A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

裏舞台の一流達が・・・

2008-03-24 | CONCORD
Horn Of Plenty / Snooky Young

この人物の顔をアップで見たことはない。というのは、あまりコンボでの演奏をしていないし、リーダーアルバムも無いからだ。名前を聴いたことがあるかと聞かれれば、あるような無いようなというのが一般的な知名度であろう。
カウントベイシーのトランペットセクションで有名といっても、実は’57年に呼び戻されてからだ。それから5年在団した後は、NBCのスタジオのキーマンとなった。それでは、遅咲きのプレーヤーかといえばそうでもない。
最初のレコーディングは20歳のとき。30年代にすでに、色々なバンドから引っ張りだこだった。いわゆるFirst Call Superstarであった。その頃、ベイシーやハンプトンなどの有名バンドにも在籍していた。
それでは40年代の後半から57年まではどうしていたかというと、地元のオハイオ州のデイトンに引っ込んでいた。地元でもジャズをやっていたので、引退していたのではなかったのだが。その間世の中は、バップ旋風が吹き荒れ、そしてハードバップの時代に。最前線でプレーをしていたプレーヤーは大なり小なり新しい流れの影響をうけた。
しかし、この写真の主は自分のスタイルを地元でしっかり守っていた。

ベイシーオーケストラの全盛期、そしてあのサド・メルオーケストラの立ち上げの時にもリードトランペットを吹いていたのがこのスヌーキーヤングだ。
だが、オーケストラでのプレーは聴いたことがあっても、コンボでの演奏は珍しい。
Concordではマーシャルロイヤルとの共演でリーダーにクレジットされたのが始めて。そして、相方のマーシャルがリーダーアルバムを作ったのに刺激されてか、今度はスヌーキーがリーダーアルバムを作ることになった。マーシャルに遅れること3ヶ月で。
スヌーキーのトランペットは基本的に中間派といった方がいいだろう。このアルバムでも、”Valerie”ではルイアームストロングを思わせるような吹きっぷり。他もスイングすることを基本においた素直なトランペットだ。

このように実力がありながら、リーダーアルバム少なかったばかりに、あまり知られていないミュージシャンは多い。実はこのアルバムは影の実力者のオールスターバンドといってもいい。
レイブラウンのように超有名人、そしてConcordではお馴染みのハナもいるが、今回のもう一人の目玉はギターのジョンコリンズ。あの、ナットキングコールトリオの一員を長く努めたベテランだ。コールのアルバムでもコリンズのプレーの片鱗を聴くことはできたが、いつもコールの影に隠れていた。
それに、この頃好調なトンプキンスを加えたスヌーキーヤングのワンホーンアルバムがこのアルバムという訳だ。
影のオールスターバンドの実力と雰囲気は出だしの一曲目から始まる。ベースとスヌーキーのデュオによるユニゾンは単なるジャムセッションアルバムではない。
アップテンポ、バラード、ミュートプレーとスヌーキーのすべてを聴かせてくれる。まさに”Horn of Plenty”だ。小柄で普段目立たないスヌーキーだが、力一杯のプレーを聴かせてくれる。
そして、このアルバムは今も元気に活躍しているスヌーキーにとって唯一のリーダーアルバムとなる。

1. Lady Be Good
2. Alley Blues
3. The Gypsy
4. My Buddy
5. Rosetta
6. Old Blues
7. Valerie
8. Bad News

Produced by Carl Jefferson

Snooky Young (tp)
Ross Tompkins (p)
Jhon Collins (g)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)

Recorded at Sunwest Recording Studio, Hollywood, CA March 1979
Originally released on Concord CJ-91

コメント
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