goo

9月8日(月) 「桂米朝一門60年の軌跡」を観る

 堀晃さんかんべむさしさんがホームページで紹介されていた、NHK「かんさい特集 桂米朝一門60年の軌跡」だが、うっかり見逃してしまった。ところがさすがNHK、お金とるだけのことはある。早々に再放送してくれた。
 もちろん録画して観た。米朝師匠が米團治師匠に入門してから、上方落語を復興され、多くの噺を発掘し、多くの弟子を育てて、人間国宝になって、現代に至るまでを手際よくまとめてあった。
 小生が米朝師匠のファンになったのは高校生のころ。東芝から師匠の全集がLPレコードが出ていて、高校生の小遣いで1枚1枚と買い揃えていた。だから、小生も40年以上米朝師匠のファンをやっていることになる。40代50代60代と師匠の全盛期を知っている。思えば小生は実に幸せな上方落語ファンであることか。
 番組では米朝師匠が小米朝さんに「代書」の稽古をつける様子が紹介されていたが、こういうところはなかなか見れないので、大変に興味深いものを見せてもらった。また、師匠の書庫も映していた。もちろん、小生は米朝師匠の書庫を見るのは初めてである。これも興味深かった。
 小米朝さん。10月に5代目米團治襲名。もうすぐである。つい最近、小米朝さんの噺を生で聞く機会に恵まれた。ものすごく上手かった。米團治となる自覚がこれほどまで小米朝さんを成長させたのだろう。
 番組を観ると、枝雀師匠、吉朝師匠の死がいかに米朝師匠にとって大きな損失であったか痛いほど判った。枝雀師匠は自分を越える存在、吉朝師匠は自分の同志と米朝師匠はおっしゃっていた。しかし、ごく身近に二人の穴を埋める噺家がいたわけだ。米朝師匠にとっては小米朝さんは青い鳥だったのかもしれない。
 米朝師匠、80を超えるご高齢。一人でまとまった噺を演ずるのはもう無理。弟子とのかけあいで、高座でよもやま話をやる、という形でお客の前に出ておられる。どんな形でもいいから、師匠にはいつまでもお元気で、私たち上方落語を愛する者たちの前に姿を見せていただきたい。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

姑獲鳥の夏


監督 実相寺昭雄
出演 堤真一、永瀬正敏、原田知世、阿部寛、田中麗奈、いしだあゆみ、松尾スズキ、京極夏彦

 失敗作である。小生は、だいぶん以前だが原作を読んでいる。忘れているところもあるが、おおよそは覚えている。で、この映画だが、長大な(といっても京極作品では短い方)原作をはしょりにはしょって、むりやり映像化したという感じ。だいたいが京極夏彦の小説を2時間程度の映画にまとめるのは、どだい無理である。本気で映像化しようと思えば最低4時間は必要では。
 原作を読んでいる小生でも、ストーリーがよく判らなかった。読んでいない人ならさっぱり判らないだろう。シナリオが未整理なのだ。
 ただ、手を変え品を変え出てくる、実相時映像美学はたっぷり楽しめる。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )