マニアというわけではないんですが、G.LigetiのEtudes pour pianoのCDを4枚持ってます。
Etudes pour piano 1er livre は1985年に作曲されて1986年に出版されました。ちょうど留学してた頃なのに、パリでの初演はなぜか聞いてないという。夏期講習でも行ってたのかな?後日、聞きに行った友人から:「すごく難しい曲で。ピアニストが曲の途中で止まってしまって。ピアニスト泣いてました。」という報告を聞いて、「へえ!そんな難しい曲があるのか!」と俄然、興味が湧いてすぐに楽譜を買いに走ったという。
現在、1巻(No.1~No.6)はフィナーレで打ち込んだ楽譜もありますが、初版から10年くらいは手書き譜のもので、見ただけで目が点になるほど強烈な楽譜でした。
「これをフィナーレで打ち込んで出版社に売り込みに行くんだ」と、あの楽譜を打ち込んでるヤツがいるらしいよ、という噂を聞いたのも懐かしい昔となりました。実現したんだね。オメデトウ。もっと早くに仕上げててくれれば、譜読みもかなりラクだっただろうに。もう1巻はほぼアンプしてるので、今さらフィナーレでキレイになったものがあっても。
それにしても当時のフィナーレでコレを打ち込んだというのは、弾くのと同じくらい根性あると思う。2巻は打ち込んだのかな?フィナーレの機能もかなりアップしてるとは思うけど。やるなら早くして~。あと4曲、譜読みしたらまた要らなくなっちゃう~
話をCDに戻すと、1番最初に買ったのは:Volker Banfield のエチュード第1集(No.1~No.6)とメシアンのまなざし5曲とのカップリング。87年にリリースされてすぐに買ったもの。もしかしてこのヒトがパリ初演の時に途中でワケ分からなくなって止まっちゃった、というピアニストかな?(笑)「泣いた」と聞くと、ぶりっ子エマールか、という気もするケド。
次に買ったのが:Fredrik Ullenのエチュード1集と2集(No.7~No.14)。96年のリリース。88年から95年にかけて第2巻を作曲したリゲティは当時、「これでエチュードは完結した」とかゆってたので、Complete Etudes pour piano by Ligetiになるはずだった。他にも48年に作曲したインヴェンション、とか61年の曲、デヴィッド・チュードアのための3つのバガテル、とか珍しい曲も入っていて、「これは買いだ!」と買ったのでした。
その翌年の1997年に、ソニーが「ストラヴィンスキー以後、初めてリリースする現代作曲家」とかのたまって(←もっと現代音楽やってよ、という意味。タン・ドゥンとか指揮者兼でなくても。)、リゲティの作品集を作りだしたのでした。
その3タイトル目が: Wroks for Piano。Pierre-Laurent Aimardの演奏。エチュードのNo.1~No.14まではもちろん、「もうエチュードは終わり」とかゆってたリゲティが、その後気が変わってNo.15を書いたのも収録。このNo.15は96年にアヴィニヨンで聞いて、気に入って、97年の3月にヤザワも東京で弾いたのでした。そのアヴィニヨンの時もリゲティは体調が悪くて来れなくて、お会いしたことがないんです。他、Musica Ricercataも収録。10曲もあって1曲しか好きな曲がないというムジカ・リチェルカータ。当然7番。それでも買うし。これでエチュードは全部揃ったことになるしね。
・・・ということにはならず、その後も「ものすごく具合の悪い」という噂のリゲティは16番、17、18番とエチュードを書き続け、「やっぱり会いに行ってみようかしら?」と2、3度は様子を伺ったものの、そうこうしてるうちにヤザワの母が具合が悪くなってしまってそれどこじゃなくなってしまったという。
そして「絶対、無理!飛行機なんて乗れない!」という家族の心配も振り切って、京都賞の授賞式に出席したリゲティ。賞金は5千万でしたか。客死されたらどーすんだ
という心配を主催側はしたんだろうか。クセナキスの時もそうだったけど。2人とも無事に来て、帰ることは帰っていったけど。それとも高額な御見舞金(賞金だっつーの
)いただいて、少し元気になったのかな?ということもあるし。だとしたら、本当に良かったと思う。
えーというワケで、4枚目に買ったエチュード集は:No.1~No.17で1枚の、2000年にリリースされたTros Can演奏のものです。
ベスト盤は当然、エマールの
と思うでしょ?
それが案外、そうとも言い切れないんですよ。
ヤザワ的にはビル・ゲイツ似のスウェーデンのオタク風情なFredrik Ullenの2巻へのアプローチが、腹が据わってて素晴らしいと思いました。どういう意味か
と申しますと、「巧く聞こえる」ためのリバーブなどを一切、排した仕上がりからも察せられますが、打楽器としてのピアノ、ポリリズムを88音で表現した作品であることを鮮烈に表現しています。なかなかクラシックのピアニストで、このようなほとんどジャズ的なアプローチで勝負しようというヘンなヒト(笑)はおりません。しかし、これこそがリゲティが求めたエチュードにおけるピアニズムだと思われるのです。
アー写もヘンです!(笑)さっきまで洗ってない髪を振り乱して練習してたのが、「撮影よ」と言われてあわてて髪を手で整えてみて、ネクタイを締めて背広を着た風です。(笑)「はい、チーズ
」と言われてひきつり笑いをした牛乳瓶底メガネさんです。髪を洗ってこざっぱりとカットしたら、ビル・ゲイツに似てると思うんだけど(笑)
それにしてもエマールといい、リゲティのエチュードなんざ弾くようなヤツは「牛乳瓶底メガネのオタク」と思われてるんだろうな。エマールのメガネなんてホントに渦巻いてるもんね。あれはあれで味があるケド。ちょっとオースティン・パワーズに似てない?Toro Can はベロフ似。コイツもなー・・「亜麻色の髪の乙女」とか「月の光」とかヴィジュアル的に痛いタイプだし。
Volker Banfield はアー写がなかったので検索してみたら:60年の美青年の写真がギャラリーに(HPの)アップされてました!白いスカーフをなびかせてピアノを弾いてるらしき写真も!(←現代音楽だから「絞められてる」ということもアル笑)
ポゴレリッチとかハンサムは、「亡き王女のためのパバーヌ」とかがハマってしまうので、難しい曲なんて弾かなくてもいいのよね。メジャーは単純で分かりやすく!王道!ガスパールも弾いてるけどネ。
そこへいくと、エルフェ先生は偉かった!激ハンサムということに溺れず、俳優にもならず(笑)、「愛の夢」がピッタリ
なヴィジュアル
にも関わらず、知性の赴くままにブーレーズとかクセナキスとか弾きこなして。
あーヤザワも!知性が赴くままに!リゲティを弾きこなして!レコーディングして!ばいーん!としたセクシー・アー写で!エチュードのベスト盤を作ってやるわ!
かなーり急がないとね。。
(←セクシー・アー写!ばいーん!
)
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