A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

カールジェファーソンに見初められ、カナダからConcordに登場することに・・・

2008-03-25 | CONCORD
Fraser Macpherson Live at The Planetarium

コンコルドレーベルも72年に設立されてから79年までの7年間でカタログに100枚近くを残すレーベルに育っていた。そのアルバムの殆どをプロデュースしたのは、設立者でもあり、オーナーのカールジェファーソンだった。すなわち基本的に彼が好むミュージシャンの、彼が好む演奏だけを制作してきたといっても過言ではない。
何枚かはミュージシャンが自らプロデュースしたものもあるがそれは例外。Concordでお馴染みになったメンバーの過去の録音でお蔵入りしていたものや、自費出版に近いものを復活させたもの。シェリーマンバドシャンクがプロデュースしたアルバムもあったが、Concordの路線と少しトーンの違いのあるものになった。

このジェファーソンが、反対に他で出されたことのあるアルバムを、「自分の路線にピッタリだ」と気に入って、自分のレーベルで再発したものもある。
このアルバムはその一枚だ。アルバムの主役はフレーザーマクファーソン。

全くといって良いほど無名のサックス奏者だ。
Concordの得意とする中間派の少しモダンなプレーをする。テナーではあるがやや線が細い感じ。ゲッツほどではなく、強いて言うとズートシムス似かもしれない。
そのマクファーソンがドラムレスのトリオを編成して、地元カナダのコンサートの模様を収録した。元々はFMラジオの企画だったようだ。それでアルバムを作りマイナー出版した。
それを聴いたジェファーソンが「これぞ自分の好きな演奏だ」の一言で、コンコルドのカタログにも載ることになった。

これがきっかけで、このマクファーソンも有名になりテレビの仕事にも就き、その後ニューヨークへも出ることに。地元カナダでは、活動の功績を讃えて後に勲章を貰うまでになったとか。Concordでも、この後何枚かリーダーアルバムを残している。
人生何がきっかけで有名になるか分からない。

さて演奏の方は、マクファーソンのテナーにギターとベースを加えたドラムレスのトリオ。
"TANGERINE"に始まり、有名なスタンダードを中心にしてジェファーソン好みのスイングする演奏が聴ける。ドラムが無いせいかギターのバックがテナーに絡んで良く目立つ。洒落れたジャズクラブでよく聴かれるようなスタイルだ。
この演奏も小さいクラブという訳ではが、あまり広くない会場でのライブのようで雰囲気はぴったりだ。
こんな埋もれていたような演奏を陽の目にあてさせるものジェファーソンらしい。

1. Tangerine
2. I Cried For You
3. Django
4. I’m Getting’ Sentimental Over You
5. Li’l darlin’
6. Lush Life
7. My Funny Vallentine

Fraser Macpherson (ts)
Oliver Gannon (g)
Wyatt Ruther (b)

The music on this album was recorded at a concert sponsored by Willi Germann at the MacMillan Planetarium in Vancouver
Produced by Alain de Grosbois

Recorded December 1975

Originally released on Concord CJ-92

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