ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

2008年のシェイクスピア劇

2009-02-24 21:27:18 | 芝居
 前にも書いたように、‘08年に観たシェイクスピア劇は二つのみ。今回はそれらについて書きたい。と言ってもだいぶ前のことなので、ほんの覚え書き程度だが。
 
 ① ハムレット:International Theatre Company London(演出 P.Stebbings)5月12日早稲田大学大隈講堂   

 いきなり歌と太鼓とギターで始まる。
 舞台装置は台形に置いたベンチ(?)のみ。それを巧みに用いる。
 亡霊は黒い衣に白い人型のようなものが描いてあるのを着て、まるでゾンビのよう。ハムレットに語りかけるシーンではライトを落とし、4人が同時に語る。テーブルの下にもぐり込んでセリフを言うのはやめてほしい。

 ハムレットは声がいい。よう狂のシーンもうまい。
 オフィーリアは変身が素晴らしい。前半のおどおどした小娘ぶり、そして後半は(お決まりだが)白い衣に裸足。歌もうまいし声量も充分だ。
 ローゼンクランツとギルデンスターンはまるで道化。二人は顔も衣装もそっくりで、登場後しばし芸(?)を披露して客席の笑いを誘う。
 
 笛を吹け、というシーンはカット。
 一座の座長の「ヘキュバ」もカット。フォーティンブラスもカット。
 劇中劇はあやつり人形(に扮した人間3人)が演じる。
 
 王が "more light!"と言うと、会場のライトが一斉について休憩に入ったのがおかしい。
 
 王妃の部屋で、老人は布をかけたベンチの下に隠れる。ハムレットは剣を持たず、彼を絞殺する。
 
 ホレイショーは王子の手紙を何と王妃に渡す!王妃は何やら言うが、あれは一体誰のセリフなのか?

 墓掘りは1人だけ、つまり第5幕第1場のあの会話もカット。
 中央を一部布で隠して上手に墓掘りのシーンを作っていた。
 残念ながらオフィーリアはいない。

 最後は主役の "silence " というセリフで終わる。昔銀座セゾン劇場で観たリュビーモフ演出のハムレットを思い出した。

 全体に、少ない人数でやりくりして、カットも多いがうまくコンパクトな作品に仕上げていた。

 

② ロミオとジュリエット:オックスフォード大学演劇協会、8月9日、東京芸術劇場
    
 冒頭、正装の貴族たちがいきなりthumb bite から始める。しかも片方は一人というのはおかしい。
 剣の代わりにナイフ(dagger?)を使う。

 仮面舞踏会でどうやって恋に落ちるのか、といつも思わされるが、やはりその時二人は目隠しをはずしている。
 バルコニーがないのはやっぱりいやだ。
 二人だけの秘密の結婚のシーンがセリフに合わせて短く作られ、ジュリエットが歩くところからバッハの無伴奏チェロ組曲第一番の生演奏が流れた。俳優の一人がチェリストなのを利用したらしい。

 ロレンスをティボルトと同じ人がやるのはいいが、何と言っても若過ぎる。

 ロミオはティボルトをピストルで撃ち殺す。
 マーキューシオをベンヴォーリオが運び出さないから、そのそばでロミオがセリフを言う時、矛盾がある。

 第3幕第3場でロレンスがロミオを諭す素晴らしいセリフのあとの、これまた味わい深い乳母のセリフがカットされていて残念。

 中央に置かれたテーブルが、休憩後白布で覆われている。これが二人の新床、そして墓所になるようだ。

 キャピュレットがすごくうまい。恰幅がよく、どう見ても30代だ。この人はOBか?

 ベッドの二人の手前で、両親はパリスと結婚式の日取りを決める。

 ロミオが毒を仰いだ時、ジュリエットが動き出したのでびっくり!ほんの一瞬二人は再会し、ロミオは生き返ったジュリエットを見て死ぬ。
 ロレンスは墓でジュリエットと会わない。

 このように、ちょっと納得のいかないところもあったが、変わっててなかなか面白かった。





 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プリーストリー作「夜の来訪... | トップ | チェーホフ作「ワーニャ伯父... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

芝居」カテゴリの最新記事