ゲリラ的取材と街の防衛力

2016年05月26日 09時26分51秒 | 業界のかけら

春風亭昇太師匠は、
僕の住む街に良く飲みに来る。

僕もしばしば遭遇するが、
会うのはいつも、
地元民に愛されている「個人店」だ。

昇太師匠が『笑点』の司会に大抜擢となって以来、
そんな個人店にあやしい女性が出没しているという。

店に来るなり、
名刺のひとつも出さずに、
昇太師匠についてアレコレ聞いてくるらしい。

そんな失礼な人物に答える店主はいない。
常連客も同様だ。

しかし彼女は懲りずに、
まだ別の店に現れ、同じことを繰り返す。

実はすでに、
週刊誌の記者と思われる不躾な女性が、
昇太師匠について嗅ぎまわっているという情報は、
地元個人店の間に行き渡っている。

それどころかこんな注意も、

「記者は可愛らしい女性なので、
 ついつい酔った勢いで適当なことをしゃべらないように」

もちろん、この注意は半ば冗談。
「××さん大丈夫?」という酒場の笑いのタネである。

みんなで街の人気者を守る、
そんな昔ながらの空気が、
僕の住む街には今も残っている。
 
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