A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

BASIE

2007-01-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
女性がファッションを変えると新たな違った魅力が生まれる。
もっとも、もともとの素材の美しさを生かさず、似つかわしくない飾り物をいくらつけても何の魅力も感じないが。

音楽も同じで、そもそものミュージシャンの素材に、演奏する曲とアレンジの組み合わせで魅力が決まる。
さらに、所属するレーベルを移籍し、プロデューサーが替わったりすると、また違った魅力が引き出される。女性が美容院や化粧を変えるように。

BIG BANDの良さは、アレンジひとつで変わることも。
もちろん、それぞれのバンドカラーがあるので、その上でアレンジがフィットした時、バンド全体で更なる魅力が生まれるが。

BIG BANDの歴史に残るCOUNT BASIEオーケストラ。

52年にバンドを再編し、1957年に、ROULETTE LABELに移籍した。
メンバーも充実していた時だ。

移籍後の第一作が、この一枚、その名も「BASIE」
普通「アトミックベイシー」と呼ばれているが、ジャケットに特にそのタイトル名はない。確かに、原爆の写真が表紙なのでそう呼ばれているのかもしれないが。

そして、下のほうに。
E=MC^2(アインシュタインが発表した「エネルギー・質量保存則」の公式。
=COUNT BASIE ORCHESTRA+NEAL HEFTI ARRANGEMENTS
との記述がある。
ベイシーとへフティーのアレンジで、核爆発がおきたということであろう。
洒落たデザイン&ネーミングだ。

結果は、まさにその通り。ベーシーサウンドが大爆発。
この一枚はBASIEの名作としても有名だ。

NEAL HEFTYは元々ウディーハーマンのトランペットセクションの一員としてプレーし、アレンジも提供していた。が、プレーを引退してからは、作編曲に専念。ベイシーオーケストラには、52年の再編以降多くのアレンジを提供していた。

この、アトミックベイシーは、全編ヘフティーの作編曲で占められている。
彼のアレンジはいたってシンプル。複雑なハーモニーや、プレーヤーのテクニックを競わせることもないし、ソロのパートも決して多くは無い。
けれども絶妙なリズムに乗って、ベイシーのオーケストラの各パートの魅力を100%引き出している。へフティーの素晴らしさだろう。
特にスローな曲の、テンポとリズムのバランスがなんともいえない。

曲もヘフティーのオリジナル。いわゆる歌物スタンダードは一曲も無い。
しかし、聴いてみるとほとんど聴いたことのある曲ばかり。まさに、ベイシーが生み出した、BIG BANDのスタンダード曲集。
色々なバンドが演奏しているし、学生のバンドなどでは必ず基本レパートリーに入っているものばかりだ。

中でも、「CUTE」は、BIG BANDの名曲の歴史に残る一曲だと思う。
もちろん、自分としても大のお気に入り。好きな曲&演奏のベスト10に入る。

この録音のしばらく後、ROULETTE所属の頃のBASIEが聞ける

THE KID FROM RED BANK
DUET
AFTER SUPPER
FLIGHT OF THE FOO BIRDS
TEDDY THE TOAD
WHIRLY-BIRD
SPRANKY
FANTAIL
LI'L DARLIN’

THAD JONES(tp)
JOE NEWMAN(tp)
Wendell Culley (tp)
SNOOKY YOUNG(tp)
MARSHALL ROYAL(as,fl)
FRANK WESS(as.fl)
FRANK FOSTER(ts.fl)
EDDY DAVIS(ts)
CHARLIE FOWLKES(bs)
HENRY COKER(tb)
BENNY POWELL(tb)
AL GREY(tb)
COUNT BASIE(p)
FREDDIE GREEN(g)
EDDIE JONES Jr.(b)
SONNY PAYNE (ds)

ARRANGED BY NEAL HEFTY

Recorded in New York, on September 21,October 22, 1957

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