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天井桟敷の人々


監督 マルセル・カルネ
出演 アルレッティ、ジャン=ルイ・バロー、ピエール・ブラッスール

 古いフランス映画である。1945年の映画である。白黒である。古典ともいっていいフランスのエスプリの香り高い名作として知られている映画だ。
 フランスはパリの下町タンプル大通り。通称犯罪大通り。見世物小屋、ストリップ劇場、大衆演劇の小屋が立ち並ぶ。日本でいえば、江戸の浅草六区か、大阪は新世界あるいは道頓堀、神戸なら新開地といったところか。
 そんな犯罪大通りを一人の女が行く。名前はガランス。美人。何をやっているかようわからん女。芸人らしい。ハダカが売り物のいかがわしい芸もする。今でいうならAV女優といったところか。カラダも売っているだろう。ヤバイこともやっているかもしれない。
 そんなガランスだが、一見、貴婦人風の美人だからいいよる男も多い。チャラ男の俳優フレデリック、パントマイムの若い芸人バチスト。そして伯爵モントレーも。
 19世紀はパリの下町を舞台にした、一人の魅力的な婦人をめぐるラブコメとともいえる。古きヨーロッパの文化の香りを味わえる。セリフが生きているから、映画というより舞台劇を見ているようだ。ただ、残念なことがひとつ。主役のガランス役のアルレッティが普通のおばさん。もうちょっときれいな女優さんなら良かった。
 
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