A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ベイシーオーケストラのテナー、ダグローレンスはオルガン好き・・・

2017-03-04 | MY FAVORITE ALBUM
High Heel Sneekers / Doug Lawrence

 ベイシーオーケストラのサックスセクションのソリストといえば昔からテナーが要だ。古くはレスターヤングに始まり、黄金期のフランクフォスター、その後もエディーロックジョーデイビス、エリックディクソンと、多少スタイルが違ってもベイシーオーケストラのスイング感と良くマッチしたテナープレーが必須だ。

 今のサックスセクションのメンバーはバリトン以外固定しているが、テナーは大柄のダグローレンス、そして小柄の方がダグミラー、どちらも味のあるソロを聴かせてくれる。今回の来日時も、920Specialでは二人でテナーバトルを繰り広げていた。このダグローレンスも、いつの間にかベイシーオーケストラに加わってから10年以上経ち、レギュラーメンバーとして要になっている。



 数年前、ベイシーのライブを聴いてこのローレンスの演奏をもう少し聴いてみたいと思い、ベイシー以外のグループでの演奏を探したら、たまたま持ち合わせていたブッチーマイルスのアルバムに加わっていた。このアルバムを最初に聴いた時には、あまり意識せずに聴いていたが、ベイシーオーケストラの卒業生のブッチーマイルスと一緒ののびのびとした演奏も好演だ。

 それではリーダーアルバムは?と思って、探して入手したのがこのアルバム。オルガンとギターを加えたクインテット編成だが、60年代のジミースミスを始めとしたファンキーなオルガンアルバムの雰囲気の演奏だ。ローレンスのテナーもスタンレータレンタイン風となり、いつもよりグルービーだ。

 このローレンス、父親がミュージシャン6人兄弟の末っ子に生まれた。兄たちも皆ミュージシャンになったので、子供の頃から音楽には慣れ親しんで育ったそうだ。体が大きかったせいもあり13歳の時から父親のバンドに加わり演奏活動を始め、名門ノーステキサス州立大学のスカラーシップを得たにも関わらず、一方で地元のバンドのオーディションに受かったのでプロでの活動を優先した。ところがバンドが解散し、ラスベガスで仕事をしていた兄を頼ってテキサスを離れる。ところが、1975年当時のラスベガスはミュージシャンとっては働く場所がどんどん減っていた時期で、そこでも仕事にありつけず、止む無くニューヨークに行くことに。若い頃はあまり恵まれたキャリアではなかったようだ。

 ニューヨークでは、ベニーグッドマン、バッククレイトンといったスイング系のバンドでプレーをする一方で、ワイルドビルデイビスのグループのレギュラーメンバーとなった。ローレンスにとってはこれがオルガンとの出会いで、このオルガンを加えたスタイルでの演奏がすっかり気に入ったそうだ。

 という理由で、自分のグループで演奏する時は、このオルガンを加えた編成が多いようだ。
今回の来日時も、新しいアルバムのサイン会をやっていたので、中身も確かめずに記念に一枚購入したが、これも同じようにオルガンを加えた演奏。どうやら、ローレンスのスイング感の源は、このオルガンをバックにしたファンキーなプレーにあるようだ。



1. The Lamp Is Low   P. DeRose / M. Parish / M. Ravel / B. Shefter 6:32
2. Get Out of Town                   Cole Porter 7:08
3. High Heel Sneakers                Doug Lawrence 4:47
4. Crazy She Calls Me           Bob Russell / Carl Sigman 6:03
5. The Masquerade Is Over          H. Magidson / A.Wrubel 6:15
6. The Moon Was Yellow            F. E. Ahlert / E. Leslie 4:45
7.Doug's Dilemma                   Adam Scone 6:50
8. Savoy Blues                   Doug Lawrence 5:38
9. Detour Ahead Lou Carter / Herb Ellis / John Freigo / Johnny Frigo 5:58
10. El Shakey                    John Webber 3:58
11. The Way You Look Tonight     Dorothy Fields / Jerome Kern 6:30

Doug Lawrence (ts)
Peter Bernstein (g)
Adam Scone (org)
Dennis Irwin (b) 1,2,4,5,7,8,9,11
John Webber (b) 3,6,10
Willie Jones Ⅲ (ds)

Produced by Don Mikkeisen
Recording Engineer : Nihar Oza
Recorded at Fable Studios, New York on January 8 & 12 1998

High Heel Sneakers
クリエーター情報なし
Lightyear
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日本人以上に「日本を愛するデビッドマシューズ」の原点はこのアルバムから・・・

2017-03-03 | MY FAVORITE ALBUM
Manhattan Jazz Quintet / David Matthews

 年明けから始まったビッグバンドのライブ巡り、1月にはジョンファディス、三宅裕司、野口久和と続いたが、それぞれテーマがあり編成やアレンジにも拘りがあって楽しめた。
 2月もビッグバンドが続いた。野口茜のmboでは、もう一人のリーダー双木さんがインフルエンザでダウン。ビッグバンドではメンバーが一人欠けてもトラで乗り切るのが常だが、リーダーも兼ねるとなると代役探しも大変。実施も危ぶまれたそうだが、急遽松木さんがピンチヒッターを務めて無事終了。パーカッションが加わりラテンフレーバーで一味違うmboの演奏も、いつも通りいい感じであった。

 続いて守屋純子の毎年恒例のコンサート。今回のお題は「ルディーバンゲルダー」トリビュート。どんな嗜好かと思ったが、彼女にとっては彼女のアメリカ録音がバンゲルダースタジオで縁があったとか。昨年亡くなったバンゲルダー追悼の意味だったのだが、彼女の周辺では昨年バリトンの重鎮宮本大路さん、そして長年一緒にプレーした長老尾田悟さんと相次いで不幸が続き、今回のコンサートはそれぞれの方々のメモリアル曲が続いた。

 カウントベイシーは最近メンバーもほぼ固定化され、さすがアンサンブルもソロも本家ベイシーサウンドの貫禄だった。ベイシーオリエンテッドのアマテュアバンドは多く、たまたま前日も聴いたが、やはり本家の演奏は格が違うと言わざるを得ない。今のリーダーのバーンハートに代わってからは活動にも気合が入っているようで、ライブだけでなく、前作のクリスマスアルバムに続き、新アルバムもすでに録音済みとのこと、発売が楽しみだ。今回のステージは定番の曲だけでなく、モーテンスイングなどのオールドベイシーの曲から、新アルバムに入っているというスティービーワンダーの曲まで、ベイシーサウンドを幅広く楽しめたのも収穫。

 そして、佐藤春樹ビッグバンドは新装開店のお披露目。若手メンバーも多く参加していたが、今回は4ビート中心にやるとのこと。ベテランとのコンビネーションもよく、4ビートといっても古いスタイル、昔のアレンジの焼き直しという訳ではなく、リーダー佐藤のアレンジが光る。スタンダード曲とオリジナルのバランスも良く今後に期待。
 河野広明ビッグバンドは、フィルケリーのアレンジを中心にオリジナルも含めていつものように西海岸のビッグバンドサウンドが楽しめた。
 2月最後は角田健一。定期公演の大きなホールも良いが、ピットインでのライブは盛り上がりも一段と。ビッグバンドの名曲、そしてジャズスタンダード中心のプログラムだが、流石王者の貫禄。締めとしては最上のライブであった。
これからも連休にかけて、ビッグバンドのライブが多く予定されファンとしては楽しみだが、今年は旅行の予定もあり、はたして何回聴きに行けるか?

 さて、しばらく中断してしまったアルバム紹介だが、ビッグバンドを聴き続けたのでビッグバンドをとも思ったがそれは改めて。先日、ウィントンマルサリスのスターダストを聴いた時、このアルバムも久しぶりに引っ張り出してあったので、まずはこのアルバムから。

 昔から母国以上に日本で人気が出たミュージシャンは多い。自分が子供の頃、ムードテナーの王者にサムテイラー、そしてジョージオールドといったテナー奏者がいた。歌謡曲のブルース物には欠かせない存在であったが、自分は子供心にこれがジャズだと思っていた時もあった。もっとも、彼等も本国ではジャズやR&Bをやっていて、そのプレースタイルは必ずしも耳慣れたサウンドだけではないことを後で知った。ジャズ以外でもエレキブームのきっかけともなったベンチャーズなども日本で絶大な人気を得て、晩年も毎年のように日本に来て地方回りをしていた。

 ジャズの世界では、ファンキージャズの立役者アートブレイキーは、初来日の時の歓待が余程気に入ったのだろう、すっかり日本贔屓になってその後も何度も日本に来ていた。彼の場合、日本での評価は過去の人気の延長だったような気がするが、内容的には本国アメリカでの評価の方が上回っていたかもしれない。特に有望な新人の発掘能力、そして彼らを活かしたジャズメッセンジャーズサウンドは最後まで衰えなかった。

 本国よりも日本での人気が上回ったジャズミュージシャンの一人にデビットマシューズがいる。プレーヤーとしてよりも、コマーシャルからジャズまでオールラウンドなアレンジャーとして活動がスタートであった。ダンスバンド、そしてジェイムスブラウンのバックに始まり、表立った活動を始めたのがCTIレーベルのサウンド作りに加わってからだった。 
 それが評価されたのだろう、世界に通用するフュージョンを提供するレーベルとしてキングレコードが立ち上げたエレクトリックバードレーベルの一連のアルバム作りに数多く加わった。これが、日本との接点が増えたきっかけであり、プロデューサーの川島氏とのコラボレーションのスタートとなった。

 その活動も定着し一定の評価を得た時、スイングジャーナルの編集長であった中山氏から提案があった。このマシューズにフュージョン色を排し、ハードバップスタイルのメインストリームアルバムを作ってはどうかと。これがこのマンハッタンジャズクインテット(MJQ)の誕生となった。1984年の事であったが、折しもこの頃はフュージョンが全盛であった一方で、新伝承派といわれるマルサリスなども台頭していた時だった。

 このマンハッタンジャズクインテットのファーストアルバムがこのアルバムとなる。日本では当然話題となったが、辛口のファンからはフュージョン育ちがハードバップをやっても、それはジャズではないという声も上がった。セールス的にもよく売れたが、内容的にも評価され、結果的にスイングジャーナルのディスク大賞では先日紹介したマルサリスのスターダストの銀賞を押さえて金賞を受賞した。

 スタジオワークではファーストコールであったルーソロフとジョージヤングの吹っ切れたソロに、新人チャーネットモフェットのベースも話題となった。スティーブガッドの4ビートも、フュージョン派の4ビート、今思えば懐かしいサウンドだ。新伝承派の面々とは一味違ったメインストリーム、ハードバップを、あまり線引きには拘らなかった自分としては心地よく聴いた記憶がある。

 その後、マシューズはこのMJQに加え、マンハッタンジャズオーケストラ(MJO)を誕生させた。アレンジャー歴の長いマシューズにとっては、このオーケストラの方が自ら先に作ったリーダーバンドだった。これをMJOに衣替えした訳だが、こちらもマシューズ風の編成とアレンジで、彼の斬新的なビッグバンドサウンドをよりポピュラーな存在にした。
その後、どちらのグループもジャズスタンダードといわれる良く知られた曲を選んでアルバム作りを行い、日本では益々人気を得てMJQとMJOを交互に率いて毎年のように日本ツアーを行ってきた。

 最近では、MJOが東北大震災の直後の放射能漏れ騒ぎの真っ只中、予定したメンバーから来日を辞退者が多くいたにも関わらず、日本人プレーヤーのサポートを得て予定通りツアーを決行した。これまでお世話になった日本への恩返しという意味もあったのだろう、こんな大変な時こそ元気与えなければといった熱気を感じさせるライブであった。

 このMJQのアルバムが生まれてから30年、メンバーは変ってもMJQは昨年も新しいアルバムを録音しているようだ。日本人の手によって誕生し、日本人の為にカスタマイズされたバンドであったが、その活動を通じてマシューズ自身を日本人にしてしまったようだ。

 マシューズは今では日本に居を構え、最初は熊本、そして今では八戸を拠点とし、日本の良さが残る地方にすっかり溶け込みながら、日本全国を飛び回っている。たまに、ドラムの奥田英人とコンボを組んで都内のライブハウスに出演することがあるが、そこでは一ピアノプレーヤーとして入魂の演奏を聴かせてくれる。やはり、ピアノのプレーではマシューズに宿るジャズ魂は、ジャンルや編成に関係なくひとつのようだ。

 先日、サックスのエリックマリエンサルが来日し、色々なセッションでそのプレーを披露してくれたが、いずれもアルバムで聴く演奏とは全く違った熱っぽいものだった。やはりライブでの演奏はそのプレーヤーの本質を楽しめる。一昔前のフュージョン、メインストリーム論争、それはあくまでもアルバムを通じての評価だったように思う。 過去のアルバムを聴くのもいいが、生のジャズを楽しみにライブ通いが続きそうだ。

1. Summertime      G, Gershwin
2. Rosario         D. Matthews
3. Milestones        Miles Davis
4. My Favorite Thing    Richard Rogers
5. Airegin         Sonny Rollons
6. Summer Waltz      David Matthews

Manhattan Jazz Quintet
Lew Soloff (tp)
George Young (ts)
David Matthews (p,arr)
Charnett Moffett (b)
Steve Gadd (ds)

Produced by David Matthews & Shigeyuki Kawashima
Recording Engineer : Michael Farrow
Recorded at A&R Studio, New York on July 13 1984

MANHATTAN JAZZ QUINTET
クリエーター情報なし
キングレコード
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いつも相手のいる仕事をしていると、たまには一人にしておいて欲しくなることもある

2017-03-02 | CONCORD
Willow Creek / Marian McPartland

 最近、著作権に関する話題が多い。パーマ大佐が「森のくまさん」の歌詞をかってに変えてCDを出したと訴えられた。著作人格権の同一性保持権の侵害ということらしい。とりあえずは解決したようだが。ジャズの世界では、原曲のメロディーを変えて演奏するのは当たり前、ほとんどの場合アレンジも施されている。先日紹介したミッシェルペトルチアーニのメドレー物を自作曲としたものなど完全にアウトだろう。歌詞も、その場の雰囲気に合わせて自由に変えることもよくある。アドリブでスキャットにしてしまうことも。という点で、歌詞についても同一性が保持されていないことは多い。

 次に、JASRACの音楽教育からも楽曲の使用料を徴収するという話。これには、音楽教室などから反論が相次ぎ、権利を持つ作曲家からも自分の曲は自由に使っていいという声も上がっている、果たして、JASRAC側の言い分がそのまま運用されるかどうか?

 これまでも音楽の権利に関しては、放送やレコードなど新しいテクノロジーやサービスが登場するたびに、その中での権利の取扱いについて新たなルール作り、そして運用上の問題が起こって来た。よくジャズの歴史の中で、ちょうどビバップが生まれた頃、ミュージシャン側のレコーディングストが起こり、当時(1942年〜44年)のレコーディングが少ないとか、そのお蔭でマイナーレーベルが誕生したとかの話が残されている。

 著作権はそもそも元の権利者を守るのが主旨、ところが実際にはその権利を代行する団体や事業者のビジネスが一番に考えられているような気がする。アメリカのレコーディングのストも、ミュージシャンの保護というよりも、音楽家教会(AMF)が自分で突っ走ったといわれている。

 昔、現役で仕事をしていた時、私的録音録画補償金制度に関わる仕事をしたことがある。各種のレコーダー機器が登場したことにより、私的利用とはいえ放送やレコード・CDが自由に録音をされることにより、元々の権利が侵害される(利益機会が減る)ので、その分の補償をハード機器に付加するという制度だ。結局、ハード機器に転嫁され、我々が高い買い物をしている構造だ。

 ところが、デジタル放送への移行期にコピーワンスというルールを作ったのに、同じように補償金を払うのは如何なものかとメーカー側が反論した。この制度に元々無理があった。メーカーから集めた補償金の分配先は各業界の権利団体まで、その先の権利者に分配する仕組みがなかった。当たり前で、何を録音、録画したかの記録がなければ、個々の権利者を特定できずに配分できないのは自明の理だ。結局は、権利者を守るといっても、潤ったのは利権団体だけだった。

 よく問題になるのは、放送コンテンツの権利。日本の場合これまで、オンエアを前提にして放送局に権利が属していた。後で再利用したくても、最初に取り決めが無かったので自由に使えない。ジャズの世界も、昔はNHK、民放を問わずテレビやFMで毎週のようにコンサートの中継やスタジオ収録の演奏がオンエアされよくエアチェックをした。これら演奏には今となってはお宝もあるが、この放送コンテンツがその後CDになったという話はめったに聴かない。
 一方で、欧米の放送コンテンツはよくアルバムとなって登場する。エアチェックや海賊版を別にすれば、最初から権利処理がされていたということになる。以前紹介したジムホールとロンカーターのライブ録音も、最終的な権利は演奏者のものとなっていたので、放送局の許可が無くても新たにアルバムにできたということだ。
 
 結論は、聴き手にとっては様々な作品、そしてその演奏を幅広く、自由に聴く機会が増え、権利を持っている人にとっては、何らかの形でその対価が払われればいいのだが、そう簡単にいかないのがこの著作権絡みの課題だ。

 さて、今回の主役はピアノのマリアンマクパートランド。コンコルドの所属となって、これまで何枚がアルバムを出してきたが、当時の彼女の活躍の場の中心は自分がパソナリティーを務めるラジオのレギュラー番組「Piano Jazz」。1978年に始まり、亡くなる2年前の2011年まで33年間も続く長寿番組だった。「徹子の部屋」のマクパートランド版なので、毎回ゲストを招き、おしゃべりと演奏を楽しむという企画だ。
 彼女自身の演奏、ゲストだけの演奏もあれば、2人のデュオもある。ゲストはジャズミュージシャンだけでなく他のジャンルまで及ぶので意外な組み合わせも。CDになったものだけでも30枚以上だが、他もその多くはネット上にアーカイブされて今でも聴くことができる。これぞ、権利処理の理想的な姿のように思う。

 そのようなマクパートランドが、コンコルドで新たなレコーディングをしたのは、1985年の年明け。ちょうど、ラジオではこの頃ガレスピーと共演していた。放送の為のスタジオ通いには慣れていた彼女だが、この日行ったスタジオはフレッドハーシュのスタジオClassic Sound Studio。そこで、いつものような共演相手もなく一人ピアノに向かった。

 この日演奏した曲は、彼女のオリジナルWillow Creek以外もすべてがバラード。それもジャズスタンダードといえるのはI’ve[ Got a Crush on You位。ブルーベックからスティービーワンダーの曲までバラエティーに富んでいる。しかし、演奏は彼女のジャズピアノのお手本のようなタッチで、特に演奏に変化を持たせることもなく、原曲の良さを一曲一曲噛みしめるように淡々と続く。
 日頃は、トークを含めて相手との掛け合いに神経を使っているが、この日はあくまでも自分との対話。またには、「一人でこんな日もあってもいいのかな」といった雰囲気のアルバムに仕上がった。

1. Without You                    Ahmad Jamal 3:41
2. The Things We Did Last Summer      Sammy Cahn / Jule Styne 5:28
3. All in Love Is Fair                Stevie Wonder 4:36
4. Willow Creek        Loonis McGlohon / Marian McPartland 3:27
5. Long Ago (And Far Away)       Ira Gershwin / Jerome Kern 2:54
6. Someday I'll Find You                Noël Coward 4:40
7. I Saw Stars      Al Goodhart / Al Hoffman / Maurice Sigler 4:05
8. Blood Count                   Billy Strayhorn 5:01
9. I've Got a Crush on You     George Gershwin / Ira Gershwin 3:53
10. Summer Song                    Dave Brubeck 3:21

Marian McPartland (p)
Produced by Carl Jefferson
Engineer ; Frank Kulaga
Recorded at Classic Sound Studio, New York, January 1985
Originally released on Concord CJ-272

Willow Creek & Other Ballads
クリエーター情報なし
Concord Records
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