代の終盤の録音。素晴らしい音でとられている。
先日ある記事を見ていたら、CDには寿命があって20~30年しかもたないような事が書いてあった。
何十年も前のレコードが立派な音で再生されているのに、もしもCDがあと10数年して寿命を迎えて再生できないような事態になったら?
そんなことが起こらないことを願うしかない。

I Didn't Know What Time It Was
That's All
Autumn Leaves
Love Dance
The Island
In Love In Vain
Seasons
You Are Too Beautiful

Roland Hanna (p)
Joe Pass (g)
Andy Simpkins (b)
Harold Jones (d)
Sarah Vaughan (vo)

Hollywood, CA, March 1 & 2, 1982
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ヘレンメリルがプロデュースするローランドハナのソロピアノは如何に?

2007-04-22 | MY FAVORITE ALBUM
ROLAND HANNA PLAYS THE MUSIC OF ALEC WILDER

RUBY BRAFFのアルバムはガーシュインの作品集であったが、作曲家のソングブックのアルバムは数が多い。
以前、OSCAR PETERSONのアルバムを紹介したが、ピアノプレーヤーは特にSONG BOOKを好むのかもしれない。
引き続き気楽に聴けるアルバムとなるとピアノソロ。ローランドハナの一枚が手元にある。
比較的最近買った中古のCD。

あのヘレンメリルのプロデュースによるALEC WILDERの作品集だ。
ガーシュインやリチャードロジャースほど有名ではない。自分もすべての曲を知っているわけではないが、中ではJackie&Royの愛聴盤に入っていたMimosa And Meはお気に入りだ。

ハナは、サドメルのオーケストラで、長年のリズムセクションの重鎮を努めた。
このバンドはリズムセクションとはいってもソロパートになると本格的なプレーが繰り広げられるので有名だ。ハナのピアノは、曲のアレンジによっては流れるような華麗なピアノから、ファンキーなプレーまで、そしてバックにソロにと多彩なプレーを披露していた。

その風貌や、サドメルでの演奏からは想像しがたいが、元々はクラッシックのピアノの素養があるそうだ。が、実際のプレーはパウエルにも通じるJAZZそのもの。硬軟両刀遣いといったところだ。録音されたアルバムは、ソロやDUOも多く、実に多彩だ。

ソロとなると余計に個性がでやすいので、器用なハナがどのように料理をするのか。
軽々しくもなく、かといって気負いも無く、“ビューティフルなハナ”ワールドを聞かせてくれる。

プロデュースのヘレンメリルは一曲だけボーカルで参加している。
そういえば、クリフォードブラウンとの共演も最近聴いていないな。

The Starlighter
Mimosa And Me
While We’re Young
Blackberry Winter
Remember My Child
It’s So Peaceful
I’ll Be Around
That’s My Girl
The Sounds Around The House *
You’r Free
Moon And Sand
Ellen
The Star Wish

Roland Hanna (p)
Helen Merrill(vol) only *
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気楽に聴けるのは“自然体”

2007-04-21 | CONCORD
THE RUBY BRAFF & GEORGE BARNES QUARTET PLAYS GERSHWIN

何も飾らぬスッピンの美人。これに本当の女性の美しさを感じるのかもしれない。
確かにきれいに着飾って、一分の隙も見せない女性も確かに憧れだが。
本当はすごく人間臭く、変な気負いも無く、生身の肌感覚を感じるのがJAZZの素晴らしさ、女性と同じだ。

しかし、時代の進化と伴に、段々生の音が聴けなくなって来た。楽器が電子化されただけでではなく、録音技術の進歩し、電気的な加工が施されるようになってきた。単に編集してカットしたりするだけでなく、簡単にオーバーダビングできたり、イコライジングしたり、原音とは全く違う美しい音を聴かされることが多い。

入念に化粧を施されたレコードが多くなってきた中Concordレーベルが登場し、その音を聴いた時、そこに自然体の優しさに安らぎを感じることが多かった。
プレー自体は、熱っぽく行われているにも関わらず。

このアルバムも、録音されたテープから、何の加工もなくダイレクトにレコードにカッティングされたらしい。相変わらず、“自然体”の生の楽器の美しい音色が、ライブ録音特有の会場の雰囲気と共に聞えてくる。

Concordは基本的にギター好きだ。5作目も新しいギタリストが登場する。
今回は、George Barnesだ。
いわゆるアンダーレイテッドのプレーヤーだろう。GRADY TATEと同じで、元々スタジオワークが多かった。ブルース歌手の伴奏などで。
しかし、いわゆる電気ギターを使い出した内の一人らしい。そしてシングルトーンを使い出したのもチャーリークリスチャンより早かったとも。

ここでは、コルネットのルビーブラフとのコンビ。ドラム&ピアノレス。もう一本のギターとベースのカルテットという変則編成。
この頃、2人は、その双頭コンボでプレーをしていた。
ルビーブラフは、ディキシー、スイング系のコルネット。

リズムを刻むドラムも無く、バンド全体の音を引き立たせるピアノが無くとも、スインギーなサウンドが響き渡る。
「楽器の組み合わせは何でもいいのさ。俺たちは一人でもスイングできるんだぜ。何人か集まればなおさらだよ。」とでもいいたげな演奏だ。

曲はガーシュインの作品集。レコード化を意識したのかどうかは分からないが、ジャズフェステバルのプログラムで、作曲家の作品集をやるもの珍しい。

会場は、1974年のコンコルドジャズフェスティバル。
「GUREAT GUTARS」の登場とは同じ年だ。
1972年に復活したJATPをきっかけに誕生したPABLOレーベルも、この頃活動を本格化。
綺麗に化粧を施されたフュージョンが時代の寵児になって来たときに、「素顔の美人」を追い求めた2つのレーベルも元気になりだした。
“自然体のJAZZ”の復活をかけて。

1. 'S Wonderful
2. I Got Rhythm
3. They Can't Take That Away from Me
4. Nice Work If You Can Get It
5. Somebody Loves Me
6. But Not for Me
7. Summertime/Bidin' My Time
8. Love Walked In
9. Embraceable You
10. Liza (All the Clouds'll Roll Away)

Ruby Braff (cor)
George Barnes (g)
Wayne Wright (b)
Michael Moore (g)

Recorded Live at Concord Jazz Festival,July,26,1974
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忙しさに追われると気軽に聴けるアルバムについつい手が伸びる

2007-04-20 | MY FAVORITE ALBUM
GRADY TATE / After the long drive home

クリードテイラーのプロデュースしたアルバムのドラムの常連がGRADY TATEだ。
WESの「A DAY IN THE LIFE」の軽快なリズムはTATEのドラム。
リーダーというより、スタジオワークでどんなセッションでも確実に何でもこなすのが彼の特徴かもしれない。JAZZではないアルバムのクレジットをふと見ると、TATEの名前があることも多い。TATEの加わったアルバムの数はいったい何枚あるのだろう。
数からいえば、きっとドラマーのベスト5には入るだろう。

このTATEも実は歌が上手い。
BUDDY RICHの歌よりは低めのバリトン。温かみがあり、スローな中にもどこかリズム感があり、語りかけるような歌い方はジョニーハートマンをソウルっぽくした魅力がある。

もともと子供の頃から教会で歌を歌っていたが、12歳の時に喉を痛めて歌を止めたいたらしい。その後、独学で始めたドラムが本業になってしまったとは皮肉なものだ。
彼は陸軍に入っていた時も、ドラムを叩きながら歌を歌うのを夢みていたそうだ。演劇の勉強をして一時教職にもついていたのを、ドラマーとして発掘してNew Yorkに連れて来たのはWILD BILL DAVIS。
そして、その才能を見抜いて自分のBIG BANDに起用したのがQuincy Jones。Quicyの人材発掘そして育てる能力には感心する。1963年のことだった。
そしてCreed Taylerとの出会いで、その後のTATEのとんとん拍子の活躍の道筋が作られるのだ。
New Yorkに来ても、演劇を学んでいたらしいが、自分の想いとは異なりドラマーへの道がどんどん開けてしまったのかもしれない。
人のつながりで、生き方自体がどう変わっていってしまうか。人の一生とは偶然の積み重ね。不思議なものだ。

このアルバムは、1970年の録音。
「A DAYIN THE LIFE」の3年後。セッションドラマーとしては、すでにVERVE、A&Mなどでテイラーのプロデュースしたアルバムを通じて確固たる地位を得ていた。

ここでは、全編ボーカリストとしてのTATEの側面が聴ける。
もともと、歌手になることを夢見ていたTATEにとって、このレコーディングはやっと念願がかなったものかもしれない。
しかし、レーベルのSkyeも短命に終わってしまった。
メジャーレーベルで本格的に売り出していたら。そのまま、ベンソンのようにボーカリストとしての人生を送っていて彼の人生も変わっていたかもしれない。
もっとも、最近、またVocalアルバムもまた出しているようなので、結局、夢は叶えられているのかもしれない。2つの人生を歩めたのであれば最高の幸せものだ。

Prologue
After The Long Drive Home
Follow The Path
I Can Deliver
I Think It’s Going To Rain Today
There’s Nothing Between Us Now
In My Time
Interlude
Bridges
I’ll Try Again
Suicide Is Painless(Song From M*A*S*H)

Grady Tate (vol)
Arranged & Conducted By Harold Wheeler

James Buffington (frhrn)
Phil Bodner, Jerome Richardson, Walter Kane, Romeo Penque (reeds)
George Ricci (cl)
Jay Berliner (g)
Ron Carter (b)
Phil Kraus (perc,vib)
Grady Tate (vcl)
Gene Orloff, Aaron Rosand (vln)
Alfred Brown (viola)
Margaret Ross (harp)

Recorded A & R Recording Studios; New York City: April 1970
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吸殻に僅かに残る口紅が妙に気になる癒しの一枚。

2007-04-19 | MY FAVORITE ALBUM
A DAY IN THE LIFE / WES MONTGOMERY

MAYNARD FURGUSONのオーケストラがNewportに出演していたとき、トローンボーンセクションに座っていたのがドンセベスキーだ。
スタンケントンなどのBIGBANDにも在籍したことがあるが、1960年にはトロンボーンのプレーをやめて、作編曲に専念するようになった。
もっとも尊敬する作曲家はバルトーク、ストラビンスキーの曲は数多く聴いたとのこと。その影響か、JAZZだけでなくクラシックから前衛的なアレンジまで得意にしている。

プロヂューサーのクリードテイラーとのコンビの作品が有名だが、代表作のひとつに、WESの「A DAY IN THE LIFE」がある。
まさに、このブログのタイトルにもしている印象に残っている一枚だ。2度目の登場である。

実はこのアルバムも録音は1967年。
これもちょうどサドメルが活躍を始めた頃のアルバム。全く違う形でのフルバンドの誕生だ。
クリードテイラーは、まだVERVEのプロデューサーをやっていた頃から、オーケストラをバックにしたアルバムが増えてきた。硬派のJAZZファンからは、JAZZがコマーシャリズムにのってしまったとかアンチの声が上がっていたが。これが、クリードテイラーの目指していたJAZZだったのだろう。

A&Mに移籍し、そして自らのレーベルCTIで、その流れをますます醸成していった。
一言でいえば聴きやすい。よくよく聴けば味わい深い。
それまでもよくあった、単なるwith strinsとは違う、ソロプレーヤーの特徴を際立たせるための斬新なアレンジとのコラボレーション作品が数多く生まれた。
このアルバムも、木管楽器と弦楽器のアンサンブルの響きが何ともいえない雰囲気を醸しだしている。

ちょうど、JAZZが新主流派といわれた中核から、前衛からロック、そしてこのようなイージーリスニングまで非常に多様化したとき。
A&Mのこのシリーズは、演奏や曲だけでなく、ジャケットのデザイン、PETE TURNERの写真、どれをとってもひとつのアートだ。
40年前のものとは思えない斬新さを今でも感じる。

A Day in the Life     McCartney, Lennon 5:45
Watch What Happens Gimbel, Demy, Legrand 2:43
When a Man Loves a Woman Lewis, Wright 2:52
California Nights Liebling, Hamlisch 2:29
Angel         Montgomery      2:46
Eleanor Rigby     McCartney, Lennon 3:04
Willow Weep for Me Ronell       4:31
Windy         Friedman     2:20
Trust in Me    Wever, Schwartz, Ager 4:25
Joker Newley, Bricusse 3:26

Ray Alonge (frh) George Marge, Romeo Penque, Joe Soldo (bfl) Stan Webb (bfl, woodwinds) Phil Bodner (woodwinds)
Julius Brand, Peter Buonconsiglio, Mac Ceppos, Lewis Eley, Harry Glickman, Harry Katzman, Leo Kruczek, Gene Orloff, Tosha Samaroff, Sylvan Shulman, Harry Urbont, Jack Zayde (vln)
Harold Coletta, Emanuel Vardi (vla)
Charles McCracken, Alan Shulman (vlc)
Margaret Ross (harp)
Herbie Hancock (p)
Wes Montgomery (g)
Ron Carter (b)
Grady Tate (d)
Ray Barretto (cga) Jack Jennings, Joe Wohletz (per)
Don Sebesky (arr, cond)

Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, June 6,7,26,1967
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たまにはステックを置いて、自分も歌ってみたいと思うことも?

2007-04-18 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
SING AND SWING WITH BUDDY RICH

歌が旨いJAZZプレーヤー。

ピアノやギターには弾き語りのプレーヤーは多い。
ナットキングコールのピアノプレーは晩年はなかなか聴くことができなかったが、JAZZピアニストとしてもなかなかの腕前だ。オスカーピーターソンのキングコールそっくりの歌というのもあるが。

古くはサッチモが有名だ。最初はトランペットのプレーが中心であったが、晩年は、あの濁声の歌が中心に。すっかり歌手としてのほうがポピュラーになった。
近年ではジョージベンソン。ギタープレーはWESの後継者と思われたが、いつの間にか歌が中心のベテラン歌手になっている。

サミーデイビスJr.のバックを努めたバディリッチ。
コンボでも、BIGBANDでも、そして歌伴でも、そのピタリと決まったドラミングは、単なるスイング以上の独特の煽るようなノリがある。
そのリッチのドラミングも、自分のバンドとなればなおさら前面に出てくる。そして、時に見せる超人的なドラムソロは、ワンマンショーそのものだ。
しかし、他のバンドリーダがやるような、指揮やパフォーマンスをやるような仕草はない。もっとも、普段はドラムを叩いているのでドラム以外で前面に出ることはできないのだが。

歌伴をやると、たまには自分で歌いたくなることもあるかもしれない。
そんなバディリッチが、たまにはステックをおいて、一歩前に出て「自慢の喉?」を披露したアルバムがある。
1955年、JATPを率いていたノーマングランツの企画だ。
バックには、ハーブエリスのいるオスカーピーターソントリオ。ドラムの椅子には、弟分のルイベルソンが座る。さらに、ストリングスを加えた、単なる余興とはいえない本格的なセッションで4曲を歌っている。

もちろん、他のベイシーサウンドのジャムセッションも最高だが。

多少高めの声音で、軽いのりはなかなか本格的だ。
たまには、いつも全身を使って元気いっぱいのリッチの気軽なVOCALも悪くない。

EVERYTHING HAPPENS TO ME
WRAP YOUR TROUBLES IN THE DREAMS
SURE THING
GLAD TO BE UNHAPPY
BALLAD MEDLEY
Over the rainbow
You’ve changed
Time after time
This is always
I hadn’t anyone till you
My heart stood still
THE MONSTER
SUNDAY

BUDDY RICH & HOWARD GIBELING’S ORCHESTRA
Buddy Rich (vol)
Lee Caslie (tp)
Oscar Peterson (p)
Herb Ellis (g)
Ray Brown (b)
Louis Bellson (ds)
Howerd Gilberlin (arr,&cond)
NYC,January,26,1955

Thad Jones,Joe Newman (tp)
Ben Webster,Frank Wess (ts)
Oscar Peterson (p)
Freddie Green (g)
Ray Brown (b)
Buddy Rich (ds)
NYC, May,16,1955

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QUINCYは、苦難の後のNewportへの凱旋。

2007-04-17 | MY FAVORITE ALBUM
Quincy Jones and His Orchestra At Newport ‘61

Newport Jazz Festivalに出演したBIG BANDを続けて聴いてみたが、QUINCYファンとしてはこのアルバムは忘れてはいけない一枚。
’61のニューポートでのライブ。「真夏の夜のJAZZ」からは3年後になる。

エリントンやガレスピーなどが出演した1956年のニューポートにも、実は、Quincyも参加していた。
しかし、壇上に上がったのは、演奏ではなく、「ジャズの未来」というテーマのパネルディスカッションのためであった。レニートリスターノやフリードリッヒグルダなどの理論派に加わって、「ジャズは“自ずと成長するもの”。あらかじめ設計図を引いて形にはめた発展を強いるべきではない」と、若くして論陣をはっていたようだ。
弱冠23歳の時だ。

1959年、ヨーロッパへの音楽理論の勉強のための留学、そして現地でのレコーディングなどを終えてからの帰途。機上でレコードプロデューサーのジョンハモンドから、ミュージカル「Free & Easy」のための、オーケストラ編成を持ちかけられた。
どうも、これがQuincy JonesのBIG BANDが生まれたきっかけだったらしい。

56年57年のQuincyの録音は、あくまでもレコーディングのための臨時編成やプロデュース。自己のレギュラーBIG BANDの編成は、このミュージカルのためが初めてのチャレンジだったのだが・・・。

実は、このミュージカルのためのBANDが大トラブルに巻き込まれ、バンド全員でヨーロッパを流浪の旅に出ることになる。このクインシー達を支えたのはヨーロッパの聴衆。
どうも、Quincyとヨーロッパは切っても切れない因縁があるようだ。

結果的には、幾多の苦難を切り抜け61年まで短期間であったが、このBIG BANDがJAZZの歴史に残る活躍をすることになった。
このQUINCYのオーケストラがモダンビッグバンドの礎になったのは間違いない。サドメルが生まれる通過点にもなっているはずだ。

前置きが長くなったが、そのオーケストラの総仕上げともいえるのが、このニューポートへの出演だ。
モダンなサウンドが、Newportの舞台に響き渡る。

Quincyのオリジナルから始まるが、最初のMEET B.B.は、Benny Baileyへ捧げた曲。ヨーロッパの録音では、彼自身のプレーが聴けるが、ここではJoe Newmanが素晴らしいソロを聞かせる。
THE BOY IN THE TREEはSwedenの映画のために書いた曲。Quincyのバンドの特徴は、フルートとフレンチホルンを生かしたまろやかなサウンド。曲の始めは、このヨーロピアンサウンド(?)を生かした綺麗なバラードで始まるが、一転アップテンポのriffへ。
サドメルの曲でも、似たようなアレンジがあったような。

続くEvening in ParisはPhil Woodsのアルトをフィーチャー。彼もQuincyと一緒に、このバンドのヨーロッパを転々と渡り歩いたツアーに付き合っている。その後、Woodsも60年代後半にヨーロッパに新天地を求めたのも、この時のヨーロッパの経験があったからかもしれない。

次のAIRMAIL SPECIALは。このアルバムの一番のお気に入り。
超アップテンポで始まり、Curtis Fullerのソロの後、サックスセクションをフィーチャーしているが、ソロにアンサンブルと全員がフィーバー。ソロをピックアップしてサックスセクション全員でのソリは最高。

このサックスセクション、アルトはPhil Woodsが引っ張っているが、テナーは、後のサドメルの大番頭「Jerome Richardson」がリードしている。
自分はどちらかというと、サックスのアンサンブルワークにぞくぞくすることが多い。ブラス派ではなく、サックス派かもしれない。

Meet B.B.
The Boy In The Paris
Evening In Paris
Air Mail Special
Lester Leaps In
G'wan Train
Banja Luka

John Bello, Jimmy Maxwell, Joe Newman, Jimmy Nottingham (tp)
Paul Faulise, Curtis Fuller, Melba Liston, Britt Woodman (tb)
Julius Watkins (frh)
Joe Lopez, Phil Woods (as)
Eric Dixon, Jerome Richardson (ts, fl)
Pat Patrick (bars)
Patti Bown (p)
Les Spann (g, fl)
Art Davis (b)
Stu Martin (d)

Quincy Jones (arr, cond)

'Newport Jazz Festival', Newport, RI, July 3, 1961
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「天は二物を与えず」とよくいわれるが、時には「三物」を与えることも稀にはある。

2007-04-16 | MY FAVORITE ALBUM
SAMMY DAVIS Jr. & BUDDY RICH / The Sounds of ‘66

サミーデイビスジュニアの本職は何だろうか。
俳優であり、歌手であり、そして最高のエンターテイナーであり。それぞれがすべて一流。
一流の彼が、一流のホテルで、一流のバンドをバックに、一流のショーを・・・・。
何をとっても一流尽くしのアルバムがこの一枚。

1966年、ラスベガスのSandsホテルでのライブだ。
ここでは、この年シナトラ自身がベイシーをバックにライブを録音しているが、同じホテルで今度はサミーデイビスとバディーリッチの競演。
さすがシナトラ自身のホテル。絢爛豪華なショーが連日繰り広げられていたものだ。
デイビスは、50年代のシナトラに見出されてからの付き合い。
シナトラ一家の一員なので、ここはホームグラウンドのようなものだろう。


バディーリッチはこの年に自己のBANDを立ち上げたばかり。
9月にはファーストアルバムをLAでライブ録音しているので、その後にLAS VEGAS デビューをしたのだろうか?
元気一杯でバックを努めている。歯切れの良さと、独特のドライブ感のドラミングは、時に、あたかもデイビスと掛け合いデュエットをしているような感じを受けることもある。

古いスタンダードからバートバカラックの曲まで一気に歌い上げている。
きっと、本物のステージは、エンターテイナーとしての彼の一面も楽しめたのであろう。
ライブを一度は見たかったものだ。

Introduction by Sammy Davis, Jr.
"Come Back to Me" (Burton Lane, Alan Jay Lerner) – 4:12
"Birth of the Blues" (Lew Brown, Buddy DeSylva, Ray Henderson)
"I Know a Place" (Tony Hatch) – 2:27
"What Did I Have That I Don't Have?" (Burton Lane, Alan Jay Lerner) – 3:43
"What the World Needs Now Is Love" (Burt Bacharach, Hal David) – 3:04
"Once in Love With Amy"(Frank Loesser) – 2:45
"Ding-Dong! The Witch Is Dead" (Harold Arlen, Yip Harburg) – 1:48
"What Now My Love?" (Gilbert Bécaud, Pierre Delanoë, Carl Sigman) – 3:07
"What Kind of Fool Am I?" (Leslie Bricusse, Anthony Newley) – 3:07
"If It's the Last Thing I Do" (Sammy Cahn, Saul Chaplin) – 3:24
Closing remarks by Sammy Davis, Jr.
"Please Don't Talk About Me When I'm Gone" (Sidney Clare, Sam H. Palmer) – 3:26

SAMMY DAVIS Jr. with the BUDDY RICH ORCHESTRA
Recorded December 1966, Sands Hotel, Las Vegas:
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