Joanne Grauer introducing Lorraine Featehr
ジャズの世界に女性のスタジオミュージシャンというのは、もう少しいても不思議ではないと思うのだが。確かに管楽器や打楽器は演奏するプレーヤーが少ないので無理も無いが。ピアノはもう少しいてもいいかなと感じるのだが・・・。 あまり多くはないような。
最近はヴォーカルだけでなく女性パワーが台頭しているので実はたくさんいるのだろうが、実は知らないだけかもしれない。
というのも、このアルバムの主役ジョアングラウアーのキャリアを読んでそう思った。
父から小さい頃からピアノを学び、レパートリーは12歳の時にすでに2000曲を超えていたとか。その後ジュリアードなどで本格的に音楽を学んだ後は、テレビ、スタジオ、そしてライブでとあらゆるところで、作編曲だけでなく肝心なピアノプレーでも活躍をしていたらしい。有名なアンディーウィリアムスショーのスタッフとしても。男勝りのたいした活躍ぶりだ。
このアルバムは、そもそもそのグラウアーを紹介したアルバム。
彼女をある意味発掘してきたのはMPSレーベル。ドイツ生まれのこのレーベル、最初はSABAレーベルからスタートした。それにピーターソンの私的な録音などオーナーの趣味、も加わってMPSとして育っていった。アルバム数も多く、新人の発掘などにも力を入れていたようだ。ジョージデュークのデビューアルバムというのもあった。
ジャズピアノの歴史の系譜を振り返ると、60年代初頭のビルエバンスの位置づけが大きい。70年代を迎えてチックコリアやハービーハンコック、キースジャレットなどがその流れを汲んだ後輩が、自分達の世界を作っていった。
時を一にして登場したのが”Fender Rhodes”。いわゆるエレキピアノ。フュージョンの世界では欠かせなくなったが、主流のジャズでもこれを使った試みがいくつも行われた。御大エバンスのエレキピアノにも賛否両論があったような。
クラウアーはまさにそのジャズピアノのスタイルが変化する中で育った。特にスタジオワークとなると、あらゆるスタイルの演奏を求められたのであろう。このアルバムでも、アコースティックもあればエレキピアノも、そしてトリオをもあればソロも。バックのリズムもボサノバのリズムをベースにした8ビートも。そうあのチックコリアのサウンドだ。
フェザーのヴォーカルのバックでも、ホーンで加わっているアーニーワッツのプレーと合わせて、新しい流れに乗ったピアノプレーだ。Concordのアルバムを聴いていると演奏に年代の変化を感じないが、これが洗練された当時のジャズの流れに乗った演奏だろう。
このアルバムのもう一人の主役が、この直後Concordにデビューしたレナードフェザーの愛娘ロレインフェザーのヴォーカル。コンコルドがジャズヴォーカルのデビュー作かと思ったら、その前にデビュー作としてこのアルバムがあった。
Concordでは父親の影も見えず立派に独り立ちしていたが、こちらは父親同伴。プロデュースも父親であるレナードフェザーが努めている。
フェザーのヴォーカルも、Concord盤と比べるとクラウアーの演奏に合わせて、このアルバムではいわゆるAOR系のヴォーカルだ。ロスに戻る前は、ニューヨークでロックバンドのバックコーラスもやっていたので、実はこのスタイルの方がしっくりいっていたのかもしれない。彼女の歌は3曲収められているが、「ザ・ボイス」ではジョンヘンドリックス風のジャジーが歌い方も。彼女のその後の転進を予感させる。
もし、2人がこのスタイルでコンビを組んで演奏を続けていたら、新しいボーカルスタイルが生まれていたかもしれない。
1. Gork
2. Eveegreen
3. Misty Dreams & Ruffy’s Eyes
4. Longing **
5. Happy
6. See You Later *
7. Can’t Sleep *
8. The Voice *
9. Frog Child
Joanne Grauer (keyboards)
Lorraine Feather (vol) on(*)
David Troncoso (b) excepton (**)
Collin bailey (ds)
Doug Lenier (b.arr.) on(*)
Ernie Watts (ts) on(*)
Paulinho da Costa on (*and**)
Produced by Leonard Feather
Recorded December 12 & 13, 1977 at Capital Studio, Hollywood, CA.
ジャズの世界に女性のスタジオミュージシャンというのは、もう少しいても不思議ではないと思うのだが。確かに管楽器や打楽器は演奏するプレーヤーが少ないので無理も無いが。ピアノはもう少しいてもいいかなと感じるのだが・・・。 あまり多くはないような。
最近はヴォーカルだけでなく女性パワーが台頭しているので実はたくさんいるのだろうが、実は知らないだけかもしれない。
というのも、このアルバムの主役ジョアングラウアーのキャリアを読んでそう思った。
父から小さい頃からピアノを学び、レパートリーは12歳の時にすでに2000曲を超えていたとか。その後ジュリアードなどで本格的に音楽を学んだ後は、テレビ、スタジオ、そしてライブでとあらゆるところで、作編曲だけでなく肝心なピアノプレーでも活躍をしていたらしい。有名なアンディーウィリアムスショーのスタッフとしても。男勝りのたいした活躍ぶりだ。
このアルバムは、そもそもそのグラウアーを紹介したアルバム。
彼女をある意味発掘してきたのはMPSレーベル。ドイツ生まれのこのレーベル、最初はSABAレーベルからスタートした。それにピーターソンの私的な録音などオーナーの趣味、も加わってMPSとして育っていった。アルバム数も多く、新人の発掘などにも力を入れていたようだ。ジョージデュークのデビューアルバムというのもあった。
ジャズピアノの歴史の系譜を振り返ると、60年代初頭のビルエバンスの位置づけが大きい。70年代を迎えてチックコリアやハービーハンコック、キースジャレットなどがその流れを汲んだ後輩が、自分達の世界を作っていった。
時を一にして登場したのが”Fender Rhodes”。いわゆるエレキピアノ。フュージョンの世界では欠かせなくなったが、主流のジャズでもこれを使った試みがいくつも行われた。御大エバンスのエレキピアノにも賛否両論があったような。
クラウアーはまさにそのジャズピアノのスタイルが変化する中で育った。特にスタジオワークとなると、あらゆるスタイルの演奏を求められたのであろう。このアルバムでも、アコースティックもあればエレキピアノも、そしてトリオをもあればソロも。バックのリズムもボサノバのリズムをベースにした8ビートも。そうあのチックコリアのサウンドだ。
フェザーのヴォーカルのバックでも、ホーンで加わっているアーニーワッツのプレーと合わせて、新しい流れに乗ったピアノプレーだ。Concordのアルバムを聴いていると演奏に年代の変化を感じないが、これが洗練された当時のジャズの流れに乗った演奏だろう。
このアルバムのもう一人の主役が、この直後Concordにデビューしたレナードフェザーの愛娘ロレインフェザーのヴォーカル。コンコルドがジャズヴォーカルのデビュー作かと思ったら、その前にデビュー作としてこのアルバムがあった。
Concordでは父親の影も見えず立派に独り立ちしていたが、こちらは父親同伴。プロデュースも父親であるレナードフェザーが努めている。
フェザーのヴォーカルも、Concord盤と比べるとクラウアーの演奏に合わせて、このアルバムではいわゆるAOR系のヴォーカルだ。ロスに戻る前は、ニューヨークでロックバンドのバックコーラスもやっていたので、実はこのスタイルの方がしっくりいっていたのかもしれない。彼女の歌は3曲収められているが、「ザ・ボイス」ではジョンヘンドリックス風のジャジーが歌い方も。彼女のその後の転進を予感させる。
もし、2人がこのスタイルでコンビを組んで演奏を続けていたら、新しいボーカルスタイルが生まれていたかもしれない。
1. Gork
2. Eveegreen
3. Misty Dreams & Ruffy’s Eyes
4. Longing **
5. Happy
6. See You Later *
7. Can’t Sleep *
8. The Voice *
9. Frog Child
Joanne Grauer (keyboards)
Lorraine Feather (vol) on(*)
David Troncoso (b) excepton (**)
Collin bailey (ds)
Doug Lenier (b.arr.) on(*)
Ernie Watts (ts) on(*)
Paulinho da Costa on (*and**)
Produced by Leonard Feather
Recorded December 12 & 13, 1977 at Capital Studio, Hollywood, CA.