A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「久々に楽しい演奏ができたね」・・・・といった声が聞こえてきそう。

2007-10-31 | MY FAVORITE ALBUM
Ruby and Woody / I had to be us

ラフな格好でリラックスした表情の2人。
「同窓会で久々に会った2人のスナップ」のような何の飾り気もないジャケットの写真だ。
二人とも「好好爺」という言葉にピッタリである。

ビッグバンドの両雄といえば、ベイシーとエリントン。
長い歴史の中で色々な苦難があったが、この2つのオーケストラはレギュラーバンドとして生き続けた。
これに負けていないのがウディーハーマンのオーケストラだ。
ベイシー、エリントンは基本的に自己のスタイルを変えなかったが、ウディーハーマンはメンバーも常に若い新しいメンバーを登用し時代に合わせて変化し続けた。
バップの誕生に合わせるようにスタートした彼のオーケストラ。“Herd”という名前が象徴するように、群れとなってその時代の先端の流れに切り込んでいった。
70年代の始めには、流行ったブラスロック風のハーマンも聴くことが出来る。
そんなハーマンも40周年の記念コンサートを経て、70年代の終わりにはストレートな演奏に戻っていった。

色々と気苦労の多いいつものオーケストラの活動を離れ、普段着で何気ない演奏を。
このアルバムは、ジャケットの写真の印象どおり、そんなアルバムだ。
相手を務めたのは、ルビーブラフのコルネット。
筋金入りのスイング派だ。Concordの初期のアルバムにも登場している
ハーマンもここではクラリネットそしてボーカルで、それに合わせた演奏、そして歌を披露している。いつもは余興で一曲という感じであるが、ここではたっぷりとハーマンの歌を聴ける。
軽快なスイングのリズムに乗って、デビューした頃を思い出していたのかもしれない。
変な気負いもかければ、妙なブローも無い。
同窓会の流れで気の合った2人が、久々に昔を思い出して一丁やってみようかといったノリである。

ハーマンの晩年は、滞納していたバンドのメンバーの税金の支払いに追われていたとか。
必ずしも悠々自適な生活を送っていたのではなさそうだ。
どんなに苦労をしても、面と向かっては笑顔を絶やしたことが無かったといわれるハーマン。
ほっと一息ついた演奏に、これは本心からの笑みがこぼれてるのかもしれない。

東海岸のConcordともいえる“Chiaroscuro”。
なかなかアルバムを残している。

1. I Can't Believe That You're in Love With Me
2. Rose Room
3. Solitude
4. I Hadn't Anyone Till You
5. As Time Goes By
6. Sheik of Araby
7. It Had to Be You
8. There Is No Greater Love
9. Wave/Spain
10. I Cried for You
11. 'Deed I Do
12. Sheik of Araby, No. 2 [*]
13. Solitude, No. 2 [*]
14. It Had to Be You, No. 2 [*]
15. George Avakian Jazzspeak [*]

<Personnel>
Woody Herman (vocals, clarinet)
Ruby Braff (cornet)
John Bunch (piano)
Wayne Wright (guitar)
Michael Moore (bass)
Jake Hanna (drums)

Producer George Avakian

Engineer Jon Bates

Recorded in New York City,12&13,March,1980
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ジャズに包まれた仲間内のパーティー・・・憧れであるが。

2007-10-30 | MY FAVORITE ALBUM
1969 All-Star White House Tribute To Duke Ellington


会社の先輩でもあり、学校の先輩でもある大のジャズファンの友人がいた。
会社の昼休み、寸暇を惜しむようにしてジャズ喫茶に一緒に行ったものだ。
その彼の友人に金持ちのジャズファンがいて、年に何回か自宅にプロのジャズプレーヤーを呼んでホームパーティーをやっていた。
金井英人さんが常連であったが、デビューしたての吉岡秀晃なども来ていたのを覚えている。
趣味も嵩じて自宅に自分の好きなミュージシャンを呼んでリラックスしたライブが聴けるというのは羨ましい限り。究極の道楽であろう。

デュークエリントンの70歳の記念コンサートはツアー先のイギリスで行われたが、実はそれに先立ち「自宅」にエリントンを呼んで大パーティーを行った人物がある。
その人は当時のアメリカ大統領ニクソン。就任して2年目のことであった。
ホワイトハウスにエリントン招き豪華ゲストを集めてのミニコンサート。もちろん、演奏されたのはエリントンの曲のオンパレードだ。
それにしても豪華メンバーを集めたものだが、入れ替わり立ち代り次々にソロを繰り広げる。
メドレー中心の演奏であるが、いつものジャムセッションとは何となく様子が違う。
各自が技を競い、聴衆を魅了していくというよりは、目の前にいるエリントンを祝福して心を込めて演奏をしている様が目に浮かぶ。

大きなホールでのお祭り騒ぎもよいが、ジャムセッションは演奏する側も聴く側もお互いに目が届く範囲でのライブがベストだろう。それに、このように誰か主役がいて、その主役に皆の想いが集中すると全体が締まった演奏になる。
同窓会的なリユニオンコンサートは、プレーする側も聴き手も昔を思い出しながら盛り上がるが。このような、仲間が集って“Tribute”コンサートも、散漫になりがちな演奏に何か一体感を生む独特の雰囲気がありいいものだ。

エリントンはプレーに参加していないが、最後の一曲で、ソロピアノで皆に感謝の意を表しこのセッションの幕を閉じる。

 1. Take The "A" Train
2. I Got It Bad (And That Ain't Good)
3. Chelsea Bridge
4. Satin Doll
5. Sophisticated Lady
6. Just Squeeze Me (But Don't Tease Me)
7. I Let A Song Go Out Of My Heart
8. Do Nothing Till' You Hear From Me
9. Don't Get Around Much Anymore
10. In A Mellotone
11. In A Sentimental Mood
12. Prelude To A Kiss
13. Ring Dem Bells
14. Drop Me Off In Harlem
15. All Too Soon
16. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
17. Things Ain't What They Used To Be
18. Perdido
19. Warm Valley
20. Caravan
21. Mood Indigo
22. Prelude To A Kiss
23. I Didn't Know About You
24. Praise God And Dance
25. Come Sunday
26. Heritage
27. Jump For Joy
28. Pat

Recorded at The White House on Duke Ellington's 70th birthday, when he was awarded the Medal Of Freedom by President Richard M. Nixon.

Producer Bill Kirchner

<Personnel>:
Duke Ellington (piano)
Mary Mayo, Joe Williams (vocals)
Paul Desmond (alto saxophone)
Gerry Mulligan (baritone saxophone)
Clark Terry (trumpet, flugelhorn); Bill Berry (trumpet)
Urbie Green, J.J. Johnson (trombone)
Earl Hines, Dave Brubeck, Hank Jones, Billy Taylor (piano)
Jim Hall (guitar)
Milt Hinton (bass)
Louie Bellson (drums).

Recorded live at the White House, Washington, D.C. on April 29, 1969
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生きている間に昔の仲間を集めて・・・・

2007-10-29 | PEPPER ADAMS
LIONEL HAMPTON ALL ATAR BAND AT NEWPORT ‘78

最近では、要職にある現役が亡くなった時を除けば派手な葬儀が減っている。あまりプライベートに仕事を持ち込むことがなくなってきた昨今、葬式も内々で済ますことが増えているように思う。本人とってみれば死んでから皆に弔ってもらうのもいいが。生きている間に生前お世話になった方々に囲まれて生涯を終える方がよほど嬉しいのではないかと思う。元気な間に「生前葬」をやって皆と楽しく人生を終えたいものだ。

有名なジャズの偉人たちが亡くなると、必ずといって良いほど“Tribute”アルバムが登場する。特に、曲も多く残したエリントンは皆が取り組みやすいのだろう
仲間や後輩たちにTributeアルバムを捧げられるのをじっと天国で見守っているとは思うが、本当は彼らも同じ気持ちではなかっただろうか。
「生きているうちにやってくれよ、それも自分と一緒に」と。

70年代の後半、有名なビッグバンドの演奏を、往年のサイドメンを集めて再現したことが多くあった。JATPの再編から繋がる流れであったのだろう。オールドファンには懐かしいものだ。いつの世にも、懐古趣味は忘れた頃にやってくる。歴史は繰り返すものだ。
ビッグバンドは永遠だ。

78年のニューポートジャズフェスティバルに参加したのはライオネルハンプトンのオールスターズ。ハンプトンのリユニオンバンドもこの年ですでに3回目の出演。年に一度の「懐メロコンサート」になっていたのかもしれない。
ハンプトンのオーケストラといえば繊細なアンサンブルワークというよりは、ハンプトンの演奏を引き立てるラフな迫力あるパフォーマンスが売り。ハンプトンの演奏の引き立て役ともいえるオーケストラだが、何故か、有名プレーヤーが数多く去来した。

クリフォードブラウンやクインシージョーンズが在籍したことでも有名だ。彼らの在籍当時は、親分の目を盗んでハンプトンオーケストラとは似ても似つかない演奏をしていたので、メンバーにとっては安定した給与を得るための割り切りだったのかもしれない。

今回のメンバーも、昔のメンバーもいれば、あまりハンプトンとは関係があったかどうか定かではないメンバーもいるが、皆、和気藹々とした演奏を繰り広げる。

“STOMPI’N AT THE SAVOY”は、ドックチーサムのトランペットをフィーチャーして軽く肩慣らし。
ON THE SUNNY SIDE OF THE STREETではハンプトンの歌も披露。
“HAMP’S THE CHAMP”が,ブラスセクションが大フィーバー。

“CARNEGIE HALL BLUES”では、オーケストラ無しで、レイブライアントのピアノの後、ハンプトンのバイブが淡々とソロをとり、段々と嵩じてきたところで終わる。
しっとりとしたこのようなバイブもいいものだ。

最後は、お得意の”FLYING HOME”。
出だしから強烈なスイングのリフアンサンブルが、否が応でもドライブをかける。
サックスセクションがソロをとるが、ペッパーアダムスの豪快なバリトンも登場。マクファーソンのアルトに続いて、アーネットコブのソロの後は、お馴染みのお祭り騒ぎに。
やはりハンプトンのオーケストラの最後はこれに限る。
ライブの盛り上げには無くてはならないオーケストラだ。

STOMPI’N AT THE SAVOY
ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
HAMP’S THE CHAMP
CARNEGIE HALL BLUES
FLYING HOME

Lionel Hampton (vib,con)
Cat Anderson,Doc Cheatham,Jimmie Maxwell,Joe Newman (tp,flh)
John Gordon,Benny Powwll,Eddie Bert, (tb)
Charles McPherson,Earle Warren (as)
Arnett Cobb , Paul Moen(ts)
Pepper Adams (bs)
Bob Wilber (cl)
Ray Bryant (p)
Billy Mackel (g)
Chubby Jackson (b)
Panama Francis (ds)
Producer Teo Macero

Recorded July 1, 1978, at Newport Jazz Festival
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秋には、”With Stirings”が良く似合う・・・・・

2007-10-28 | MY FAVORITE ALBUM
With Strings / Clifford Brown

先週、会津若松に仕事で出掛けた。
以前はよくキャンプやスキーで訪れたが久々の訪問であった。先日久々に会った小学校の仲間との修学旅行でも会津を訪れた。50年近く前のことである。何かと縁のある場所だ。
この地へももっぱら車で行くことが多かった。高速が出来て便利になったという記憶はあるが。汽車で訪れたのははたして何年ぶりのことだろう。小学校の時は蒸気機関車の旅だったが。

会津盆地に入る。車窓から見る線路際の畑から遠くの山並みに至るまで秋の景色が一面に広がる。山の木々が色づき始め、収穫の終わった田んぼの中に一本立つ柿木に、朱色に色づいた実がたわわに実っている。秋を実感する。

普段、地下鉄で行き来する毎日、車窓から自然を見ることもなくなっていた。
確かに週末のゴルフ場通いで、四季と自然を感じているつもりになっていたが、所詮人工的な自然。暫く、人の手の入っていない自然を身をもって体感していない自分を改めて知る。忙しさと便利さにかまけて、出不精になってきているのかも。

急に秋を感じてしまったが、“With strings”は、秋に似合う演奏が多い。バラードが多く、物悲しい雰囲気が秋には似合うのかもしれない。

先日聴いて出しっ放しにしていた、クリフォードブラウンをもう一度聴くことに。
トランペットのお手本のような演奏が、ニールヘフティーのストリングスのアレンジをバックにして始まる。有名なスタンダードばかり。自分の好きな曲が多い。
ベイシーオーケストラとは少し趣が違う。ヘフティーも自作の曲は引っ込めて、ストリングスのアレンジに徹している。ブラウンとのコンビネーションに単なるムードミュージックではない緊張感を感じさせる。

年明け早々の録音であるが、年末に吹き込んだ、ヘレンメリルのセッションでも演奏している、Yesterdays、What's New?の2曲も含まれているが料理の仕方はそれぞれだ。
素材がよくて料理人の腕が確かだとどう料理しても美味しいものだ。

1. Yesterdays               Harbach, Kern 2:59
2. Laura                  Raksin, Mercer 3:26
3. What's New?              Burke, Haggart 3:23
4. Blue Moon               Hart, Rodgers 3:13
5. Can't Help Lovin' Dat Man      Kern, Hammerstein 3:43
6. Embraceable You           Gershwin, Gershwin 3:00
7. Willow Weep for Me          Ronell 3:24
8. Memories of You           Razaf, Blake 3:31
9. Smoke Gets in Your Eyes      Harbach, Kern 3:14
10. Portrait of Jenny          Robinson, Burgie 3:24
11. Where or When           Hart, Rodgers 3:26
12. Stardust                Parish, Carmichael 3:23

Neal Hefti (arr., con.)

Clifford Brown (tp)
Richie Powell (p)
Barry Galbraith (g)
George Morrow (b)
Max Roach (dr)

Producer: Bob Shad

Recorded at Fine Sound, New York, New York on January 18, 19 & 20, 1955.



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ここまで来れたお礼を兼ねて感謝の意を捧げる相手は・・・・やはり“ELLINGTON”

2007-10-27 | CONCORD
A TRIBUTE TO DUKE ELLINGTON

よく、キリ番という。
丁度、100とか、1000とかキリのいい番号のこと。
50や500は、キリ番の丁度中間点。自分の埃を被っていたConcordのアルバムの棚卸しもやっと50番になった。
Concord Jazz Festivalのライブ演奏のプライベート録音からスタートしたコンコルドレーベルも、この頃(1977年)になるとリリースのピッチも上がり、ニッチではあるが確固たるポジションを得るようになった。

最近、自分のブロクでもエリントンの話題が多かったが、このConcordのキリのいい50番(CJ-50)も、たまたまエリントンに捧げたアルバム。
Concordのハウスバンドがゲストを迎えて、皆でエリントンを追悼する。
現役復帰したローズマリークルーニーに加えて、ウディーハーマン、トニーベネットそしてビングクロスビーなども馳せ参じる。
バンドのメンバーにとっても、ゲストとして参加した歌手にとっても、エリントンに対する想いはそれぞれ違うかもしれない。でも、自分達の演奏や歌に何らかの影響を与えた大恩人であることには違いない。

軽快なTulip Or Turnipに乗って、初の黒人国連大使、Andrew Youngのイントロダクション。エリントンに対する賛辞で始まる。入れ替わり立ち代りゲスト加わる演奏が続くが、どのセッションもコンコルドらしい飾りっ気のない演奏が続く。
デビューしたばかりの、スコットハミルトンも大先輩たちに囲まれて早くもコンコルドの顔の一員としてすっかり溶け込んでいるのが印象的だ。
曲もメンバーも特に紹介するまでもないが。改めて聴きなおすと初期のコンコルドの良さが凝縮されたアルバムかもしれない。録音の良さも含めて。
トニーベネットは、ピアースのピアノをバックにデュオで決めている。ウディーハーマンも、ホッジス張りのねちっこいアルトを聴かせてくれるが。
全体をスイングさせているのは、ピアース、バドウッグ、そしてハナのリズムセクションだ。

Tulip Or Turnip
 Introduction Ambassador Andrew Young
Don’t Get Around Much Any More
 Bing Crosby
MainStem
 Instrumental
In A Sentimental Mood
 Woody Herman
I’m Checking Out - Good Bye
 Rosemary Clooney
Prelude To aA Kiss
 Tony Bennett
It Don’t Mean A Thing If It Ain’t Got That Swing
 Instrumental
I’m Just A Lucky So And So
 Tony Bennett
What Am I Here For ?
 Instrumental
Sophisticated Lady
 Rosemary Clooney

<Personnel>
Rosemary Clooney (vol)
Tony Bennett (vol)
Bing Crosby (vol)
Woody Herman (as)

<The Band>
Nat Pierce (p)
Scott Hamilton (ts)
Bill Berry (tp)
Monty Budwig (b)
Jake Hanna (ds)

Originally released on Concord CJ-50



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誰が目当てか、何が目当てか・・・・同じアルバムでも人によって聴き方が違うのがジャズ

2007-10-26 | MY FAVORITE ALBUM
Hampton Hawes - For Real!

レコードを買う時、何をきっかけに買うか。
好きなミュージシャンのリーダーアルバム。これが普通だと思う。名盤、話題盤。これも普通だ。そしてレーベル。ジャケ買い、怖いもの見たさの衝動買い・・・などなど。
そして、本当に興味を持ったミュージシャンをとことん。リーダーだけでなくサイドメンとしての参加アルバムも洗いざらい・・・。
自分自身振り返っても色々あるものだ。
最近昔のアルバムをひっくり返すことが多いが、このアルバムは何かきっかけに買ったのかを思い出すのもまた楽しい。

ある時、何がきっかけかは忘れたがリバーサイドのエバンスを追いかけたことがある。もうCDの時代になってから、何を今更といった感はあったが。
そこに出てくるのは、当然スコットラファロ。短命に終わったラファロのアルバムは数が多いわけではない。何枚かラファロの参加したアルバムを買い求めたが、その時買ったアルバムがこれだ。

ラファロの図太いベースを、このアルバムでも聴くことが出来る。
しかし、このアルバムで気になったのはハロルドランドのテナーだ。60年代以降のランドとは少し音色も違うしフレーズも流暢だ。気に入って一時良く聴いていた。

コンテンポラリーのサックスは生の音に近いといわれる。
何かの雑誌か本で読んだことがあるが、ロリンズの本当のサックスの音はブルーノートの音では無く、コンテンポラリーの音だと。ランドの本当の音がこれならば、なかなかいいのだが。
60年代、70年代のランドは、ところがライブも聴いたことがあるが何故かこのアルバムのランドとは違う印象を受けてしまう。なかなか好きになれずにいた。
若い頃良い印象を持っていたのに、何か変に大人っぽくなってしまった女性を好きになれないのと同じかもしれない。

リーダーはピアノのハンプトンホースだが、このアルバムでは影が薄い。
相棒のせいもあるのかもしれないが。でも、ホースらしさが良く出ている。
ホースのピアノは音数が多いわけではない。少な目の音のイントネーションとフレーズが実にジャズっぽい。ツボを得ている、これがホースの良さだろう。

たまたま、きっかけがあって最近聴きなおした久々のランド。やはり、なかなかいい感じだ。肌合いが合うということだろう。このアルバムもIpod入りした。暫く聴く機会が多いと思う。
この頃のランドを他にも聴いてみることにしよう。

Hip
Wrap Your Troubles In Dreams
Crazeology
Numbers Game
For Real
I Love You

 Harold Land (ts)
 Hampton Hawes (p)
 Scott LaFaro (b)
 Frank Butler (d)

Recorded in Los Angeles, CA, March 17, 1958


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たった一輪の花の花を咲かせるのに、多くの月日と幾多の苦労が・・・・・

2007-10-25 | CONCORD
DRUM FLOWER / CHUCK FLORES

昨日の夜、我が家の鉢植えの「月下美人」が咲いた。
僅か数時間の命であるが、一時の妖艶な姿が殺風景な部屋に輝きを与えた。
このアルバムのタイトルも”Flower”。
奇しくもこの月下美人の写真がジャケットにあった。

仕事仲間で人の名前を覚えるのが得意な人間がいる。
彼は初対面で会って挨拶をし、名刺交換をすると、その人間をまずはほとんど覚えている。
自分は、反対で初対面ではなかなか覚えない。
「この前会ったあの人だけど・・・」と彼にいうと、会社名と名前がすらすら出ていくる。
便利なのでついつい彼に頼るとますます自分では覚えない。
まあ性格といえばそれまでだが。それなりの努力、整理術を身に付けているのだろう。

ジャズを聴いていても自分はその傾向がある。
興味を持ったミュージシャン以外は、なかなか名前もちゃんと覚えないし。アルバムのタイトルのタイトルも不確かだ。ジャケットのデザインで何となくパターン認識していることが多い。とするとサイドメンで参加している「脇役」達となるとなかなか記憶が繋がらない。

Concordで大物の復活アルバムが続いたと思ったら、またまた「脇役プレーヤー」が登場する。ドラムのチャック・フローレス。リーダーアルバムは知らないし持っていないし・・。
50年代のアートペッパーやバドシャンクのアルバムで一緒にやっていたような・・・。
あまり記憶にない。ほとんど自分の意識の外の存在だ。
分からない時は調べるしかない。
ライナーノーツを見るだけでなく、ネットで少し探ってみると、大方どんな活躍をしたかは把握できる。こればかりは便利な世の中になった。便利になるとまた覚えなくて済むということになりがちであるが。

Concordに登場する多くのミュージシャンと同様、彼は50年代はウェストコースト系のアルバムにも多く参加している。が最近はスタジオ中心とのこと。
参加したアルバムを見ると、アートペッパーの「モダンアート」のドラムも彼だった。
トシコ・タバキンのオーケストラにも加わっていたことがあるとのことなので、早速チェック。確かに、「ロングイエローロード」に加わっていた。
カーメンマクレーのバックを努めていたとのことなので、これもチェックすると「グレートアメリカンソングブック」のドラムは彼だった。
そして、LA4のドラムの席もシェリーマンに替わって努めるなど・・・・。
結構、勘所で活躍していることを再認識。結構接点も多かったのだがノーケアだった。
色々活躍している割には典型的な脇役プレーヤーなのだろう。特に、自分にとってはかなり遠い存在だった。
まあ、彼のおかげで聴き直してみたいアルバム候補が結構見つかった。


しかし、リーダーアルバムとなるとこのアルバム以外に見つからない。このアルバムは、フローレスにとって「月下美人」のようなものだ。

このアルバムは、自分のQuintetでの録音。メンバーを見るとボビーシューがいる。彼もトシコのオーケストラにいた。彼はよく知っているが他のメンバーとなると・・・・・?

「脇役」達の集りのグループなのだが、これが実にいい演奏をしている。
このアルバムを聴く限り彼のドラミングは4ビートを確実に刻むというよりは、ポリリズミックな演奏を得意にしている。リズムラインが変るだけで大分演奏の雰囲気は変る。
このアルバムでは曲も提供している。ドラマーで作曲をするというのも珍しいが、メロディックなドラミングができるのも、歌心のあるドラマーなのだかろう。
Concordでは久しぶりに、「今風(といっても70年代だが)」のストレートな演奏だ。曲もオリジナル中心。
ジャズが復活を始めた70年代の後半。スタジオを離れたライブの活動では、昔ながらのスタイルの復活に加え、こんな演奏も繰り広げられていたのだろう。
まさに、これもベテラン達が集った“New wine in Old Bottle”の一枚。

Drum Flower
End of A Love Affair
Orge Of Leadwell
Horse A Nova
I Remember Freddie
Return Of The Ogre
Dawn And Lizz

 Bobby Shew (tp)
 Bob Hardaway (ts,ss,fl)
 Dick Johnson(Keyboards)
 Bob Mafnusson (b)
 Chuck Flores (ds)

Originally released on Concord CJ-49
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先日小学校の同窓会があった。しばし自分の子供の頃を思い出す・・・・・・

2007-10-24 | MY FAVORITE ALBUM
The Champ / Dizzy Gillespie

久々の同窓会。比較的最近会った仲間もいれば、卒業以来顔を合わせていなかった者も。
昔一緒に遊んだ光景がすぐに目に浮かぶ。そして懐かしい思い出が次から次へと写真をめくるように。小さい頃の友人に会った時の特徴であろう。それも、時間経過も明確に。
大人になり、昔一緒に仕事をした仲間と久々に再会してもなかなかそのようなこともないし、気分にもならない。そして果たして何年前のことであったかを思い出すのに一苦労してしまう。その位、子供の頃は友人と日々濃い付き合いをしていたのだろう。

その中に一人ジャズ好きがいる。いわゆる中間派を好む年季の入った「超マニア」だ。ジャズファンでもありオーディオマニアでもある。小学校の頃からベースを弾いていた。
そういえば自分の結婚祝いに彼のお勧めのカートリッジを貰った記憶がある。このような物を貰うのも珍しかったし何よりも嬉しかった。まだまだ大事に持っている。

賀状のやりとりはしているので、久々に会うのを楽しみにしていたのだが。欠席連絡の彼のはがきには、交通事故にあってリハビリの毎日とのコメントがあり、当日は残念ながら欠席できないとあった。早く元気になってもらいたい。
元気に生きているからこそ色々なことができる。健康を害すると生きることだけが目的の毎日なってしまう。人それぞれの人生であるが、何をするにも体だけは大事にしたいものだ。

先日聴いたバドパウエルの録音日を見ると、1950、1951年。
ちょうど自分を含めて先日集った仲間達が生まれた頃だ。
モダンジャズの歴史と自分のこれまでの人生を照らし合わせ改めて何か感じるところがあった。
生まれてから25年、ちょうど70年代の中ごろまでは色々なことを知り、多くのことを吸収し、様々なことを経験もした。
ジャズも、丁度その頃まではハードバップ、モード、フリー、フュージョンと、色々な形に姿を変え、多様性を持って進化してきた。
しかし、その後の25年は大きく劇的に変化することもなく、それまでの進化を深め、あるいはそれまでの資産を食い潰しているだけのような気がする。
ジャズの世界も自分自身も。もしかしたら変化はしているのに鈍感になっているのかもしれないが。

大分前置きが長くなったが、バップからハードバップへ向けて変化を始めた50年代初頭。
多くのスターが誕生している。
先日紹介したギターのケニーバレルの初吹き込みも丁度この頃だ。ガレスピーのコンボでデビューしている。先日のアルバムにも入っている“Tin Tin Deo”が、このアルバムでのデビュー曲だ。ソロがある訳でもないが。

ミュージシャンが自社のレーベルを持つというのは珍しいが、ガレスピーは当時自分のディージーズというレーベルを持っていた。このアルバムに収録されている曲は、元を辿るとこのディージースでの吹き込みだ。
セッション毎にメンバーも替わるが曲想も微妙に違う。ガレスピーも色々な試みをしているのがよく分かる。若手を育てながら、新しいものにチャレンジし続けたこのバイタリティーがあったので、最後まで現役で自分の世界を持続できたのだろう。見習うべきことが多い。


“Tin Tin Deo”
“Birks' Works”

Dizzy Gillespie (tp)
John Coltrane (as, ts)
Milt Jackson (vib, p)
Kenny Burrell (g)
Percy Heath (b)
Carl "Kansas" Fields (d)
Freddy Strong (vo)

Recorded in Detroit, MI, March 1, 1951

“The Champ, Pt. 1&2”

Dizzy Gillespie (tp)
J.J. Johnson (tb)
Budd Johnson (ts)
Milt Jackson (vib, p)
Percy Heath (b)
Art Blakey (d)
Joe Carroll, Melvin Moore (vo)

Recorded in NYC, April 16, 1951

“Swing Low, Sweet Cadillac”

Dizzy Gillespie (tp, vo)
Bill Graham (as, bars)
Milt Jackson (vib, p)
Percy Heath (b)
Al Jones (d)
Joe Carroll, Melvin Moore (vo)

Recorded in NYC, August 16, 1951

“Caravan”
“The Bluest Blues”
“On The Sunny Side Of The Street”
“Stardust”
“Time On My Hands”

Dizzy Gillespie (tp)
Bill Graham (as, bars)
Stuff Smith (vln)
Milt Jackson (vib, p, org, vo)
Percy Heath (b)
Al Jones (d)
Joe Carroll (vo)

Recorded in NYC, October 25, 1951

“Oo-Shoo-Bee-Doo-Bee”
“They Can't Take That Away From Me”

Dizzy Gillespie (tp, vo)
Bill Graham (as, bars)
Wynton Kelly (p)
Bernie Griggs (b)
Al Jones (d)
Joe Carroll (vo)

Recorded in Chicago, IL, July 18, 1952

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ジャズピアノを嗜む誰もがソロにチャレンジするが、モダンジャズの師も・・・・・・

2007-10-23 | MY FAVORITE ALBUM
THE GENIUS OF BUD POWELL

ピアノソロ。
ジャズでもクラシックでも、そしてポピュラーの世界でもピアニストが実力が一番試されるのがソロだろう。
メロディー、リズム、そしてアドリブ。すべて自分の10本の指で作り出さなくてはならない。
Concordに遅咲きのレコーディングデビューしたROSS TOMPKINSはいきなりソロでのデビューであった。

いきなりソロでデビューするピアニストも少ないが、何枚かのアルバムを作る中では必ずといってもいいほどソロアルバムを作る。ピアニストであれば一度はチャレンジしてみたい世界なのだろう。

モダンジャズピアノの父、バドパウエルもソロの演奏を残している。
そして、この演奏ほど「ピアノに向かってこれでもか!」といった雰囲気を感じ、プレーヤーの挑戦する姿を思い浮かぶことができるソロ演奏もめったにない。

元々、パウエルはリズムセクションの影が薄くなるほどグイグイと自分の世界で引っ張っていくタイプだ。テクニックがありながらレイブラウンという相棒とのコンビネーションを極めたピーターソン、ベースとドラムのコラボレーションを追い求めたビルエバンスと比較すると、パウエル世界はまたひとつ違う。

このアルバムの10曲中8曲がソロピアノである。
リズムセクション無しで自分の世界を思う存分に披露している。時期も絶頂期ともいえる50年代の初めの録音だ。
ライナーノーツの言葉を拾ってみる、躍動感、荘厳、美、幻想、特異・・・・という言葉が並ぶ。
それは曲に対する賛辞もあれば演奏もある。最初の5曲はオリジナル、後の5曲はスタンダード。持ちうるあらゆるテクニックを披露するが、珍しくストライド奏法を披露するのもソロならでは。

自分の曲であろうと、歌物であろうと、このパウエルのピアノが多くのピアニストにとってお手本になっていったのが覗える。
“TEA FOR TWO”, “HALLELUJAH”の2曲はレイブラウンとベースとバディーリッチが加わる。このリズム感と躍動感は圧巻だ。ソロの対極にあるようなベースとドラムのコンビネーションが聴ける。
ソロ中心のアルバムに、この2曲の圧倒する迫力がパウエルの真髄を語る。

Parisian Thoroughfare
Oblivion
Dusky 'n' Sandy
Hallucinations
The Fruit
The Last Time I Saw Paris
Just One Of Those Things
A Nightingale Sang In Berkeley Square

 Bud Powell (p)
  Recorded in NYC, February, 1951

Tea For Two
Hallelujah!

 Bud Powell (p)
 Ray Brown (b)
 Buddy Rich (d)
  Recorded in NYC, July 1, 1950


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ポピュラーピアノの雄も「エリントン」のポピュラーソングを・・・・

2007-10-22 | CONCORD
NOW / PETER NERO

ジャズファンだけでなく誰にでも愛されるエリントンの曲。
ベンチャーズなる我々世代であれば誰もが知っているエレキグループがある。
彼らのヒット曲にもエリントンの「キャラバン」があった。ブログで時々訪問させて頂いているdukeさんもどうやらこれでジャズファンになったようである。

ジャズピアノというよりは、ポピュラーの世界で広く知られているピーターネロ。彼もこのエリントンの曲を集めたアルバムを作っている。
それも、なんとConcordレーベルで。

エリントンは曲を作るのにピアノを用いたそうだ。エリントンのピアノから生まれた曲の多くはオーケストラの演奏になって世に紹介された。エリントンのピアノが聴けるのはそのオーケストラの演奏の合間でしかない。
でも多くのピアニストがエリントンの曲に正面から取り組んでピアノの名演を残している。誰もが愛するエリントンの名曲は、アメリカンスタンダードと言ってもいいかもしれない。

このネロのアルバムも、そのひとつだ。
普段のロマンチックで華麗なタッチを残しながらも、ジャズピアニストとして正面から取り組んだアルバムだ。スインギーな演奏が多いが、I GOT IT BAD AND THAT AIN’T GOODではエレキピアノを使ったソフトで寂しげな雰囲気が趣を変える。

ローズマリークルーニーに続き、普段はジャズにあまり正面に取り組んでこなかった大物にこんな機会を与えたのもこの当時のConcordのオーナーであるカールジェファーソン。
彼にも普段ジャズをやっていない者に、自由にジャズをやらせてみようという、ある種の想いがあったのだろう。
タイトルの「NOW」。ピーターネロのエリントンに対して「今」感じるままを、何の脚色も無く自然に表現させたのだろう。

1. I'm Beginning To See The Light
2. Don't Get Around Much Any More
3. I Let A Song Go Out Of My Heart
4. Satin Doll
5. I Got It Bad And That Ain't Good
6. Take The 'A' Train

PETER NERO (p)
RICHARD NANISTA (b)
ANDY ZOOB (ds)

Originally released on Concord CJ-48
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サド・メルコンビが今度はスウェーデンに・・・・

2007-10-21 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Thad Jones & Aura Rully

ケニーバレルのアルバムもそうであったが、サド・メルは2人で色々なところに乱入する。時にはバンドのメンバーを引き連れて。
今回、他流試合に臨んだのはスウェーデンのラジオジャズオーケストラ。
今では、放送局が専属のバンドを持つことは無いが昔はテレビ局にしてもラジオ局にしても専属バンドを抱えていた。
70年代に西海岸に移ったスタジオミュージシャンも、テレビ番組のショーのレギュラーバンドに加わっていたメンバーが多い。日本でも、歌番組やバラエティー番組のバックにはオーケストラが付き物であった。
今回は、サドジョーンズとメルルイスに加えてトランペットのアルパチーノが地元のオーケストラに参加している。スコアはサド・メルのオーケストラのものを提供しているので、オリジナルメンバーとの比較も楽しみだ。
A面は、オルガンのローダスコットの曲が2曲。彼女と共演したアルバムでも演奏していた曲だ。それに、ジョーンズの曲が一曲。10分にも及ぶ演奏だがなかなかこれがいい感じだ。多少ヨーロッパのバンドのせいかすっきりした感じが曲に合う。

B面はボーカルのAura Rullyが加わる。
ジャケットで見ると可愛い感じの女性だが、歌いっぷりは可愛さの中にも切れのよさが。
ルート66ではスインギーにスキャットなども披露。最後のEverything must changedのストレートな歌いっぷりは、単に「ぶりっ子」歌手ではない実力を見せる。
ルーマニア出身の歌手らしいが、他のアルバムは聴いたことがない。
これを機会に、気にかけておこう。

Youtubeを探したら、比較的最近(?)の映像が。しっかり体つきも歌声も太めになってこの若いときの面影はない。可愛さはいずこへ貫禄のある歌いっぷりだ。


1. Mach 2
2. Rhoda Map
3. My Centennial
4. Feelings
5. Road 66
6. Nice To Be Around
7. I Wish You Well
8. Everything Must Change

Thad Jones Conducting
Swedish Radio Jazz Orchestra,
Featuring Mel Lewis

Thad Jones(cor)
Al Porcino,Americo Bellotto, Bertil Lovgren,Jan Allan (tp)
Torgny Nilsson, Lars Olofsson, Bengt Edwardsson,Sven Larsson (tb)
Arne Domnerus,Lennart Aberg,Bernt Rosengren, Claes Rosendahl Erik Nilsson (Reeds)
Bergt Hallberg (p)
George Riedel (b)
Stefan Brolund (eb)
Mel Lewis,Egil Johansen (ds)

Recorded at Swedish Radio studio 7, 28,29 ,January 1977
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亡きエリントンに捧げるアルバムに、多くの仲間が集まり・・・・

2007-10-20 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Ellington Is Forever, Vol. 1 / KENNY BURRELL

エリントンが亡くなったのは1974年。自分が社会人になった年だ。
エリントンは偉大なビッグバンドリーダーだが、一方で偉大な作曲家の一人でもある。
もちろん曲の多くは自分のオーケストラで演奏しているが、エリントンの曲が演奏されることは多い。それも、フルバンドではなく、コンボやソロ、そしてボーカルでも。ジャズを演奏する人であれば誰でも一曲はエリントンの曲をレパートリーに加えているだろう。
ジャズのアルバムの中にも、新旧を問わずエリントンメドレーや、ソングブックも数多くある。ギターのケニーバレルも、エリントンの死後翌年にエリントンに捧げたアルバムを作っている。

エリントンの好んだギタリストはケニーバレルとのこと。エリントンに心酔していて相思相愛の関係のあったバレルの2枚組みの追悼盤。これだけでも意気込みの違いが感じられる。
そもそもは、ピアノのジミージョーンズとこのアルバムの企画が作られたらしい。
そして、ジミースミスが集まり・・・。
そこに、たまたま近くでコンサートを行っていたサド&メルのオーケストラのメンバーが、噂を聞きつけてスタジオに駆けつけた。彼らも、ただ見ているだけではいられなくなったのであろう。
御大のサドジョーンズだけでなく、他のメンバーも次々とセッションに加わる。あっという間に12人編成のバンドが出来上がる。
サド・メルのメンバーも時に仲間内でアルバム作りを行っていたが、こんなセッションにも参加していた。

セッションのスタートを宣言するかのように、バレルのソロで始まる。
続いて、お馴染みのキャラバン。メルルイスもパーカッションで参加。リズミカルなテンポに乗ってサドジョーンズ、スヌーキーヤング、そしてジョンファディスのトランペットが持ち味を生かす。ジミースミスのオルガンも絶妙のソロでありバックを務める。次々に続くエリントンサウンド。そして、ヴォーカルのアーニーアンドリュースが加わり。最後は、エリントンメドレーを皆でブルースを素材に、サドとケニーのDUOに。サドのバラードプレーの真骨頂が聴ける。最後はエリントンのテーマソングのA列車をジミージョーンズのソロで締めくくる。全体の構成も素晴らしい。
サド・メルの参加も突然だったのかどうか分からないいが、こんな素晴らしいアルバムに仕立て上げたプロデューサーとしてのバレルの手腕もたいしたものだ。

単なるジャムセッションではない。参加した面々が、エリントンに対して自分の想いを伝えようとするが如くのショーケースが続く。エリントンコンテストのような様相だ。
ジャズを愛する者が集まれば、誰もが知っているスタンダードとして、そして自分のエリントンに対する想いを込めて演奏できる曲。エリントンはそんな曲をたくさん残した。
エリントンオーケストラは不滅だが、作曲家としてのエリントンも永遠に忘れ去られることは無いであろう。

1. Jump for Joy                   Ellington, Webster, Kuller 1:48
2. Caravan                     Mills, Ellington, Tizol 8:38
3. Chelsea Bridge                  Strayhorn 4:37
4. Mood Indigo                   Mills, Bigard, Ellington 4:33
5. Don't Get Around Much Anymore        Ellington, Russell 3:15
6. C Jam Blues                    Bigard, Ellington 15:31
7. It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)  Mills, Ellington 9:34
8. I Didn't Know About You             Ellington, Russell 5:11
9. My Little Brown Book             Strayhorn 3:28
10. Blues Medley:
  Carnegie Blues
  Rocks in My Bed
  Jeep's Blues
  The Creole Love Call
                       Hodges, Jackson, Miley, Ellington 10:26
11. Do Nothin' Till You Hear from Me       Ellington, Russell 2:53
12. Take the "A" Train                Strayhorn 2:57

<Personnel>
Kenny Burrell (guitar)
Ernie Andrews (vocals)
Jerome Richardson (soprano & tenor saxophones)
Joe Henderson (tenor saxophone)
Jon Faddis (trumpet, piccolo trumpet)
Snooky Young (trumpet)
Thad Jones (cornet, flugelhorn)
Jimmy Jones (piano)
Jimmy Smith (organ)
Stanley Gilbert (bass)
Jimmie Smith (drums)
Mel Lewis, Richie Goldberg (percussion).

Recorded at Fantasy Studios, Berkeley, California on February 4 & 5, 1975.
Includes liner notes by Patricia Willard and Kenny Burrell.


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楽器を演奏しながら歌を歌うのはつくづく器用だと思うが、それがコーラスだとなおさら・・・・・・・

2007-10-18 | MY FAVORITE ALBUM
While at BIRDLAND / THE PAT MORAN QUARTET

ボーカルが続くが最近のお気に入りがこのアルバム。最近CDで買い求めたもの。
L・H&Rが初レコーディングを行ったのが1957年。この年、少し毛色の変わった別のコーラスグループがアルバムを残している。ピアノトリオに女性ボーカルのBEV KELLYが加わっている編成だ。比較的最近聴いたkellyのアルバムがきっかけでこのアルバムを買った次第。

楽器を演奏しながらのコーラスとなると、フォーフレッシュメンや日本ではタイムファイブが思い浮かぶ。出だしの、Thou Swellでいきなり、フォーフレッシュメンのようなモダンな感じのコーラスで始まる。「なかなかやるな」という感じだ。
かと思うと、Vocal抜きのピアノトリオが。そして、Kellyのソロボーカル、Moranのソロも。組み合わせが変化に富んでいる。

このグループの特徴はもう一つMoranのピアノだと思う。
クラシックピアノ出身なのが随所で分かる。バラードプレーの中で、突然力強くダイナミックな弾き方をしてみたり、シングルトーンを多用したスインギーなピアノも。
これも七変化の多彩なスタイルを披露する。
とかく単調になりがちなコンボ演奏だがこれは飽きさせない。ライブのステージはさぞかし楽しそうだ。

古いアルバムをひっくり返して聴いていると、ついつい聴きそびれていたり、買いそびれていたものが気になる。寝た子を起こしたように最近は新しく購入する機会も多くなってしまった。とはいっても古い録音が大部分。最近のプレーヤーはあまり知らないこともあり食指があまり動かないのが幸いしている。

それにしても、気になったら新しい盤でも中古でもすぐにネット調べて即オーダー。
あまりに便利になってしまったものだ。昔は足を使って探し回る楽しみがあったのだが。
最近は、ネットの普及であまり人間は「動かなくなって」しまった。実際に動き回ってリアルな体験をするというのは人間には大事なはずだが。

楽器と歌を同時に起用にこなすというのも、本来人間は動き回りながらマルチタスクができる能力があったから。最近はシングルタスク、それも分散処理になっている。
こんなことからも、人間らしさが失われているのが分かる。
それに引き換え、マルチタスクが得意なこのグループは人間的なグループだ。

1. Thou Swell
2. Have You Met Miss Jones?
3. Lover Man
4. Jor-Du
5. It Never Entered My Mind
6. Come Rain Or Come Shine
7. I'll Be Around
8. Just Squeeze Me
9. I Can't Get Started
10. Lullaby Of The Leaves
11. I'll Remember April
12. Mother Machree

Bev Kelly (vol)
Pat Moran (p)
John Dolling (b)
John Whited (ds)
Burt Collins (tp)
Sam Most (fl)
Tony Ortega (as)
Dick Meldnoan (as)
Earl Swope (tb)
Oscar Pettiford (b)

Nat Pierce (Con)

Recorded in New York , March and April 1957

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親子ほどに歳が離れた2人の大型新人のデビュー作・・・・・・

2007-10-17 | CONCORD
EVERYTHING’S COMING UP ROSIE / ROSEMARY CLOONEY

いつものようにジャケットを手に取り裏を見る。白地に「Perfect,Tonny Benett」の一言が。



他には何の解説も無い。これが、このアルバムのすべてを語っているだろう。
Concordがまた大物を復活させた。ロージーこと、ローズマリークルーニーだ。
50年代には7枚のミリオンセラーを放ち、映画にも出演し、ビバリーヒルズに居を構える彼女が。
と、バイオグラフィーを見ながらここまで書いたが、いつもとは何か勝手が違う。
ここに書いていることが全く自分の頭の中に思い浮かばない。
確かに名前は聞いたことがある。有名スターであったことも知っている。ところが、彼女は自分にとって全く知らない存在だ。
このアルバムが自分にとっても初めて買った彼女のアルバム。その後もコンコルドで発売された多くのアルバムは買い求めた。でも、何故かは分からないが、今に至るまで過去の彼女のアルバムを聴く事もなければ買い求めることも無かった。
自分にとっては、これが彼女のデビュー作である。

普段であれば、あるプレーヤーを気に入ると、過去の作品にだんだんとさかのぼることが普通なのだが。きっと、彼女がジャズ歌手といわれる範疇にはいなかったこともひとつの原因であろう。
経歴を見ると、「彼女はマクレーやサラのようなボーカルインプロバイザーではなく、excellent lyric interpreterである」との記述がある。
彼女の歌がジャズに根ざしているのは間違いないが、テクニックをひけらかすようなタイプではないということの証だろう。
そして、このような素直な歌い方がこのConcordの雰囲気に良く似合う。

68年の彼女は一度引退をする。友人であったロバートケネディーの暗殺現場に立ち会っていて大きなショックを受けたのもひとつの大きな原因らしい。悪いことが重なると続くものである。これをきっかけに、離婚などもあり精神的にもかなり落ち込んだ生活を送ることになる。
やはり持つべきものは友人である。8年間のブランクを経て、76年に親友のビングクロスビーの誘いで彼のコンサートツアーに参加し復帰の手掛かりを得る。
そしてConcordとの契約に至り、このアルバムが一作目だ。

彼女のストレートな歌に合うのは、やはりCONCORDオールスターズ。
いつものお馴染みのメンバーが彼女の復帰を称えてバックを努める。
その中に、今まで見かけない違和感のあるメンバーが一人。もちろん今見ればなんの不思議もないのだが。あの「スコットハミルトン」が参加している。
彼のデビューアルバムのライナーノーツを見ると、Concordへの録音のために、New Yorkからの飛行機のチケット貰って西海岸に来る、そして、自分のアルバムの録音の前にこのセッションに参加したと書かれている。彼にとっても実質的なConcordへのデビュー作だ。

彼女がこの録音をしたのが49歳の時。ハミルトンは1954年生まれなのでまだ弱冠23歳。一年前に生まれ故郷からNew Yorkに出てきたばかりの全くの無名の新人。年も親子ほどに違うし、経歴もプロとアマチュアの差ほどの隔たりがある2人であった。
大スターRosieのアルバムにこんな新人を起用したのも、ジェファーソンの大英断であった。結果はもちろん大成功であった。
2人のアルバムは、この後Concordのメインアーティストになっていく。

演奏を聴く限りはまったくそのような2人の組み合わせであることは全く感じさせない。他のベテランの面々に囲まれ、ハミルトンのバラードの咽び泣くようなサックスの響きはベンウェブスターのような雰囲気を醸し出す。軽快な曲ではレスターヤングやズートシムスを感じさせることも。
とても新人とは思えない。それもロック&Fusion全盛の世代に突然演歌の若手が現れたようなものだ。一瞬タイムスリップしたような雰囲気になる。これがFusion全盛期の西海岸での録音なのかと。
いつものように、オーバーダビングをしないライブのようなセッション。和気藹々とした中で、2人の大物新人の門出をスタジオ全体で祝っている雰囲気が伝わってくるアルバムだ。

復帰4年後、1981年のコンサートでの映像は

1. I Cried For You (Now It's Your Turn To Cry Over Me)
2. More Than You Know
3. How Am I To Know (TRUE instrumental)
4. I Can't Get Started
5. A Foggy Day
6. I've Got A Crush On You
7. Hey There
8. As Time Goes By
9. All Of Me (TRUE instrumental)
10. Do You Know What It Means To Miss New Orleans

Personnel:

Rosemary Clooney (vocals)
Scott Hamilton (tenor saxophone)
Bill Berry (trumpet)
Nat Pierce (piano)
Monty Budwig (bass)
Jake Hanna (drums).

Recorded at Sunwest Recording Studios, Inc., Hollywood, California,1977
Originally released on Concord CJ-47


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コーラスを離れておしとやかな一面を・・・・・

2007-10-16 | MY FAVORITE ALBUM
ANNIE ROSS sings A HANDFUL OF SONGS

いつもコンビやグループを組んで活動しているメンバーが突然ソロ活動を始めた時、何か違和感を感じる反面、新たな発見をすることがある。
グループ自体が特色あるものだと、余計にその違いの度合いは大きくなる。よく言われたのが、MJQのミルトジャクション。
L・H&Rが売りにしていたボーカリースは、自由度がありそうでも所詮作られたもの。自然にメンバーの個性もそのグループの役割の中で決まってきてしまった。

62年、L・H&Rを退団したアーニーロスはイギリスに戻ることになる。健康上の理由もあったらしいが、メンバー間でのストレスもあったようだ。
元々イギリス生まれの彼女であったが、3歳のときにはすでにアメリカに、そしてプロの歌手としての活動はまたヨーロッパに戻ってという経歴の持ち主だ。
1953年クインシーやクリフォードブラウンが加わったあのライオネルハンプトンのオーケストラにも同行して、ヨーロッパを一緒に巡演したそうだ。その後、パリでジェームスムーディーと共演するなど、ヨーロッパで活動を続けながらボーカリストとしての彼女が育っていった。
再度アメリカに渡り、ボーカリーズの元祖の一人キングプレジャーと共演する。これがボーカリーズに目覚めた一因かも。彼女は、L・H&Rの活動中もソロアルバムを何枚か残しているが、コーラスの時と何か違った一面を感じさせる。

イギリスに戻った彼女は、コーラスではなくソロアルバムを残している。
いつもの聞きなれたボーカリーズとは異なり、オーケストラをバックにした正統派のボーカルだ。いつもの高音のトランペットを担当するような「とんがった」歌唱法は影を潜め穏やかな歌い方だ。曲も、今まで彼女が録音したことが無い曲が選ばれている、新旧の名作を取り揃えた唄物である。まさに両手に一杯の名曲揃いだ。
いつものコーラスを聴きなれた耳には、おしとやかな彼女の一面を楽しめるアルバムである。FLY ME TO THE MOONも最近聴いたシナトラと較べるとスローテンポでじっくり聞かせる。
その彼女もすでに70歳の後半。まだ元気に活躍しているらしいがこの秋には来日するらしい。まだ、ライブは聴いたことがない。
元気なうちに一度は聴いておいた方がいいのかもしれない。

1. Handful of Songs         Pratt, Steele, Bart, Maurice 2:31
2. All of You             Chappel, Porter 2:41
3. Fly Me to the Moon        Almanac, Howard 3:09
4. Nature Boy            E.H. Morris & Co. Inc., Ahbez 2:40
5. What's New?           Wilmark, Haggart, Burke 4:08
6. Love for Sale           T.B. Harms Co., Porter 4:20
7. Lot of Livin' to Do        E.H. Morris & Co. Inc., Strouse, Adams 2:05
8. Let Me Love You          Leeds Music Corp, Howard 2:55
9, All the Things You Are       Chappell, Kern, Hammerstein 3:02
10. I'm Gonna Go Fishin'       Comstock Music, Lee, Ellington 3:12
11. Like Someone in Love       Buzvan Music, Burke, VanHeusen 3:29
12. Limehouse Blues         T.B. Harms Co., Braham, Furber 2:46

Annie Ross (vocal)
ARRANGED and Conducted by Johnnie Spence
Produced by John Barry
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