さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人(第21話〜25話)」までを見て

2022-06-27 22:50:18 | ドラマ鑑賞

ついに、25話の最後に頼朝が天に召された。通説のように落馬して亡くなったというよりも、落馬する前に馬上にてすでに意識を失っていて、そのせいで落ちた・・という演出になっていた。

思うに、この大河ドラマは、「草燃える」や「北条時宗」を見てきた人を相当に意識して番組作りをしていると思うのだ。草燃えるを意識しつつ、違う風に違う風に作っていると思うのだ。そして視聴者をして、「あれも良かったが、これもいい」と思わせるのに成功していると思う。

大泉洋は、回を追うごとに頼朝らしくなっていってて、それでいて大泉らしさを失わない点を両立している。番組初めに日本地図が映って解説が入ることがあるが、その時の頼朝を表す写真が、大泉のはずなのにめっちゃ頼朝なわけである。

曽我兄弟の敵討ちも、実は頼朝暗殺が主目的で、敵討ちは隠れ蓑・・そして幕府の体面上、敵討ちとしての美談の方を後世に伝えたという設定が面白かった。工藤祐経が初回から出ているもんだから、どんな曾我の仇討ちを見せてくれるか楽しみにしていたが、なんと頼朝の身代わりに殺されるという・・しかもしばらく誰が殺されたのかわからないという、意図的な肩透かしも面白かった。兄の十郎も死に場所を得られなかったし(ナレ死さえも許されず・・)、まこと型破りな仇討ち話であったが、そのとばっちりを受けた蒲殿(範頼)の最期は哀れであった。

しかし、鈴木京香さんが演じる丹後局・・強烈だったなぁ。政子も大姫も濃いキャラのはずなのに、あれにはタジタジ。・・ていうか、見てる私も腹立って、殴れるもんなら殴りたい思ったほど。それだけ鈴木京香さんの演技力はすごいのだ。

キャラが濃いといえば、比企能員の妻・道の悪者ぶりには・・・比企が疎まれるようになった元凶はこの人のせい・・ということにするのか。

ところで、この番組のどこが「北条時宗」を意識して作られているか・・というと、テーマ曲である。真ん中の・・サビの再現部のちょっと前あたりにモンゴル民謡のオルティンドーらしきものが微かに聞こえるところである。オルティンドーは、日本の馬子唄にも似ていて、女性が高音でア〜アアアア〜と、ターザンみたいに歌い上げるのであるが、北条時宗のテーマ曲にはこれが何回も登場する。鎌倉殿の13人では、たった1回、それらしきものが聞こえる程度であるが、北条が天下を握った後に訪れる元寇という大事件を暗示させるものだ。頼朝の死は1199年、チンギスカンの即位は1206年であるが、大陸で起こっている不穏な動きをテーマ曲の中に表現しているんだな。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする