ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

鳥のカタログと鶴見幸代展@沖縄

2018年11月11日 | 現代音楽

オリヴィエ・メシアン『鳥のカタログ』第7巻の表紙はダイシャクシギ (Le Courlis Cendre)

ラムサール条約の漫湖でも観察出来るようです。この前行った時には見当たらなかったけど。

金武ダム近くにも飛来するそう

ここでも会えなかった

せめて弾きますか

自分もバード・ウォッチングを始めると、メシアンは鳥の声だけではなく、その場の音も聞いてスケッチしているのが分かります。

鳥の観察場所は静かな場所で、音がしたら鳥は警戒して来ない。でも音楽で「無音」でそのまま表現するワケにはいかないので、いかに静かな山奥であるとか、湿地帯であるかということをイメージさせる音楽を作るわけです。実際、曲を聞いていると、鳥の声がしないか聞き耳を立てているような感覚になる。ある種、環境音楽なのかもしれないな〜と思います。

現代音楽ですけど

 

沖縄では住宅地でもフツーに見かける「イソヒヨドリ」(Le Merle Blue)

この曲は中国っぽいオリエンタリズムが所々あって、メシアンは中国でイソヒヨドリの声を採ったのかと思いました。近所にいる鳥なので琉球音階で書いて欲しかったなぁ。明らかに「ここ(この曲)は中国」と分かるシノワズリ・テイストで、毎日鳴き声を聞いてる身としては違和感がある。曲の完成度とは全く関係ないんだけど・なんかね

 

どちらの鳥も沖縄で観察出来るのに、曲について語れる相手が沖縄では首里に、ごくわずかしか生息してなく、どっちが絶滅危惧種なんだかと思う日常。

 

絶滅危惧種仲間の鶴見幸代さん。自作についてアツく語ってます

手前は鶴見CD

音楽家にとって(おそらく美術家も)自分について語る以上のエクスタシーはないと思われます。いつもは控えめな感じがガーリーな魅力の鶴見さんも、こと自分音楽史と作品についてとなると、話す話す

 

ギャラリーの方もいつもの鶴見さんがこんなに話すとは思わなくて、トーク時間は1時間に設定したんでしょうね。シーンとして気詰まりになっても・・と気を遣ったのかな。全然・足りないです

開催中ですよ〜週末だけだけど 鶴見幸代展@アーツ・トロピカル

 

鶴見さんは「星座」をテーマに、12星座の星の地球からの距離とか、位置、光の強度を音に変換させたピアノ曲を作りました。

勉強出来そう

仕上がりはシンプルで、プラネタリウムで鳴ってたらステキそうでした。メシアンとかシュトックハウゼンの「夜空に煌めく星を表現」した曲はキラキラ系というか華やかで「天の川」みたいな感じなんですよ。

楽譜と創作ノートの展示

音も聴けます

今のツルミンにとってサイコーに心地よい生息場所。

リラックスしてるし

この円がまた五線紙になっているのだよ

こちらのオーナーは美術家でデザイナーでサウンド・アーティスト(美術系)でもあるそう。

ジョン・ケージの「4分33秒」

のスコアを初めて見ました ちゃんと楽譜として売ってるとは

横のアール・ヴィヴァンART VIVANTもなつかしー 六本木と池袋にあった80年代の西武カルチャーですよ。堤清二氏のような企業家が日本にまた出現するでしょうか。IT長者はカネの亡者のような印象しかなくて、ナゼ豊かな時代を経たのに、ボンビー臭い成金しかいないのか不思議。「衣食足りて礼節を知る」はずなのにねぇ。。

 

ところで鶴見さんの後ろに見えた本棚をよく見ると・・

ココは恵比寿のナディッフ Nadiff か という本がいっぱい

ヤザワでも持ってなかった「シュトックハウゼン音楽論集」とか etc...

ケージ本も揃ってるし

それに美術手帖とユリイカも

これは首里(沖縄県芸)の図書館より現代音楽部門は充実しています

オーナーは県芸の美術部ご出身だそうですが、この現代音楽関連本の充実度はスゴい

ちょっと自分の生息地も広がった感じで嬉しかったです

 

「このヒト(→ヤザワのこと)、フリメの話とかヤバめの話となると、まるで千夜一夜物語のように語るんですよ」とツルミンに紹介されました

 

ツルミンだって自分史をまるで源氏物語のように語っておりましたぞ

 

次回も「相撲ミュージック」について、ツルミンが源氏物語のように語ってくれますよ〜


鶴見幸代展@アーツ・トロピカル

 

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