ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「夏への扉」

2011-04-04 17:35:26 | 芝居
3月10日ルテアトル銀座で、ロバート・A ・ハインライン作「夏への扉」を観た(劇団キャラメルボックス、脚本・演出:成井豊+真柴あずさ)。

原作は1956年作。そしてこれが何と世界初の舞台化!まさに快挙だ。本作品への溢れる愛を感じた。

実は筆者、この前日(!)にハヤカワ文庫版の原作を衝動買いし、何とか読了したのでした。やっぱり順番(読んでから観る)が大事だと思うし、ハインラインの名前は前から知っていたし、中でもこの作品は「永遠の名作」だとうたってあるので買って損はしないだろうと、「遅読」に自信のある筆者にしては一か八かのリスク(本番までに果たして読み終えられるか?!という)を冒して購入。だって読めなかったらむなしいでしょう。
ところが文章は読み易いしストーリーはメチャメチャ面白いしで、どうにか一日で読了できたのでした。皆さんもぜひ読まれるといいでしょう。

ストーリー:ダニエルは親友と二人で会社を設立、「ハイヤード・ガール」と名付けた家事用ロボットを開発したが、婚約者と親友とに裏切られ、会社もロボットも奪われてしまう。残ったのは飼い猫のピートだけ。彼は二人への復讐を誓うが、逆に捕らわれの身となりコールド・スリープの冷凍場に送られてしまう。長い眠りから覚めると、そこは30年後の2000年だった。会社は?彼の発明したロボットは?愛猫ピートは?その頃彼は、ひょんなことからタイムマシンについて聞き知るのだった・・・!!

台本は長い話をうまく刈り込んでいる。ヌーディストクラブをジュードークラブに変えるなどの工夫も。何よりもまず、この作品では猫のピートが活躍するシーンが重要だから舞台化なんて無理では?SFXを駆使した映画でないと・・・と思ったが、何とこの猫を人がやるのだった。猫でさえそうなのだから、ロボットたちなんか彼らにとって何の問題でもないのだった。

ただ一点、ダニエルが少女リッキーのことを考える時、二階に彼女本人が現れるのはおかしいし、そのために話が分かりにくくなったと思う。

「キャラメルボックス」という劇団は初めて観たが、若い人が多くダンスが売りらしい。
少しドタバタ調が多いようにも感じたが、発声はみんなしっかりしていて好感が持てた。
恐れを知らぬ若者たちの勇気と大胆さに感じ入った次第。
文学作品に感動してこれを舞台化したいと夢見、何年もかけてその夢を実現させた人々に幸あれ!

今回の大震災で、この劇団も困難な状況に直面しているらしい。
どうかあきらめないで、今後もよい作品を上演していってほしい。応援しています。



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