悪筆が生んだ伝説

2012年09月21日 08時11分43秒 | 業界のかけら

悪筆で有名なベテラン放送作家がいる。

彼がまだ駆け出しの頃の話だそうだ。

侍が出てくるコントを書いた。
その中にこんなト書きがあったそうだ。

「侍、魚を抜く」

敵と戦う場面で、
刀ではなく魚を抜くのだ。

意味不明だ。

その意味不明さに、
「あいつは天才だ」と評判になったそうだ。

だから彼は言い出せなかった。
本当は「魚」ではなく「刀」と書いていたことを。

彼の悪筆で書かれた「刀」という文字を
みんな「魚」と誤読していたのだ。

それにしても、
どう書いたら「刀」を「魚」と読み間違えられるのか。