goo

ソロモンの偽証 後篇 裁判


監督 成島出
出演 藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、永作博美、松重豊、小日向文世、

 というわけで、後篇も観たぞ。前篇は宮部みゆき作品映像化としては、よくできていた。合格。で、この後篇だが、う~む。微妙なところだ。後篇の見せ所である裁判シーンは、なかなか緊迫感があって良かった。しかし、前篇にもいえたことだが、あの長大な小説を映画化するにしては未整理である。例えば、担任の先生が隣の女に暴行を受けたエピソードは、そっくり割愛してもいいのではないか。
 生徒たちの裁判によって、事の真相が判って来るわけだが、容疑者大出俊次が有罪か無罪かは最初から判っていることで興味を引かない。それよりも被害者柏木卓也の人物像が、この後篇のキモではないか。柏木を被害者と書いたが、柏木ははたして「被害者」であったのか。確かに柏木は死んだ。死人に口なし。死人の悪口はいいにくい。では、柏木は善良な人物であったのか。はたまた邪悪な人物であったのか。そこのところはネタバレになるのでいえない。ただ、この柏木のただ一人の友人、神原和彦が、この物語をしめる役割をになう。前編は藤野涼子が主人公であったが、後編はこの神原和彦が主人公といっていいだろう。主人公=物語のテーマを具現化するキャラクターと定義すれば、この事件の真の被害者と加害者がだれなのかよく判る。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )