ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「レ・ボレアード」

2023-12-18 09:58:36 | オペラ
12月8日北とぴあ さくらホールで、ラモー作曲のオペラ「レ・ボレアード」を見た(指揮・ヴァイオリン:寺神戸亮、演出:ロマナ・アニエル、オケ:レ・ボレアード)。



セミ・ステージ形式、フランス語上演、日本語字幕付き。

レ・ボレアードという団体が、同名のオペラを上演する。
ちょっとややこしいが、これが指揮者・寺神戸亮の悲願だったという。
この作品は1763年に完成し、リハーサルが始まっていたが、初演を待たずに作曲家ラモーが亡くなり、その後、何と200年もの間忘れられていて、
20世紀後半に再発見された由。
しかも、そんなに古い作品なのに、様々な事情から今日でもめったに上演されないという。
この北とぴあ国際音楽祭がスタートした時、寺神戸亮氏が、フランス・バロックオペラの巨匠ラモーの最後の作品であり
知られざる傑作の評判高い「レ・ボレアード」(北風の神々)と、北区の「北」をかけてオケの名前にしたという。
以来、この作品の上演は彼の悲願となり、今回、セミ・ステージ形式での全曲演奏となった。
全曲演奏は日本初演。

バクトリアの女王アルフィーズは、国のため北風の神ボレ(ボレアス)の血を引くボリレとカリシスのいずれかと結婚しなければならない定めにある。
しかし彼女は出自の分からないアバリスという青年と愛し合っていて、他の男性との結婚など考えられないと侍女セミルに打ち明ける。
一方アバリスの方も、苦しい恋心を吐露していると、大司祭アダマスが現れ、彼を励ます。
そこに、アルフィーズがボレから逃げて来る。
愛の神アムールが降臨し、アルフィーズに魔法の矢を手渡す。
アルフィーズとアバリスは希望を抱き、喜びを取り戻す。
ボリレとカリシスがアルフィーズに結婚の決断を促し、民衆も国王選びにしびれを切らす。
アルフィーズは覚悟を決め、女王の座を退くと宣言。
アバリスは喜ぶが、ボレの息子たちは怒る。
アバリスは自分のために身分を捨てさせてはいけないと思い直し、愛よりも王位を優先するようアルフィーズを諫めるが、彼女の意思は固い。
ボレの息子たちは復讐すべく、二人の不正を罰するよう訴えると、ボレの怒りは嵐となって猛威を振るい、つむじ風がアルフィーズを連れ去ってしまう。
人々はボレの怒りが収まるように祈りを捧げる。
大司祭アダマスが現れる。
アバリスはアルフィーズから授かった愛の矢で自殺しようとしてアダマスに止められる。
合唱が、西風の神ゼフィールの翼について語る。
アバリスは死を覚悟しつつも、アルフィーズを助けるため、愛が呼ぶところへ飛んでいく、と叫ぶ。
激怒するボレの拷問に苦しむアルフィーズのもとに、愛の矢に導かれたアバリスがやって来る。
ボレたちはアバリスを殺そうとするが、アバリスが矢で制止する。
その時アポロンが降臨し、アバリスは我が息子であり、母親はボレの血を引くニンフであると明かし、王位を与えるよう告げる。
ボレはこれを受け入れ、二人の結婚を祝福する。
二人は抱き合い愛の勝利を喜び合う。
二人の愛を祝福してコントルダンスが踊られ幕となる。

ふう・・・あらすじを書いただけで、もうぐったりです(笑)

久し振りにバロックオペラを見た。
ストーリーだけなら1時間くらいで終わるところを、それとは無関係にやたらとダンスが入る。
しかもそれぞれ繰り返しつきで。
もちろんその間のラモーの音楽は素敵なのだが、とにかく長い(3時間15分)!
現代人にはいささか忍耐が必要かも。
ひょっとしたら歌舞伎みたいに飲み食いしながら鑑賞していたのかも知れない。
昔の人は、ダンスの間にそれまでのストーリーを忘れてしまったりしなかったのだろうか。

歌手ではアルフィーズ役のカミーユ・プール、セミル役の湯川亜也子、アダマスとアポロン役の与那城敬が特に印象に残った。
フランスとポーランドから招いたというバロックダンスのスペシャリストたちのダンスも素晴らしく、見応えがあった。

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