Waltz For Debby / Monica Zetterlund
トミーフラナガン、ハンクジョーンズなどジャズピアノの名手はソロやトリオの演奏だけでなくバックに回った時もその上手さを感じさせる。特に、歌伴となると歌手との相性もあるとは思うが、名唱の陰には必ずそれを引き出す名バックがあるものだ。
一方で、ピアノの名手が必ずしも歌伴が多いとは限らない。その一人がビルエバンス。
あのエバンスのタッチに合うボーカリストは数多くいたように思うが、実はエバンスの歌伴アルバムは少ない。
トニーベネットとのデュオアルバムが有名だが、古くはヘレンメリルのバックを務めたアルバムがある。しかし実際にはエバンスが参加したのはアルバムの半分の曲、ホーンプレーヤーも加わっているので、どちらもエバンストリオがバックという訳はない。
あのエバンスのレギュラートリオがバックを務めたアルバムは?というとこの一枚になる。
エバンストリオがヨーロッパツアーをしている中で、スウェーデンで地元の歌手、モニカゼタールンドと共演したのがこのアルバム”Waltz For Debby”だ。
このモニカは、ビリーホリデイやエラフィッツジェラルドを聴きジャズボーカルを学んだといわれている。しかし、2人をコピーしたというより、自分なりにジャズの話法を解釈していったという方が正しいだろう。
先日、アルトの名手堀恵ニのライブを聴きに行った時、MCでポールデスモンドやアートペッパーのような白いサックスを最初は好んだが、彼が手本としたのはジョニーホッジスやマーシャルロイヤルのような黒いサックスであった。最近は白いサックス多い・・・・という話をしていた。
ボーカルの世界でも白いボーカル、黒いボーカルがあるが、このゼタールンドはヘレンメリル同様、白いボーカルの代表格。特に、ビッグバンドシンガー出身でない白いジャズシンガーというと、アンバートンを始めとしてこの路線のジャズシンガーはこの時代から増えだす。このエバンスとの共演は後の白いボーカルの手本になったのかもしれない。従来のスイングするボーカルとは一味違ったヨーロッパスタイルとでもいうか。
エバンスはトリオの演奏でも他の2人は伴奏者というよりも一体となったコラボレーションが売りであったが、ボーカルを加えても伴奏というよりも歌手と一緒にコラボを楽しんでいるようだ。このスタイルもエバンスのピアノプレ同様、後に広まったようだ。
この録音に先立ち、3年前にモニカがアメリカに渡っていた時、ドナルドバード&ペッパーアダムスのグループとの共演があるという。果たしでどんな伴奏をしているのか、どんな歌い方をしているのか興味が湧く。陽の目を見て欲しいものだ。
この映像ではベースはエディーゴメツ。このアルバム以降も2人の共演は続いた。
1. Come Rain or Come Shine Harold Arlen / Johnny Mercer 4:41
2. A Beautiful Rose (Jag Vet en Dejlig Rosa) Bill Evans / Monica Zetterlund 2:53
3. Once Upon a Summertime E. Barclay / M. Legrand / J. Mercer 3:03
4. So Long Big Time Harold Arlen / Dory Previn 3:49
5. Waltz for Debby (Monica Vals) Bill Evans / Gene Lees 2:47
6. Lucky to Be Me Leonard Bernstein 3:36
7. Sorrow Wind (Vindarna Sucka) 3:03
8. It Could Happen to You Johnny Burke / James Van Heusen 3:00
9. Some Other Time L.Bernstein / B. Comden / A. Green 5:35
10. In the Night (Om Natten) Olle Adolphson 1:40
Bill Evans (p)
Chuck Israels (b)
Larry Bunker (ds)
Monica Zetterlund (vol)
Recorded in Stockholm, Sweden, August 29, 1964
トミーフラナガン、ハンクジョーンズなどジャズピアノの名手はソロやトリオの演奏だけでなくバックに回った時もその上手さを感じさせる。特に、歌伴となると歌手との相性もあるとは思うが、名唱の陰には必ずそれを引き出す名バックがあるものだ。
一方で、ピアノの名手が必ずしも歌伴が多いとは限らない。その一人がビルエバンス。
あのエバンスのタッチに合うボーカリストは数多くいたように思うが、実はエバンスの歌伴アルバムは少ない。
トニーベネットとのデュオアルバムが有名だが、古くはヘレンメリルのバックを務めたアルバムがある。しかし実際にはエバンスが参加したのはアルバムの半分の曲、ホーンプレーヤーも加わっているので、どちらもエバンストリオがバックという訳はない。
あのエバンスのレギュラートリオがバックを務めたアルバムは?というとこの一枚になる。
エバンストリオがヨーロッパツアーをしている中で、スウェーデンで地元の歌手、モニカゼタールンドと共演したのがこのアルバム”Waltz For Debby”だ。
このモニカは、ビリーホリデイやエラフィッツジェラルドを聴きジャズボーカルを学んだといわれている。しかし、2人をコピーしたというより、自分なりにジャズの話法を解釈していったという方が正しいだろう。
先日、アルトの名手堀恵ニのライブを聴きに行った時、MCでポールデスモンドやアートペッパーのような白いサックスを最初は好んだが、彼が手本としたのはジョニーホッジスやマーシャルロイヤルのような黒いサックスであった。最近は白いサックス多い・・・・という話をしていた。
ボーカルの世界でも白いボーカル、黒いボーカルがあるが、このゼタールンドはヘレンメリル同様、白いボーカルの代表格。特に、ビッグバンドシンガー出身でない白いジャズシンガーというと、アンバートンを始めとしてこの路線のジャズシンガーはこの時代から増えだす。このエバンスとの共演は後の白いボーカルの手本になったのかもしれない。従来のスイングするボーカルとは一味違ったヨーロッパスタイルとでもいうか。
エバンスはトリオの演奏でも他の2人は伴奏者というよりも一体となったコラボレーションが売りであったが、ボーカルを加えても伴奏というよりも歌手と一緒にコラボを楽しんでいるようだ。このスタイルもエバンスのピアノプレ同様、後に広まったようだ。
この録音に先立ち、3年前にモニカがアメリカに渡っていた時、ドナルドバード&ペッパーアダムスのグループとの共演があるという。果たしでどんな伴奏をしているのか、どんな歌い方をしているのか興味が湧く。陽の目を見て欲しいものだ。
この映像ではベースはエディーゴメツ。このアルバム以降も2人の共演は続いた。
1. Come Rain or Come Shine Harold Arlen / Johnny Mercer 4:41
2. A Beautiful Rose (Jag Vet en Dejlig Rosa) Bill Evans / Monica Zetterlund 2:53
3. Once Upon a Summertime E. Barclay / M. Legrand / J. Mercer 3:03
4. So Long Big Time Harold Arlen / Dory Previn 3:49
5. Waltz for Debby (Monica Vals) Bill Evans / Gene Lees 2:47
6. Lucky to Be Me Leonard Bernstein 3:36
7. Sorrow Wind (Vindarna Sucka) 3:03
8. It Could Happen to You Johnny Burke / James Van Heusen 3:00
9. Some Other Time L.Bernstein / B. Comden / A. Green 5:35
10. In the Night (Om Natten) Olle Adolphson 1:40
Bill Evans (p)
Chuck Israels (b)
Larry Bunker (ds)
Monica Zetterlund (vol)
Recorded in Stockholm, Sweden, August 29, 1964
ワルツ・フォー・デビー+6 | |
Monica Zetterjund | |
ユニバーサル ミュージック クラシック |