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偽客(さくら)の説教

2013年08月25日 08時43分43秒 | ホラーのかけら

出会い系サイトの偽客(さくら)の女性は、
実は男がやっている場合が多い。

Mさんもかつて、偽客のバイトをやっていた。

バイトはみんな、
何人かの女性キャラを担当するのだが、
Mさんの担当の中に、資産家の未亡人がいた。

私とつきあってくれたら、
数百万円差し上げますと言うのが、
彼女の手口だ。

こんな見え見えの手で、
引っかかる奴がいるのかと思うが、
リアリティのある女性キャラより、
ずっと人気あったそうだ。

サイトの責任者曰く、
「我々は夢を売っているんだ」

なるほど。

そんな未亡人キャラの馴染みとなった男性がいた。

アクセス数だけ課金されるので、
会う会うと言いながら引き延ばすのが、
偽客の腕の見せどころだ。

すると、ある時、その男性が言い出した。
「数百万円とはいいません。
 10万円でいいから貸してください」

そして10万円が必要な理由を切々と語り出したそうだ。

それを読んだ未亡人キャラ(正体はMさん)は、
彼の生活状況などを詳しく聞いた後、

「あなたなら大丈夫。
 ~~すれば、10万円ぐらいすぐ稼げるよ!」

と励ましの言葉を送った。

すると、相手の男性は、
こんなに親身になって考えてくれるなんてと感激。
その日から真面目に働き始めたそうだ。

同時にMさんも、
あほらしくなったのか、
それとも罪悪感が湧いたのかはわからないが、
その日かぎりで偽客のバイトを辞めたそうだ。