ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

尾高尚忠:ソナチネ

2016年10月25日 | 現代音楽

11月20日のコンサートで:尾高尚忠『ソナチネ』を弾こうと思って練習してます

 

コンサートの詳細は数日前のブログ Talk Concert 矢沢朋子 Piano+plus

 

CD発売コンサートなのに、なんで と思うかもしれないけど、だいたいコンサートでは「今後の告知」もすこーし入れるんです。

 

現代音楽ではない近代音楽な「ソナチネ」。滞在していたウィーンで書いたのか、帰国直後に書いたのか、大和情緒たっぷり

 

[Tomoko Yazawa Piano Solo Absolute-MIX]が、あまりにアーバン・テイストなので、逆に東京を思い出してしまって郷愁に駆られてます

上野とか善福寺川緑地公園のみごとなソメイヨシノを思い出して。桜吹雪とか、夜桜の幻想的な美しさとか。

「う〜さ〜ぎ〜追〜いし〜、か〜の〜山〜〜 」な心境。

ウサギも山もない環境で育ったので、この唄ではグッとはこないけど、「ソナチネ」はハマりました。

1951年に39歳で過労死した氏の29歳の時の作品。

まだ作曲家としては若手で、これからだったので、曲もピアニスティックでなく未熟で弾きにくい箇所もいっぱい。特に1楽章。でも1楽章の混沌とした中に、桜吹雪の中を歩いている映像が頭に浮かんで、何としてもレパートリーにしたくなりました。ピアノ曲の鈴木清順みたいなイメージかな。

 

こういう日本情緒をダイレクトに西洋楽器(ピアノ)で表現することは恥ずかしい。という感覚がクラシックの(プロの)演奏家にはあるような気がするけど、ヤザワ的には『子犬のワルツ』とか『トルコ行進曲』を弾くより、ずっと恥ずかしくない。てゆーか・映像は鈴木清順とか黒澤明の日本情緒が素直に評価されて、ナゼ音楽ではダメなのか。別にガイジンのような曲を目指さなくても「ステキな曲」を作って弾いていけばいい。と大手を振って発言してもイイ時勢だと思う。作曲されてから半世紀以上経って、この曲を正統に評価して紹介したいという気持ちもある。

 

共感できる曲が自分に合ってる曲。

 

フジコ・ヘミングの『ラ・カンパネラ』を初めて聞いた時、リスト本人も感動すると思われるようなリ・クリエイトぶりな名演奏に衝撃を受けました。

フジコさんが弾くリストの曲は、ほとんどのピアニストにとって練習曲のような、技巧を磨くための退屈な曲だと思う。よくまあ・こんな曲を・こんな感動的に弾けるものだ とビックリしたんです。

『不世出のリスト弾き』が21世紀に出現したんですね。

 

フジ子・ヘミング~ため息(リスト)

 

ちなみにリストの後期の作品から「現代音楽」の幕開けが始まります。

 

色々と他の人の演奏も聞いたりしながら、参考にしています

今回のコンサートで弾く曲は今世紀に作られたものなので、演奏している人も少なく、ヤザワだけのものもあるため、曲の紹介などをしていこうと思います

今回の映像は:番外編でフジコさんでした。このように『ソナチネ』を弾きたいものです

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする