ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「外套」

2011-04-10 18:19:23 | オペラ
3月11日新国立劇場中劇場で、プッチーニ作曲のオペラ「外套」を観た(ただし14時46分まで。新国立劇場オペラ研修所公演)。

セーヌ川の伝馬船船長ミケーレにはジョルジェッタという年の離れた若い妻がいる。彼女は若い荷役人夫ルイージと恋仲で、今夜もマッチの火を合図に逢引の約束をしている。ミケーレは妻に、昔のように愛し合いたいと訴えるが、妻の心は閉ざされたままである。夜になり、ミケーレは甲板でパイプを吸う。この時つけたマッチの火を合図と勘違いして、ルイージが船に忍び込んでしまう・・・。

装置・・灰色の壁に囲まれた空間が様々に動く。
途中「ミミ」のテーマがちょっと歌われる。

妻ジョルジェッタ役の立川清子は声もよく声量もある。
妻の愛人ルイージ役の人は音程が悪い(しばしば高過ぎる)。

「外套」という言葉が出る時、曲調が急に暗くなる。「去年は外套で赤ん坊をくるんで、親子3人幸せだった・・」という歌詞なのに。そう、この夫婦にも幸せな頃があった、それも遠い昔のことではない、しかし赤ん坊の死をきっかけに二人の仲は冷めていき、もう元に戻れなくなってしまったらしい。ここの音楽は、これから起こることを暗示して聴衆に固唾を飲ませる。

夫婦は船上で語り合うが、打ち解けることはできず、妻は去る。夫がこれからパイプに火をつけ、忍び込んできた妻の愛人を殺すという息詰まるシーンとの間、ちょうど歌のない時だった、揺れが始まったのは・・・。

しばらくは舞台の何かの仕掛けかとも思われたが、そのうち客席から立ち上がる人も出始め、オケピットの楽団員が楽器を抱えて逃げて行くのが見えた・・・。

この日はもう一つ、「ジャンニ・スキッキ」というコミカルなオペラと二本立てのはずだった。この日舞台に立つはずだった方たち、オペラ歌手を目指して日々研鑽に励んでいる若い方々には、本当に同情に堪えない。

ちなみに筆者はこの後、いつもなら1時間弱のところを6時間半かかってようやく帰宅できたのでした。


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