清須会議

監督　三谷幸喜
出演　大泉洋、役所広司、小日向文世、佐藤浩市、鈴木京香、浅野忠信

　織田信長が死んだ。早急に織田家の跡目を決めなくてはならない。織田家家臣団は話し合いで次代織田家当主を決めることにする。会議の場所は清須城。会議のメンバーは柴田勝家、羽柴秀吉、丹羽長秀、池田恒興の4人。会議の主導権を握るのは、筆頭家老の柴田。謀反人明智を討ち、信長の仇討ちを果たした最大の殊勲者羽柴。柴田は信長の三男信孝、羽柴は次男信雄を推す。信長の息子二人は一長一短。信孝は有能だが母方の血筋に問題。信雄はバカ。双方、決め手に欠ける。
　柴田vs羽柴の綱引きの間に立って、池田はあっちについたりこっちについたり。丹羽は最初は柴田に付き知恵を授ける。お市は羽柴に恨みがあり柴田の味方。そうこうしているうちに羽柴が逆転の一手をうって来る。
　三谷幸喜初の歴史もの。柴田勝家、羽柴秀吉といった、大河ドラマ等でおなじみの有名定番武将が、右往左往して、おなじみの三谷コメディを繰り広げるが、まあ、面白かったことは面白かったが。三谷の脚本で面白いのではなかったのが残念。大泉、役所、小日向、佐藤といった連中の少々ディフォルメが効きすぎな演技によるもの。役者の演技で見せる映画といえよう。なにせ、あのヘタなくせになんでも出ている剛力彩芽でさえも怪演を見せた。彼女は死んだ長男信忠の嫁で武田家から嫁入りしている信玄の娘松姫役。息子三法師が織田家当主と決まったことを聞いて、「これで武田の血筋は受け継がれる」と喜ぶ。眉を剃りお歯黒をして、剛力独特の棒読みセリフでこのセリフをつぶやいたシーンは凄みを感じた。
　いつもの三谷コメディにしようと思えば、柴田、羽柴を主人公にせずに、会議の議長を務め事務方をやっていた前田玄以を主人公にすえて、前田が、柴田、羽柴、丹羽、池田といった、個性的で自己主張が強くわがままな織田家重臣どもに振り回されながら、苦労して会議を進行していく様子を描けば、いつもの三谷コメディとなったであろう。

虎よ、虎よ！

　

類似書　アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ！」

　はい、みなさん。お久しぶりです。また、いっしょにお勉強しましょうね。2012年は日本文学の、2011年は古典の勉強をしましたね。今年はＳＦの勉強をしましょう。名作といわれているＳＦを、いっしょにひもといていきましょう。
　最初にお勉強するのはハルフレッド・へスターの「虎よ、虎よ！」です。類似書のアルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ！」は、ガリバー・ホイルの復讐の物語でしたが、本書「虎よ、虎よ！」は、リーグ3位の防御率ながら、阪神をクビになったジェイソン・スタンリッジの復讐の物語です。「ジョウント」なるテレポーテーションを駆使して、3安打完封完投しました。鬼才へスターの悪夢にも似た快作です。

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