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とつぜんコラム №170 そろそろ人類の終活を考えよう

 人類という生き物は、よほどケンカが好きな生き物と見える。文明勃興以前から、ずっと戦争をやってきた。文明を興してからも、人類は途切れず戦争をやっている。20世紀21世紀になっても、世界のどこかで戦争をしている。こうしているただいま現在も、世界のどこかで殺し合いをしているわけ。
 人類は平和だから戦争しているのではないだろうか。戦争する余裕があるから戦争してるのだ。余裕がなければ戦争なんかしない。
 太陽の様子がちょっと変っただけで、地球は燃える。ちょっと大きな小惑星が衝突すれば人類も含めて地球上の全生命は大きなダメージを受ける。こういう全地球的な危機が訪れば、戦争なんかしている余裕はないだろう。
世界中の戦争をただちに終わらせる一番良い方法は、どこか他の星から、ものすごく凶悪でものすごく強い異星人が地球に攻めてくることである。そうすると、くだらん戦争なんか、ただちに止めて、あっという間に人類は一つになり、その凶暴異星人に立ち向かうだろう。そうしないと人類は皆殺しになるか奴隷になる、こうなると必死になって力を合わせて危機に対処するだろう。
ようするに、人類は、今のところさしたる危機もなく、これからもずっと存続できるとの甘えがあるから、愚行を繰り返すのだ。余命が決まっていれば、バカなことをやっているヒマはないはずだ。
なにごとにも終わりがある。永遠に存続するものはない。この宇宙だって始まりがあり、終わりがある。人類も同じ。いつまでも人類が地球の盟主ということはない。人類もいずれ滅ぶ。というわけで人類もそろそろ終活ということを考えたほうがいいのではないだろうか。この星に人類が出現して500万年ほど。あまたの生命の中で突出した存在であることは間違いない。「知恵」を身につけ、それを武器に他の生き物を屈服させ征服し服従させ、あまつさえ絶滅にまで追いやられた生き物もいる。そうして人類は地球の隣人たちを足下にひれ伏せてきて、文明を築いてきたわけだ。
人口も増え続ける一方で現代70億人もの人類が、この地球上にはびこっている。これはもう地球一個で養うには限界を超えているのではないだろうか。
経済活動ひとつ見ても、市場は有限である。かっては帝国主義が成り立った。他国を侵略し強引に自国の領土にして販路を広げた。その帝国主義も過去のものとはなったが、製品の販路を開拓することは、資本主義経済において必要。多くの人口を擁する開発途上国が今は存在し、新たな市場開拓の余地はまだある。しかし、それも無限ではない。いずれ開拓の余地はなくなる。
文化芸術の分野も無限ではない。人類が長い間時間をかけて、営々と創作物を創作してきた。人間の知恵英知創造力とて無限にあるわけではない。いずれ全てのパターンが出つくすだろう。そうなると、あとは旧知のモノの組み合わせでしか創造物はできなくなる。その組み合わせも無限ではない。
永遠、無限というのは言葉だけのモノで現実には、そんなモノはない。そういうことを考えた上で、人類は、自ら創り上げたこの文明をいかに終わらせるか。立つ鳥跡を濁さず。人類の後継者にこの地球をどういう形で残すか。そのことを真剣に考えた方がいいだろう。そのことが、今の人類にとっても良い環境をつくるのではないか。また、いつか来る「人類の終わりに日」を 少しでも先に延ばすことになる。こう考えるとバカな戦争なんかしてるヒマはないはずだ。   
  
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