ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

Absolute-MIX 2022 Electro-Acoustic Quartet

2022年10月25日 | 現代音楽

今年も開催する運びとなりました

 

去年は「平石博一の音楽を中心に」、今年は前半が平石さんで後半がスコット・ジョンソン

最先端のエレクトロ・アコースティック・ミュージックとなるべく スコットの90年代の曲はA-DAT(VHSビデオテープにかつてはマルチトラックで録音した)から立ち上げ、編集していただきましたよ Scott Johnson

 

疲れてるのはスコットだけではございませんて

 

プログラムのConvertible Debtは2001年にアンサンブル・ノマドが弾いてるはずなんですが、一体どうやって弾いたんだと思うほど早いテンポで変拍子の連続で、しかも1拍目にアクセントのないクリック 。紀雄さん(ノマドのリーダー佐藤紀雄さん)は「面白かった」と言ってて、スコットを紹介して良かったな〜と思ってたはずなんだけど?

 

それが

「私は今どこを弾いてるのてか曲はどのあたりなわけ」と(曲が)過ぎ去るという練習状況。

四分音符が156とか180で変拍子の連続で・・・

他のメンバーからは何も言ってこないというのがまた。。弾けないのオレだけ?

いや。きっとまだ忙しくて楽譜を見てないのかもしれない。1ヶ月前くらいに見て弾いて泡を吹いて気絶という事態も念頭に置かないと(プロデューサーの使命)

 

ついに作曲家本人に

「あのー1拍目にアクセントがないので、どこなんだか全然・分からないんですが。他の演奏家の皆さんは本当にこれで弾いたのでしょうか クリックのmidiデータを送っていただければ、私が楽譜を見ながら1拍目にアクセントを足しますんで

とお伝えしたところ

「この曲はmidi以前のもので、midiデータはないのです。フィナーレ(楽譜ソフト)からmidiを起こしてアクセントを書き込んでみます」

から始まり、「お。言ってるみるもんだな」と思ってたら・・・

 

「A-DATのステレオデータにフィナーレから起こしたクリックを合わせたらズレる」という返信が来たので:

「それはProToolsに元のA-DATのステレオとクリックを貼って、そのクリックの下にフィナーレのクリックを貼って、それを波形編集するのですよ。私はそうして練習用のクリック+CDを作りました」

と返信したところ

「それはもうやってる。これでは全部、手で打ち込むしかなくて発狂しそうだ もうエンジニアを雇う

と金で解決するまでの道のりが大変でした

 

アンサンブル・ノマドもA-DATを持ち続けてるか、持ってても再生する機械がもうないはずなので、また弾く時にはアップロードする必要がある。

ジョンソン氏もA-DATを再生する機械をNYのスタジオにいくつか聞いて「奇跡のようにあった」と喜んで、しかしなかったらどうしたんだという危機一髪の状況だったのでした。

 

セーフ

 

その間、ヤザワもモノラル(片チャンがオケでもう片方がクリック)のデータをテンポを遅くしてみたり、CDの音源を貼って、カウントオフが短すぎるので2小節足してみたりという、なんて事ない作業を波形で(オーディオ)編集したので、それはそれはもう大変な作業となりました。クリックとCDがずれないように波形を合わせるんですよ。しかもプロツーじゃなくてLogicだしなまたプロツーも使うかなと思いましたよ。使いこなしきれないのでやめたんですが

もう最悪、A-DATは変換出来なくて、このヤザワお手製のCD音源付きクリックで本番をするしかないかもという前提で頑張ったわけです。

他の精鋭メンバーは弾けてるにせよ、企画者のオレが弾けないという事態はありえないからさ

まあピアノパートはやっぱり音は多いし大変ではあるんですよ

 

平石さんも昔のエレクトロニクスの曲はデータを変換出来なくて再演出来ない曲がけっこうあるんです

 

人類の遺産。失うわけにはいきませんぞ。そういう意味でも今回のヤザワの働きは偉かった

本番用のデータもこのブログを書いてる今、送られてきました

ビバ!90's

衣装のドレスコードもロック&90's です

 

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隠し撮りじゃないよシリーズ:Generation X (2001)

2022年10月09日 | 現代音楽

Absolute-MIXの前身、Generation Xのホームビデオ記録

 

Generation X (2001) by Tomoko Yazawa - piano + synthesizer -

 

懐かしい。この映像の不鮮明さと音の悪さ。当時はこんなもんだったんですよ〜

しかも途中で終わってるし 

全部で70分くらいのノンストップ・プログラムだったのに これしか記録が。。

 

それにしてもこの時代によく頑張ってこんなことしてたと思いますよ。

映像もブチ切れなのは色んな作家の映像を使用したから。今なら自分でiMovieでちゃちゃっとループにしてしまうとこ。

なんとVHSヴィデオテープで繋げたんだからね 

もうピアノ以上の脊髄反射的編集ですよ ビデオデッキ2台で。自分で。

元の映像はいただいているので、このプロジェクトをまたやる気になれば、編集してキレイな映像でお見せすることも出来ます。mp4に変換済み

 

かつて、理工学部でこの映像を見せながら講義したことがあるんです。その時に:

 

「どうしてこういうことをしてるんですか」という質問を受けたり、「誰もやってないことをやるのは怖くないですか受け入れられなかったらとか」とかアンケート/感想をもらいました。

 

ヤザワの返事というかリアクションは:

「自分が初めてやることだから、観る人も初めてなので、これは失敗だ、とか判断出来るとも思えない。前例がないわけだから。それだからこそ思いっきり出来る」

とか

「映像は観るもの、音楽は聴くもの、という予定調和的なことに自分は飽きている。新しいことをしてみたいから。映像と音楽を自分のイメージ通りに融合させてみたかった。自分には共感覚があるので」

とか答えたと思います。

スゲー て感じで学生は引き潮のように引いて、それ以上の質問も来ませんでしたね。。

 

ひょっとしたら、映像ループも出来ない技術で、何をこの人はしたいんだろうという遠回しな理系的な技術に対する批判だったのかもしれないですね。

しかしそんなこたーどうでもいいのだ。そう思うならバイトでやってくれないとリクルートすればいいし 今は自分でも出来るしね。

 

平石さんの曲もいっぱいかけて、この時からDJぽいことは始めてたんです。

ノンストップのプログラムというのもDJみたくしたかったから。

プログラム後半の続きはAbsolute-MIXになってからの映像でまた

 

 

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