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石黒浩先生の講演「ロボットと未来社会」を聞いてきた

「ひょうご科学技術トピックスセミナー」に行って来た。場所はハーバーランドの松方ホール。
 講師は、大阪大学の石黒浩先生。テーマは「ロボットと未来社会」石黒先生は、ご存知の通り、日本の、というより世界のロボット工学の第一人者。桂米朝師匠のをはじめ、さまざまな人間そっくりなアンドロイドを造ってこられました。ロボットの最先端のお話が聞けると、楽しみにしてハーバーランドまで足を運んだ。
 ものすごく面白い講演であった。70分があっという間に過ぎた。
 まず、石黒先生の言。「私はロボットには興味はなかった」では、何に興味があったのか。人間に興味があったとのこと。
 人間に興味があったので、人間を子細に観察する習慣が身に着いた。これが大切。ロボット工学を極めるには、機械だけを研究していてはダメ。人間そっくりのロボットを造るには人間というものを深く知る必要がある。だから、心理学、脳科学、認知科学も知らなければならない。
 ようは、人間とは何かを追及しているわけ。ロボットを人間に極力近づけるにはゴールたる人間を知ることが大切である。今のロボット工学ではロボットに感情を持たすことが可能。こうして人間にそっくりなロボットを造っていくと「不気味の谷間」におちいる。人間そっくりだからこそ、不気味なのだ。それは、「そっくり」だけれど、どこか人間と違うところがある。動きが違う。反応が違う。感情が違う。そっくりだけれど、微妙にどこか違う。だから不気味なのだ。この「不気味の谷間」を超えるロボットが、真に人間そっくりで、しかも不気味でないロボットがいまできつつある。
 こうして石黒先生は、近い将来ロボットが社会に溶け込み、人間のパートナーとして存在するようになる。
 さすが石黒先生。ロボットがひらくバラ色の未来をマジで信じておられる。SFでよくあるロボットが人間に反乱する。いや反乱するまでもない。こうして社会に多数あるロボットの制御管理をクラウドで一括してやるようになって、そのロボット制御のクラウドに何らかの異変があれば社会は大混乱になるだろう。質疑応答の時間にそのことを先生に聞こうとしたが、手を上げようかと思っているうちに時間が終わった。
 面白い有意義な時間を持てた。石黒先生、ありがとうございました。
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