goo

はじまりのみち


監督 原恵一
出演 加瀬亮、田中裕子、濱田岳、ユースケ・サンタマリア

二十四の瞳」「カルメン故郷へ帰る」などの名作を撮った名匠木下恵介監督生誕100周年記念企画の作品。木下監督の若い日のエピソードを映画化したもの。監督はアニメの名作「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の原恵一監督。
 木下は戦中、「陸軍」という映画を撮る。ところがラストが女々しく戦意高揚になっていないと軍部からうとまれる。次の映画の企画もストップさせられる。
木下は自分の思う映画が撮れないと、映画監督を辞めて故郷の浜松に帰る。
 故郷には病気で動けない母がいる。浜松も空襲も激しくなり危険。一家は山間部に疎開。ところが病気の母は身動きできない。病に悪いからバスに乗せられない。木下と兄、荷物持ちに雇った便利屋の3人で、母をリヤカーに乗せて、歩いて山を越えて疎開する。
 病気の母をリヤカーで運ぶ。それだけの映画である。わずか二日間ほどの話。映画の上映時間も96分と短い。このコンパクトな中に、当時の世相、映画界が置かれている状況、木下恵介の家族、木下恵介の人となり、木下監督の代表的な映画、そして木下が再び映画づくりの情熱を取り戻すまでの経緯。これらのことを手際よく表現している。しかも美しく哀しく、反戦の想いもこめて。  
さらには木下が一度は映画監督を辞めるきっかけとなった映画「陸軍」のラストシーンの実物を効果的に挟んでいる。田中絹代演じる母親が、息子が出征するのを見送る。このシーンがダメという軍部が支配している当時の日本に対する木下の絶望を表現。そして絶望から希望へと変わっていく心境の変化が、母を連れての山道の道中であったわけだ。
 見事な映画である。監督原恵一の木下恵介に対する敬愛が非常によく判る。
 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

芦屋川でお花見


 会社からの帰りしな、阪急芦屋川で降りて、芦屋川ぞいをお花見しながら家路につく。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )